足裏感覚(圧と感度)
足裏感覚(オレンジ)
深雪(脚のストローク)
足裏感覚(感じる強さ)
足裏感覚(感じる方向)
足裏感覚(感じる場所)
足裏感覚(感じる効果)
足裏感覚(足裏で雪を観る)
深雪(足裏感覚)
深雪(パンチョ)
深雪(自然体)
深雪(語録)
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August #1
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8/28 (月) 雨
今年の夏に入って初めての経験です。朝からカミナリを伴なった雨の白馬です。おかげで気温は20℃。(^I^) 植物にはありがたい雨でしょう。
さて,明日から31日まで【TOK】の夏休みです。パソコンから離れ,のんびりして来たいと思います。三日間ばかりUPできませんのが,ご了承下さい。9月1日にまたお会いしましょう。(^I^)
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8月は「スキーレッスン」,「深雪」,「足裏感覚」というテーマでお話ししてきました。振りかえって見てみると,そのキーワードはいろいろありましたが,一番多く出てきたのは「圧」でしょうか?
特に深雪から足裏感覚…にかけては,この「圧」が多かった様に思います。で,今日は「圧と感度」について少しだけ…。(^I^)
「圧」とは,「物体が他の物体を押す力で,二つの物体が接触面を境にして、互いにその面に垂直に押し合う力」ということです。スキーでは「雪」と「スキー板」の間に働く力関係がどうなっているか,を感じ取ることが大事なのですが,それを意識するということは,すなわち「圧」をどう感じるか?ということになります。押してもいいし,引いてもいいのですが,その時「圧」がどんな風になっているかをイメージアップできる能力が問われることになります。この「圧」が足裏で感じられなくなった時は,スキーコントロールができない状態になっている,と言っていいでしょう。
スキーが硬い,柔らかい…フカフカした雪だ,アイスバーンだ…ズレる,切れる……などの情報はどこで感じ取り,判断しているか?というと,実は,雪とスキー板との「圧」関係から得ているのです。この「圧」をいかに的確に捕らえ,その情報を身体の隅々に伝えるか?。それには,その「圧」を感じる能力を高めるしかありません。写真の様に,常に「感じ取る」という意識を足裏に持って滑る事が大事です。感度は意識すればするほど高めることができます。要は,感じ取ろうという意識を持って滑るかどうか?です。
一昨日,昨日とサマージャンプ大会が行われました。追い風の時と,迎え風の時とでは,空中に出てからの重心の移動速度とその方向が微妙に違うそうです。うまいジャンパーは,素早くそれを身体で感知できる能力があるそうです。ジャンプ板から伝わる風の様子を足裏で感じ取り,それを身体に的確に伝える。まるで深雪滑降と同じではありませんか!
うまいスポーツ選手は,身体が覚えている…身体が反応する…とは良く言われる言葉ですが,ヒョットすると「感度が良い」ということなのかもしれない…と思った【TOK】でした。(^I^)
8/27 (日) 晴れ
おかげさまで,何人かの方から,「On Line Ski
教室」の方へビデオテープをお送り頂きました。皆さん夏の最中だというのに熱心にスキーのことを考えておられ,楽しんでおられるのが伝わってきます。お一人お一人に合った,木目細かいレッスンができそうな予感がします。ビデオを何回も何回も繰り返し拝見していると,その人の特徴が良く伝わってきます。スピード感だけは完全には把握できませんが,スキー操作はゲレンデ以上に良く見えてきます。レッスンのテーマは各人毎MOか,CDに焼いてお送りする方法を取るのが,今のところベストかな?と思っています。各人の目的に合った的確なレッスンができるよう頑張りたいと思います。了承を得られれば,On Line Ski Class にレッスン経過を載せたいと考えています。
さて,今日は足裏感覚の「まとめ」で”オレンジ”。
ここ数回,深雪滑降を考える時,足裏の感覚が大切なことをお話ししてきました。足裏センサーの感度が良ければ良いほどターンコントロールがしやすいと話してきました。
