June,30/2004 (水曜日) 晴れ
今日も雲量が9/10以内ですので「晴れ」の白馬です。(^ー^) どことなく夏の気配が.....でも気温が22℃と涼しいですが.....。列島の西の方では暑いとの話も聞こえてきますが.....みなさん大丈夫?(^I^)
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さて,今日は“M.I”さんから頂いた e-mail
へのコメントです。
『
以前一度メールさせていただきました“M.I”と申します。TOKさんのキャスターイメージの滑りについてはとても参考になることが多く、普段の滑りにも参考にさせてもらっています。
さて、今年の技術選についてのコメントを読みました。僕は宮下選手を応援していたので、4位という結果にはいささか残念な思いです。グッキー亡き今、僕の中では宮下さんが最もTOKさんの考えるキャスターに近い滑りをされると、勝手に決め付けているのですが、TOKさんはどうお考えでしょうか。他にTOKさんから見て、お勧め?のスキーヤーがいましたら教えていただけますか?グッキーの追悼DVDにある、「スキー上達講座」を繰り返し観て少しでもあの美しい滑りを目指して頑張ろうと思います!』
“M.I”さん E-mail ありがとうございました!(^I^) キャスター...参考になっているようで良かったです。
さて,今年3月の技術選...大会役員で,しかも広報担当でしたので,じっくりいろいろな選手の滑りを拝見することができました。(^I^) 当時の日記にも書いていますが,滑りで最も印象に残ったのは,うまい人の滑りは,「ターン円弧を描いているスキーの運動がゆっくりで,円弧がしっかり描かれている“滑らかなスキーの動き”」...だということです。結局,“身体の特徴・用具の特性・自然条件”を見事に生かした“キャスターイメージ”で滑っている...という印象でした。“M.I”さんが仰るように,うまい人の滑りは,グッキーの滑りに似ていると思いました,(^I^)
「宮下選手」...今年は雪との会話を大事にした「静かだけれど走るスキー」をイメージした演技をしたようですが...。結果はどうであれ,彼の意図するところは表現できたと思っています。キャスターもいい様に転がっていましたし.....(^I^)
キャスター・ターンをイメージさせる選手ですか?.....昨年もそうでしたが「柏木選手」は大きく技術要素が変わりましたネ!今年はさらに磨きがかかって「滑りの滑らかさ+躍動感」を感じました。文句無く技術選トップですネ!。もう一人「佐藤久哉」選手の滑りが印象に残っています。宮下征樹君と柏木選手の中間的な印象を受けました。私の目にはこの3人が最も美しい
!!! と映りましたが...皆さんはどうでしょうか?(^ー^)
私もグッキーのVTR.....一日一回は見るようにしています。天気が悪くても,少々気持ちが落ち込んでいても,彼のVTRを観ると,気持ちが晴れてきます。(^ー^)
これから,観ようっと !!!
June,29/2004 (火曜日) 晴れ
1/10以上の雲の切れ目がありますので,陽は射していませんが「晴れ」ですネ!?(^ー^)
ここに来て「夏」を意識された方が多いのでしょうか?このところ「Tシャツプリント」の仕事が増えました。ご自分のデザインを「Tシャツ」にプリントして夏を楽しみたい...という方が多いようです。以前はグループでお揃いのデザインを楽しむ...という方が多かったのですが,個性化,自分は自分...といった「自己主張」をされる若い人が最近は増えたようです。(^ー^)
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さて,今日は“Sak”さんから頂いた e-mail
への回答です。
『
昨年スプリングキャンプに参加した“Sak”です。
記憶にありますか?
今シーズンは仕事の都合で余り行ってません
でも春スキーで来年に備えようと思っています。
さて,質問ですが…スキーと体重の関係はどんな関係が発生しますか?自分は一般の人より体格ががっちりタイプで重いです。
ある人は「不利ですよ…」と言いました。
何を根拠かはわかりませんが〓先生教えて下さい… 』
“Sak”さんこんにちは! E-mail
ありがとうございました!(^I^) “Sak”さん覚えていますよ
!!!
今シーズンはお仕事の都合であまり滑れなかったようで残念でした。でもまた来シーズンがありますから
!!! (^ー^)
ところで「体重の重い人はスキーに不利か?」というご質問ですが,結論から言えば「相撲の関取のように150キロを越す位の体重なら大変ですが,せいぜい100キロ位なら全然不利ではありません
!!! 」と言ってイイと思います。(^ー^)
特に最近はスキー板の性能を個性的に作ることができるようになりました。接着剤の開発に依るところが大きいと言われていますが,その関係で曲げ剛性(フレックス=板のしなりの柔らかさ)も,ネジレ剛性(トーション=板のネジレの柔らかさ)もいろいろ加減して作れるようになりました。ヨーロッパのアルペン選手の中にはかなりヘビー級の選手も居ますが,彼等が使っている板はフレックスもトーションもそれなりに硬い板と言っていいでしょう。
“Sak”さんがどれ位の体格か?ということを私はを知っていますから,自信を持ってアドバイスできますが,“Sak”さん位の方ならレース用の板を使えばほとんど問題ないでしょう。ただ言えることは,フレックスもトーションも体重の無い人に比べ強いですから,雪面コンタクト圧は強くなります。それだけ強い抵抗が掛かって来ますので,下半身を少し鍛えるなど,それに対する心構えは必要です。もちろんスキーのスタイルは【Letスキー】です。【Doスキー】はどうしても“重心”の上下動が起こりますから体重のある人には不利です。…そうか...【Doスキー】をするには不利ということですネ!? でも,【Letスキー】ならOK
!!! です。
身体を先に動かすような滑り方,スキー板を自分で操作するようなスキー技術を使うには...不利だということです。(^I^) でも,先般のスプリングキャンプで【Letスキー】の極意をおさらいしましたから,“Sak”さんには関係ないですネ!(^ー^)
June,28/2004 (月曜日) 晴れ
今朝は山には雲がかかっていますが,里には陽射しが…。(^ー^) 気温はここのところ21℃,22℃位で推移しています。ここ白馬は湿度をあんまり感じません。本州の中では梅雨でもしのぎやすい地域だと思います。
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さて,今日は“H.N”さんから頂いた e-mail
への回答です。
『 はじめまして、TOK様、“H.N”と申します。福井県在住で、先週無事2級を合格したというレベルで1級に向けて頑張りたいと思い、色々なスキー関連のHPを見ていた所、ここにたどり着きました。
ここ数日毎日、先生のHPを拝見させて頂いてますが、キャスターのイメージは目から鱗が落ちる思いで、ぜひじっくりと実践してみたいと思っています。3月に入り、福井の方では雪質も悪くなってきており、私のレベルですと、どうしても雪質に左右されがちで、上手く滑れなかったりするのですが、キャスターターンをマスターすれば、この問題が解消するのではないかと思い、次回の滑走に向けてイメージを固めている所です。
で、大変恐縮なのですが、質問があります。普通の滑りでのキャスターについては、なんとなくイメージできるのですが、私の出来ない技術の1つ、ブーツを支点としてくるっと回る小回りの場合、キャスターをどのように意識すれば良いのかがイメージ出来ません。もし、以前の書き込み日記などで、同じような質問・答えがあれば申し訳ないのですが、宜しければご教授願えないでしょうか。あせりませんので、お暇な時で結構です。ホント、スキーは奥が深く、そして楽しいですね!!大変かもしれませんが、今後とも素晴らしいHPの提供をお願い致します。
』
“H.N”さんこんにちは!
e-mail ありがとうございます。
「小回り」に付いてのご質問で,「ブーツを支点としてくるっと回る小回り…」ということですが,「くるっと回る」の意味がチョッと正確にイメージできないのですが...。想像すると,カービング要素で無い,歯切れの良い,俗に言う「ひねり(ひねられ)操作」の小回り...と解釈させていただいてよろしいでしょうか?...ということで回答させていただきます。(^I^)
キーキャスターへの乗り込み方,「かかと内側を支点として,斜面移動で雪からの抵抗を受けてスキーの性能を生かして回る..」.という考え方は他の中回りや大回りと同じです。ただ小回りの場合は抵抗を受け止める迎え角の方向が,ターン後半のマキシマムでは,極端に言えば「90度」になります。例えば左ターンでは,右図の時計で言うと,右足のキーキャスターの転がり方向が3時近くになるまでしっかり意識します。つまり上半身がフォールライン方向を向くまでキャスターの転がりに乗って行く...ということです。すると「上半身と下半身の間の“ネジレ”」が90度近くになります。まるでタオルがギュゥッと絞られた状態です。この「ネジレのエネルギー」こそが「小回りの命」で,次のターンの始動に大きな意味を持つことになります。ここでネジレがあるからこそ,角付けを緩めてスキーがフラット状態にした時に,スキーが次のターン方向を向いてくれるのです。6月24日の教師日記でも紹介した「宮下征樹選手の小回り」を見るとその事が良く判ります。ぜひじっくりご覧下さい。
彼のすべりの中でも見られるように,小回りではかかとのキーキャスターが中心,あるいは支点となってスキーが雪の抵抗を受けることが大事です。この支点がつま先側に行ってしまうとテールが回転外側に抜け,切れの悪い不安定な小回りになってしまいます。「キーキャスターの位置を支点とすること」,そして「上半身と下半身の間のネジレを利用すること」,さらに「クロッシング要領でスキーを“重心”の下を通過させること」の三つが,歯切れの良い小回りには欠かせない事項です。
キャスターの転がり,つまり「斜面移動をすることでターンエネルギーを作ってもらう...」という意識が無いと,「くるっ」と回ることは不可能です。やはり小回りでもキャスターイメージは有効なのです。(^ー^)
June,27/2004 (日曜日) 曇り
今朝は曇り空の白馬…。でも運動はできそうです。今日はインラインの日かな?(^ー^) スキーのトレーニングというより,バランス感覚を維持するつもりでインラインスケート…楽しんでます。(^ー^)
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さて,今日は“S.I”さんから頂いた e-mail
への回答です。
『 TOK先生こんばんは。以前にもTOK先生に質問に答えていただき、今回は2度目の質問になります。よろしくお願いします。先日スキースクールで疑問に思ったことがあったのでTOK先生に質問してみることにしました。少し長いですが読んでください。
現在私はSAJ2級を持っていて、1級を目指しています。今年の1月、名木山で常設レッスンを申し込みました。担当はA指導員でした。上級者のレッスンには定評があり、検定でもおなじみの方ですので信頼の置ける方に教えていただいて、とても身になったと思います。その日は朝から晴れ渡り、バーンもよく締まっていました。最初に大回りを練習したとき、いつものターン外側の手でリードする、いわばカービング要素を多くした滑りをしたら「もう少し角を緩めて、外向を意識しましょう」と言われました。また小回りの練習では、ストックを2本まとめて肩のラインで平行に持ち、ストックは動かさずに腰から下だけでスキーを回す練習をしました。その日に教わった練習を自分のフリースキーに取り入れ、1級を目指してがんばって
いました。
さて、この2月某日、翌日の検定のためにバッジテスト1日スペシャル講習を受講しました。雨の一日で、雪質はひどいものでした。当日の担当はB指導員でした。技術選にも出場されるすばらしい方に教えていただいてとても有意義な一日でした。ただその日に疑問が湧きました。最初の大回りの練習で、少し外向を意識したひねり要素の大きいターンをしたら「外向が強いのでもう少し内向を意識して、外側の手でリードしてあげましょう」と言われました。ここで私の頭の中は???でいっぱい。そして午後から小回りの練習をしたときも、ストックを2本目線の位置で平行に持ち、小回りをするトレーニングでも、1月に教わった滑り方をしたら「ストックは思い切り左右に振って体を回してください」と言われました。また私の頭の中は???。
ここでTOK先生に質問です。この両者の違いは何だったのでしょうか。当日の雪質の違いでしょうか。残念ながら検定は×でしたが、初の1級チャレンジでしたし、次につながるいい経験をしました。また機会があればチャレンジしたいと思います。
』
“S.I”さん,
e-mail
ありがとうございました。 同じスキースクールに所属する教師なのに,A教師とB教師で言うことが違って混乱してしまった…ということですネ? 大変ご迷惑をおかけいたしました。
実はA君もB君も当校の誇る指導員です。私は結果的には両君も間違ったことは言っていないと信じています。ただ,両日の雪質の違いや,生徒さんの滑りの傾向,あるいはどちらかに大きく偏った滑り方…などを拝見して,注意して滑る視点の置きどころや,その表現の方法が違ったのではないか?と思います。また,A教師の時は常設の一般レッスン,B教師の時は検定を視野に入れたレッスン…という違いもあったかもしれません。
私もレッスンで,内向内傾の強い生徒さんが居る時は,大げさに外向外傾を意識してもらいますし,逆に外向外傾癖のある生徒さんの時には,内向内傾を強調したりします。もし,一般の人がリフト上からこのレッスンの様子を見ていたとしたら,「同じ教師なのに言うことが違う…?!」という風に取られてしまうかもしれません。でも,実はどちらも正しいのです。いずれにしても,どちらが良くてどちらが悪い…というものではなく,内向も外向も,内傾も外傾も必要ですし,できるほうがいいと思います。両方ともできるようになると,その時々のシチュエーションごとに,どの程度の外向度が良いのか?という感覚がつかめるようになります。“S.I”さんもそういう意味で,いろいろな滑り方を学ばれる事をお勧めします。
また,生徒さんの立場からはレッスン中に教師に質問はできにくいかもしれませんが,もし可能ならリフトの上などで,「実はかくかく云々で,訳が判らなくなって来ています…」という風に率直に訴えるのも,ひとつの方法かもしれません。本来なら教師の方がそれを推し量って,説明するのが普通ですが…。
いずれにしても,当時の指導部長として,レッスンで教師の説明不手際があったことを申し訳なく思います。(-_-;)
June,26/2004 (土曜日) 曇り
今朝は梅雨らしく,前線が日本列島の上にきれいに乗っかっていますネ!(^I^) でも時々,雲の切れ目から薄日が射している白馬の里です。良い週末になるといいですネ!(^ー^)
*****
さて,今日は昨日の続きで“Y.T”さんからいただいた e-mail
へのコメントです。“Y.T”さんからの e-mail
は昨日紹介させていただきましたので,そちらをご覧下さい。
“Y.T”さんは「整形外科」のドクターということで,このような専門的な視点から“フィーリングスキー”に対する感想を聞くことができて,大変勉強になります。
「医者になり…なかなか忙しくてスキーに行けない…」ということですが,本当にその通りだと思います。私も入院こそありませんが,お医者さんの世話になることが数年に一度くらいの割であります。その時いつも思います。患者さんが居たら,それを見捨ててスキーに行くわけには行かないだろうナァー…などと。その忙しい中をなんとかやりくりして,スキーを楽しまれているわけですが,その様な方に少しでも“スキー”の雰囲気をホームページを通して楽しんでいただけたら嬉しい
!!! …と思います。(^ー^)
「…今まで悪雪は苦手で、ギャップを克服するのがテーマ…。まだ先生の理論を実践していませんが、楽しみに…」…私の経験から,キャスター・ターンは落下運動を無理なく行なえるようにするひとつのイメージです。悪雪や新雪がうまく行かない最大の理由は自分の力だけでターンをコントロールしようとする事です。ですが,キャスターイメージを持つことで,不思議なくらい落下が楽に行われるようになるのです。その結果「雪からのプレゼント」がやって来て,自分の想像以上にバランスが取れ,安心して滑れるようになります。“Y.T”さんも是非雪上でお試し下さい。(^ー^)
「…踵を意識することは即ち足関節をある程度背屈をする(前脛骨筋等の緊張で足首を締める)ことになり、それは同時に距骨がankle
mortise(脛骨と腓骨のによる足関節窩)で最も安定すると同時に、下腿三頭筋のテンションが強まり足関節の底屈運動がすぐに行なえるポジションになる…。先生のおっしゃっていた蝶番の原理に当てはまる…」…外科的というか,身体の骨格や筋肉の作られ方を専門的な視点からこのように分析していただくと,とても勉強になります。私の“オレンジ”とか“キャスター”とかのイメージ方法は,経験から生まれたもので,学問的な裏付けはほとんど無いのですが,それがもし少しでも「身体の構造上の合理性に合っている…」ということであれば,本当に良かったなぁーと思います。(^ー^)
「…スポーツで右足首を捻って前距腓靭帯を断裂し、今でも不安定性が残存して…左と同じ感覚で使えていない感じがし…ブーツをチューンナップしてもらったりカント角をいじったり…」…ご自分の身体の特徴が原因で左右の雪面コンタクト感が違ったり,運動要素が違ってしまったり…ということは良くあることです。このような時はチューンなどで適正にスキー用具が使えるようにすることはもちろん大事なことです。私も今年はブーツのインソールを新調することにしました。(^I^) ただ,キャスターイメージのターンをこれまでレッスンして来て思うことは,これを実践していただくと,マテリアルや身体の特徴に合った自然な動作が生まれてくることが多く,もし身体の左右の構造が違っていても,それなりにマッチした滑りができる…ということです。どういうことかというと,例えばO脚ならO脚なりに,そのO脚に合った身体全体のバランス維持反応が起こり,それなりのパフォーマンスをするようになる…ということです。そのO脚と雪の条件に最も合致した,自然なフォームや姿勢が自然に現れて来るのです。だからチューンは必要無い…と言うのではありません。身体に負担を掛けない為に,できるだけ好ましい状態にチューンはするべきです。ただ,その様なチューンをしたからと言って,それでOK
!!!
