July
200

八方尾根スキースクール教師【TOK】の個人的な日記です。興味のある人はどうぞご覧ください。(^I^)  
Ski Top   【TOK】への Mail
※ 映像をご覧になるとき。
当ホームページの映像がご覧になれない方は,下記の「Windows Media Player」をダウンロードしてご覧下さい。
  

スキー教師日記 」 July 2004  No.2

What's Today ?


07/31 インライン効果は?
07/30 “K.N”君からの

       大きなプレゼント

07/29 インラインのサポート軸
07/28 インライン...イイかも?
07/27
ズレ快感復帰年
07/26 グッキーの落下
07/25 奥の深い“スキー”
07/24 外向外傾・外スキー
07/23 雪と体にお任せ
07/22 大いなる飛躍
07/21 一歩引いたスキー
07/20 “Tok”の元気の源
07/19 コブの小回り
07/18 小回りの圧コントロール
07/17 【TOK】反省す...
07/16 チューンのプロ

  教師日記  
  7/1〜7/15 までの日記

*** これまでの日記***



* 2004年7月 No.1
* 2004年6月
* 2004年5月

* 2004年4月
* 2004年3月
* 2004年2月
* 2004年1月

* 2003年12月
* 2003年11月
* 2003年10月
* 2003年9月
* 2003年8月
* 2003年7月
* 2003年6月
* 2003年5月
* 2003年4月
* 2003年3月
* 2003年2月
* 2003年1月

* 2002年12月

* 2002年11月

* 2002年10月

* 2002年9月
* 2002年8月

* 2002年7月
* 2002年6月
* 2002年5月
* 2002年4月
* 2002年3月
* 2002年2月
* 2002年1月

* 2001年12月
* 2001年11月
* 2001年10月
* 2001年9月
* 2001年8月No.2
* 2001年8月No.1
* 2001年7月
2001年6月


*  以下 2001年

教師日記 5月

教師日記 4月
教師日記 3月
教師日記 2月
教師日記 1月

*  以下 2000年

教師日記 12月
教師日記 11月
教師日記 10月
教師日記 9月 #2
教師日記 9月 #1
教師日記 8月 #2
教師日記 8月 #1
教師日記 7月
教師日記 6月
教師日記 5月 


 * 以下 1998-2000

2000年4月 
2000年3月
2000年2月
2000年1月
1999年12月
1999年秋
1999年4月
1999年3月
1999年2月
1999年1月
1998年12月

【TOK】と一緒に滑るニュージーランド スキーツァー 
間もなく,申し込み受付終了となります


July 31/2004 (土曜日)  晴れ
  
昨日の夕方,夕立がありませんでしたので,“インライン”ができました。(^ ^) ここのところ,条件が許せば極力インラインをするようにしています。その理由は,オフシーズンのトレーニング...ということもありますが,それ以上に,「“インライン”はどのように“スキー滑走”のトレーニングとして役に立つか?」ということを見極めたい...という気持ちがあるからです。
  前にも書いたように,インラインは「ズレ」を伴わない滑走用具なので,「準カービングターン」的なトレーニングには良くても,実際の雪上の滑走フィーリングとは異なる...というように思っておりました。今でも基本的にその気持ちに変わりはありませんが,それでもどこかの部分で「スキーの役に立つとしたら?」という気持ちもあるのです。
  昨日は家内にビデオを撮ってもらい,自分の滑走感覚がどのようにインラインの滑りに反映されているか?を見ることにしました。約30分の撮影で10数本の滑りを撮影しました。「角付け」を意識したもの,「サポート軸」を意識したもの,そして「迎え角」及び「クロッシング」を意識したもの…と数種類の滑り方をそれぞれ大回り,中回り,小回りで撮り,それを検討してみました。
  結果は,その滑りの意識の違いがハッキリ滑り方の違いとして,映像に出ていました !!!  雪の斜面と違って,アスファルトの斜面は,斜度や凹凸など,その条件が全く同じで,しかもその凹凸もほとんどフラットなので,そこで現れて来る滑り方の違いは滑り手の意識だけ...ということになります。しかも今は夏で,上半身は「Tシャツ」,下半身もトレーニング用のタイツなので,身体の線がハッキリ出ます。ですから,意識及び滑走イメージの違いが,どう身体の運動の違いや,フォームの違いとして現れて来るか?...如実に判るのです。
  昨日イチバンのポイントは,「迎え角」を意識した時感じたフィーリングでした。かかと支点気味にし,敢えてスキーと同じ感覚で「迎え角」を意識してみたのです。そしたら来ました !!! 思ったよりも,自分が想像したラインよりもはるかターン内側にインラインの先端,トップが入り込んで来たのです。ズレを伴っていないはずなのに,トップが内側に入り込んでくる...?この現象については,これからの研究課題になりそうです。(^ ^)
  ヒョットすると自分が思っているより,インライン...役に立つかも…。




July 30/2004 (金曜日)  晴れ
 
 今朝はご覧のように,本当にイイ天気になりました。 !!! 
  朝起きた時は,まだ山稜には雲が掛かっていたのですが,その雲も取れはじめ,まるで秋のような,クッキリとした夏空が広がっています。(^ ^) 夏のこの様な天候は珍しいです。台風の影響でしょうか?
  最近「身体からの信号」...ということを良く思うようになりました。どういうことか?というと,トレーニングをする時は,その緊張している筋肉に,「オッ,今頑張ってるネ!調子いいかい?」と話しかけるようにしながら行なうのです。また,食事をする時は,その食物がどんな風に身体の細胞を作ることに貢献してくれるのかなぁー?と思いながら,食べることを楽しむのです。すると,身体のいたるところから,「ハイ,元気にしてるよ!」とか,「今,腸から吸収されて血管に栄養素として送られているトコロ...」というような信号が返ってくるのです。(^ ^) こういう風に意識するようにすると,トレーニングがすること自体が楽しく,苦痛になりません。また,食事も食べ過ぎや,偏食にならなくなります。苦痛無く抑制が働き,ビールの飲み過ぎも無くなります...(^ ^) ストレスを感じることなく「少欲知足」の世界に入れるのです。皆さんもぜひお試しあれ !!! (^ ^)

     *****
 今日は,スキー教師仲間“K.N”君のことを皆さんにご紹介したいと思います。
  “K.N”君はこの4月,モーグル大会の競技委員長として頑張っておりました。大会直前,エア台を試走していて事故に遭い,残念ながら下半身が思うように動かなくなってしまいました。(-_-;) その後手術をし,今長野市のリハビリセンターで機能回復に励んでいます。
  昨日彼に会いに行って来ました。正直に言って,彼の下半身が不自由な事を思うと,なかなか見舞いに行くことができませんでした。恥ずかしいことですが,彼の顔を見るのが気の毒で,なんと言っていいのか分からず,彼を見舞う事にためらいを感じていました。でも,妻の勧めもあって,昨日,意を決して長野まで行って来ました。
  行っ見て,ある種の感動を覚えました !!! 。それは彼“K.N”君の,「素晴らしい精神力」です。彼は,今自分が置かれている環境に完全に順応していました。残念だけれど下半身が思うように動かず,言うことを利いてくれません。でも彼はその状況を状況として受け入れ,その上でこれからの生活をしっかり見据えているように見えました。「下半身は不自由だけれど上半身は使える。だから2005シーズンからは“チャアスキー”に挑戦してみたい !!! それもオフピステをやってみたい !!! 」...と言うのです。顔は活き活きしていて,逆に事故に遭った事を利用している...と言うような,ししたたかさを感じました。事故に遭い,不自由な事を強いられるけれど,それに負けず,次にできることを求め続けていく...という姿勢を拝見して,「彼は事故に遭う前よりも,大きく強い人間になった !!! 」と感じました。リハビリを通して,五体健康で居た時には感じられなかった,体のいろいろな感性も,より敏感になった...というようなことも話していました。彼の身体の中の新しいセンサーが動き始めた !!! ...そんなことも思いました。
  帰りの車の中で思いました。私たちは五体満足で居るにも関わらず,いろいろな事に不満や不平を持ち過ぎている。不自由さの無いことが,逆に甘えの構造を助長させている...そんなことを考えました。「無病息災」ではなく,「一病息災」の方が恵まれているんだよ...ということを,私のホームドクターに言われたことがあります。無病だと安心して制御が効かなくなるけれど,一病があると健康に気をつけるようになる...ということです。彼“K.N”君も,「下半身が不自由になり五体満足とはいかないけれど,丈夫な他の四体がある。俺の人生はこの四体と共にこれから始まるんだ !!!」...ということで,逆に彼を強く大きくしたのだと思います。五体満足で居られる自分も,もっともっとその事の幸せを思い,“K.N”君に負けないようにしなければ...と感じたのでした。
  “K.N”君 !!! 君から,「いつも前向きに生きることの大切さ」を学ばせてもらった【TOK】でした。ありがとう !!! (^ ^)