このテーマのキッカケとなったは matsu さんからのE−mail でした。 8/13にそれを紹介させて頂きましたが,その中に次のような言葉がありました…… 引くターンを覚えたら深雪が楽しく…急速に高まる除雪抵抗…緊張のあまり強いスキーの回転に脚のひねりがついていかず…湿った重い新雪…隠れこぶのおまけ付き…筋肉が疲労してへろへろ…。この現象のほとんどが「センサーを研ぎ澄まし,身体をリラックスできれば解決できる」ことだと思います。感じ取る能力を高め,体のセンサーをより敏感にすることで,身体の動きは「超自然体」になります。
言ってみれば「なるがままに任せる」という気持ちです。雪の抵抗に「抗う(あらがう)=fight against / kick against 」…するのではなく,その状況をその状況として受け止め「任せる=let / leave」して置く気持ちです。スキーヤーの意志であるよりも雪の力によってなされている、といった感じを大事にすることです。この感覚が自分のものとして受け入れられた時,あなたは「雪を克服」したのではなく「雪の自然と同化した」ということができます。単なる「スポーツとしてのスキー」から「心身ともに高揚してくれるスキー」へと脱皮できるのです。
でも,「この心境に達することは容易なことではない」,とお考えかもしれません。しかし先ず始めてみて下さい。足裏で雪の表情を感じ取ることから…。その方法の手始めとして,私がお薦めするのは「オレンジを足裏に!」です。6月の初めの週にもお話ししました。「スキーQ&A」にも書いてあります。
さぁ,「オレンジターン」で”Feeling Ski”を始めましょう。これが「スキー道」への始まりです!(^I^)
8/26 (土) 晴れ
昨日おかげさまで40000回ヒットを記録しました。私がスキースクールで指導していて感じることや,白馬のスキー情報をお知らせしょうと思って始めたホームページでした。自分の想像以上にみなさんからの反響があり,一日約100件のアクセスを頂いています。この数値はホームページとすれば少ない方かもしれませんが,教師日記や「スキーQ&A」をご覧頂いて「参考になった…」「自分の知らないスキーの世界に出会えた…」などというE-mailを頂くたびに,励まされ,自分の経験をお伝えしようと,意を強くしております。これからもよろしくお願い致します。(^I^)
さて,今日のお話しは「深雪」に戻って”脚のストローク”について…。
昨日「圧には方向がある」ということをお話ししました。自分から雪に働きかけたり,斜面を落ちて行ったりする時は,圧は上から下,体から雪の方向に働きます。すると,スキーのトップとテールが雪の抵抗を受け,支点(足裏)を中心としてスキーがたわみます。このたわみが次のターンを誘導してくれる大事なエネルギーになります。
一般的にみんなが行う方法は,身体全体,つまり重心も含めて,上方向に伸び上がる方法です。これを「身伸抜重」と言います。この方法は体全体が上や下に動く,上下動の多いスキーになります。体が上下しますから,当然「目の位置」も上下します。スポーツでは,的確な状況判断をする時「目の位置をできるだけ変えない」ということが求められます。スキーも例外ではありません。深雪など足下の雪の状況が判り辛い状況では,できるだけ「目線一定」の方が有利になります。ですから,「身伸抜重」は深雪にはあまり適さない…と言えます。
それではどうするか?というと,「重心の位置をできるだけ一定に保つ」のです。スキーがたわんでエネルギーが貯まり,それが解放されて上方向に戻ろうとします。この時できるだけ「腰の位置」を動かさない様にします。脚を折り曲げて,腰(重心)に足を近づける様にして脚を腰の下に折り込むです。腰の方に足を引き上げる感じです。すると腰(重心)は,8/14にお話しした”雪の圧”の時のアニメーションの様に,斜面からある高さを,斜面と平行に移動して行く感じになります。これを「屈身抜重」という人もいますが,私はチョット違う感じを持っています。「抜重」と言ってしまうと,圧が無い状態をイメージしがちですが,引く時,まだ下からの圧はあるのです。圧が「8」から「6」,「4」…という風に少なくなっては来ているが,確実に圧は有るのです。感じられるのです。私はこのことを「引くゥー」という表現で表しています。