というわけでは無く,チューンしてもしなくても,その与えられた「条件にマッチした身体の運動が出て来るような滑りを心掛けること」が大事だと思います。そのためには雪の条件をより感度良く探るような滑り,つまり【Let】的な感覚の滑りが大事になります。【Do】的な運動をすると,身体上部から下部への運動が先行し,雪面コンタクトの状況を大切にした滑りができにくくなります。ところが【Let】的な“フィーリングスキー”では,先ず雪面コンタクトの様子を感じ取る作業が先にあり,それに合った体の反応が起こって,支点や迎え角方向を調整するフィードバックが行なわれる…といった,微調整の連続現象が続いてひとつのターンが形成されるのです。そのため,極端に言うと,右足のフィーリングと左足のフィーリングはチョット異なる…でもターンのされ方は同じ…という現象が起こりうるのです。人間の身体が左右非対称になっていることもあり,誰もが右も左もそのターン感覚はピッタリ同じ!ということはあり得ないと思っています。そういう意味では“Y.T”さんが「同じ感覚で滑れない…」ことに違和感を持たれるのも判りますが,この違和感は違和感として受容し,左右の違いがあって面白い
!!!
…くらいの感覚で滑られるようになったら最高かもしれません。(^ー^)
「…足という運動器官が持つ感覚(センサーからの情報)は人間の運動の基本…。股関節や骨盤の動きはそれに付随するもの…」…と思うようになられたということですが,“フィーリングスキー”で述べていることの合理性が,ある意味で外科の専門家の方からも認められた…ということで,私のレッスンスタイルに大きな追い風となります。(^ー^) 先に述べた【Let】的スキーの特徴「足元から下肢,そして上肢へ…」という考え方が市民権を得た…そんな気がします。足元のコンタクトが最も効果あるものになるように,あるいはコンタクトが合理的に行なわれるように,身体全体がそれに協力し,対応できるように自然に働いてくれる…ということです。建築でもそうですが,先ず足元を大切にし,身体各部の作り方はそれを基に構築して行く…と言うこともできます。
“Y.T”さんからの
e-mail
を励みに,尚一層これからも,“フィーリングスキー”の研鑽に努めて行きたいと思っております。貴重な
e-mail ありがとうございました。(^ー^)
June,25/2004 (金曜日) 雨
今朝は梅雨らしく,雨になりました。気温は21℃で,湿度はそれほど感じません。このように穏やかに梅雨も過ぎて行って欲しいですネ!(^ー^)
*****
さて,今日は“Y.T”さんからいただいた e-mail
のご紹介です。皆さんの参考にもなると思いますのでご紹介させていただきます。
『 TOK先生、始めまして。このたび先生のページを初めて拝見させていただき、feeling
skiを読ませていただきました。内容の全てが納得の連続で、今まで自分が感じていた事の点と点がようやく繋がったような印象をもちました。 特にオレンジやキャスターをイメージした足裏感覚で滑ること、キーキャスターは踵内側にあることなど、非常に理がかなっており、早く実践してみたくなりました。
簡単に自己紹介させていただきますと、私は東京に住む30歳の整形外科医で、スポーツは全般的に好きなのですがどれも大した腕前ではありません。スキーに関しては子供の頃年に数回の家族スキー程度だったのですが、大学時代に割とはまって、大学3年の時に一応1級を取った程度です。その後テクニカルを目指したのですが、試験等もあり断念しました。医者になり5年余りになりますが、なかなか忙しくてスキーに行けないのが現状です。しかし同僚の先生達(40代〜50代)にスキー好きな人が多く、時間を見つけてはスキーに行き、スキー談議に花を咲かせる事もよくあります。最近は整形外科的な視点から股関節の運動や骨盤の前傾など色々イメージして滑るのですが(最近のスキー雑誌でも股関節の動きや骨盤などの用語が良く使われ、以前に比べて用語が小慣れて以前より分かりやすいと思いますが)、なかなか雪上で滑走中に実践してもうまくいったり行かなかったりでした。
しかし、先生の講義内容をみて目から鱗が落ちるような感覚でした。センサーキャスターの話にしても、私自身、今まで悪雪は苦手で、ギャップを克服するのがテーマでした。最近は瞬発力や持久力不足もあり、悪雪にはてこずっていました。まだ先生の理論を実践していませんが、楽しみにしております。先生のおっしゃるとおり、踵のキーキャスターでの加重を意識することは後傾とは関係ないと思います。私なりに先生の理論を解釈したのですが、踵を意識することは即ち足関節をある程度背屈をする(前脛骨筋等の緊張で足首を締める)ことになり、それは同時に距骨がankle
mortise(脛骨と腓骨のによる足関節窩)で最も安定すると同時に、下腿三頭筋のテンションが強まり足関節の底屈運動がすぐに行なえるポジションになるのだな、と思いました。先生のおっしゃっていた蝶番の原理に当てはまると思います。
トレーニングの欄もとても参考になります。もっと早く見ておきたかったなと思いました。でも、もうスキーシーズンが終わりに近づきましたので(多分私はもう今シーズンは行けそうにないので)、これからの目標としても大変役立ちそうです。
余談になりますが、私は高校のときにスポーツで右足首を捻って前距腓靭帯を断裂し、今でも不安定性が残存して足首が大きく内反してしまう癖があります(レントゲン上の計測では30°ほど距骨が傾きます)。そのためちょっとした段差が予想外にあると足首がガクッと内反してしまうのです。スキーの際もコブや悪雪、雪だまりで板がひっかかると時々足を取られてしまう感覚があります。靭帯には深部感覚を伝えるレセプターがあり、足関節はいくつもの靭帯=レセプターが連携してバランスを取るので、どうしても不安感が残り左と同じ感覚で使えていない感じがします。いつもそれを悩んでいてブーツをチューンナップしてもらったりカント角をいじったり色々やっていました。今はオーバーカントのためなんでしょうか?、滑り終わった後に足底部の外側ばかり痛くなってしまいます。滑走中に腰が外れる(外足を外す)のを直すための苦肉の策と思っていますが・・・・ とにかく、色々な疑問点が理論上は一挙に解決された気がします。あとは、じっくりプルークファーレンから始めて足裏感覚、迎え角の感覚を作っていきたいと思っています。先生のプロフィールを見ると先生は運動神経抜群のようですが、このような体系立てた理論を持っていらっしゃって、本当に素晴らしいと思います(とかく運動神経の良い人は理論より感覚的なものが先立ち、教える人それぞれ言ってることが全然違うことが多いですよね)。
足という運動器官が持つ感覚(センサーからの情報)は人間の運動の基本だと思います。股関節や骨盤の動きはそれに付随するもので、足元からしっかり固めないと結局難しくなってしまうのだな、と思うようになりました。いずれ機会がありましたら、是非先生の御教授を受けてみたい、と思っております。その節は宜しくお願い申し上げます。(大変長いメール、失礼いたしました) 』
“Y.T”さん
e-mail ありがとうございました。大変長文の e-mail
で恐縮しております。
お医者さんの立場,しかも「整形外科」のドクターから“キャスター・ターン”など“フィーリングスキー”に対するご感想を聞くことができて,大変勉強になります。
“Y.T”さんのこの e-mail
に対する私のコメントは明日掲載させていただこうと思います。よろしくお願い致します。(^I^)
June,24/2004 (木曜日) 晴れ
今朝は昨日より幾分気温が低く20度ちょっとあります。でもこの梅雨の季節にウッスラとではありますが白馬三山も見え,残雪も見えます。朝イチバンに「山」が見えると,今日も精一杯やるゾ
!!! という気持ちになります。(^ー^)
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さて,今日は“T.K”さんからいただいた
e-mail への返事です。昨年6月
還暦スキーヤーの目指す道…?で一度「急斜面小回り」について,回答を差し上げたことがありました。その節はありがとうございました。(^I^) さて,今回のご質問は…
『 前略 以前急斜面小回りについてお尋ね致しました“T.K”と申します。その節は、ご丁寧なお答えとまたより詳しいHPへの掲載、ありがとうございました。おっしゃる通りです、急斜面小回りやめました・・・ずらしていきます。もっと根本的な基本、ひねりを洗練せねばならないようです。シーズンオフにずっとジム通いをして基礎体力トレーニングに励んだおかげでしょうか、持久力、筋持久力は若者に負けないようですが、ギュッと捻り込む筋力が弱いようです。先日スクールの年輩の先生で(昔八方のスクールにおられたそうですが)腰回り、骨盤の横の筋肉が盛り上がるのには驚きました。小回りの得意な人はここが発達している、とのことでしたが納得させられました。
先日わたくし53歳になりましたが、加齢による身体各パーツの経年劣化は仕方有りませんが、ジム通いで鍛えればまだまだ大丈夫です。モーグルや飛んだり跳ねたりは出来ませんが・・ためになることはなんでもトライしたいと思います。このオフトレーニングとして、このあたりの集中トレーニング方法をご教授頂きたく、またそのトレーニングの結果を楽しみに来年へのモチベーション高揚にしたいと思います。
公私ご多忙の折、誠に恐縮ですが、お時間とれましたらご返事頂けましたら幸いに存じます。』
昨年はズレ要素の混じった小回りを練習されたようですが,その結果のお言葉として「ひねり」という言葉が出てこられたのだと思います。(^I^) 確かにテンポの速い小回りをする時には,「スキー板を自ら回しこむ」的な脚の使い方をする方も大勢居られます。それはそれで結構だと私も思います。ただ,わたし流に言わせてもらえば,ここで紹介する映像をご覧いただいてもわかるように「宮下征樹選手の小回り」にこそ,私たち生涯スキーヤーが目指す小回りの本質があるように思います。それは「ひねり」あるいは「ひねる」ではなく,「ひねられ」なのだと…。ここにこだわる理由はこの映像を見ていただいて解る様に,彼はターン中盤から後半にかけてスキーを雪面に押し込んでもいませんし,ひねってもいません。落下して行くと雪の圧が勝手にスキーを回しこんでくれているのです。そして,角付けの切り替えではスキーをクロッシング的に腰の下を通過させて行きスキーの圧が軽くなっています。これも自らスキーの圧を抜いているわけではなく,腰の下をスキーが通過して行くことによって離れていくので,自然に軽くなってしまうのです。抵抗が軽くなると,スキーは上半身が向いている方向を向こうとしてターン内側に回り込んで来ます。これがターン前半です。私に言わせれば,彼のこの時の小回りは,自らの力を使わず,雪の力で滑った最高の見本だと思っております。これを位置エネルギーを使い切った最高の滑りと言わずして何と言うのでしょう?!(^ー^) まさに“生涯スキーヤー”が見本とすべき小回りでした
!!! …というわけで,「小回りはひねられ」だと思います。(^ー^)
来シーズンのスキーを目指して体力を充実させ,モチベーションを高められることは素晴らしい事だと思います。ジムでスキーのための筋トレといわず,身体の健康のためにウエイトトレーニングをされることは本当に良いことだと思います。そこで,スキー小回りで必要な「ギュッと捻り込む筋力が弱い…」という風に仰っておられますが,もちろんその様な働きをする筋肉を強化することも大事だと思います。でもそれと共に,「捻り込まれた筋力を解放する筋肉」も鍛えられたら,尚良いのではないでしょうか? 私の例で恐縮ですが,このトレーニングを兼ねて,私は「“チューブ”を使った筋肉トレーニング」を週二回くらいの割りで行なっております。これを行なうと,「ひねる筋肉」もつきますが,戻す時の「戻り筋」も鍛えられる様に思います。この方法は「簡単オフトレ講座」でもご紹介させていただいています。また,時間がありましたらこのホームページでも紹介したいと思います。
オフシーズンを“T.K”さんのようなお気持ちで過ごされている方が居られることを知って嬉しくなりました。他にも大勢,その様な方が折られると思いますが,ご自分の身体の素晴らしさを見つめなおし,いとおしむ良い機会だと思います。皆さんも身体…動かしましょうネ
!!! (^ー^)
June,23/2004 (水曜日) 晴れ
今朝は気温が22℃で,少し雲がありますが晴れです。(^I^) 今日はこれからこの雲も取れ始め,あす夕方までイイ天気が続きそうです。
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さて,今日は“O.N”さんからいただいた
e-mail への返事です。
『 …スキー2級取得に向けて練習しております北海道の“O.N”と申します。先日、初めての検定を受けましたが見事に落ちました。小回りが非常に苦手で、落ちたのもそれが原因の一つであると思われます。小回り克服のポイントについて何かアドバイスしていただければありがたいのですが・・・。どうぞよろしくお願いいたします。』