July 29/2004 (木曜日)  晴れ
 
 今日もイイ天気の白馬です。(^ ^) 朝早く6時頃は稜線にも雲はありませんでしたが,今,7:10にはご覧のような雲が掛かりました。これは夏の特徴的な天候です。朝できるだけ早く行動し,午前中に行動を終える...これが,雷や夕立に合わないための,夏山の行動パターンの理想型です。(^ ^)
  この前,信じられないような話をベテラン山岳ガイドの方から聞きました。八方尾根を登り切ったところの山が「唐松岳」なのですが,昔そこで落雷で命を落とした人が居たそうです。ナントその雷,遠く志賀高原のほうからビシーン !!!と飛んで来たカミナリだったそうです。山ではカミナリは縦にではなく,横に,しかも数十キロの距離を光速で飛んで来る...ということなのですネ?!
  このベテランガイド...ゴロッとくると,直ぐ山小屋に非難するそうです。ホントに恐ろしい「山の雷」です。

     *****

  今日もインラインスケートの話です。
  一昨日のインラインのフィーリングが少し頭に残っていたので,昨日はその続きをやりに,松川川原に出掛け,やく1時間,インラインを楽しみました。(^ ^) 思い立ったら矢も盾もたまらなくなる【TOK】なのです。ハッハハハハ……(^ ^)
  一昨日のフィーリング...
「ターン前半の内向内傾」を楽しんでいたのですが,その内,ターン前半からサポート軸を意識するともっともっとバランス維持が楽になり,路面とウィールとのコンタクト感もしっかり意識できるようになりました。,(^ ^) ハッキリ言って,これは大きな収穫でした。(*_*) !!! これまで,インラインではスキーの特徴である「トップがテールより長い」ということと,「サイドカーブがある」ということが生かされないだろう...と思っていました。実際,インラインスケートの構造がそうなっていませんので...。ですから,かかと中心にして,つま先をターン方向に向けて行く意識...つまり下肢で自らひねって行くような意識が頭のどこかにあったのです。それが,それほどひねりを意識しなくても,「かかとと重心」,もしくは「かかとと外腰」,「かかとと外肩」などにサポート軸を意識しただけでイイ具合にターンしてくれるのです。(^ ^) つまり,この感覚はスキーの滑走感覚ともの凄く似ている...ということです。
  これまで,インラインはインラインで,スキーとは別もの...という風に思って来ました。役に立つとすれば「滑走感覚」だけカナ?...という思いがありました。でも,ここ数日の滑走で,「ヒョットすると“インライン”...スキーのトレーニングに向いているかも?」という気がして来ました。これから,もう少し勉強し,研究しないと何とも言えませんが,足裏感覚のトレーニングを含めて,大きな意味を持つような予感がします。(^ ^)
  そういう訳で,この夏はインラインにはまりそうな【TOK】でした。(^ ^)



July 28/2004 (水曜日)  晴れ
 
  今日も白馬はイイ天気です。(^ ^) 8:15今朝も気温は22℃で涼しいです。幸い昨日は夕立が無く,インラインで楽しめましたが,今日は雷が来るんでしょうか?
  さて,そのインラインですが,正式には「インラインスケート」と言うのだそうです。一時「ローラーブレ○ド」と言うような名前で呼ばれていましたが,これは商品名で今は「インラインスケート」と呼ばれているようです。でも,これをスキーのトレーニング用に使っている人たちの間では「インラインスキー」と呼んでいます。 この春,スキーで酷使しすぎたのか,それとも筋トレが悪かったのか,右ひざに違和感があり,ジョギングだとショックが大きいのでこの頃はバイクかインラインを多くするようになりました。
  昨日は約1時間,これで遊びましたが,なかなか面白いです。もちろん“スキー”ほどの面白みは今のところありませんが,昨日は「足裏感覚」にチョッとしたスキーとの類似点を感じました。...この詳しいことは教師日記で !!! (^ ^)
     *****

 
7/23の教師日記で“KEGON”さんから頂いた
e-mail を紹介いたしました。その“KEGON”さんから日記に対する返信がありました。(^ ^)


   『  TOK先生 早速教師日記に掲載していただき、丁寧に解説していただき誠にありがとうございました。先日e-mailの返信を早速にいただき、それを励みとしてますますスキーの事を考えている今日この頃でした。
  雪がないので、インラインでキャスターターンをイメージして滑っています。(常に12時ですが)去年撮ったビデオを見ると、母指球に乗ろうとしているので少し前につんのめりぎみになっています。昨日撮ったビデオをみると、キーキャスターを意識しているので、少し姿勢が高くなり、つんのめりが修正されています。左足の不快なバイブレーションも消えました。特に左足は膝が内に入りすぎる傾向があるのですが、キーキャスターを意識すると少し改善されていますし、踵をしかっり踏んでいる為、リバウンドもわずかですが見られます。インラインではスキーより外足一本に乗ることが難しいためか、小回りをすると舵取りでシェーレンが見られます。谷回りで外に押していく外足のキーキャスター体をあずけきれないために、内倒して内足の補助を求めるのかもしれません。
  今日教師日記で教えていただいた「外向外傾・外スキー」は小さいターンでは特に大切なことなのだなあと痛感しました。ご指導ほんとうに有難うございました。』



  
“KEGON”さんも“スキー”のトレーニングを兼ねてインラインをされているようです。(^ ^)
  
インラインでは常に12時…ということですが,これは車輪(ウィール)が横にはズレない構造になっていますから,進行方向は常に12時意識になって当然だと思います。インラインでもキャスター意識を持って滑るとバランスの取り方が良くなるので前につんのめる...というようなことは少なくなると思います。(^ ^)
  
“KEGON”さんの場合は,外足一本に乗ることが難しい…」ということですが,私はインラインでも極力外足一本に乗ろうとしていますので,内傾もそれほど深くなく,インサイドに乗ることもほとんどありません。ですから,シェーレン状になることはありません。もちろんスキーに比べればサイドスリップしないので,外足だけに乗り込んで行くのは大変ですが,これもトレーニングだと思ってやっています。(^ ^)

  さて,2001年9月に「インラインとスキー」ということでコメントを教師日記に載せていますが,昨日の感覚はその時のフィーリングと少し感じが違ったのです。(^ ^) 以前思っていたポイントは,「いちばん前のウィールで進行方向を決めていくことがポイントになる」ことと,「スケートと腰の間にスキーで言うところの反発エネルギーをいかに効率良く蓄えるか?」ということでした。かかとでの捉えよりもう少しつま先側での捉えを意識していたと思います。で,昨日,極端にかかと支点意識で滑ってみたのです。すると,つま先側のウィールの捉え圧が減少したためでしょうか,思ったよりも小さいターンが楽にできるのです。つまり,スキーで言うところの「ひねり操作」あるいは「ひねられ操作」に近い感触が得られたのです。そして小回りでは,ターン後半はスキーと同じように外向外傾のフォームが自然に出て来ました。下肢がひねられて行くわけですから,上肢がそれと逆側にねじられる様になるのは当たり前のことですが...。その結果,ターンの前半はその上肢のねじれが解きほぐされて,下肢が次のターン内側に入って行く感触になったのです。木村公信が言っている「ターン前半の内向内傾」がインラインでも現れたのです。(^ ^) ポイントはやはり「かかと支点」でした !!!。(^ ^) このようなターンをしていると,インラインでも“重心”の移動軌跡がフォールラインに沿ってまっすぐ移動して行く感覚になります。むしろスキーに比べ,横移動の量が少ないようにも思います。
  インライン...結構“スキー”のトレーニングにイイかも知れない...そんなことを思った【TOK】でした。(^ー^)



July 27/2004 (火曜日)  晴れ
 
 今日の白馬はご覧のように「晴れ」です。気温は今のところ,21℃で涼しいです。日中は30度近くになりますが,ホント朝夕が涼しくなってくれるので助かります。(^ ^)
  昨日,友人が地物の「キューリ」を持ってきてくれました。自分の畑で取れたもので,曲がったり,太く成長しすぎたりしているものもありましたが,これを氷水で冷やして,ニンニク味噌をつけて食べました。パリパリしていて美味しかったです。(^ ^)
  そういえば,スーパーで買ってきたキューリ...これは同じように冷やしてもそんなに美味しく感じません。なぜでしょう? モチロンみずみずしさも違いますが,どうもキューリ独特の匂いが無いからだと思います。その点,頂いたキューリには昔懐かしいほのかな匂いが...。  経済的には平均的に作られ,形の良いモノが良いようですが,味も素っ気もありません。その点,個性的に作られたモノにはそれぞれに味わいがある...。
  “スキー”も皆と同じモノでなく,自分流のスキーを見つけられたほうが「深い味わいが...?」と思った【TOK】でした。(^ ^)