上からの圧と,下からの圧…圧の量と方向をうまくコントロールして滑ると図のようなイメージのターンができます。これを「腰の高さを一定にした脚のストローク」と呼んでいます。
8/25 (金) 快晴
今朝は山がくっきりと見え,「秋」を思わせるような天気の白馬です。夜は虫達の鳴き声が聞かれる様になりました。一日一日,確実に冬に向かって季節は移っているのを感じます。
さて,今日は”足裏感覚”の5回目で,テーマは「足裏感覚の三要素」のうち最後の「感じる強さ」について…。
スキーをしている時,自分から雪に働きかけても,雪からの圧をもらっても,雪とスキー板の間には「ある力」が働いています。その圧をどうイメージしているか?ということがスキー滑走で大事になります。なんとなく両者の間に力が掛かっている…と思っている人が多い様です。しかし「圧の強さ」を,もう一歩踏みこんでを考えてみることが,キットあなたのスキーを変えてくれる筈です。実は,この「強さ」については二つの要素があります。ひとつは「絶対的な圧の強さ」であり,もうひとつは「圧の方向」です。
「絶対的な圧の強さ」とは,どれくらいの力がスキーと雪の間に働いているか?という「圧の量」そのもののことで,難しく言えば「互いにその面に垂直に押し合う単位面積当たりの力」をいいます。普通わたし達がスキーをする時意識している「力」はこのことです。強く押している,とか弱い抵抗を受けている,とか表現します。この力の強弱は「スキーのたわみ方」に影響しています。圧が強ければタワミが多くて反発エネルギーも強く,圧が弱ければタワミが少なくエネルギーも小さくなっています。大事なことなのですが,普通の人はこれも非常に漠然としていて,スキーのタワミ方と関連付けて意識することはあんまりありません。これに意識を集中するひとつのやり方があります。自分が雪とコンタクトできる最大の力を,例えば「10」という数値で表し,抵抗をほとんど感じない時の力を「1」と意識します。ターンしている時,いま自分の足が感じるコンタクト量はいくつ?…「6?」,「7?」それとも「8?」…という風に意識するのです。力の強弱を数値に置き換えてみるのです。これを続けていると「圧とタワミの関係」が少しづつ解かってきます。定量的に捕らえようとするので「足裏感覚」を磨く上でも大変有効です。ぜひ試してみて下さい。
さて,もうひとつは「圧の方向」です。「圧の方向…?」と疑問に思われる方が多いかもしれません。雪とスキーの間に掛かっている圧力が,「どちらの方向に向いているか?」ということです。「力が自分の重心(腰)方向から雪に向かって働いているのか?」,それとも「力が雪から身体の方へ働いているのか?」…。この意識こそ深雪やコブを滑る時最も大事な感覚なのです。簡単に「力の加減」…で済ませてしまう人もいますが,このことについてチョット考えてみることにします。
先ほど雪とスキーのコンタクト圧を数値に置き換えて意識してみる,ということを述べました。ターン前半では外スキーのこの値が,「1」→「2」→「3」…という風に増えて行きます。一般的には,自分の身体から雪の方向に押す感じです。この時,力は自分から雪の方向,つまり足の方向に向いて働いています。そしてターン中半,雪とのコンタクト圧が増し,数値が「5」→「6」→「7」と上がってきます。この後,みなさんはどうしますか?圧を「10」まで貯め,次のターンに入るとき一気に「1」や「0」に戻してクロスオーバーしますか?それとも「8」くらいまで貯まったら,徐々に「7」→「6」→「5」…と圧を軽くして次のターンに入って行きますか?「10」から一気に「0」にする前者の場合,圧が急激に変化しますので,スキーコントロールができにくい,ズレの多いターンになりがちです。一方「8」から「6」→「4」…と少しづつ圧を減らして行く後者は,圧変化がゆるやかな分,切れの良い滑らかな滑りになります。どちらの場合も,圧を軽くする時は力の方向が下から上方向に働いています。貯えた圧のエネルギーを放す時,圧の方向は,両者とも下から上方向なのですが,その放し方が滑りのスタイルを大きく左右するのです。下から上に向かう圧をどうコントロールできるか?が大切になります。その為には,「圧には働く方向がある」ことを知り,それを感じ取れるよう,足裏意識を鍛えることが大事です。