“O.N”さん,
e-mail 拝見しました。
ひと口に小回りと言ってもいろいろありますが,ここでは2級合格のためにクリアすべき技術,ということでお話したいと思います。「スキーQ&A」の小回り関連の所にもいろいろ書いてありますので,それはそれとしてお読みいただくとして,大事なことは次の4つです。
@自分でスキーを回しこもうとせず,雪の力でスキーが回ることを学ぶ事。
A常に上半身がフォールライン方向を向いている事。
Bターン後半にしっかり上半身と下半身の間に「ネジレ状態」をつくること。
Cネジレの解放で次のターンを始動させること。
先ず,「雪の力でスキーが回ることを学ぶ事」ですが,2級レべルでしたら,スキーの前後差を使ってその時受けるスキートップとテールの除雪抵抗の違いをうまく利用する事です。つまり,切れの良い小回りをしようとせず,ズレズレの小回りをすることです。
次に腰から上の上半身をフォールラインにキープすることですが,これには「ゲロゲロターン」が効果があります。胸の向きがスキーの向いている方向をその都度向いてしまうと,「ネジレ-開放」の身体の特性をうまく使えなくなります。その第一段階として,とにかく胸の向きをフォールラインにキープしようとする事です。詳ししくは「検索」にいろいろ解説してありますので,「ゲロゲロターン」と入れて参考にしてください。
胸の向きがいつもフォールラインを向いていられるようになれば,スキーが回り込めば回り込むほど,上肢と下肢のネジレは強くなってきます。この時気を抜いてしまうと,上半身もスキーのトップ方向を向いてしまい,ネジレをキープできなくなってしまいます。ですから,「絶対に胸の向きはフォールラインから外さないぞ
!!! 」」という強い意志が必要になります。
この「ネジレ」ができれば,あとはそれをどのように解放してやるか?です。2級レベルでは「引く引くターン」の要領で重心方向に圧を引き込む感じがいいでしょう。この「引く引くターン」も「検索」で参考にしてください。
小回り克服のポイント…ということですが,実際は「ポイント」どころでは無いという気もします。小回りはいろいろ複合された技術の噛み合わせでできるものだからです。そういう意味ではひとつのポイントではなく,総合的な技術が要求されるのが「小回り」だと思います。ですから,ひと言で説明することはかなり難しいのが本当のところです。
特に,スキー用具の特性,つまりカービングの簡単さだけに頼ったスキーイングをして来た人には,外向傾の大切さが理解できないかもしれません。でも,グッキーもよく言っていましたが,外向傾,外足荷重など,いろいろ複合的な技術を学んでいかないと,本当のスキーの面白さは体験できないと思います。なかなか大変なことですが,楽に簡単に…ではうまくいかないかも知れません。面倒くさいし,難しいかもしれませんが,これをクリアしてこそ大きな喜びがあると思います。上に挙げた@〜Cのトレーニングをしっかり習得して欲しいと思います。(^ー^)
June,22/2004 (火曜日) 快晴 !!! (^ー^)
青空がしっかり見えていて,雲が白く,山肌には残雪があって,里の緑は鮮やかで…なんともいえない良い気持ちの朝です。リニューアルしたベランダで,山を見ながら飲むコーヒーの味は格別です。(^ー^)
さて,ニュージーランドのスキーツアーですが,おかげさまでBとCコースが定員に達しました。8月21日から8月29日のAコースはまだ余裕がありますが…。ご希望の方はお早めにご連絡下さい。
また,私を支援していただいている“jpski”に新しい「web サンプルレッスン」がUPされましたので,ご覧下さい。
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さて,今日は“Ai”さんからいただいた
e-mail への返事です。
『 こんにちは。“Ai”と申します。いつもHPを拝見しております&スクールにもよくお世話になっています^^。スクールへ直接問い合わせをすればいいのでしょうが、一般的な回答になりそうで、こちらに質問させていただくことにしました。
先日の級別テストの結果がスクール内に張り出されており、それを見ていたところ、同じように覗いていた男性が近くを通ったスクールの先生に「1級は一人も合格してませんね。今後受けるつもりですが、難しそうで不安です。不整地小回りってどうしたらいいのですか?」と確認していました。その質問に対し先生が「不整地はコブとは限りません。今回は白樺でした。不整地小回りをコブでしない場合もあるので不整地と想定した滑りが必要です。演技が必要なんです」とのこと。それを聞いて疑問に思いました。コブ斜面でない場所で不整地小回りをする場合、「演技」って?。結局はどうしたらいいのでしょう??同じ斜面で滑るのに、整地小回りとどう変えて滑ればいいのですか?教えてください。よろしくお願いします^^
』
1級の不整地というのはどういう検定か?というご質問ですが「不整地」をどう捉えるか?ということだと思います。
検定の要項の中では,「不整地とはコブである」とか「どれ位の荒れた斜面をいう…」とかいう規定は実はありません。これを決めてしまうと,コブの深さはどれくらいで,大きさはいくら,雪の硬さはこれくらい…という風に際限がないからです。去年から新しくなった新検定の基本的な考え方は,「与えられた斜面に適合した滑り」ということです。ですから,こういう技術で滑りなさい…ということではなく,ある斜面が検定バーンとして設定されたら,自分のレベルでその斜面状況に合った最も良いと思われる技術で滑ってください…という風に変わりました。そして,1級の検定種目の中のひとつに「パラレルターン小まわり(不整地)」という種目が作られたのですが,この不整地はそういう理由で,「機械でピシッと平らに整備された整地に比べて荒れている斜面」ということなのです。ですからコブの斜面はもちろん不整地なのですが,コブでなくても粗踏みの斜面などでも「不整地」なのです。
そこで,問題は「…不整地小回りをコブでしない場合もあるので不整地と想定した滑りが必要です。演技が必要なんです…」と言ったスキー教師の真意なのですが,前段の「不整地小回りをコブでしない場合もある」というのは先の説明でご理解いただけたと思います。次の「不整地と想定した滑りが必要」の“と”なのですが,これは“を”の間違いかと思われますので,そう理解してお答えさせていただきますと,その訪ねられた教師は,「想定した滑り」というのは「不整地なら不整地なりの滑り」ということを言いたかったのだと思います。整地された斜面なのに関わらず不整地のような滑りをする…ということではありません。ただ,その後の「演技」ですが,これに付いては私も???です。演技ってナンでしょうねぇー?ただ言えることは,「その斜面に見合った滑り」ということを説明するのに,「体力があったりバランス能力が並外れていて,ガンガン滑っても大丈夫
!!!
というような人でも,それでは評価されませんヨ。斜面条件や用具の性能,身体の特性に合った合理的な滑りができることをアピールすることが必要ですよ」ということを言うために「演技」という言葉を使った可能性はあります。教師の説明を好意的に見ていただき,そういう風にとらえてあげて下さい。(^I^)
検定では同じ斜面で「整地小回り」も「不整地小回り」もやったとのことですが,「整地」の方を先に行なったはずです。その後,「中回り」や「フリー滑走」を行なった後で「不整地小回り」をやったと思います。実はこの検定システムができてから,同じ場所で検定を行なう場合整地と不整地をどうとらえるか?を「検定部」で議論し,検定の順序をその様にするよう各検定員に指示されていたのです。すると,整地に比べると不整地は明らかに荒れた斜面になっているはずです。私の所属するスキースクールでは,このように,整地よりも荒れた斜面を不整地とする…ということで統一していた筈です。
ですから,「同じ斜面で滑るのに、整地小回りとどう変えて滑れば…」ということですが,変える必要は全くありません。与えられた斜面に適合した,自分なりの技術で滑ることが大事です。斜面の選択はそういう意味で「検定員の責任」なのです。「不整地」を検定員がどう考えるか?という意味で,検定員の技量が試されている種目でもあると言えます。
以前の「何がナンでもカービング !!!
」に比べると,はるかに優れた検定だと思いますが,それを生かすも殺すも斜面を選ぶ「検定員の資質」が重要になったということです。(^I^)
June,21/2004 (月曜日) 小雨
今朝は小雨の白馬です。昨日は午後から雨の予報でしたが,なんのなんの…晴れ間が出て暑い白馬でした
!!! (^ー^)
*****
さて,昨日は「簡単オフトレ講座」の二日目でした。
初日は,トレーニングの基本的考え方,ストレッチ,チューブを使った筋トレーニング,イメージトレーニング,リラクゼーション,スポーツマッサージ,食事とサプリメント…について一緒に学びました。昨日はそれを引き継ぎ,持久力,瞬発力,敏捷性のトレーニングの仕方に付いて学びました。
参加いただいた方は常日頃あんまり運動をされていないようですが,義務的にならない簡単トレーニングはどうしたら行なえるか?ということもトレーニングの端々でお話しました。私の経験から言わせてもらえば,身体の筋肉を活性化させる
!!!
という意識を持ち,どんな些細な事でも良いから,機会を見て自分の筋細胞に意識を傾注する…という方法を使うことです。これは思った以上にが効果がある…と思います。(^ー^) 大上段に構えて,「さぁ,これからトレーニングする
!!!
」という気持ちでは最初は良いけれど,次第にその意志が萎えてしまいます。
先ず,寝る前の歯磨きの時などに,背を伸ばして脚を伸ばしたり縮めたりする,スクワットなどを軽くやってみます。この時,自分の脚の筋肉が負荷を感じ,筋肉が確かに動いているぞ
!!!
ということを実感することです。動いている筋肉を自分の身体の何の変哲も無い一部,と思わず,自分の身体とは別の生き物のような感覚で観てやる事です。第三者的な目で自分の身体の組織を観るのです。すると,どことなくその動いている筋肉に対して,良く動いてくれているナァー,良く毎日活躍してくれているナァー…という風な「いとおしさ」さえ感じてきます。これと同じような事は,歯磨きの時だけでなく,通勤の電車の中や,プラットホームなどでも,どこでもできます。例えば電車の中では,ゆっくりつま先を支点として踵を上に上げたり下げたり(カーフレイズ),つり革につかまって,それを下に引いてみたり(上腕の筋トレ)…。また歩いている時は,なんとなく歩くのではなく,ふとももや脚の裏のハムストリング筋に意識を注いだり…。意識してやろうと思えば本当にイロイロできるのです。(^ー^)
私は,「“筋トレ”とはある筋肉に意識を傾注し,それがどう緊張したり弛緩したりしてるのかな?ということを感じることだ
!!!
」とさえ思っています。筋肉にいとおしさを感じ,それがどんな風に活躍しているかな?ということを日常的に思うようになれば,「身体の組織の素晴らしさ」が解る様になります。自分の身体を構成してくれている各部位の働きに自然に目が行くようになります。そうなれば身体を動かす事は苦痛ではなく,大きな悦びになるのです。(^ー^)
さあ,皆さんもご自分の身体の素晴らしさ,早速実感してみませんか?(^I^)
June,20/2004 (日曜日) 曇り
昨日は思った以上の晴天んでした。 暑いくらいで,「オフトレ講座」でいい汗をかきました。(^I^)
週末…みなさんもイイ汗かいてますか?(^ー^)
*****
さて,昨日は「簡単オフトレ講座」の初日でした。5名様の申し込みがあったのですが,お二人が急用のようでお見えになれず,結局3名の方とトレーニングを行ないました。
昨年のオフトレ講座もそうでしたが,トレーニングを義務化するのではなく,「身体を動かす事,筋肉を緊張させる事の悦びを,感じ取る習慣を身に付けてもらおう
!!!
」というのがその狙いです。私もまだ青年の頃は体育会系のスポーツクラブに籍がありましたので,毎日のように運動をして汗をかいていました。でも,サラリーマンになってその運動をプツッと止めてしまいました。その結果,食事の習慣だけが残り,月毎に体重が増え始めました。気がついたときには標準体重よりも10数キロオーバー,という状態でした。(-_-;) それではいけない
!!!
とジョギングやテニスをするようになりましたが,なかなかスンナリと元のイイ状態には戻れませんでした。ただ「汗をかくことの心地良さ」は忘れていませんでしたので,それが幸いし,毎日のように身体を動かすようになりました。おかげさまで,今は標準体重近くに身体の状態をキープできるようになりました。(^I^)
今回のオフトレも,最終的には“スキー”のトレーニングということよりも,毎日イイ汗をかき,「身体が活き活きしているなァー
!!!