     *****
 昨日の教師日記で,一応今シーズン皆さんから e-mail や掲示板で頂いていながら,返事を出ししていなかったご質問やご意見に対する回答...全て終了しました。(^ ^)
  思えば多くの方から,いろいろなご質問を頂きました。貴重なご意見も...。本当にありがたいことです。皆さんのこのようなお便りが,ホームページを運営していて上で最も参考になるデータとなっております。オフシーズンになってからも,毎日平均6〜700人の方においでいただいています。このホームページを立ち上げた時もそうでしたが,見に来ていただいた中の数人の方でもいいから,なにか参考になれればイイナァー...と今も思っています。
  さて,振り返ってみると,今年は「小回り」に関するご質問が多かったように思います。新検定システムの導入で小回りが必須になったこともあるでしょうが,切れのスキーだけで無い,ズレを伴うスキーの大切さに,皆さん気付かれて来たのかな?という思いもします。何がナンでもカービング...といった現象に少しブレーキが掛かってきたカナ?と...。言葉を変えて言えば,「内向内傾」意識から「外向外傾」...ということになります。この外向外傾無くして「小回り」はあり得ないのです。そして,この小回りを通して,ズレに乗っていくことの快感を経験された方も多いと思います。そういう意味で,2004シーズンは「ズレ快感復帰年」だったのかもしれませんネ?!(^ ^)
  確かにスキーの楽しみ方として,カービングターンのハイスピードでギューンと切って行くのは楽しいです。風を切る感触もなんとも言えません。しかし,それだけではないスキッディング系の「雪との会話」を楽しむスキーヤーが確実に増えてきています。そして,他人とは違う自分の滑り...ということを主張し始めたスキーヤーも見え始めました。整備したピステだけでなく,人間の手の入っていない自然の条件下を滑りたいというスキーヤーも...。このように,自分流のスキーの楽しみ方を求める人が,本当に多くなったと思います。みんなと一緒だから楽しい !!! ということもあるけれど,みんなと違っているから面白い !!! ということもあります。こうでなければならない,ああでなければならない...といった規制を取り外したところに本当の「スキースポーツの愉しさ」があると思います。
  今日の巻頭言にも書きましたが,スラッと形の良いスキーももちろんイイですが,曲がっていたり,ゴツゴツがあったり...の個性的なスキーも,またそれぞれに深い味わいがあって面白い...と思います。



July 26/2004 (月曜日)  曇り
  
今朝の室内の気温は21℃で晴れの白馬です。今,Tシャツですが,これだとチョッと肌寒く感じます。(^ ^) キット昨日夕方の夕立で白馬地域が冷やされたのでしょう...?!
  それにしても,昨日夕方の夕立と雷は凄かったです !!! 。午後3時半頃から一気に空が暗転し,ピカッ !!! ゴロッ !!! ドカァーン !!! ...の連続でした。雷の誘電でパソコンが被害を受けないように,慌ててコンセントから電源を引き抜いたのでした。
  今年は雷の事故が多そうだと,TV番組でも話していました。特に山に登る人...行動は午前中ですヨ !!!  互いに気をつけましょうネ。(^ ^)
     *****
今日は掲示板でのご質問に対する回答です。07/10に“山崎”さんから次のようなご質問を頂いておりました。


 
  『 初めまして。時間がございましたら教えて下さい。TKOさんの日記の中で、よく「落差を取る」「スペースを取る」という表現が出てきます。落差とは1ターン(谷回りから山回りまで)の滑走距離を長くするということなのでしょうか。切り替えのフラット(斜めの直滑降)部分を長くするということなのでしょうか。そしてその効果はどんなことがあるのでしょうか。突然の質問で申し訳ありません。よろしく。 』


  “山崎”さんお待たせいたしました。
  「落差」についてのご質問ですが,「落差をとる」あるいは「スペースを大きく使う」というのは右図「C→C」のように,フォールラインに沿った移動距離,つまり谷回りから山回りまでの距離を大きく取る...ということです。「B→D」の距離を長く取ることではありません。
  「落差をとる」効果はどういうことか?ということですが,簡単に言えば「落差を取った分,位置エネルギーが増え,ターンに必要な“圧”を作り出すことができる」...ということです。下の図のように「C1→C2」の移動距離(スペース)が長い,ということは結局スキーヤーが垂直方向に落ちる長さ,つまり“落差”が大きくなることです。スペースを大きく使えば結局「落差」も大きくなるわけです。この落差が大きければ大きいほど雪からやってくる力も大きくなりますから,ターンに必要な圧を有効に使える...ということになるのです。このことを「位置エネルギーを有効に利用する」と言います。例えば水力発電などはこれと似た良い例です。水を高い位置から低い所に落とし,その水圧で水車を回して電力を作りだしています。もしこの時,落差が少なければ,発電能力も少なくなってしまいます。落差が大きいほど大きなエネルギーを生むことができるのです。
  スキーもこれと同じです。私たちがお金を払ってリフトに乗りますが,これは言葉を変えて言えば「位置エネルギーを買う為にお金を払っている」...ということなのです。ですから,この落差を有効に使える人ほど合理的なスキーをしている...ということになるわけです。この斜面移動距離が少ないと,雪からの圧が少なくなりますから,それでもターンをしようとすると,自分の身体を動かして,ターンに必要な「圧」を作り出さなくてはなりません。この様な滑り方を,私は【Do】的なスキーイングと呼んでいます。それに比べ,移動距離をしっかり取って,雪の力でターンするやり方を【Letスキー】と呼んでいます。どちらも使えることが必要ですが,ほとんどの人は【Doスキー】をやりがちです。これはこれで結構ですが,より幅広いスキー,生涯スポーツ的なスキーをするには,【Let】的なスキーの乗り方を覚えるべきです。
  実は“キャスター・ターン”は,このことを学ぶ為のイメージなのです。そういう意味で,私のレッスンや,この教師日記では「落差を取って...」とか「スペースを大きく使って...」というような表現が数多く出てくるのです。(^ ^)
  グッキーはもの凄い速さで斜面移動をし,落下をしていましたが,これなどは結局「位置エネルギー」を有効に使っていた証拠だと,【TOK】は思っています。(^ ^)




July 25/2004 (日曜日)  晴れ
 
昨日,今日と薄い雲が掛かっていて,カラットした天気ではありません。マ,夏にカラッとした天気を望むほうがおかしいのかもしれませんが...。(^ ^)
  昨日トレーニングで「インラインスケート」をしました。スキー教師仲間3人で,近くの松川の河川敷で行なったのですが,適度に凹凸と斜度があり,スキーのトレーニングにはうってつけの場所です。以前“インラインスキー技術選手権”を開催した場所ですが,ここで大回りや中回り,小回りを想定して滑走感覚というか,回転感覚を磨きました。インラインスケート...スキーのトレーニングとしてベスト !!! とは言いませんが,重心移動の感覚や,足裏感覚のトレーニングにはイイと思います。
  河川敷の風を肌で感じながらの1時間でした。(^ ^)
     *****
 7/11及び7/12の教師日記でご紹介した“J.K”さんから,この日記を読まれた感想を e-mail で頂きましたので,今日はこれをご紹介いたします。


 
『  …いま読み返してみても長〜いメールでしたね。(笑) さて、7/12のコメント読ませていただきました。「人生経験が豊かで、好奇心が強く、素直で感受性の豊かな人ほどスキーがうまくなる潜在的ポテンシャルが高い!」というのはステキなことですね!! 基礎的な体力や運動能力が既にピークを過ぎている大多数の『オトナ(=またはオヤジ&オバサン)』にとって、フィジカル以外にこんな手があったのか!?ってな感じですかね。「そんなことはスキーだけじゃなく、人生全て同じだよ!」というような醒めた声も聞こえてきそうですが、人生の一般論ではなく、スポーツとしてのスキーのなかで想像力と創造力の重要性に気づいているかいないかは、やはり大きな違いになると思います。僕は雪面での感受性を研ぎ澄ますことは、一般論や抽象論ではなくスキーというスポーツの具体的な練習方法に踏み込んだ技術論と言ってもいいと思っています。(エラそうですね、スミマセン…^^;)
  ただし、先生も言われるように重要で絶対に外せないのが『イメージの共有』で、これができていないと効果が上がらないばかりか、誤ったフィーリングを求めてしまうことにもなりかねないですよね。厳密に言えば他人のイメージを感じることはできないので『イメージの共有』はかなり難しいことだと思います。でも、どういう滑走フィーリングの時に理にかなった滑りができているのかを自分で判断できるようになるには、イメージを想像しつつ雪面からのフィーリングをしっかりキャッチし、その情報をフィードバックして…イメージに修正を加えてさらに正確なものにしその時のフィーリングをキャッチし…ということを繰り返し、自分のイメージを洗練させていくしかないですよね。
  と考えれば、生徒の側は与えられるアドバイスを待っているだけでは決してイメージの共有はできない!ということだと思います。教える側が生徒の人となりを推し量ることが必要なのと同時に、教わる側には積極的に自分なりのイメージを探ろうとする姿勢が必要だということですよね。
  今日はこのへんで…』