この圧の方向に関連して「脚のストロ−クをどう使うか?」ということがあります。次回はこの「脚のストローク」について…。乞うご期待!(^I^)
8/24 (木) 快晴
今日も快晴のイイ天気です…が,ここのところ,盆前よりも暑さが身に染みます。残暑が厳しいですが,お身体にお気をつけて…。夏風邪が流行りはじめたとか…。
さて今日も”足裏感覚”,その4日目で「感じる方向」について…。
足裏で雪の圧を感じて滑る…ということをテーマにしていますが,それには「場所,方向,強さ」の三つの要素があるとお話ししました。”感じる方向”はその内のひとつですが,どういうことかというと,例えばスキーヤーが直滑降で真っ直ぐ下に滑って行ったとします。するとスキーのトップ方向から,雪をどけようとする「除雪抵抗」が作用します。この時,私達は「スキーの前方向」から雪の圧を感じることになります。もし真横方向に滑って行けば,抵抗は真横から来ます。そして,ターンしている最中は斜め前から雪の圧を感じます。斜め前からですが,滑走中のスピード,雪質,斜度…などによってその向きは微妙に違っています。ごく当然のことですが,普段滑っているとき,この「雪の抵抗がどちらから作用しているか?」ということをしっかり意識し,考えている人はあまり見かけません。なんとなくこの方向…的な感覚で滑っている人が多い様です。前や横だけでなく,雪質に依っては縦方向の違いも出てきます。深雪では平面的な前後左右方向よりも,下方向からの圧を強く感じます。一方アイスバーンでは縦方向の抵抗はほとんど感じず,横からの抵抗が主になります。
簡単に言ってしまえば,バランスを取る方向なのですが,これを意識できる人が以外と少ないのです。どうしてかと言うと,スキーを操作しようとする人が多いからです。スキーを動かせば,落下運動で生じる自然発生的な抵抗以外に,新たな抵抗が生まれ,バランスが崩れます。動かすという「DO的作用」が,動かしたことによる「反作用」を生むからです。アクションを起こすとそれに応じたバランスを崩す要因のリアクションが起きる,と言ったほうが解りやすいかもしれません。例えば「スキーを横にズラす運動」をしたとします。足が横に移動するわけですから,身体を傾け,手を外側に出すなどして,倒れない様にしなくてはなりません。新たなバランス維持をしなくてはならないのです。もし,スキーを横に移動しなくて済んでいれば,身体が斜面を移動して行くことによって生じる「LET的な雪の抵抗」だけを考えていれば良かったのです。
感じる方向のことに意識が働けば働くほど,リアクションを生むアクションは少なくなります。つまり雪面に働きかけをする行為が無くなってきます。バランス維持のことに意識が働き,それを乱すような運動を,極力避ける様に身体が働くからです。
足裏を敏感にし,あたかも「レーダー」が付いているかのような気持ちで「抵抗の来る方向」に気を配って滑ってみましょう。感度の良い足は,キットあなたの滑りを変えてくれるはずです。
そう言えば,人生だって「気配り」が大切なんですよネェー…?(^I^)
8/23 (水) 晴れ
昨日は久しぶりに,夜の仕事ビアホール【メルツェン】の Day Off 日。昼間は適当にのらりくらり時間を過ごし,夕方からTennisとジョギングを楽しみました。JOGで名木山のゲレンデを掛け上がっていたら,いちばん下のゲレンデ中央にあった「降雪機」が撤去されていました。あとでリフト会社の役員に聞いたら,昨年ハーフパイプができて,ゲレンデが狭く感じるようになったせいもあり,ハーフパイプ側に移動するとのこと…。ウンウン,これで使い勝手が良くなるかな?と思った【TOK】でした。
さて,「深雪の足裏感覚」ですが,考えてみたら「深雪」で取り上げてきたテーマ「足裏感覚」がいつの間にか,メインテーマになってしまいました。それほど「足裏感覚」は「深雪滑降」で大事だ!ということの裏返しなのですが,深雪だけでなく,あらゆる滑りでも大変重要なことですので,足裏感覚をメインテーマに格上げして何回か解説して行きたいと思います。