」ということを感じるまでになってもらいたい…というのが,その狙いです。
それでは,これからオフトレ二日目です。雨が来る前に楽しみながらイイ汗かいてきます!(^I^)
June,19/2004 (土曜日) 曇り
沖縄沖に台風が近づいているようです。この週末西日本では雨の影響を受けそうですが,白馬はかろうじて持ちそうな気配です。きょうから2004オフトレ講座が始まります。イイ汗かいてきます。(^ー^)
*****
さて,今日は“Kami”さんからいただいた e-mail
へのコメントです。
『 【TOK】先生、12月11日のレッスンでお世話になった“Kami”です。本日は、先生からアドバイスをm(._.)m
お願いしたいと思いメールしました。某スキー場で、テククラの事前講習・検定を受講してきました。1日目の事前講習が一通り終わり担当講師のアドバイスで気になった言葉は、不整地以外では板を体の側方へ出して押す。切り替えではもっと重心を内側へ運ぶように。小回りで腰がローテイションしている。大回りではポジションが高いでした・・・。検定当日は、天候も良くバーンも最高の状態でした。前日の事は気にせず自分の滑りをしようと思いました。種目順は整地大回り・小回り、不整地大回り・小回り、中回り、フリーでした。不整地は用意されておらず大回り、小回りの後の少し荒れた状態を使いました。正直、シーズン前半でしたので高望みはせず、今の自分のレベルの確認と講習終了証が目的でした。先シーズンとの違いは、板とブーツを新調しましたが違和感はほとんどありませんでした。結果を見てガッカリするというよりも、ビックリするほど点が低かったことでした。不整地2種目72 大回り73小回り73中回り73フリー73でした。これが現実なのかと思いました・・・。検定員総括では、全体的にエッジに乗り過ぎで切り替えのスムーズさに欠けている。中回りの理解不足でした。自分自身リラックスして受験できたことが良かったと思いますが、2日間の事を考えれば考えるほどナンデダロウ・・・という思いが強くなってきてしまったので、一人で考え込むよりも先生に相談するのが一番だと思い身勝手な内容ですが宜しくお願いします。』
“Kami”さんこんにちは! e-mail
ありがとうございました。テクニカル検定…合格まで至らず残念でした。(-_-;) (^I^)
さて,事前講習でのアドバイスですが,斜面状況や講師が受験生に求めた滑りの内容が分からないのでなんとも言えないところがあるのですが,板を体の側方へ出して押す⇒検定員がアグレッシブな滑りをして欲しいということでの要求なら,外からの圧をもう少ししっかり貯めこんでからニュートラル状態に持っていった方がいいでしょう。切り替えではもっと重心を内側へ運ぶように⇒クロスオーバーとクロッシングは滑り手の意識が全く違うのですが,他の人が見るとクロッシングをしている人の滑りのほうが重心を内側へ運んでいるように見えます。滑り手の意識と見た目の違いを検定員は見分ける目を持たないといけないのですが…。小回りで腰がローテイションしている⇒これは上肢と下肢の間にネジレが無い,ということですから検定員の言うとおりです。大回りではポジションが高い⇒滑走スピードが遅いと雪からの抵抗も少ないのでそれに対応する姿勢も高くなります。スピードが増すに連れて,構えが深くなりポジションは低めになります。もし検定員がスピードが足りない…という意味でそういうアドバイスをしたならOKでしょう。
検定後の総括は“Kami”さん以外の方の受験生のことも含んでいますのでなんとも言えませんが,エッジに乗り過ぎ…というのなら,前日の板を体の側方へ出して押す…ということと矛盾するような気もしますが…?。中回りの理解不足…これはどのように間違えているか?の解説はありましたか?これがどういう風に解説していたか?で検定員の要求した滑りが判るのですが…。
いずれにしても,考え方によっては評価が低くて72ポイントだった…という風に思えば良い方ですよネ!1級が70ポイントで,75ポイントがテクニカル合格のラインですから,テクニカルの方に寄っている…と思えば努力目標ができた…と思えていいですヨ
!!!
。ハッキリ言ってテクニカルやクラウンは,私が検定員をやっていても,合格するのは非常に難しいと思います。毎日のようにスキー指導し,研修している私の所属するスキースクールの助教師でも,半数以上はテクニカル不合格ですから…。“Kami”さんがガックリされるのも解りますが,「ローマは一日にして成らず…」です。レッスンの時の滑りを洗練させていけば必ずや合格の日はやって来ると思います。
何かアドバイスにならないアドバイスですが…あんまり焦らず,もっとスキーを楽しむ事をしながら技術研鑽を積まれた方が良いと思います。(^ー^)
June,18/2004 (金曜日) 曇り
梅雨時に4日続いた「快晴」も昨日で終わり。今朝は高曇り的な天候の白馬です。(^ー^)
明日からの週末…どのような計画を?
*****
さて,今日は“Toshi”さんからいただいた e-mail
のご紹介とそれに対するコメントです。
『 …先日は大変お世話になりました。本当に楽しいレッスンで、あっという間の時間でした。また、目からうろこの発見がたくさん、たくさんあり、とても有意義な時間を過ごさせていただきました。
・・・ですが、検定の時は全然再現できず、あえなく落ちてしまいました。せっかく教えていただいたのに、すみません。これからも練習を続けて、教えていただいたことをしっかりと自分のものにしたいと思います。そして、先生にうれしいご報告ができるように頑張ります!!本当にありがとうございました。まずはお礼まで。。』
“Toshi”さん e-mail
ありがとうございます。目からうろこ…というように仰っていただくと嬉しい限りです。(^ー^) チョット視点を変えてスキー技術をみるといろいろと面白いことが見えてきます。オレンジターンやキャスターターンは,どうやったら生徒さんにうまくなってもらえるだろうか?ということを考え続けた結果思いついたレッスン方法です。他にもいろいろな効果的なレッスン方法があるとは思いますが,【TOK】が突き進んでいる方向はこの方向,つまり大げさに言えば“フィーリングスキー”の世界です。(^ー^) たまたまこういうレッスン方法に出会ったので,“Toshi”さんは「目からうろこ…」と思われただけかもしれません。(^I^)
さて,検定では残念な結果だったようですが,あんまりその結果にこだわりにならない方が良いと思います。(^I^) 検定はあくまでどの程度のレベルに到達しているか?という尺度であって,受かっても受からなくても“スキー”の楽しさは変わりません。むしろ,レベルが到達していない状況だからこそ楽しめるシチュエーションもある
!!!
とさえ思っています。例えば,多くの人はある程度滑れるようになってからでないと,新雪や深雪に行こうとしませんよネ?でも,まだそんなにうまくない時にこそ新雪に挑み,その感触を味わうべきなのです。もちろん転倒はするでしょう。雪まみれになるかもしれません。でもそこには人間の手が入っていない自然そのものがあるのです
!!!
上手くなってしまうと,転倒すると「チェッ,失敗しちゃった!今度こそ転ばないで…」という気持ちになりがちですが,まだそこまで到達していない人は,転倒を転倒として楽しめるのです。(^ー^) うまく滑った時などは,滑れちゃった
!!!
という感動さえ覚えます。今の技術でそのシチュエーションに入ったからこそ得られる体験が残るのです。(^I^) 実は今年の夏,ニュージーランドに行きますが,そのスキー場は土日以外はほとんどスキーヤーが居ない所だそうです。人が居なくて寂しい…と思われるかもしれませんが,私はその逆で,自然を独り占めにできる感動を味わえると思ってワクワクしています。(^ー^)
そういうことですから,検定に受からなくたって大丈夫
!!!
それよりも今ある技術で楽しめる雪のフィールドを,思いッ切り楽しむことです。「うまくなる為に技術を習うのではなく,習った技術で雪の自然を楽しむこと」こそが大事なのです。(^I^)
June,17/2004 (木曜日) 快晴
今日もイイ天気で嬉しいですネ!(^ー^) 今,朽ちかけ始めたベランダの木材を取り替える作業を,大工さんにしてもらってますが,そのペンキ塗りを手伝いながら,梅雨の時期なのに作業がはかどってイイナァーと思っています。このペイント作業をしながら時々見上げる「残雪の白馬」もきれいです。(^I^)
*****
さて,今日は“K.I”さんからいただいた e-mail
へのコメントです。“K.I”さんは20年近くご一緒にスキーをさせていただいております。指導員の資格もお持ちの方で,毎年一回は一緒に滑らせていただいております。今回は彼の所属するスキークラブの合宿で,私のレッスンを受けられた後でいただいた
e-mail です。
『 …二日間の講習及び二日目の夜もお世話になり有難うございました。キャスターをイメージすると楽しく滑れると感じました。今までいろいろなキーワードがありましたが、今回全員が素直に受け入れて滑りが安定して一皮むけた様にみえました。しかし私自身としては、4輪、2輪までは良いのですが?2番、3番とピン
ポイントに絞っていくと、特に3番に迷いがあります。時々指摘をうけましたが、3番に移るまた、抜ける---3番の長さのタイミングが斜面状況に合わせられない、きれいな円弧が描けていないのかな?と今回の講習中いろいろタイミングをかえて滑っていましたが、かえって迷いが大きくなってしまいました。また八方にいきます、3番を意識していろいろな斜面を試したいとおもっています。有難うございました、これからもよろしくお願い致します。
』
“K.I”さんはじめ,その所属されているクラブの方とは毎年一回,合宿という形で二〜三日のレッスンをさせていただいております。今シーズンは“キャスター・ターン”をキーワードとしたレッスンでした。これまで長い間レッスンをさせて頂いておりますので,私のレッスンが「形」や「身体の使い方」をメインにしたものでは無いことを,皆さんご承知です。これまでも「オレンジターン」はじめいろいろな言葉を使ってのレッスンをして参りました。その中で,「今回全員が素直に受け入れて滑りが安定して一皮むけた様にみえた…」という風に仰っていただけたのは本当に嬉しい事です。(^ー^)
ところで,その中で“K.I”さんにとっては“3番キャスター”の使い方がイマイチピンと来なかった…ということですネ? いつもお話しておりますが,人それぞれ骨格も筋肉のつき方も,イメージや感覚も,微妙に違います。多分私が「3番キャスター」や「A-Caster」という風にレッスンでお話しても,具体的に皆さんが思い浮かばれるイメージと私のイメージとは微妙に違うものだと思います。ですから,全く同じ感覚を得ようと努力するのではなく,自分が説明されたことを自分なりのイメージとして,先ずトライしてみる事が大事です。そして,その時のスキーの動きや身体の使われ方が,教える側の私から見て,「Good
!!!」ということであれば,それはそれでOK!ということなのです。大事なのは「OK
!!! 」とか「Good
!!!」と言われた時の,ご自分のイメージや感触,足裏の感覚を忘れないようにする事です。
私から拝見させていただくと,“K.I”さんは非常に繊細な精神をお持ちの方だという風に思います。ひとつのことをご自分が完全に納得できないと,満足できない方です。こういう方はものごとをアバウトにしておけない方が多く,完全を求めたがる傾向にあります。しかし,雪の世界は千変万化です。同じ条件というものは二度と無い…と言っていいかもしれません。ターン円弧も違えば,その時の斜度や雪質も違うのです。ですから,先ず始めは大雑把に全体のフィーリングを感じ,そこから少しづつ条件々々によった特異性を抽出して行くようにした方が良いと思います。
例えば,ある日の名木山中壁での大回りなら,その大回りで感じる「3番キャスターのフィーリング」を自分の足裏感覚として身に付けるのです。もちろん一回ごとに斜面状況は変わっていますから,本当に微妙なフィーリングは違いますが,ターン円弧の大きさと,斜面が同じだけでも似たフィーリング,あるいは感触を「ひとつのイメージ」として感じる事ができます。それができたら,次は回転弧を中回りにしてみます。すると「大回りの時とは少し違った3番キャスターの使われ方」が感じられるはずです。圧の変化や,キャスターの転がり方向などです。これで大回りの3番キャスターの感じと,中回りの3番キャスターの感じの違いが分るはずです。そしたら次は小回りです。すると同じ3番キャスターが使われているけれど,回転半径の大きさでその使われ方には微妙な差があることに気付くと思います。…この様に,条件をいろいろ変えながら,その時々で3番キャスターがどうなっているんだろう?ということを意識して滑る癖をつけると,「3番キャスターの転がりイメージはいつも同じではない
!!!
」ということが判ってきます。実は,これが大事な事なのです
!!!
違いを感じているということ,つまり,雪からの情報を感じ分けている…ということなのです。その時“K.I”さんの足裏や下半身は,まさに“センサー”として機能しているのです。(^I^)
キャスターをイメージして滑ることは,その転がり方の違いを見極める作業を通して,自分の身体をセンサーとして使う…ということになるのです。たかがキャスター…されどキャスター
!!! 。そんなことを思っている【TOK】でした。(^ー^)
“K.I”さん !!!
互いにセンサーを磨き,感受性に優れた身体を創りましょう
!!! (^ー^)
June,16/2004 (水曜日) 快晴
今日もトップページのような快晴の白馬です。気温も適度で,例年なら5月下旬の天候のようです。全く梅雨とは思えません。みなさんもこの天気と同じように気持ちイイ日々,おくられてますか?(^ー^)
さて,昨日の日記に一部ミスがありました。昨日の教師日記の「…外スキーでの圧の捉え,左足1番キャスターの転がり意識…」の部分の左足ですが,右足の間違いでした。訂正してお詫びいたします。
*****
さて,今日は“K.T”さんからいただいた e-mail でのご質問に対するコメントです。
『 …こんにちは、“K.T”といいます。スキーQ&Aをいつも見せてもらっています。一つ質問なのですが、スキー全般の71番「重心の移動はどうする?」での質問です。71番以外でも踵が荷重点で下からの力点を使ってターンするとありますが、山の方のターンをターン前半として、谷の方をターン後半として、つなぎ目をターン中盤とすると、ターン中盤は確かに踵荷重になっていると思いますが、ターン前半は、足を引き込んだニュウトラル状態からターン中盤にはいるためにやや、先行気味に体が前傾気味に入って重心の位置が変わるのではないかと思うのですが?(踵荷重かどうか意識がいっていないのかもしれません) まだ未熟者のため、とんちんかんなことを言っているのかもしれませんが、ターン前半〜後半にかけてずうっと踵荷重なのでしょうか?