  “J.K”さん e-mail ありがとうございます。日記を読まれてのご感想...大変勉強になります。(^ ^)
  私は高校まで野球をやって来ました。大学に入ってからスキーを始めたのですが,野球とスキー...この両方を経験してきて,この両者には決定的な違いがあるのではないか?と思っております。それは,何度かこの日記でも書きましたが,「重力に対抗する運動」と「重力を利用する運動」の違いです。
  “野球”は重力に逆らって自ら動き回るスポーツです。ボールが飛んで来たら,その近くに駆けて行って手を伸ばしグラブに取り込みます。この動きは,動き始めの一歩が,先ず重力に対抗して自分の位置を変える...ということから始まります。地球の引力に逆らって行動を起こすための「力」を,自らのパワーで作りだすことが,このようなスポーツの特性です。
  ところが,“スキー”では,自ら身体を動かして行動を起こすこともできますが,そうではなく,斜面移動をしていくことで自分で行動を起こさなくても,雪の力で運動をさせてもらうことができるのです。雪からの抵抗がその運動の源を作ってくれるのです。このようなスキーヤーは重力に従って落ちて行き,雪が与えてくれる圧力を「力」として使いこなしているのです。言ってみれば,重力を利用している...ということです。このような運動では,「雪からの情報を,どう感度良く的確につかみ取れるか?」ということが大事になります。つまり“感性”の良し悪しがポイントになるわけです。…というわけで,「人生経験が豊かで、好奇心が強く、素直で感受性の豊かな人ほどスキーがうまくなる潜在的ポテンシャルが高い!」...と仰るのはまことにその通り !!! なのです。(^ ^)

  また,「教わる側には積極的に自分なりのイメージを探ろうとする姿勢が必要…」...というのも,まさにその通り !!! です。教師が語っているイメージを,どう自分のこれまでの経験の引き出しから引き出せるか?ということです。引き出しの数が少なかったり,容量が小さいと,具体的なイメージが貧弱になり,思った効果が出てこない...ということにもなります。
  そして,教わる時だけに限らず,自分自身で楽しみの幅を広げていく意味でも,「自分なりのイメージの探求」は大きな意味を持っています。他人とは違った自分だけの感性を大事にすると,より個性的で豊かな“スキー”を味わうことができると思います。「オレンジ」,「キャスター」,「筆」...だとかとはまた別の,違ったイメージを皆さんが持たれたら,それはまたそれで本当に素晴らしい事だと思います。(^ ^)

  こう見てくると,私たちのスキーは人生そのもの...という気がします。その人の考え,人生経験がスキースタイルとなって現れて来るように思います。そういう意味では,“スキー”...奥が深い。(^ー^)




July 24/2004 (土用
日)  曇り
 
   今朝の白馬は曇り空 …。気温は23℃で,しのぎやすい白馬です。  (^ ^)
  この週末,海に向う人が大勢見られます。松本や安曇野の人達は,白馬を経由して糸魚川方面に向かい,日本海で泳ぐ人が多いのです。週末,朝はまだいいのですが,夕方,海から内陸に向う人で国道148号線は,いつも込み合います。でも,日本海の水はきれいで暖かいです。  (^ ^)
  聞くところによると,対馬海流が暖かい海水で,これが能登半島沖から佐渡,秋田沖,そして津軽海峡の近くまで行っているのだそうです。私は高校生の頃,10月に男鹿半島で泳いだことがあります。暖かい対馬海流のおかげだったんですネ!(^ ^) 
  皆さん,泳いでますか?
     *****
 今日は“KEGON”さんから頂いた e-mail のご紹介と,それに対するコメントです。


   『  初めまして。TOK先生。いつも楽しくホームページ拝見させていただいております。私はH県に住む45才の素人一般スキーヤーで、KEGONと申します。キャスターターンは、本当に参考になりました。ともすればトップコントロールという言葉に踊らされてしまって、つま先のみの加重になっていた私のスキーが変わりました。かかと支点あってこそのトップコントロールだったんですね。キーキャスターの大事さをおもいしりました。
  特に私は右足に比べて左足がへたで、悩んでいました。二本とも右足だったらいいのに、何度思った事でしょう。左足は本当に踏んだ気がしなかったのです。左足が外足のときは、左肩が上がり気味で外傾不足で腰も回り気味でスキーにも不要な振動が起きていた様な気がいたします。ところがキーキャスターを意識するだけで、左足も踏めるようになり外傾不足も腰の回り気味も気にならなくなりました。本当にありがとうございました。シーズンインが楽しみでなりません。
 長い休みがとれれば、八方に行って直接TOK先生にご教授いただければと思うのですが、思うにまかせず残念です。もしよろしければ、ひとつ教えてください。内足は積極的に加重するものではないと思いますので今まであまり気にしていませんでしたが、舵取りでスキーがシェーレンになってしまう場合(かなり上手いスキーヤーでも見られる)などを考えて、内足の接雪ポイントの解説など伺う事ができれば幸せです。私的には、カービングは4番キャスターでスキッディングは3番キャスターよいかなーと思えるのですが、どうなのでしょうか?』


  “KEGON”さん初めまして! e-mail ありがとうございます。
  キャスター・ターンがご参考になったとの事ですが,良かったですネ!(^ ^) お一人でも,そういう方が居られるという事は,スキー教師として本当に嬉しい事です。トップコントロールとかテールコントロールとか,昨年発刊された「新教程」で解説されていますが,【TOK】流の言い方をさせてもらえば,「どこを支点とするか?」ということだと思っています。仰るように,かかとが支点になればそこを中心としてスキーが左右に振れて行くわけですから,意識とすればトップをコントロールすることになるわけです。(^ ^)
  
「右足に比べて左足がへた…」...ということですが,ほとんどの人間は「左右非対称」です。つまり,右半身と左半身ではその創られ方が違っているのです。ですから,右も左も同じ意識で滑ろうと思っても,なかなか思うようにいきません。特に自分から雪に働きかける【Do】的なスキー操作では...。ところが,不思議な事に,雪の力でターンさせてもらおう...という【Let】意識にすると,それぞれ違いのある左右の体の構造にも関わらず,それぞれに合った身体の反応が自然に起こるのです。そして,右は右なり,左は左なりに最善の身体の反応が起こり,それぞれフィーリングは多少異なるものの,最終的なスキーコントロールはうまく行ってしまうのです。キャスターや“フィーリングスキー”を意識すると,それなりに身体の欠点やクセが修正されてうまく行くのですから不思議ですよネ!(^I^) 人がモノを“感じ”,それに“任せる”ということが,いかに人間の身体の持っている本来の能力を自然に引き出してくれることか !!! ...ということを強く思います。私はこのことこそ「雪の上で“素直”になる」ということだと思っています。多くのスキーヤーを見ていると,雪と喧嘩し素直になれない人がどんなに多いことか...。そういう意味で,“KEGON”さんは自然体でのスキーがおできになるようになった,ということだと思います。(^ ^)
 
 「舵取りでスキーがシェーレンになってしまう…内足の接雪ポイントの解説を…」...というご質問ですが,
シェーレンにしようとしてそうなるのではなく,シェーレンにしたくないのにそうなってしまう...ということであれば,外足一本でしっかり雪面を捉え続けることが肝心です。ターン内側への移行を考え過ぎて,内向内傾になったり,軸がインサイド側に寝てしまったりすると,内足での捉えが強くなり内スキーのインサイドエッジが効いて,外スキーよりもターン円弧が小さくなってシェーレンが起こってしまうのです。ですから,舵取り期では
先ず,外スキーで,雪面からの抵抗とバランスが取れる最善の外向外傾」を意識すべきです。内スキーに意識が行ってしまうと,外スキー意識は留守になり集中できなくなって,いい結果をもたらさないと思います。私は舵取り期では一切内スキーのことを意識せず,外スキー一本で滑ることに専念しています。レッスンでも内スキーに乗ることや,内スキーの使い方には言及しないようにしています。グッキーも言っていたように,スキーの基本はあくまで「外向外傾・外スキー」だと私も信じています。(^ ^)



July 23/2004 (金曜日)  晴れ
  白馬は今日も“夏空”です。(^ ^)
  夏はいつもの事ですが,晴れの日は朝6時頃まで,北アルプスの山並みが見えています。そして,次第に山に雲がかかり,8時過ぎにはご覧のような景色に...。気温も放射冷却が働いているのでしょうか,おかげさまで白馬は20℃くらいまで下がります。昼は30度を越えますが,それでも朝が涼しいのは本当に助かります。(^ ^)
  ところで,来春の3月までに行なわれる町村合併の話ですが,白馬と小谷の合併の話は無くなりました。住民アンケートの結果,合併反対数が賛成数を上回った結果ですが,私はこれはこれでいいと思います。数年しか受けられない交付税に釣られて合併し,地域の特色を無くしてしまう様なコトはしない方がイイと...。白馬も小谷も財政的に苦しいのは分かりますが,この両村はかけがえの無い「自然」という財産を持っています。金をかけてインフラ整備をすることも大事かもしれませんが,それよりも天恵の条件を生かし,住んでる人も,ここを訪れてくれる人も,「心が洗われるナァー...」と思えるような「心豊かな村」を目指した方がイイと思います。(^ ^)
     *****
 今日は“J.M”さんから頂いた e-mail のご紹介と,それに対するコメントです。


 
  『  TOK様 初めてメールをさせて頂きます。HPは2年ほど前から読まさせて頂いており、大阪の毎日新聞のスキーヤーの集いでお話をお聞きしたこともあります。50歳を超すシニアスキーヤーで、2年ほど前に念願の1級を取得しました。最近、足裏感覚のことをお書きになっておられるので、お聞ききしたくメール致しました。
  オレンジタンーンもキャスタータンも理解でき、まあまあ、実践も出来ると思っているのですが、足裏への集中を欠いたときや、急斜面、コブ斜面などやや困難な斜面では、ついつい、足指が立ってしまい、いわゆる、「猫の指」「猫の足」のようになってしまいます。すなわち、母指球への加重が、指先への加重に変わってしまい、指が曲がり、指先が立ったような感じになってしまいます。どの様な状況でも、足指は伸ばした状態にしておくのが正しいのでしょうか。また、私のこのような癖を直すにはどの様な練習が効果的でしょうか。もし、このような話題にふれるときで結構ですが、解説頂ければ幸いです。』