』
“K.T”さん e-mail ありがとうございました。ところで,“K.T”さんが考えられる「ターン前半」,「ターン後半」は一般的なスキー用語とは違う意味のようなので,始めにお断りしておきます。一般的には右の図のように「A-a」及び「B-b」がターン前半で「aーB」がターン後半と呼んでいます。ただ“K.T”さんはターンとターンのつなぎ目を「ターン中盤」と表現しておられますので,それが「イ-ロ」のニュートラル状態,つまり角付けの切り替え時だと理解させていただきます。
「イ-ロ」の角付けの切り替え時に「…先行気味に体が前傾気味に入って重心の位置が変わる…」と仰っておりますが,そのような感覚でターンを切り替える人も結構居られます。私はこの様な意識での角付けの切り替えを「クロスオーバー」と呼んでいます。そのような感覚でターンがうまく行なえれば,それはそれで結構だと思いますが,私のレッスンの経験からいたしますと,身体を先行気味にしたり,クロスオーバー的に“重心”を次のターン内側に持って行こうとして,ミスするケースが多いように思います。それに対し,“重心”の下をスキーが通過して角付けの切り替えが行なわれる意識のものを「クロッシング」と呼んでいます。このごろレッスンで使っているキャスターイメージのターンで,キーキャスターやA-Casterのことが頻繁に出てくるのは,クロスオーバー意識よりもクロッシング意識を持っていただくためです。(^ー^)
ご質問の「…ターン前半〜後半にかけてずうっと踵荷重?」ということに付いてですが,私は,スキッディングができるようになって,スキーのたわみを使いカービング要素の滑りができるようになれば,“支点”はターンのどの局面でもかかと気味の方がいいと,思っています。その理由については支点と重心の位置などいろいろなところで解説させていただいておりますので,「検索」で“かかと支点”もしくは“踵支点”と入れてそのページを参考にしてください。
June,15/2004 (火曜日) 晴れ
今日も本当に爽やかでイイ天気の白馬です。マ,全国的にイイ天気のようですが,梅雨の合間にこの様な気持ちの良い日に遇うとなにか得した気分になります。(^ー^)
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さて,今日はこのホームページの掲示板への投稿質問にたいするコメントです。“金太”さんと“安”さんからいただきました。
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[652] 滑り出しのイメージ : 金太 [近畿]
2004/06/01
こんにちは。私は回転が始まってしまえば、今の外足1番から3番に圧を移してから次の外足1番を捉えるというイメージは沸くのですが、直滑降からの滑り出しがどうしても内倒イメージになってしまいます。特に小回りの時。みぞおちに圧を受けるポジションを保ちながら落下していけばよいのでしょうか。よろしくお願いします。
[653] 私もです :安 [北海道・東北] 2004/06/07
私も下の金太さんと同じイメージがあります。机上の考えでしかないのですが、滑り出しの直滑降を、切り替えを終えた直後の谷回りと考えて、例えば直滑降から左ターンに入っていくなら左足のアウトエッジ3番キャスターに乗ってターン始動するのはいかがなものでしょうか。滑り出しの直滑降から外脚の1番キャスターを意識すると内倒するかシュテムのイメージになってしまいます。割り込みで申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
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“金太”さんへ…
キャスターイメージの滑り方に付いてのご質問ですが,最初の滑り出しの感じについて「内倒になってしまう感じがする…」ということです。もし直滑降から滑り始めるということであれば,四つのキャスターから内側二つのキャスター転がりに意識を持って行くわけですから,結果として「内倒」というより“重心”の位置がターン内側に入り込む…というのは当然の事です。この辺の事は「0034 キャスター・ターン入門 その3」で解説していますので参考にしてください。バランスが取れた上で内倒ということはあり得ますし,これがあったからいけない…ということではありません。
小回りで「みぞおちに圧を受けるポジションを保ちながら落下するのですか?」というご質問ですが,みぞおちをホルダーにしてしまうと,ややターン円弧が大きくなってしまいます。私の場合,小回りでは「ひざの内側」,もしくは「太もも外側」をホルダーにするようにしています。この違いは雪質や,斜度等の違いによりますので,一概にココとは言い切れません。また人ぞれぞれその位置も微妙に違ってくると思います。
“安”さんへ…
内足主導的にその様なイメージで入って行かれても結構だと思います。ただ注意しなければならないのは,外スキーでの圧の捉え,右足1番キャスターの転がり意識,が直ぐその後に来ないと内スキーでの滑走になってしまいますので,その事は忘れないようにした方がイイと思います。
最初のターンで,内倒だとかシュテム的だとか…という話は実際の滑りではあまり関係の無いことだと,私は思っております。さらに言えば,連続ターンであっても,シュテム的になることは良くあることですし,だからといって「滑りがオカシイ…」とは言えないと思います。あのグッキーでさえ,「パラレルで滑りましょう…」と言いながら実際はシュテム状態ができる時がありました。その時々の条件が異なるわけですから,最初から最後までピッタリスキーを平行にして…というようなことを求めすぎない方がいいのではないでしょうか?
June,14/2004 (月曜日) 快晴
!!!
今日は本当に爽やかでまるで初秋のような,ピリッと引き締まった感じの天気です。そういえば昨夜,「メルツェン」からの帰り道,夜空の星がきれいで,秋の空のようでした。もちろん天の河もしっかり見えましたヨ
!!! (^I^) 梅雨はどこかに行ったみたい…。
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さて,今日は“K.M”さんからの e-mail のご紹介です。“K.M”さんはじめ彼のグループの方とはもう十年近いお付き合いで,スキー仲間同然のお付き合いをさせていただいております。(^ー^)
『 【TOK】先生へ.....“K.M”です。先日はお忙しい中、二日間も本当にありがとうございました。正直なところ、チョット無理を言いすぎたかなと思っています。スミマセンでした。メルツェンで、「いきなり3番キャスターを意識する滑りを教えて欲しいというのは早すぎましたか?」と言った時に「(物事には順番があるから)そりゃそうだ!」と言われ、反省・・・。そこで、二日目は初日に引き続いて「キャスターコロコロ、乗ってけ乗ってけPart2」のはずが、自分達の滑りが「キャスター以前の問題」と指摘され、またまた反省・・・。でも、ぐうの音も出ない程指摘されて、自分的には弱点を暴露して、それを指摘される事で逆に勉強になりました。身体がローテーションせずに、少しでも雪の圧を貯められる様に腕の構え、ストックの突き方、滑りのリズムを意識したいと思います。遅ればせながらですが、言葉のリズムと滑りのリズムが同じというのも勉強になりました。
先生の忙しさをかえりみず本当にすみませんでした。ありがとうございました。何かにつけて、ダメな時はダメッ!と、叱ってください。怒鳴ってください。それでめげる様な私たちではないですから。遠慮という事を知らない、わがままな私たちですが今後ともよろしくお願いします。…』
スキー仲間として,少しでもスキー上達の参考になるコツをお話しようと思っております。もう10年にも及ぶお付き合いですので,互いに好きなことを言い合っておりますが,そういうわけで時々はゾンザイな言葉遣いになりますが,お許し下さい。(-_-;)
ものごとには順序がある…というのはその通りで,キャスター・ターンで言えば,先ず足裏で雪を4つのキャスターで感じることから始めたほうがイイのです。それをいきなり「どうも3番キャスター使うといいらしいぞ
!!!
」ということだけで,これを使おうとしてもうまく行きません。(^ー^) 先ず雪面を左右両足,合計8個のキャスターで雪面を転がることからイメージすることです。キャスターに乗って行く感じがつかめたら次に,いろいろな場所のキャスターに意識を集中させて行くのです。そういう意味では,すでにもう結構滑れる人は,そんなことを意識しなくたって自分流で滑れるわけですから,今更足裏感覚でも無いわけですので,イイとこ取りをしたがる傾向にあります。でもそれではうまく行きません。自分流の滑りと決別することから始めないと,本当の意味は理解できにくいのです。(^ー^)
「…言葉のリズムと滑りのリズムが同じ…」…そうでしょう?実際声に出しながら滑る“つぶやき”は身体の動きをスムーズにしてくれるだけでなく,疲れない滑りにもつながっているんですよ
!!! また,準指導員受験やデモ演技を行う時には絶対 !!!
と言っていいほどの効果があります。?身体の流れが止まらず,よどみが無くなるのです。謂わば「呼吸法の一種」ですネ!。
マ,“K.M”さんたちのように,仲間と思っている方には私もズケズケものごとを言いますが,これも親近感を持って接しさせていただいていることの証と思ってお許し下さい。でも,こと「スキー技術」に関しては仲間意識が先行し過ぎると,大事なポイントを見落とすことにもなりかねませんから注意が…。親しき仲にも緊張感!ですね。(^ー^)
では,また…ご一緒に美味しいビールをいただきましょう
!!!
June,13/2004 (日曜日) 晴れ
今朝は里にも陽が射していて,気持ちの良い朝です。(^I^) 昨日はゲレンデ整備で朝早くから出かけたため,時間が不規則になり教師日記…UPできませんでした。失礼致しました…。(-_-;)
*****
さて,今日は“S,Y”さんから頂いた e-mail
へのコメントです。ご質問の内容が多岐にわたっていますので,その都度質問事項にお答えしたいと思います。ブルーの文字が“S,Y”さんからの
e-mail
で,黒い文字が私からのコメントですのでよろしくお願い致します。(^I^)
“S.Y”:突然のメールで失礼します。私はスキーに夢中になって10年、30歳のスキー馬鹿です。自分の滑り方に行き詰まっている中、インターネットで技術を教えている(紹介・公表している)人がいるのでは?と思いいろんなホームページを見ている中、私の憧れであります、グッギーのスキーへの思いと同じことをつづっていることと、感覚をうまく言葉で表して、とても分かり易いことからホームページの記事を読ませていただきました。
【TOK】:お読みいただき,ありがとうございます。私自身グッキーと何度か一緒にレッスンをしたことがありますが,彼のスキーには敬服しておりました。本当に惜しい人を失ってしまいました。過ぎたシーズンも精一杯彼の伝えたかったであろうことを私の表現ではありましたが,レッスンさせていただきました。
“S.Y”:今まで教わったどこのスクールでも感覚を表現することもなく、形での練習ばかりで、【TOK】様のホームページ中での押す意識での教え方ばかりで・・・とても行き詰まっていました。そんな中、引く意識、受ける意識・・・とても興味をもったのと同時に、わけも分からず様々な事をやっていて「あれ?うまくいったな」、という場面が【TOK】様のホームページでの表現と似ている気がして、この技術をなんとしても習得して楽しく、美しく滑りたいと意欲が沸いてきました。
【TOK】:昔は私も押すターンばかりやっていました。でもそれではうまくいろいろな斜面を滑ることができないことに気付き,引くターンとか“フィーリングスキー”という形のレッスン方法に至りました。
“S.Y”:実際の滑りを見てもらっていないので、質問自体も的確に表現できるか分かりませんが、2つご質問させてください。例えば左ターンを行う際に、低速のプルークファーレン状態から引く意識で左足の意識をなくす(軽くする)と右足にテンションがかかり、左へ回り始めます。そのときに右足は突っ張るように受けます。板が回ってゆき次のターンへ切り替えるとき体の前のほうで受けているような感じになるのは必然的なことなのでしょうか?それとも後傾なのでしょうか?
【TOK】:引く意識のターンでこのような感じになるのは当たり
!!!
です。(^I^) スキーのトップが雪から抵抗を受けている証拠でもあります。後傾ではありません。このことの感覚に付いては「バナナナシェープ#2」にチョット載せてありますので参考にしてください。
“S.Y”:引き続き次のターンを行うため右ターンの外足である左足で立ち上がるように雪面を押し、次のターンのうち足になる左足を軽くすることで右へ回ってゆきます。
【TOK】:「引くターン」では,この局面で「左足で立ち上がるように雪面を押す」という意識はありません。一旦次のターンに入ろうとする時にニュートラルに戻し,そこから右足の圧を軽減していきます。
“S.Y”:このあともやはり切り替えの前では体の前のほうで雪面からの圧を受けている感じです。これを繰り返していると徐々にスピードが増していってしまいます。このスピードが増してしまうのはズレをうまく使っていないからなのでしょうか?足裏の意識は土踏まずの内側の辺りで引いたり受けたりという感覚を感じています。
【TOK】:普通は雪面からの抵抗を受け続けようとすれば,充分に回しこんでも引くターンで次のターンに入っていけます。ですから普通はスピードは増さないのですが…。もしかすると角付けの量を甘くしていませんか?内スキーを引き始めたとき外スキーのエッジが緩んでしまうと雪からの圧が来ませんので,ターンが思ったように始まらずスピードが出てしまう原因になります。
“S.Y”:すみませんがもう1つお願いします。同じように小回りを行う際に、運動スピードの関係から「引く、引くが続くターンになる・・・」とホームページで書かれていますが、雪面からの圧は一応足裏に感じていると思っていますが、引く(軽くする)というアクションを行おうという意識が強すぎるせいかもしれませんが足をまげて引き寄せるようになってしまいます。引く引くターンの意識で行っているときも切り替えの前は体の前で圧を受けています。これは間違っていますでしょうか?小回りのときもやはり前半では次のターンのそとあしで雪面を押し付ける意識が必要なのでしょうか?
【TOK】:前にも書いたように,外足で押し付けたのでは「引くターン」になりません。“重心”方向に脚を引き上げる様にするのです。“重心”が足に近づいていくのではなく,足をまげて引き寄せる感覚の方が当たっています。すると自然に外脚が伸びますが,これは雪を感じようとして脚があたかも“触覚”のように伸びて行っているのであって,雪を押しに行っているのではありません。フォームや姿勢は脚が伸びているから「押している…」という風に考えがちなのですが,これは大きな間違いです。
“S.Y”:質問を書いていて自分でもうまく表現できず、恐らく分かりにくいかと思います。大変ご面倒であることは十分承知の上で、申し訳ありませんがご教授お願いします。
【TOK】:いえいえ,イロイロな事象を言葉に表すのは難しいことなのですが,この難しい事をする作業が「スキー技術を考える事なのだ!」と私は思っています。“S,Y”さんはそういう意味で大きな勉強をされていることになります。(^ー^)
“S.Y”:PS 私もグッギーの滑りが大好きです。【TOK】様のホームページでも書かれているように滑りを見ていると、見ているこっちがワクワクしてきます。自分でもあんなふうに滑れるんじゃないか?っと思わせてくれます。お世辞ではありませんが、【TOK】様のホームページの記事も読んでいると同じようなワクワク感に感じます。これからもホームページの更新をがんばってください。
【TOK】:ハイ,グッキーの意志をついで,一人でも多くの方に“ワクワクするスキーの楽しさ”を広めていきたいと思います。(^I^) これからもよろしくお願い致します。(^ー^)
June,12/2004 (土曜日) 曇り
申し訳ありませんが,今日は教師日記
オ・ヤ・ス・ミ になります。
八方尾根スカイラインコースのゲレンデ整備です…。せっかくお越しいただきましたが,申し訳ありません…(=_=;)
June,11/2004 (金曜日) 曇り
昨日はバイクで少し汗をかきました。(^ー^) 一日一回,汗をかくことが楽しみです。皆さんも良い汗…かいてますか?