  
“J.M”さん e-mail ありがとうございます。返事が大分遅くなってしまいましたがお許し下さい。
  さて,「足裏への意識集中」と,その結果起こる「足の指先の状態」との関係に付いてのご質問ですが,結論を先に申しますと,「猫の指」状態の時もあるし,そうでなく「指先がブーツの上側に着く様に反り返る」場合もあります。では,どういうときに反り返え,どういうときに猫の指か?ということなのですが,実は雪からの抵抗の変化によってイロイロ変わるのです。私も,整地ではキャスターイメージで,かかと支点で滑り続けることができますから,結構指先が上がっているのですが,抵抗のある雪などに入った時はバランスが崩れ,気が付くと,つま先が猫の指状態になっていることがよくあります。(^ ^) もともと雪面状態が一様で無いのですから,かかと支点をキープしようとすれば,その抵抗の変化に見合ったように,自然に足裏の形も変化する...と考えた方がいいと思います。つまり,支点と重心を結ぶ「サポート軸」をしっかりキープしようとすればするほど,「バランス維持」のために雪の抵抗変化に応じた身体の反応が現れて来る...ということです。この反応...上半身や脚にも現れますが,それ以外に「足裏の形」にも影響を与えるはずです。
  ですから,
「どの様な状況でも、足指は伸ばした状態にしておくのが正しいのでしょうか?」...というご質問に付いては,「足指の形にとらわれず,かかと支点を維持しながらバランスを取ろうとすること」が大事...ということになります。もし,「足指は伸ばしておかなくちゃ...」という気持ちを持ってしまうと,身体全体が硬直してしまい,リラックスした反応は無くなってしまいます。このことは,足指の状態にとどまりません。身体全体が,「“サポート軸”をしっかりキープする !!! 」ということで生じる反応を,素直に受け入れ容認することが大事です。そうすれば,スキーヤー各自に合った自然な「形」や「フォーム」が現れて来ます。これこそがその人の「個性」なのです。自分で作ってしまう「形」や「フォーム」ではなく,バランス維持をしようとすることで,「自然に現れる姿」こそが大事なのです。「雪と自分の身体がマッチした結果生まれた,その人だけの姿」なのだと思います。
  「足指が伸びるも良し,猫になるも良し...全て雪からの抵抗と,自分の身体の反応能力にお任せ...」位の気持ちで滑られた方がイイと思います。ですから,このような足指の反応が現れたら,「オオォーッ,俺の足が雪とハーモニーを奏でているワ !!! 」と喜ぶべきで,これを「悪癖」と捉えて,直そうとしたりしないことだと【TOK】は思います。なるがまま...とは言いませんが,「雪と体にお任せ...」位の気持ちで滑られたら,もっともっと違った“スキー”が見えてくると思います。(^ ^) 



July 22/2004 (木曜日)  晴れ
  
みなさん !!! 暑さに負けず, お元気ですか?
  昨日も関東,特に甲府は暑かったみたいですネ?。ホントに,「暑中お見舞い申し上げます !!! 」 今日の白馬は久しぶりに朝から青空が見え,いよいよ「夏」という気がします。昨日まで連続六日間の「曇り空」でしたから,気温はさほど上がらず,しのぎやすい日が続いていました。
  そういえば,南米チリやオーストラリアでは一部大雪や寒気で大変だとのNEWSも聞こえて来ました。世界的な「異常気象」...という説もあります。急激な地球温暖化がその引き金になっているのでしょうか?「そろそろ人間...経済発展だけが目指す方向で無いことに気付くべき時が来たのでは...」そんなことを思います。
     *****

 
今日は“cshow”さんから頂いた e-mail のご紹介です


 
『 つい最近このホームページの存在を知って以来TOKさんのご指導法の虜になり、毎日のように拝見させていただいている学生基礎スキーヤーのcshowです。目からうろこが落ちっぱなしで、感動のあまり涙しそうになってしまいました・・・。特に大きな鱗が落ちたのは、支点と荷重点の話です。指導の現場では「踏む」の一言で片付けられていていた荷重点を、体重を支える支点である踵と、前圧を受け止める拇指球とに分けるお考えはもう素晴らしいの一言です。かなり以前に踵100%荷重なのに何故か切れるし走るし後傾ではないという滑りを一度だけ体験したことがあるのですが、いま思えばあれが初期キャスターターンだったのです。あの時このホームページを見ていたらその後こんなに遠回りしなくてすんだのに。。。いやいや、心はDOで!今シーズンはキャスターターンですんごい上達します!!!どうか白馬から見守っていてくださいましー!』

  “cshow”さん e-mail ありがとうございます。
  「目から鱗…」...というほどのことではありませんが,気が付くと「ナルホド !!! 」と思いますよネ? わたし自身,“ステンマルク”が連戦連勝していたときに履いていた“elan”の“RC05”という板に出会わなかったら,かかと支点...などということに気付かないで来たかもしれません。あの板を乗りこなすには「かかと」に荷重点というか支点を持って行く意識が無いと滑りこなせなかったのです。まさにわたし自身が「目から鱗」状態だったのです。もう二十数年前のことになります。そして,かかとに乗ってどうしてターンができるんだ?という様なことをずーっと考えてきたら,いつの間にか“キャスター・ターン”が生まれていたのです。(^ ^)
  「大きな鱗が落ちたのは、支点と荷重点の話…」...と述べておられますが,これは【Doスキー】と【Letスキー】の違いを決定的に区別する重要な観点でもあります。なぜなら,かかと支点にすると,スキーそのものを動かしたり,圧を加えたり...というような動作がしにくくなり,自然に雪からの抵抗を求めるようになるからです。疲労が少なく,雪からの大きな圧に耐えることができ,バランスを崩す要素を自分で作らなくなる...といった合理的なスキーをする上で,この「かかと支点」は大きな優位性,アドバンテージを持っているのです。かかとを「支点」とし,足首を「ちょうつがい」のように使うことで,身体全体の特徴を活かすことができ,その上安定した滑りができるようになります。まさに,このことこそが他の,「身体そのものを動かす事で行なうスポーツ」と決定的に異なるポイントなのだと【TOK】は思っております。(^ ^)
  “cshow”さん...大いなる飛躍を期待しておりますヨ !!! (^ ^)



July
 21/2004 (水曜日)  曇り
 
 今朝の「白馬」...ご覧のような曇り空です。そのおかげで,今9:30の気温は22℃。東京,名古屋,大阪...などにお住まいの方には申し訳ありませんが,涼しいです。昨日も25℃くらいでした。
  新聞記事によると,その暑さのせいで,「熱中症」とかの症状で倒れる方が多いようです。水分は喉の乾きを感じる前に十分摂って,暑さに負けないようにして下さいネ !!! 
  さて,昨日は「土用入り」でした。暑さの最盛期となるこの時期,うなぎを食べて精力を...という人も多いと思いますが,精神的に負けないことの方が大事かもしれません。“スキーシーン”を思い出して,気持ちだけでも涼しくなって下さい。(^ ^)

     *****
 今日は“K.M”さんから頂いた e-mail のご紹介です

  
『 今シーズンの総括
   先シーズンからの持ち越しの課題、「シェーレンになる、足首が堅い」、についての原因とその矯正法を探ること。結論から言うとかかとに乗れていないということでした。この解決法は意外なところからもたらされました。以前から興味があった山スキーを再開するべくテレマークスキーを始めました。全くの独学でビデオレッスンが頼りでした。はじめは立つのがやっとで、前後のバランスの取り方が難しい。しばらく歩いていると慣れてこつが分かってきました。リフト一本上に上がった所で車のキーがない! 車のドアに着けたままであることにきがつきました。すぐにもどらないと・・。必死でした。とりあえずアルペン滑走法で滑りました。足首を深く曲げるように緊張させてかかとが浮かないように板に押しつけるようにするとスキーのコントロールは嘘みたいに簡単でした。やはりキーは車についていました。
  テレマークの練習をその後1日行いました。前からの力の受け方がむずかしい。いきなり吹き溜まりのような所で前から強い抵抗が来るとつんのめるように転倒する。普段から前すぎるポジションだと必ずこのようになる。常にかかとに重心を置いておくことが絶対必要。前からの抵抗が増えたときはすぐに反応して足首を曲げるようにしめて上体とスキーをわずか前に出すようにすると耐えられることが分かりました。これがいわゆるバナナシェープというのかな。
  翌日は15pの重たい新雪。ノーマルスキーを楽しみました。昨日のかかとに乗る感覚が生々しく残っており最高の安定感のある滑りが出来ました。TOK先生のレッスンでかかとに乗るといつも教えられてましたが、正直実感できたのはこのときが初めてなのでした。「ああこれがかかとに乗るということなんや」と。
  以来、つま先で突っ張るような悪い癖が無くなり、一歩引いた所でスキーをあやつっていると言う感じがします。今年一番の収穫でした。あとは来シーズンのお楽しみ。2,3,4日は五竜&47で一人黙々と滑りました。このスキー場、どういう訳か気に入ってるんです。空いてるからかな。ゲレンデも街も。4日は雨の47はほぼ貸し切り状態、最高に楽しかった。最後に、一応2級はとりました(1級は受けてません)。』