*****
さて,今日は“T.N”さんから頂いた e-mail
のご紹介です。
『
【TOK】先生、こんばんは。先日お世話になりました、“T.N”です。本日関西に戻ってまいりました。今回の白馬滞在中には、先生のナイターレッスンという思わぬプレゼントを戴き大感激でした。またよろしければ、ご一緒に滑らせて戴きたいです。ビアホールではお会いすることができませんでしたが、大変美味しいビールを飲むことができまして、私の喉のほうも大満足です。今度は是非ともカヤック談議をしたいです。できればカヤック仲間も連れて行きますから。(笑)
さて、先生にキャスターイメージを直接ご指導いただいてから、私の滑り方が変わったような気がします。ご指導の翌日から、キャスターイメージの意識を持って練習した結果、どんな重い雪でも引っかからず、足も疲れず、大変安定感のある滑りに変わってきている気がします。滑っていて楽しいです。
1月1日に八方のバッジテストを見学させていただきました。そしてその模様に触発されて、1月3日に隣の五○スキー場で、2級のバッジテストを受験してみました。(本来なら八方で受験したかったのですが、急きょ受験を思い立ったので日程が合いませんでした。ごめんなさい。)当日は重い雪でしたが、キャスターのことだけを考えることにしました。「2輪・・・4輪・・・2輪・・・4輪・・・2輪・・・4輪・・・。11時・・・1時・・・11時・・・1時・・・。」雰囲気にのまれつつも、楽しく滑ることができました。その結果、265点で合格させていただきました。すべての種目で合格点でした。・・・嬉しかったです。次は1級です。今回は日程が合わず、隣のスキー場で受験しましたが、次回は是非八方で受験したいと思っています。その前にキャスターイメージを磨かないといけませんよね。楽しみながら頑張りたいと思います。』
“T.N”さん e-mail ありがとうございました。(^ー^)
今日ご紹介した e-mail
はご質問…というような内容ではありませんが,「スキーを楽しむ」ということについてチョット考えてみたいと思い紹介させていただきました。(^I^)
“スキー”を通して“T.N”さんと知り合うことができました。もしスキーをしていなかったなら多分お会いすることも無かったと思います。ですが,“スキー”という共通のスポーツを通してご一緒に楽しい時間を過ごす事ができました。良く「一期一会」という言葉を耳にします。安土桃山時代の茶人で,千利休の弟子であった宗二の著「山上宗二記‐茶湯者覚悟十体」にある「一期に一度の会」から出た,茶会の心得をいう言葉だそうですが,その意味は…「抑茶湯の交会は,一期一会といひて,たとへば、幾度おなじ主客交会するとも,今日の会にふたたびかへらざる事を思へば,実に我一世一度の会なり,去るにより,主人は万事に心を配り,いささかも麁末なきやう…実意を以て交るべきなり,是を一期一会といふ…」ということだそうです。私は“スキー”においても同じような事を思います。一回コッキリでないのが違うところかもしれませんが,どなたかにお会いした時には最善を尽くして,楽しい“時”を過ごしたいといつも思って居ます。一億数千万の日本人の中で,互いに声を掛け合い,時間を共に過ごすことのできる人はほんの一握りの方々です。その機会に恵まれたからには,その出会いを大事にすることは当然のことだと思います。(^I^) このホームページをご覧頂いている貴方…あなたもそのお一人ですヨ
!!! (^I^)
ところで,そういう出会いもさることながら,共通の趣味の“スキー”をどう楽しむか?ということも大切なことです。以前,「スキーの面白さって何だろう?」ということで2001年の4月と5月に数日間に渉って書いたことがありますが,挑戦しクリアする事,雪と戯れる事…等いろいろありました。“T.N”さんはキャスターイメージを意識しながら2級の検定を受けられたわけですが,その検定でも義務感ではなく“楽しむ”という姿勢があったことがイイナァー
!!!
と私は思います。日本人はとかく資格を取ったり,その道の権威者になろうとしたり,道を究めたり…という姿勢でものごとを行なおうとしがちなのですが,純粋に“楽しみ”のために「楽しむ
!!!
」という気持ちで“スキー”をとらえてみて欲しいと思うのです。求道者的な楽しみは楽しみとして,そうではないネあか的な楽しみ方というか,上達とか技術とかをあんまり考えないで,その時をその時の状態として素直に楽しむ…という姿勢です。実はこの夏,8月下旬にニュージーランドでスキーをすることになりました。そこではぜひこういう姿勢で“スキー”を楽しんで来ようと思っています。(^ー^)
“T.N”さんの e-mail から,「技術抜きに楽しむ !!!
」…そんなことを思った【TOK】でした。(^I^) (^o^) (^I^)
June,10/2004 (木曜日) 晴れ
今朝は平地の一部に陽が射していて気持ちの良い朝です。カラッと晴れた晴天ではありませんが,雲が多かったり,雨が降っているよりは数段気持ちがイイです。緑と残雪が良いコントラストをかもし出しています。(^I^)
*****
さて,今日は“Kit”さんから頂いていた e-mail
へのコメントです。“Kit”さんとは今シーズン一度,12/10にレッスンをさせていただいており,その後にお送りいただいたご質問です。(^I^)
『
【TOK】先生、今シーズン最初お世話になった“Kit”です。あれからキャスターを意識して精進(大げさ?)しています。フィーリングスキーの楽しさで更にスキーが楽しくなりました。この感じを少しでも伝えられたらと思い何人(一級所持者)かに自分なりに指導?してみました。やはり今までのDO意識のスキーと違い、ある程度のレベルであれば雪からもらう抵抗でターンをしていくことが、楽で、スムースに行えることができるんだと感じてもらえたと思います。かなり納得というか、いままでと違う感覚のスキーを感じてくれたと思います。私自身の滑り(特に小回りでスムースに弧を描きながら落下していく滑り)を見て素直に聞いてくれます。まわりの人からあんなふうに滑りたいと思われるように自分自身ももっとうまくならなければと思います。
ところで,3つ質問させて下さい。いつでも結構です。
1.カービングの大回りの場合、圧を受け止めるホルダーはみぞおちですか?ターン外腰ですか?外腰がMAXでそれ以上外側になると明らかに内倒しすぎですよね。
2.ビデオのテクニカルクラウン完全攻略での小回りはリズムが早く、弧を描いているという感じをイメージするのが難しいんですが(見る目がまだないんですかね?)、先生に教えて頂いたリズムで、谷まわりから圧をもらいながら落下していく滑りでテクニカルは十分なのでしょうか。(実は八方でテク受けたいのです。)
3.レッスンでは、キャスターの緯度を変えるまでは、教えていただきました。次にキャスターには柔らかさもあるということでしたが、時間がなく伺うことができませんでした。いつかホームページにアップしてください。柔らかさ?どんな感じなのでしょうか?…』
“Kit”さんこんにちは!お元気でしたか?
E-mail ありがとうございました!(^I^)。
“フィーリングスキー”でさらにスキーが楽しくなった…というのを聞くことができ,本当に嬉しいです。他の人に“フィーリングスキー”を手ほどきされたとのことですが,ご自分のスキー技術を磨く上でも役に立つことだと思います。うまくなってくれて良かったですネ!(^I^)
さて,ご質問への答えです。「大回りの場合、圧を受け止めるホルダーは?」ということですが,ターンスピードによってホルダーの位置は変わります。普通のスピードで楽にターンするようなら“重心”付近ですし,それより速くなればさらに上半身の上部「みぞおち」から「喉ぼとけ」,「頭のてっぺん」という風に移って行きます。また,回転半径によってもそのホルダーの位置は変わります。回転半径を小さくしようとすれば“重心”よりターン外側,つまり外腰付近をホルダーにします。しかしホルダーの位置が身体の外側になることはありません。私の感覚では,気持ち良くハイスピードで大回りをしている時のホルダーの位置は「ターン外の鎖骨付近」になっていることが多いです。人によって骨格が異なりますから,ホルダーの位置意識が全員同じということはありませんので注意が必要です。また,内倒とか外傾オーバーとかよく言いますが,ホルダーの位置がその時々のターンにマッチしてバランスが取れていれば,その様な内倒し過ぎとかのフォームを気にする必要は無いと思います。バランスが取れていること自体が理想的な軸ができているということなのですから…(^I^)
「テクニカル受験の小回りは落下イメージでOK?」というご質問ですが,この滑りができる人こそ「スキーを止めない走る小回り」になりますし,ターン後半の圧を次のターンに有効に伝えるリバウンドのある,活き活きした滑りになるのです。ターン後半に角付けを強めその反動で次のターンに入る滑りと,雪からの圧を利用してリバウンドができる滑りを混同しないようにしなくてはなりません。一見同じように見えますが,良く見ると前者の人の滑りはターン後半にチェック状態が入り,スキーが停止するのが見えます。
「キャスターに柔らかさがある?」ということに付いてのご質問ですが,キャスターのイメージを膨らませて行くと,その大きさの違いや硬さの違い,材質の違い…などいろいろなフィーリングがあることに気付きます。それは雪質や斜面状況がいつも同じではなく,「雪から伝わって来る抵抗感の違い」でそう感じるのですが,コロコロという感じで転がっているのか?それともゴロゴロ?…あるいはゴロォーンゴロォーンなのか?コロォーンコロォーンなのか?といった違いとして感じられるのです。雪からの情報として「雪とスキーのコンタクト感の違い」が硬いキャスターとか柔らかいキャスターとかの「フィーリングの違い」として感知される,ということです。この違いが判るほどに足裏感覚が磨かれれば“Kit”さんも“フィーリングスキーの達人”ということになります。(^ー^)
June,09/2004 (水曜日) 曇り
今日は晴れ間が出そうで,外でExerciseができそうです。(^I^) やっぱりインドアで体を動かすのと,アウトドアで動かすのとでは,気持ちが全く違いますから…。今日はバイクかな?それともインラインスケート?
*****
さて,今日は“H.S”さんのご質問に対する回答です。
『
【TOK】先生こんばんは。H.Sと申します。二日間、志賀高原で初滑りを、そして一日おいてまた二日八方で滑りました。どちらもベストコンデイションで最高のシーズンインを迎えることができました。特にスカイラインの新雪は最高でした。思わずよだれが出そうになりました。もちろん昨年ご教授いただいたキャスターのおかげで新雪でも安定し、整地と同じような滑りだと友人に言われました。しかしながらコブに入ったとたんに別人になってしまうそうです。フォールラインを意識しているつもりが、体ごと横を向いてしまうらしいのです。自分のなかでも、意識のなかからキャスターが消えてしまいます。1・31・3と意識しようとするのですが・・・・お忙しいとは思いますが、何かアドバイスをいただければ幸いです。本当は直接ご指導いただきたいのですが・・・』
“H.S”さん,返事が遅れてごめんなさい。(=_=;) シーズン初めに頂いていた
e-mail だったのですが…
新雪がうまくおできになったようで良かったですネ!(^I^) ただ,コブがうまくできなかった…とのことですが,多分,
e-mail
の文から判断すると「コブの小回り」のことですネ?。
多くの方がそうなのですが,小回りでは上半身と下半身の間の「ネジレ」が最も重要になります。これがうまくできていないために小回りを難しい!と感じてしまうのです。以前も話しましたが,今シーズンを振り返って,この「ネジレ」をうまく作る方法は“ゲロゲロターン”だったと思っています。コブに入る前に先ずこのゲロゲロをモノにして欲しいと思います。
さて,次は「コブ」という特殊な状況下をどう滑るか?ということになります。うまく滑れない原因はいろいろありますが,先ず気持ちの上で「コブだ
!!!
」と思ってしまうことです。そういう風に思ってしまうと,身体は硬くなり,うまく働かなくなります。小さく連続している急斜面と緩斜面を滑るのだ…という風に思ってみると意外に気楽になるものです。
それから整地とは違いますから,バランスを乱す要素が一杯あります。ですから,整地のような気持ち良さを期待してはいけません。グッキーも言っていましたが,コブの楽しみは,乱す要素の斜面をいかにリカバリーを使って破綻せずに滑り降りるか?だと思うことです。言ってみれば,難しい状況をクリアする喜びを感じることなのです。ですから,バランスを崩して当たり前,気持ちよく滑れなくて当たり前…と思うことが大事なのです。
技術的には“重心の移動を止めないこと”です。どんなに低速でも構わないから停止しないように注意すれば,雪の抵抗を求めることができますので,ターンを持続させることができます。よくコブの頂点などでスキーの動きが止まったり,身体にブレーキが掛かるように停止してしまう人を見かけますが,その時も身体を移動させ続けることが大事です。“H.S”さんは「フォールラインを意識している…」と述べられていますが,ひょっとすると“重心”の移動をフォールライン方向に意識されていますか?実は整地でも同じなのですが,小回りでも“重心”の移動軌跡はフォールライン方向に直線的に移動するのではなく,丸い円弧を描いているイメージを持つことが大事なのです。つまり直線的な“重心”の移動軌跡をスキーが左右に振れてターンするイメージではなく,中回りや大回りと同じように,スキーの移動軌跡に沿った“重心”の移動軌跡をイメージすることなのです。このイメージはコブの斜面で効果がありますのでぜひ試してみて下さい。(^I^)
さらに,コブの斜面ではジャンプ系の技術や捻りの技術も必要になります。雪の力を受け止めて滑る【Let】的な技術だけではコブの斜面に合わせた滑りができないのです。【Do】的な要素も交えながら,総合的な技術が要求されます。今はほとんどやらなくなったジャンプターンやシュテムターンなどもおおいに練習することが大事です。(^I^)
コブではバランス維持をするため,本当に総合的な技術が求められる…ということです。コブはスキー技術のデパート,あるいは総合商社でないとダメ
!!! ということかな?(^I^)
June,08/2004 (火曜日) 曇り
今日は雨こそ降っていませんが,平地の直ぐ近くまで雲が降りてきていて,少し重苦しい気がする白馬です。
*****
さて,一昨日“フィーリングスキーの実践報告”ということで載せさせていただきましたが,“Kam”さんから同じように「実践報告」を頂きましたので,今日ここで紹介させていただきたいと思います。
『 TOK先生 “Kam”と申します.…今年の冬から,ちょくちょく日記をチェックしています.いつも発見,教えられる事ばかりです.…スキーは大学院生になったときに,「趣味の一つでも」と始めました.その際に見つけた本が,グッキーの”スキー上達講座”でした.非常に分かりやすい説明とグッキーの哲学に感動しました.研究とも通ずるものを感じました.…そのグッキーがなくなったとの事をしり,情報を集めているときに,TOK先
生のページにたどり着きました.…TOK先生のページを見ている皆さんは,上級者の人ばかりで,僕みたいな初心者はいないので恐縮ですが,初心者なりのキャスターの使用感を報告致します.
前置きが長くなりましたが,今年3回目ぐらいのスキーの際にキャスターの話をしり,実験をしてみました.
▲ ケース1
足の裏全体がべったり → かかと重心,センサーキャスターが常に雪面をとらえている,を意識してみました.この際ターンなどで不安定になったときには,センサーキャスターが,めり込んだり,浮いたりしているのが,何となく分かるので,修正がしやすかったです.常にセンサーキャスター(親指付け根)が雪にふれている状態を確かめて滑る事で,すごく安定しました.僕はすっ飛ばしたときに,センサが浮いてしまう事が多いようです.そこで常にセンサが軽く雪にふれるように意識しました.おかげで,春の溶けかけた雪でも,速度が不規則になる雪でも楽しく滑れました.
▲ ケース2
次に友達に,キャスターの話を簡単に説明した後,整地されたゲレンデの横にたまっている,ぼこぼこ雪につっこませました.その際に,ころころと口ずさみ,常に転がすイメージを強めるようにさせました.それを横から観察していたのですが,びっくりです.友達は,ほとんどスキー経験がないのですが,うまく自然に膝を曲げ,ショックを吸収しながら,雪の中を進み続けられました.友達は「めっちゃ楽しい!」と,スロースピードですが悪雪につっこんでいくようになりました.