  “K.M”さん, e-mail ありがとうございます。実は,“K.M”さんには今シーズン何度かプライベートレッスンのお申し込みを頂きながら,時間がとれずお断りしてしまいました。本当に申し訳ありませんでした。...でもその間,ご自分で研究され,独学でいろいろなことを経験し,そして多くのことを会得されたようで,本当に良かったと思います。(^ ^)
  テレマークスキーをはじめられたのですネ?(^ ^) ひとつのことだけにこだわらず,いろいろな事にチャレンジするという“K.M”さんの姿勢に感銘します。そういうイロイロがこれまでの疑問や不安を解消してくれることは良くある事です。かかとに乗る...という意味も,ひょんなことからお解かりになったようで良かったですネ!(^ ^) 私も学生時分にインカレで,距離のリレーの選手が足りなくなり,急遽間に合わせでリレーの選手としてノルディックスキーを履いて5キロばかり走ったことがあります。ノルディックスキーもテレマークスキーと同じで,かかとが浮くようになっているのですが,これらのスキーでは,かかとをしっかりホールドしている必要があります。そうで無いと,テールがターン外側にズレ,スキーになりません。この時に「かかとをホールドする」ということを知ったのですが,こういう経験が積み重なって今の“キャスター・ターン”ができて来たと思っています。人間,イロイロな経験を積むことは決して無駄ではない...本当にそう思います。(^ ^)
  バナナシェープ...についても,雪から来る抵抗にどう対処するか?ということから,ご自分で会得されたようで,本当に良かったです。「…前からの抵抗が増えたときはすぐに反応して足首を曲げるようにしめて上体とスキーをわずか前に出す…」...というのは結局,身体がエビのように湾曲して,重心がその湾曲部分の最後部に来る...というようなイメージになるのですが,それを“K.M”さんはご自分で会得されたようです。(^ ^) “K.M”さんの感性の豊かさを感じます。
  「…一歩引いた所でスキーをあやつっている…」...こういう感覚に成られた,ということなどは,もう“K.M”さんが“スキー”を「スキー道」的観点から見れる様になった...ということの証でもあると思います。2級とか1級とかの楽しみもありますが,それよりももっともっと奥の深い“スキー”があると私は思っています。“K.M”さんもキットそのことを感じておられるのだと...。(^ー^)
  また来シーズン,ご一緒しましょう !!!


 



July 20/2004 (火曜日)  曇り
  ここのところに来て,北陸地方は「梅雨」を実感させるような天気に逆戻りです。同じ「信州」なのですが,ここ「白馬」はすぐ隣が「富山県」と「新潟県」なので,気候的には「甲信地域」というより「信越」と言ったほうが良い地域なのです。
  さて,いま天候が少し暗めのせいでしょうか,もう“ひぐらし”が鳴いています。“夏”を感じます。(^ ^) ここ数年“Tok”の家ではクーラーを使っていません。夏は暑さを,冬は寒さを感じ,それを楽しむ...という生活スタイルに変えたからです。暑い夏には汗をかき,すだれを出したり,風鈴の音色を楽しんだり...。こんなところに「自然に溶け込む楽しみ」を感じています。...でも,都会の暑さはそんな生易しいものじゃないよ...というのも分かります...。ハイ...。(-_-;)
                 ********

  今日は“N.I”さんから頂いた e-mail のご紹介です


  
『  Spring Camp 4/23〜25に参加させていただきました“N.I”です。3日間大変楽しく有意義な経験をさせていただきました。辛抱強くご指導いただき、ありがとうございました。
  「お習字ターン」をきっかけに、足裏を意識しながら滑るということを学び、いままで「なんとなく」ですべっていた(いたんです・・・すいません)自分がなぜ「荒削り」な滑りしかできないのか、理解できました。レッスンの中でかかとから足の中央へ移動し戻る・・・という微妙なところが止まっている状態ではわかるのですが滑りながらでは意識できなくて今後の課題として引き続き取り組んでいきたいと思っています。目指せ繊細な滑り!
  先生の言われる「滑りの中のフラストレーション」を単純に「私はなんて下手なんだろう」と悲観しがちな自分なのですがフラストレーションを「上達の証拠」と考える発想の転換をもち、もっと辛抱強く取り組む姿勢をもちたいとレッスンを通して思いました。
  毎日多くの人とかかわりながら、先生が生き生きと取り組んでいらっしゃる姿を見て私もそうありたいと強く思いました。また機会がありましたら、よろしくお願いいたします。それまでにお習字ターン、マスターできるよう頑張ります。
  お礼までと思いつつ、長々と失礼いたしました。』



  “N.I”さん e-mail ありがとうございました。ザクザクの春雪の中でしたが,だからこそ大事なポイントが解って頂けたと思っております。(^ ^)
  さて,
なぜ“荒削り”な滑りしかできないのか…」ということの理由が解っただけでも素晴らしい事だと思います。本当にそう思います。(^ ^) 雪との会話がおできになっていなかった,あるいは雪との会話を楽しもう...というお気持ちが少なかった,ということだと思います。足裏に意識を集中して滑るようになると,それまでナントナク滑っていた事でも,ひとつひとつが新鮮な感覚として意識でき,自分の体内に取り込めるようになるから,不思議です。(^ー^) 
  
かかとから足の中央へ移動し戻る・・・」というイメージですが,直ぐにおできにならなくても焦ることはありません。多分これまで,「足裏に意識を集中して !!! 」等ということはあまりされてなかったと思いますので,直ぐにできなくて当たり前です。その入り口に立たれただけでも素晴らしいことだと,私は思います。(^ ^) “感度”とか“感受性”,“感性”というものは,直ぐには良くなりません。集中して何度も何度も繰り返して行なってると,いつの間にか身に付いているのです。感性,すなわち“センス”とはそういうものだと思います。キーキャスター意識からA-Caster意識へ,緩斜面で余裕のある所での練習から始めてください。スプリングキャンプでは,皆さんとご一緒で,あまり余裕のある斜面で試す時間が少なかったと思いますが,ご自分でじっくり時間を掛けて練習すれば,意外に短時間でそのイメージがつかめると思います。(^ ^)
  (スキーをしていて感じる)
フラストレーションを「上達の証拠」と考える発想の転換…」...これは大事です !!!  お上手になられ,それまで感じることのできなかった心地良さを体験できたからこそ,同じように感じれないことのフラストレーションがあるわけです。上手になっていなければ,フラストレーションそのものを感じ様が無い...そういうことなのです。(^ー^) ですからフラストレーションを感じたなら,「アア,わたしはうまくなっているんだ…」と思うことです。人間の身体は「良くやった!,良くできた!」と褒めてやると,嬉しくなって,自分の身体とは思えない位素晴らしい事をやってのける,そういう能力が備わっているのです。でも,「ダメだ,ダメダメ…」と思っていると,筋肉も萎縮してしまって,持っている能力の10%も発揮できないのです。他人に褒められるのもイイですが,まずご自分の身体ですから,自分で自分を褒めてるやる...そういうクセをつけられるとイイと思います。先ず自分で自分を褒めてやる...“スキー”だけでなく,日常生活のイロイロな場面で,この様な考え方はキット良い結果をもたらしてくれると思います。(^ ^)
 
 
「先生が生き生きと取り組んで…」...そう仰っていただくと本当に嬉しいです。 !!! (^ー^) でも,これはまさしく,生徒の皆さんのおかげなのです。“スキー”というスポーツを通して,皆さんから“Tok”が大きなプレゼントを頂いているのです。“N.I”さんは「鏡の原理」というのをご存知ですか? 今,自分が向かい合っている人の「喜怒哀楽の表情」や「対応の仕草」は,自分の今の姿そのものなのだ...という風に考える処世術です。向かい合っている人が笑顔を見せていたなら,今の自分が笑顔で居る...という風に考えるやり方です。私はこれをいつも思うようにしています。ですからレッスン中に皆さんに喜んでいただくためには,私自身が先ず喜ぶことです。ですから,私が沈んで居る事などできないのです。私自身が「生き生き」,そして「活き活き」していることが大事なのです。
  “Tok”の元気は皆さんの元気 !!!  みなさん,ありがとうございます !!! (^ー^)



July 19/2004 (月曜日)  曇り 
 
 海の日

  右の写真の八方尾根の向こう側が富山,石川方面なのですが,昨日はそちらで大雨だったようで...。その地方の方々...大丈夫でしたでしょうか? お見舞い申し上げます...。(=_=;)
  さて,今日の「海の日」を含んでの3連休でしたが,あいにく長野県北部,北陸,信越地方は雨にたたられました。今日はその連休の最後の一日ですので,晴れて欲しいと思います。気温は20℃位で涼しいのですが,せっかくの「海の日」ですから,今日一日はカラッと晴れて欲しいですネ !!! (^ー^)
                 ********
  【TOK】の支援サイトjpSKI.comに「サンプルレッスンV:テクニカル合格の中回り」をUPいたしました。中回りのポイントを解説してありますので興味のある方はご覧下さい。
     *****
今日は“K.T”さんからの e-mail でのご質問 に対する回答です。

   『 こんにちは、“K.T”といいます。今回は、ふとした問題についてなのですが、前にこぶがつるつるでエッジがほとんどかからない状態の時に滑っていて、板がすっぽ抜けたときがありました。今、現在のすべりは体を中心にしてターンの切り替え期(右ターンフォールライン左側に板がある)は、フォールライン上に板がきていない状態から、足を引き込んで、ターン前半は足を伸ばすイメージだけで足に感じる雪の感じでこれくらいかな、というところで力を入れるのをやめて、板にのっていきます。このときはもうすでにターン後半に入っているのですが、足は柔軟にしています。ここでも足をフォールライン上に持ってこないように状態を維持しています。(フォールライン右側にいたがある。)これだと、悪雪のでこぼこだとショートターン気味になるのですが、でこぼにあわせて、板を切り替えるので・・・こんな感じなのですが、こぶ斜面と新雪(まだ試してない)以外は滑れます。
  そこで、こぶに挑戦したのですが、最初は谷から谷だと板が回ってくれないため、無理にまわしていたのですが、他の人を見ると山のすそで板を引き込んで切り替えてそのまますそを板で滑らせて、つぎの山すそに向かう感じで滑っていたので僕も試してみたのですが、確かに、ターンは思うように切り替えられるのですが、こぶの間隔が短いとスピードが落ち切れないため、そのうちにすそ、すそ、すそという感じに板を当てていく感じになってしまい大変怖い思いをしました。そこで、どこかでエッジを一瞬効かせてスピードコントロールをするのかなとも思ったんですが、前に板がすっぽ抜けたこともあるので(今のすべりではないのですが)、それでいいのかわからなかったので質問させてもらいました。
  もう、時期的に滑れる機会がなさそうなので、大変長くなりましたが、返答をしてもらえるとうれしいです。』

  “K.T”さん,こんにちは! e-mail 拝見しました。ご質問の内容の前半は「整地」での滑り,後半は「コブ」での滑り...ですネ?
  「整地での滑り」は,基本的にはそれでいいと思いますが,少しスピードが出てきたり,悪雪気味になってくるともう少し「雪面コンタクト」のことに気を配った方がイイと思います。この「雪面コンタクト」...最初からお話しすると非常に長くなってしまいますので,先ずこのイメージの基本的な滑り方を解説している“フィーリングスキー”の所をお読み下さい。ここの所に,「雪の圧を感じるとは?」,「雪の力でターンするとは?」...といったことを細かく解説していますので,参考にして下さい。そうすれば,「自分の力で足を引き込む」必要の無いことや,「板がすっぽ抜ける」ということが無くなると思います。
  次にコブの滑り方ですが,これも「スキーQ&A」のコブの滑り方,にその基本的なことを述べてありますので,先ずそちらを参考にして下さい。尚,“K.T”さんの e-mail を拝見しますと,
「すそ、すそ、すそという感じに板を当てていく...」とありますが,この文から判断させていただきますと,この滑り方は「モーグル的な滑り方」のように思われます。モーグルは基本的に競技の場合,スピードも大事な要素となりますので,コブの頂点に板を当て,空中でスキーの向きを変えてまた次のコブの頂点に当てる...的な滑り方をします。この時,スピードを制御しようということは敢えてしません。スピードが落ちるからです。落下のエネルギーに乗って,ドンドンドン,あるいはトントントン...と落ちて行く,ということです。しかし,私たちの目指す基礎的なスキーイングでのコブは,スピードコントロールをしながら,安全に降りて行くことです。そのため,特にコブ斜面の小回りでは「横ズレ」を意識します。コブでの大回りはまた違いますが...。ですから,先ずコブの中でズレズレの小回りを練習した方が良いと思います。
  時期的に回答が大変遅れましたが,お役に立てれば嬉しいです。(^ー^)



July 18/2004 (日曜日)  曇り
 
 海の日を含んでの3連休ですが,白馬は大雨の初日でした。(-_-;) 天気予報では「今日から回復し,午後から明日にかけて晴天が広がる...」とのことでしたが,9時過ぎになってまた雲が多くなってきました。どうも梅雨前線がまた本州中央まで下がって来たようです...(=_=;)。
  白馬は「白馬Alps花三昧」という企画を昨年に引き続いて行なっています。北アルプスの高山植物を中心に,皆さんにご覧頂き,夏の白馬も楽しんで頂こう...というものです。興味のある方は「白馬村観光局」で...。

     *****
 今日は“H.M”さんからの e-mail に対する回答です。

 
『  初めまして。40歳からスキーを始めました。5年目の昨シーズン2級を取得しましたが、今シーズン1級挑戦は惨敗でした。最近、先生のキャスターターンを知り、「これだ」という思いで勉強させて頂いております。
  早速ですが、小回りでの切り替え時の足裏感覚についてご指導をお願いいたします。私なりのキャスターターンの理解では、切り替え時の足裏感覚は、今のターン外足のインエッジからソールに乗り込み外足1本でフラットに持ち込む。フラットになるまでは、できるだけ長く外足に乗っている。すると、自然に次のターンの外足インエッジが立ってくる、というものです。実際、この感覚でものすごく気持ちよく滑れています。
  ところが、雑誌などでターンの連続写真を見ると、山回りから切り替え、フラットにかけて次のターンの
内足(今までの外足)が跳ね上がっているのが大半です。できるだけ今のターンの外足に長く乗り込んでいようとするキャスターターンでは、次のターンの内足(今までの外足)が跳ね上がるということはあり得ないと思うのです。写真では、切り替え時にすかさず、次のターンの外足インエッジに乗り込んでいるように見えます。これなら内足が跳ね上がるだろうなと思います。
  雑誌の連続写真を見て、私のキャスターターンの理解の仕方が間違っているのでは、とも思うこのごろです。これはこれ、キャスターターンはキャスターターンとういう考えでよろしいのでしょうか。
  私の疑問は単なる誤解かもしれません。先生にこの疑問あるいは誤解をときほぐして頂きたく質問させていただきました。どうかよろしくお願いいたします。』

  “H.M”さんこんにちは! E-mail ありがとうございました!(^I^)
  さて,「小回りの角付けの切り替え時」に,
「…それまでの外足が跳ね上がる...」のはどうなのか?というご質問ですが,結論から言うと,いくらキャスターを意識していても「跳ね上がる場合もある」...ということになります。
  ではどういう時に跳ね上がり,どういう時に跳ね上がらないのか?ということになりますが,その理由は,滑走スピードや,雪質の違いや斜度の違いから発生する“雪面コンタクト圧”の違いによって...ということです。
  例えば低速小回りや緩斜面小回りなどでは,上の図の@の時でもそれほどコンタクト圧は強くなりません。ですからA〜Cという風にキーキャスターの転がりを意識しながら,しっかりと右スキーに乗り込んで行けます。感覚としても,「右足で雪面圧を感じているなぁー...」という気持ちになります。
  ところが,滑走スピードが上がったり,雪質が柔らかかったりして,@での雪面コンタクトが強い場合には,いくらA,B,C...と右スキーのコンタクトを失わないようにしようとしても,雪面からの反発が強くなってCの付近に来ると抜重的にスキーが跳ね上がってしまうのです。結果として下の図のように「極端な抜重」とは言いませんが,「外スキーの圧を逃がさないようにしよう... !!! 」という自分の意思に反して,それまでの外スキーが軽くなってしまうのです。もちろん,スキーヤーの中には,明らかにこの「角付けの切り替え時」に抜重意識を持つ人が居ますが,それでは次のターンの谷回りでの雪面コンタクトが軽くなってしまいます。
「上の図のような意識で滑ろうとしても,下の図のようになってしまう...」というのと,初めから「下の図のような意識で滑ろう...」というのでは,その後のターンコントロールに大きな違いとなって現れて来るということです。

  
“H.M”さんのキャスター・ターンの理解が間違っているのではなく,条件によっては,いくらキャスターをイメージしても抜重気味になってしまうことがある...ということです。(^ ^)
  それでは下の図のような意識でのスキーはしないのか?と言えば,そうではありません。中級スキーヤーの場合は,先ず下の図のような「コンタクト圧イメージ」で滑れるようになることが大事です。それができるようになってから,キャスターイメージにして行くのが理想的だと思います。どちらかと言うと下の図のイメージは“オレンジターン”的ですし,上の図のイメージは“キャスター・ターン”的なのだと思います。
  かく言う私も,カービングスキーが台頭してくるまでは,下の図のような意識で滑ることが多かったのです。それはスキーのフレックスとトーションのバランスがカービングスキーのように優れておらず,ターン後半では雪面ホールドが自然に弱くなってしまう傾向があったからです。でも,今のスキーのようにトーションがしっかりしていれば,上の図のような意識で,徐々に角付けを緩めて行ってもスキーがズレてしまう...というようなことは無くなりましたので,安心してキャスターが使えるのです。(^ー^)