■ 結論
「初めてスキーをするときから,雪の圧を受けるを意識する」事は,上達がものすごく早くなると思います.僕はだいたい20日程度しか,滑れていませんが,周りからは「何年も滑っている人」と思われるほど上達しました.まして,スキーが4度目というと,びっくりされます.これも「雪の圧を受ける」意識のおかげだと思います.グッキー,TOK先生に感謝です.さらに友達の事例からも,キャスター(雪の圧を受ける意識)は,初心者のスキーを楽しくできる能力があると思います.それに上達が早い上,転んだときの痛みも少ないように感じます.スキーを押していって転んだ場合は,非常に危険な転び方になる事が多いです.しかしながら圧を受けに行った場合は,逃がしきれなかったりするので,柔らかくこける気がします.…』
“Kam”さん!!!,“フィーリングスキー”キャスター・ターン実践の
e-mail ありがとうございます。
私のレッスンを実際に受けておられない方にとって,“キャスターイメージ”のスキーイングがどのような効果があるか?あるいは無いか?…ということに大きな興味を持っています。一昨日の“K.T”さんからも貴重なご報告をいただきましたが,今日の“Kam”さんのレポートも大変参考になります。(^I^) ありがとうございます。
仰るとおり,グッキーも口にこそ【Letスキー】だ…とは言いませんでしたが,「雪の力でターンする」という基本的な考え方は同じだと思っております。
“Kam”さんは,センサーキャスターで雪の感触がつかめる…ということですが,かなり足裏感覚が鋭い方だとお見受けします。…というより,いつも足裏に意識を集中するクセがついている…ということなのかもしれません。それくらい集中できれば「浮いている」とか,「軽く雪に触れている」という感じは結構容易に感じ取れ,センサー軸の存在をイメージすることも可能になります。(^I^)
お友達にキャスターのことを話され,その模様を観察されたようですが,身体がうまく雪の抵抗に対処できたようで良かったですネ!(^ー^) キャスターが雪を感じながら進むことで,「センサー筋」が使われたことに依るものだと私は思っていますが,“Kam”さんも傍から見ていて「受けることの重要性」を認識されたのだと思います。
「雪の圧を受ける意識は,初心者のスキーを楽しくできる能力がある…」ということですが,私もそれを感じています。初心者だけでなく上級者にとっても「雪を感じる楽しさ
!!!
」があるのです。単にスポーツをしているという感覚以上に,大自然の息吹を自分の身体の中に取り込んでいる…とでも言えるような爽快感です。 転倒に対してもやさしい…ということですが,「力を伝える筋肉」と「感じ取る筋肉」の性質の違いなのでしょうか?確実に疲労感は違います。「感じ取る筋肉」で滑っている方がはるかに疲れを感じません。もしこの日記をお読みの方で,その様な「筋肉の使われ方」に詳しい方が居られましたら,ご教授願いたいと思いますが…。
“Kam”さんは滑走機会の少ないハンディを,“フィーリングスキー”キャスターイメージの滑りで克服され,効果的な上達をされているようで嬉しく思います。多分キャスターイメージのターンをすることで「身体的なダメージ」を受けられたり,「滑りがおかしくなる…」といった事は無いと思うのですが,「うまく活用できて上手になった
!!! 」というお知らせを頂くと「本当に良かったナァー …
」と思います。
実践報告…本当にありがとうございました。(^I^)
「
June,07/2004 (月曜日) 曇り
昨日午前中に梅雨入りのニュースが…。これからうっとうしい時期が続きますが,一日一回は雪のフィールドを思い出して,爽やか気分に
!!! (^ー^)
*****
さて,今日は“M.S”さんから「悪雪でのキャスターイメージは?」という題で「スキー技術のBBS」に頂いたご質問にたいする回答です。
『 …いつも愛読させて戴いております。今シーズンから自分なりにキャスターターンを解釈し練習に取り入れております。思った以上に効果があり、高い姿勢でもスキーが安定することを実感しました。また、スキーに行くのが楽しみになりました。そこで、私なりに疑問に思っていることをご質問させて頂きます。先週、八方にお邪魔したのですが、土曜日に降った大雪が、日曜日には結構荒れた状態になっていました。特に、新雪の上をボーダーが滑り込んだところは、グサグサでかなり難度の高い斜面になっておりました。そういう悪雪やコブ斜面でキャスターのイメージがわかないのですが、どうしたらよいのでしょうか?特に悪雪の場合、キャスターの転がるイメージが全く沸きません。やはり、踵を支点にキャスターを何時かの方向に転がすようにするのでしょうか?よろしくお願いします。
』
“M.S”さんこんにちは!返事が遅くなりまして申し訳ありません。思った以上に効果があり,スキーに行くのが楽しみ…とのことですが,そう言って頂くと本当に嬉しいです。(^I^) このホームページを運営していて良かったナァー
!!! と思います。(^ー^)
さて,悪雪でのキャスターイメージ…ということですが,基本的には「回転し続ける…」ということに関しては同じ様な感覚です。厳密にイメージすれば整地斜面や悪雪ではスキーがもぐってしまうからキャスターは使えない…と思われるかもしれません。しかし,キャスターはその雪の中でも潜りながら回転し続けるのです。深雪の時のキーキャスターの捉え感は,整地の時の抵抗感とは少し感触が違い,底がフワフワとした弱い圧を感じながらの回転になります。厳密には「転がす!」という意識よりも,「転がりに乗って行く!」という意識です。転がす…だとキーキャスターを雪の中に潜り込ませる…という【Do】的な意識になってしまいます。そうではなく身体全体をキーキャスターに預け,そのまま悪雪の中を移動して,フワフワあるいはザクザクを味わいながら落ちて行くのです。キーキャスターの転がり圧は整地の時より弱く感じることになりますが,キャスターの回転は確実に感じられます。
そして,昨日の日記の最後の部分で話したように,悪雪や深雪では「かかとを支点として,スキーのトップ部分に雪の抵抗が来る感覚」がより鮮明にされて来ます。つまりキーキャスターと同等くらいの転がり感を,センサーキャスターで感じ取ることができるようになります。これは整地に比べより大きな圧がスキーのトップ部分に掛かってくるからです。この様な感覚で滑って行くと,足首が「テコ」のように動いていることに気付きます。
例えば,1メートルもの深い新雪などを滑って行くと,足場が見つかりません。つまり整地のようにガシン!と強い圧で身体を支えてくれる感覚が無いのです。雪の中に宇宙遊泳のように浮いている感じがします。それでも斜面移動して行くとキーキャスターはフワフワしながら回転し,センサーキャスターが雪からの圧を受けて回り始めて,スキートップが雪面から身体の“重心”方向に躍り上がる様に浮いて来ます。これが深雪でのターン後半です。その次はA-Casterの転がりを意識してクロッシング気味に角付けの切り替えを行います。そして,次のターンのキーキャスターを再度意識し,宇宙遊泳の舵取りに入って行くわけです。このように足場がしっかり感じられないような雪でさえ,キャスターの転がりはそれなりにイメージできるのです。
悪雪や深雪,コブでのキャスターの転がり感をそれぞれ微妙に感じ別けられる様になるまで,足裏に意識を集中して滑ってみることです。その違いが少しづつ判って来ます。その時まさに“M.S”さんは「違いの分かるスキーヤー」になった
!!! …ということなのです。(^ー^)
June,06/2004 (日曜日) 高曇り
今日の日曜日…ちょっと涼しい風が吹いています。天気は高曇りでまずまずの休日かな(^ー^) 皆さんはどう過ごしてられますか?
*****
さて,ここのところシーズン中に頂いた掲示板へのご質問,
e-mail
でのご質問に答えさせていただいていますが,その順番は頂いた順序で…ということにしたいと思います。よろしくご理解のほどお願い致します。
今日は“K,T”さんから頂いた e-mail
のご紹介とそれに対するコメントを述べさせていただきます。(^I^)
『 …2003年五月に【TOK】先生のHPに出会い、その内容に感激し、シーズンオフに過去の教師日記も含め熟読させていただいております。勝手ながらHPの内容を自分なりに実践した結果(感想)をご報告させて頂きます。
(1)12月20日(土)志賀高原ブナ平。天候吹雪。押す意識のフ゜ルークと引く意識のフ゜ルークホ゛ーケ゛ン、足裏のオレンシ゛意識、キャスター意識、荷重点と着力点の意識、をブナ平の緩斜面で練習。
(2)12月21日(日)志賀高原西館山、ジャイアント。天候晴。足裏に意識を集中して急斜面〜緩斜面で大回〜小回で滑込。
(3)二日間で得たこと・感じたこと
@1日目は吹雪で視界不良。先シーズンまでの自分なら天候を恨んでいたが、足裏感覚を磨く練習にはもってこいのコンディションと受入れることが出来た。
A今までポジョンが高く高速時に不安感があったが、足裏で雪を感じようと意識した結果(自分でポジションを下げようとしていないのに)、スヒ゜ート゛に応じてポジョンが低くなって、自分でも安定感があった。
B大回で立上り抜重のクセが自然となくなり、切替えの時にも雪面を感じ続けることが出来たような気がする。
C二輪→四輪→二輪の意識を持った結果、大回、中回では腰の下をスキーが斜め前へ走るようなクロッシンク゛感覚がつかめ、クロッシンク゛直後の谷回部分が作りやすく感じた。但し、小回では斜めの直滑降等も意識したが練習が足りないのか大回程良いフィーリンク゛は掴めず。ただし、小回でも二輪→四輪→二輪の意識を持つと左右に幅のあるシュフ゜ールを描ける感じ(山回から山回ではなく谷回部分が意識できる感じ)がちょっとだけつかめた。
D移動に伴いスキートップに回転させようとすの力が来ることは感じるが、それを着力点として感じること(タ−ン弧の大きさによって着力点の位置が変わること)が実感出来なかった。
【TOK】先生のHPのお陰で45歳の私にもテク合格の夢を大きく膨らますことが出来ました。今シーズンがますます楽しみです。』
“K,T”さん丁寧な実践報告…ありがとうございます。私にとって大変参考になります。本当にありがとうございました
!!!
(^I^) 返事が大変遅くなりましたが,私のコメントを述べさせていただきます。
「1日目は吹雪で視界不良。先シーズンまでの自分なら天候を恨んでいたが、足裏感覚を磨く練習にはもってこいのコンディションと受入れることが出来た…」とのことですが,私も足裏感覚を意識した“フィーリングスキー”を実践するようになって,どのような天候,雪質,斜面状況でも,それなりに雪の感触を楽しめるようになり,“スキー”の楽しみの幅が大きく広がりました。“K,T”さんも似た様なご経験をされたようで良かったですネ!(^I^)
「スヒ゜ート゛に応じてポジョンが低くなって、自分でも安定感があった…」⇒足裏で感じることは,下からの力を上に伝える事になり,その時々の抵抗の量,方向,場所に応じた体の構えが自然に現れて来ます。それも皆同じわけではなく,その人の骨格やスポーツ履歴に応じた構え,つまりフォームが…。スピードが速くなればそれなりの低い姿勢が現れるのも当然のことで,“K,T”さんも自然にそれがおできになったということでしょう。良かったですネ!(^I^)
「立上り抜重のクセが自然となくなり…」⇒これも圧を雪から感じようとすることで自然にそうなるのだと思います。「抜重」という感覚が無くなり,雪面とのコンタクトを維持したまま次のターンに入って行けますので…(^I^)
「クロッシンク゛感覚がつかめ…谷回部分が作りやすく感じた。但し、小回では…大回程良いフィーリンク゛は掴めず…」⇒小回りではかなりアプテンポでのクロッシングとなりますので,中回りや大回りほどじっくりとフラット状態を感じ分けることはできません。緩斜面や低速での小回りであれば少しは感じられますが,急斜面やハイスピードでは逆にスキーが次のターン方向にリバウンドするようにギュゥーンと走ってしまうので,傍目には抜重しているのではないか?と映るほどです。(^I^)
「移動に伴いスキートップに回転させようとすの力が来ることは感じるが、…タ−ン弧の大きさによって着力点の位置が変わることが実感出来なかった…」⇒この着力点で雪からの圧を感じ取るのは,実はかなり足裏感覚が磨かれてからのことなのです。私のレッスンでは“センサー軸”として紹介していますが,この軸を感じ取れる様になる前に,“サポート軸”意識での滑りに精通することです。そして「かかと支点」での滑りの感覚が磨かれて来て初めて,かかとを支点としてスキーのトップ部分から雪の抵抗が来る感覚が解り,その着力点の場所も感じ分けられるようになるのです。そういうわけで,多分二日間のトレーニングでは充分に掴めなかったのだと思います。
年齢に関係なく,といよりも,人生経験が深くなったからこそ“スキー”の真髄が解る様になると,私は思っています。ですから45歳でしたら,これからこそが「スキーの本番
!!! 」だと思います。
ぜひご一緒に“スキー”…じっくり楽しみましょう!(^I^) (^o^) (^I^)
June,05/2004 (土曜日) 晴れ
今日の週末,土曜日…ホントにイイ天気です
!!!
。嬉しくなります。(^.^) 皆さんもイイ週末送ってますか?
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さて,きょうの教師日記は“K,M”さんから頂いたご質問への回答です。
『 …夫の滑りなんですが、【TOK】先生に教えて頂いたキャスターのイメージというか、滑りはかなり出来てきていると思うんです。ただ本人も言っているのが、硬いバーンだとそれが出来ないんです。先日の日曜日、Aスキー場に行って来ました。とても上手いスキーヤーが多く、中には元デモの方もいらっしゃって夫から「あの滑りはどう思う?」とか「俺は何がいけないんだろう?」って聞かれるんですけど、私自身、夫ほど滑りに対して理解していないと思うし、私としては見たまんまを言う事しか出来ないんです。率直な感想としては、その元デモの滑りは上手い!と思いました。【TOK】先生のおっしゃっているような滑りだと思いました。そして夫との違いは、まずスピードがあるって事と落差が3倍位あるんじゃないか?って事でした。足の動きとかは、別に大差ないんじゃないか???でもそんなに私に見る目があるわけじゃないし...そんな感じにしか夫にも言ってあげる事が出来なくて...ただ、夫には何かが足りないって言うのは分るんです。でもそれが何なのかが分らないんです。私の目から見る夫の滑りは、その人に比べとってもターン弧が小さいんです。とっても落差がないんです。だから、なかなか下に落ちてきません。「もっと落差を取ってみたら?」とか「自分の中で“小回りはこの位のターン弧だ”っていうイメージがきっとあると思うから、(だからもしかしたら自分で分らない程度にひねっているかもしれないから)それを考えないようにして出来るだけ雪面からの圧が来るのを待って、リズムだけを小回りにしてみれば?」とか言ってみたんです。でもそうすると暴走じゃない?って夫は言います。確かに私自身も同じ事をやろうとすると、スピードが出てしまい自分にとっては暴走になってしまいます。でも、上手い人は夫に比べてかなりスピードがあります。だから夫の滑りには迫力がないのかな?とも思ってしまうんです。上手い人と比べなくても、いつも思っている事なのですが夫の滑りは、な〜んか「軽い」っていうか、下手ではないんだけど重みがなく、サーッッと滑ってきてしまうっていうか、迫ってくるような迫力が全くありません。私の素人判断だと、きっと今の滑りを完璧に自分のものにして、スピードも出せるし、ターン弧も縦目にしたりを出来るようになれば自ずと、その時の斜面やスピードに合った迫力ってのが出てくるのではないのかなぁ????って思うのですが、【TOK】先生はどう思いまか?