July 17/2004 (土曜日)  曇り
  今日はご覧のように,標高2000メートルくらいから上部が雲に覆われています。時々雲間から明るい陽が射す事もあるのですが...。今日一日は雨のようです。
  さて,ニュージーランドからの情報によると,今年は昨年に比べ降雪量が多いようです。こちらにマウントハットの写真を載せておきました。雪のシーンを見て,気持ちの上だけでも涼しい気分に !!! (^ ^) いずれにしてもスキーヤーにとっては嬉しい事ですネ !!!
  アアーッ,滑りたいねェー(^ー^)

     *****
  今日は“A.S”さんからいただいた e-mail をご紹介させて頂きます。“A.S”さんはこの春の「スプリング・キャンプ」に参加された生徒さんのお一人です。(^ ^)

   『
TOK先生、スプリングキャンプでは、2日間という勝手な申し出を受けていただきありがとうございました。参加してよかったです。しかし、最後のビデオ撮りのとき、受けられなかった1日目の小回りが全然へなちょこだったので、やはり3日間で企画されたキャンプでは、3日間通して参加してこそ100%意味があることも痛感いたしました。
  “H.S”(“A.S”さんの
旦那さん)が昨年の2月、先生のプライベートレッスンを受けてから、滑りや考え方が変わっていくのを目の当たりにし、彼がレッスンの内容を何度かコピーしてくれて、目をつぶってキャスターをイメージしたりもしました。私もHPを毎日チェックするようになり、もうすぐ1年になります。スプリングキャンプで、先生が直接ご指導されるとは思わず、光栄でした。
  きのうのレッスンでは、最初のオレンジターンはとてもよくイメージできました。彼が教えたかったのはこれか!とTOKワールドにわくわくしました。お習字になって、ひざから下が筆先というのを、ひざから下を曲げるものだと勘違いしていました。そのうち、HPで読んでいたときはわかっていたつもりだった「筆を持つ」のイメージをどう加重すればいいのかわからなくなってしまい、お昼休憩のとき、鈴木に聞いて、イメージ違いだったことにやっと気づきました。午後から食べるになって、今度は口から雪をいれてためる筒は想像できるのですが、イメージを滑りにつなげることがうまくできず、しだいに開けている「口」の位置が、違っているかも・・・と不安になり、途中から「食べる、食べる、食べる・・・」がまったくわからなくなっていました。
  今、家に帰り、HPを読んで、「食べる」とは、「口」とは、そうゆうことだったのか・・・と、想像力の乏しさが悔やまれます。読んで想像してわかったような気になっていて、ゲレンデで自己流にできたつもりでいるキャスターもきっと違っているのかも・・・と来年への課題となりました。
  きょうの大回りでは、足首の緊張と骨盤の向きというのがとても興味深く、きのうの、水上バイクのイメージとあわせたら板がパタパタうかなくなったような気がします。
  最近は、“H.S”とふたりで滑ることが多く、レッスンもプライベートにふたりではっていたので、いろいろな人と滑れて語れたこのキャンプは、お互いにも学ぶことが多かったです。
  シーズンオフには想像力と骨盤を鍛えて来期に臨もうと思います。お世話になりました。どうもありがとうございました。』


  “A.S”さんこんにちは!お元気ですか?
  さて,この e-mail を読ませていただいて,教師としての自分を恥じ入りました。(-_-;) すっかり,イメージを共有できているもの...と思い込んでいる【TOK】の姿が見えるようで,恥ずかしい限りです。例え,多くのイメージをお話しすることで,いろいろ違ったフィーリングを経験してもらおう...という意識があったにしても,教師としては,もう少し生徒さんの立場に立つべきでした。本当に申し訳なく,そして恥ずかしく思います。申し訳ありませんでした。(=_=;) 7/12の日記にも書いたように,“フィーリングスキー”は「イメージの共有」があって初めて成り立つレッスンなのに,焦りすぎている【TOK】があの時は居たようです。
  小回り...あのキャンプでは3日間,教師が日替わりでそれぞれ種目別にレッスンを担当させて頂きましたので,初日分の「小回り」が受けれなかったのですネ?そうですね...キャンプではそのキャンプなりの目的と言うか,目指すところがあるので,途中から参加されると迷ってしまうかもしれませんネ? その穴埋めを,今度機会を見つけてご一緒致しましょう。(^ ^)
  普段ご一緒に滑っておられる旦那さんの
滑りや考え方が変わっていくのを目の当たりにされた...とのことですが,その彼の滑り...昨年に比べてイイ感じになっておられましたネ !!! 。スプリングキャンプで拝見してそう思いました。あとは【Letスキー】のフィーリングを研ぎ澄まして行くとですネ?(^ー^)
 
 いろいろな人と滑れて語れたこのキャンプは、お互いにも学ぶことが多かった...」ということですが,そうなんです !!! 「人の振り見て我が振り直せ...」も上達の極意なのです。ですから,自分のアドバイスだけを期待して居ては効果は半分...ということです。あとの半分は他人のアドバイスを自分のこととして見聞きすることなのです。(^ ^) 特にスキーがうまくなると,その滑りに固執してしまって,ご自分の殻を破れない人が多いのですが,うまい人たちと何人かで滑ると,いろいろな影響を受けることができ,自分の滑りを見直すイイ機会になるのです。
  
シーズンオフには想像力と骨盤を鍛えて...」...楽しみにしております。そういう目的意識を持って身体を動かしていると,身も心も「健康体」になると,On Line Ski School の”Dr.K”さんも仰っていました。ネ!?(^ー^)



July 16/2004 (金曜日)  曇り
   今朝の白馬...曇りです。気温が21℃でチョット肌寒いです。今日,明日と前線が新潟県上部にあるようで,それが無くなる明後日前半まで曇りとか...。東京に出かけている間に,甲信地方も梅雨明け宣言が出されましたが,ここ白馬は新潟に近いので,すこし前線の影響を受けています。(^I^)
  今年は例年より梅雨入り前から気温が高かったのでしょうか,残雪の溶けるのが早い気がします。今はまだ7月の中旬ですから,いつもならもう少し白い線が山肌に見えていていいと思うのですが...。
     *****
    
今日はスキーヤーのお助けマンのご紹介です。(^ー^)
  固有名詞を挙げて,そこの話をいたしますと,何か宣伝をしているようです
が,私は「良い物は良い...」,「おかしいものはオカシイ...」という流儀ですので,今日は「エタニティーフィールド」さんのことを少し書かせてもらおうと思います。これまで私が経験させて頂いた,「スキー用具チューンのプロ」の中でも傑出していると思われるからです。
  私がエタニティーフィールドの代表者“N”さんと初めてお会いしたのは今年の4月で,ニュージーランドスキーツアーの相談に伺った時
した。以前「Nスキー梶vにお勤めだったとのことですが,私はその頃は面識がありませんでした。私の息子がいろいろ学生の頃に“N”さんにお世話になり,またニュージーランドでのスキーキャンプも開催されている...ということで,ツアーの相談に伺ったのでした。物腰の本当に静かな方ですが,その話し振りから“スキー”に関する情熱が伝わって来ました。初めてお逢いした時から,人間としての大きさも感じました。(^ー^) 
  その“N”さんのお骨折りで,今度の New Zealand Ski Tour が実現するのですが,いろいろお話をしている内に“スキーブーツチューン”の話になり,私が考えている以上にスキーのマテリアルの事を勉強し,研究されているのが解りました。そこで今回の「
ブーツチューン」になったのですが,私はこれまで足の縦方向のラインとスキーの縦方向のラインを合わせる事にある疑問を持っていました(右図)。自分の足の形とブーツのインナーをフィットさせる事はインナーを手術したり,詰め物をしたりすることでかなり改善できるのですが,この向きの調整は非常に難しかったのです。それは膝を前に倒した時,ひざ頭がその人特有の入り方をするからです。ある人はインサイド側に膝が入りますし,またある人はアウトサイド側に入ってしまうのです。もし定量的に測定ができ,各人に合せたこの向きの角度調整ができたらイイなぁー...と思っていました。ところが“N”さんのお店ではその事にもしっかり配慮したシステムが導入されていたです。(^ー^)
  これまでいろいろブーツチューンの方法を見させて頂きましたが,「チョット間に合わせ的だなぁー...」と首をかしげる場面が多かったのですが,今回だけは「ウーム...なかなかイイ !!! 」とうなってしまいました。(^I^) 「カント角の調整」もインナーを適正にチューンせずに,ブーツを履いた状態を既定のものとして認めた形で,ブーツのソールチューンをすることが多いのですが,“N”さんのところでは,まず「インナーのソールチューン」をした上でこれを行なっていました。そのおかげでしょうか,私の場合はブーツのカント角チューンは必要がありませんでした。(^I^)
  
この夏ニュージーランドツアーで履くことになります。これほどしっかりブーツやインナーチューンをしたことがありませんので,その結果が本当に楽しみです。(^ー^) 普段から「雪の情報を感じる...」などと生意気な事を言っている割に,ブーツのことに思いを馳せることが遅かったと,反省している【TOK】でした。