先シーズンの某県の技術選では、ターンの質でなく、ある程度ハイスピードで滑り降りてくる人の方が高得点が出ているように思われました。確かにそんなハイスピードで降りてくる事が出来るのも一種の?技術かとも思います。でもそんなものなのでしょうか?同じスピードで降りてくる夫には、やっぱり力強さがないというか...ターンのマキシマムで受ける雪面からの圧が強い人の方が点数が出ていました。いわゆる「歯を食い縛る滑り」です。私の目にはその様に映ったのですが、本当に上手い人は本当は違うのでしょうか?
なんだか質問というか収拾がつかなくなってきてしまいました。すみません。。。私のこんなつたない文章では、実際に滑りを見ていない【TOK】先生には上手く(全く?)伝わらないかもしれませんが、もし何かアドバイスなどがありましたら、是非お願いいたします!』
“K,M”さんこんにちは!(^I^) 旦那さんの滑りを評価する…というのはなかなか大変だと思いますが,でもこのことは“K,M”さん自身の滑りを上達させる事にもなります。ぜひイイ目を養っていただきたいと思います。(^I^)
さて,「…落差が3倍位あるんじゃないか?…足の動きとかは、別に大差ない…」ということですが,抵抗の受け方の質の違いだと思います。落差がいくらあっても,効率の悪い受け方をしていたのでは,ターンに結びつきません。グッキーの小回りを良く見ると解ると思うのですが,彼はもの凄い勢いで落ちて行きます。そして傍目には自分から雪面に働きかける様にしてエッジングをしているように見えますが,よくよく見るとそれは少し違う…と私は思っています。もの凄い勢いで落下して,エッジを立てるのは同じことなのですが,向こう向きの力は雪面に与えていないのです。エッジを立てて雪からの力を効率よく受け止めようとしているのです。だからこそスキーが走るのです。自分から力を雪面に加えたのでは,スキーは前方に走りません。受けているからこそ走るのです。落下速度が速い状態で自分から圧を雪面に加えたのでは,絶対にスキーはうまくターンしてくれません。もし万が一ホールドできたとしても,その圧が強過ぎて返りが速く,身体は置いて行かれて,カウンターを食らうような状態になってしまうでしょう。必要な事は角を立てながら落ちて行き,雪からの抵抗を効率よく受け止めることなのです。「暴走」という現象は,落下スピードに対して効率の悪いエッジングをしているということの証拠なのだと思います。
また「ターン弧が小さい…」とも書かれていますが,雪の力で回る以上に自らが【Doスキー】要領でスキーを回してしまうと“K,M”さんも仰るように,円弧は小さくなってしまいます。旦那さんの滑りが軽く見えるのはそういう理由もあると思います。
ハイスピードで滑れるかどうか?が技術的にうまいかどうか?ということではなく,ハイスピードでも雪面からの抵抗をしっかり受け止められるかどうか?が上手さを決めるポイントなのだと思います。「ターンのマキシマムで受ける雪面からの圧が強い人の方が点数が出ていました。いわゆる「歯を食い縛る滑り」です。…」ということですが,歯を食い縛っているという表現が合っているとは思いませんが,効率良く雪面からの圧を受けていれば,圧は強くなり「リバンド」のある滑りができるはずです。そういう滑りが評価されるのは当然です。ポイントはその圧が落下で起こったのか?それとも自分で加えたのか?という違いをどうジャッジが見極められたかどうか?ということです。雪から来る圧の場合は脚の動きが柔軟になり,ストロークに余裕があります。それに比べ,自分で加える圧のときは脚の動きがぎこちなく,止まっているいるように見えます。旦那さんの滑りはどちらだったでしょうか?(^I^)
他人の滑りを見て上手くなる…“K,M”さんはそういう意味でイイ先生を見つけられた,とうことにもなりますネ!(^I^)
June,04/2004 (金曜日) 晴れ(東京)
今日も連続でイイ天気の東京です。
昨日はニュージーランドツアーの打ち合わせ,と「スキーブーツ選びとチューン」をして参りました。ブーツチューンこの模様は,後日このホームページにもUPしたいと思います。(^I^) ニュージーランドツアーについては,何人かの方から,A,B,Cのコースを全日程でなく,部分日程参加でも可能ですか?とのお問い合わせを頂いていましたので,それをメインにヘリスキーなどのことを打ち合わせして来ました。その結果,部分日程参加も可能になりましたので,その詳細をまた後刻UPしたいと思います。(^I^)
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さて,きょうの教師日記は“r.i”さんから頂いていた e-mail
の続きに対する返事です。
『 …基本の姿勢というのは、やはり最近言われているパワーポジション(胸を開いて背筋を伸ばす)というものでよいのでしょうか?このパワーポジションをとると体の背面の強い筋肉郡を使うことができ、疲れない滑りができるらしいのです。キャスターターンでも大臀筋やハムストリング、背筋といった筋肉で滑ることで疲れないのでしょうか?お忙しいと思いますが、暇な時にでもどうかよろしくアドバイスお願いします。…』
筋肉のことに付いては私も勉強はしていますが,専門家ではありません…。(=_=;) 久しぶりに“Dr.K”さんのご登場を願わないといけないのですが…“Dr.K”さんよろしくお願い致します。(^ー^)
さて,私なりの意見を述べさせていただくと…「パワーポジション」の意味があんまりハッキリ解らないのですが,グッキーの“バナナシェープ”と関係がありそうなので,その立場からお話をさせていただきます。「胸を開いて…」の胸を開くのはバランスを取る意味で大事なことです。サーカスの綱渡りの芸人が,長い竿を持っているのと同じで,両手を小さく狭くするよりは広げた方が安定するのです。で,次の「背筋を伸ばす…」ということですが,私は伸ばす…というよりは少し丸めに,弓なり状にする方がいい様に思います。その理由は下から受ける力が,脊椎の関節ひとつひとつから効果的に逃げてくれるように思うからです。雪面から受けるショックを吸収してくれるのは足首関節,ひざ関節,腰関節,そして脊椎の関節…という順序ですが,この脊椎の関節…直線に並んでいては,つまり背筋が伸びている状態では,あんまり効果的に働かないように思います。
「キャスターターンでも大臀筋やハムストリング、背筋といった筋肉で滑ることで疲れない…」ということですが,キャスター・ターンでは,筋肉の使い方や関節の使い方には,そんなに意識を働かせません。それよりも足裏の感覚やイメージに集中するのです。そしてその結果得られる抵抗の大きさや方向,それと受ける場所によって,自然にその人なりの姿勢ができるのを待つ…というのが本当のところです。その時の抵抗の違いによって,あるときは大腿筋が使われるし,またあるときはハムストリングが使われる…ということで,いつでもその筋肉が使われる,ということではありません。疲れない理由はどの筋肉を使い,どれを使わない…ということよりも,自分から圧を雪に加える【Do】的なスキーイングをするか?,それとも雪のエネルギーを効率よく使った【Let】的なスキーイングをするか?ということによります。私流の言い回しで言えば,力を加える筋肉“緊張筋”ではなく,感じる筋肉“センサー筋”を使う…という言い方もできます。
June,03/2004 (木曜日) 晴れ(東京)
今日は教師日記
オ・ヤ・ス・ミ になります。
せっかくお越しいただきましたが,申し訳ありません…(=_=;)
June,02/2004 (水曜日) 晴れ(東京)
今日は東京からUPしています。東京の木々の「緑」は白馬のそれと比べると,しっかり深い色に落ち着いています。昨日「中央道」を東京に向かいながら,次第に変わって行く「緑の様相」を楽しんで来ました。今日は仕事の合間に,この東京の緑の中を少しジョギングしてみようかな?Etc.と思っています。
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さて,今日からは“r.i”さんから頂いていた e-mail
の返事です。
『
…先日滑りに行ってきました。オフの間練りに練ったキャスターイメージを早速ためしてみましたが、やはりなかなかすぐに上手くはいかないですねえ・・・。まず一番二番キャスターに乗っていこうとしましたが、なかなか板が回ってくれず一ターンまでにスピードがかなり出てしまいます。これは二番キャスターに乗り込みすぎで曲がらないのでしょうか?まだ支点探しも出来ていない身でありながら聞くのもなんですが、ちゃんと一番キャスターに乗れば低速でも簡単に回ってくれるものですか?お答えいただけると幸いです。…』
何度かお試しいただいたのにうまくできない…ということですが,その原因を探ってみましょう。(^I^)
先ず「スピードがかなり出てしまう…」ということですが,基本的にはスピードが出てしまう
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と感じられるほど斜面移動ができている…ということですから第一段階の落下はうまく行っている,ということだと思います。なのにターンを始めてくれない…というのは,1番キャスター,2番キャスター共に少し3,4番キャスター側にイメージしている可能性があります。つまりエッジが立たないでフラット気味のなり過ぎている,ということです。そのため,雪からの圧を効率よく貰えていない…ということになってしまって,ターンが開始しにくくなってしまうのです。スキー板やブーツの特性によってはかなりインサイド側に1,2番キャスターを意識しないとうまくいかない場合があります。もう少し内側にキャスターを意識してみましょう。(^I^)
またご使用のスキー板の特性がカービング要素度の少ない板…という可能性もあります。“フィーリングスキー”のところで解説していますが,もしカービング度が少ないRの大きい板を使用されているときは,「Chapter 3
プルークボーゲン No.1」で説明しているようなオレンジターン意識を持たれると良いと思います。
「二番キャスターに乗り込みすぎで…」という表現もチョット気になります。2番キャスターでの乗り込み感が強いと,テールが外側に出て行きやすくなってしまいます。つまりテールコントロール的になってしまう,ということです。2番キャスターよりは,1番キャスターを意識された方が良いと思います。また,「乗り込む」という感じよりはキャスターの転がりに乗って行く,乗らせてもらっている…という意識の方が良いと思います。…その理由は,「乗り込む」は自分から圧を雪面方向に加えてしまう【Do】的な要素を生んでしまうからです。この辺の解説は“フィーリングスキー”「Chapter 8
キャスター・ターンの基本」キャスター・ターン入門 その1…「与える圧ともらう圧」,に解説していますので,もう一度お読みください。
また,「一番キャスターに乗れば低速でも簡単に回ってくれる…?」ということですが,低速の時は雪からの圧も少ないので回り方はスローになります。キャスター・ターンはあくまでも「雪からの圧を受けてターンする」…というのが基本ですから,バネ仕掛けの玩具のように勢い良く回り始める…というものではなく,移動して少しスキーの方向が変わる⇒また少し移動して少しだけ方向が変わる…といった回り方なのです。
この日記をお読みいただいて雪上で試され,その効果にビックリされた方々も大勢居られます。その方々からはお礼の
e-mail
やお手紙を頂いておりますが,逆にうまく行かなかった方々も居られると思います。できるだけ,全員の方に“キャスター・ターン”の面白さを体験して欲しいのですが,全ての方にレッスンを…というわけにも参りません。来シーズンはできるだけ多くの方と“キャスター・ターン”のイメージトレーニングができるよう,いろいろなレッスンプログラムを立て,キャンプなどを行ないたいと思います。どうぞご期待下さい。(^I^)
June,01/2004 (火曜日) 曇り
今日から6月です。新しい月の始まりです。この六月も皆さんにとって良い月でありますように
!!!
私事で恐縮ですが,今日から出張で白馬を留守にします。教師日記の
UP date
が二,三日不規則になると思いますがよろしくお願い致します。
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さて,今日からは2004シーズン中に皆さんから頂いた
e-mail
などでのご質問にお答えしていきたいと思います。時々コラム的なことも…。(^ー^) では始まり,始まりィー…。
今回のトップバッターは“cshow”さんです。 「OLSSスキー技術BBS」で2003/11/26にお受けしていたのですが,お答えする機会を失っておりました。大変遅れて申し訳ありませんでした…。その内容は…
『 教師日記いつも愛読させて頂いております。スキーの解説に関しては納得できないところが全くと言ってよいほど無く、それが逆に怖いくらいです(笑)。でも無理に質問を捻り出すとすれば、キャスターターンのイメージで滑っている時にキャロットターンやマジックハンドターンを重ねて意識することってアリですよね??
あ、もうひとついいですか?まだ雪上で試す機会が無く仕方なくイメトレで我慢しているのですが、キャスターターンその他をイメージする上でオフでできる動きで何かいいものはないでしょうか?自分としては、階段などの段差の先に踵だけで立った状態を作り、そこから一番キャスターに乗り込むように意識すると脚がクルっと回旋する動きが現れるのですが、これは(右足)一番キャスターの方向が三時くらいになりスキーがスピンした状態と捉えてよいのでしょうか?宜しくお願いします。』
教師日記ご愛読いただきありがとうございます。(^I^) まず,滑走している時,キャスター意識と同時に他のキャロットとか,マジックハンドを意識するか?というご質問ですが,私は意識しないようにしています。できる人も居られるかもしれませんが,私の場合ひとつのことに集中すると他の事に集中できないのです。ですから例えば♪♪♪二輪…四輪…にりぃーん…ヨォンリィーン…♪♪♪の掛け声をかけながら滑っている時は,にりぃーん…とつぶやいている時は二輪意識だけ,ヨォンリィーン…になったら四輪意識だけ
!!!
という風にしています。その時その時で集中するイメージや場所を刻々と変えて行くようにしています。生徒さんもその方がうまくいくようです,同時にいくつかの事に集中するのは大変です。(^ー^)
次にオフシーズンのキャスターイメージトレーニングの方法ですが,“ cshow”さんのようなやり方もあると思います。私は立ったまま目をつぶって,キーキャスター⇒A-Caster⇒3番キャスター…違う足のキーキャスター⇒A-Caster…というようなことをやります。電車待ちや信号待ち等の時,何もやる事が無いのでこんな事をしながらミニイメトレをしているわけです。今日から東京に仕事で出掛けますので,都内のどこかの信号で目をつぶって変なコトをしているオジサンに出会うかもしれませんネ
!!! その時はお声をお掛けください。ハッハハハハ……(^ー^)
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