さて,足裏感覚には,考えてみると「三つの大事な要素」があります。その「足裏感覚の三要素」とは,圧を「感じる場所,感じる方向,感じる強さ」の三つです。レッスンでもいつもお話しする,「荷重点(支点),方向,量」と同じことです。今日はその内の”感じる場所”について…。
普通,「スキーを通して雪からの力を受ける場所”感じる場所”はある一点しかない」と考えがちです。「荷重点は一箇所」=「雪とスキーが接していればその両方の力が働きあっている場所は一箇所」だと考えるのが普通です。しかし,本当に「荷重点は一箇所」なんでしょうか?ちょっと考えて欲しいのです。
私は「スキーヤーが体を支える場所(支点)」と「雪から働きかけを受ける場所(作用点)」とは別個のものとして考えた方がイイと思います。図の様に「かかと」が体を支える「支点」ですが,実際に滑っていると,この支点を中心として,1,2,3…のようにいろんな方向から雪の圧がやって来ます。カカトはあくまで「体を支える支点」であって,ここに直接雪からの圧を感じるわけではありません。雪の圧を感じるのは,そことは別の場所にあります。この,雪の力を感じるポイントのことを「作用点」と言うことにします。従来いろんな人が,この支点と作用点を結ぶ線のことを「荷重ライン」とか「ウエイトライン」とか言って来ました。モチロン意識の上ではこのラインに圧を感じますので,このライン全体が荷重点,という言い方もできます。しかし,良く考えると「支点」に働く力の方向と,「作用点」に働く力の方向は,まるっきり反対だという事に気がつきます。支点には「重心方向からの重り的な力」が上から下方向に掛かっていますし,作用点には「雪から重心方向に向かって,下から上への力」が掛かっています。つまり,支点を中心として「てこ」のような力が働いているのです。
「つま先側に受けた雪の圧が,かかとを支点として,てこの様に働いている」というこのイメージはスキー操作におおきな意味を持ちます。このイメージが持てる人は「LET」の滑りが容易に理解できます。雪からスキーヤーに働く圧を,上の図の 1,2,3…のように,足裏で受け止める意識を持てるのです。ところが,このラインを「荷重ライン」という風にしか意識できないスキーヤーは「踏むこと」しかできません。力が働く方向は,いつも「自分から外側へ」という意識で,「DO」的なスキーしかできないのです。
足裏の”感じる場所”は…身体を支える場所と,雪の力を受ける場所,の二個所ある,という意識を持ちながら滑ってみましょう。チョット今までとは違った感覚のスキーができるはずです!(^I^)
8/22 (火) 快晴
昨日は急用ができてしまい,教師日記オヤスミでした。(=_=;) 昨日で甲子園の高校野球も終わり,またひとつ,夏が過ぎた…という感じがします。
今日は「深雪」の9日目で,テーマは”感じる効果”について…。
足裏に意識を集中させ,雪を観る,と前回お話ししました。ではこの「雪を観る」とどのような効果が期待できるのでしょう?足裏で観ることができる様になれば,身体が自然に,斜面のウネリや雪質の変化について行けるようになるのでしょうか? 答えは「Yes!」だと,私は思っています。
「感じる」ということについて考えてみたいと思います。レッスンで良く引き合いに出すので,私のレッスンを受けた方は,もう知っている方も居られると思いますが…。
「カステラ」を頭に描いて下さい。昨日頂いたもので,冷蔵庫の中に入れておいたカステラです。左手にそのカステラを持ち,その硬さがどのくらいか,右手の人差し指で触ってみましょう。カステラの硬さが右手人差し指に伝わってきます。けっこうまだ柔らかく弾力があります。さて,そのときの,右手の腕の筋肉の緊張度はどんなですか?楽にリラックスしていて,ギュッと硬くなった状態ではありません。そうなんです,人差し指からの「柔らかさ」の感触を脳に伝え様としているとき,その筋肉は「硬直状態」ではないのです。感触を伝える「LET筋」とでも言える筋肉が働いています。
さて,それでは1ヶ月前に買っておいたカステラの場合はどうでしょう?けっこう硬くなっています。では,このカステラ,どれくらい硬くなっているか,ギュッと押しつぶしてみて下さい。固い表面に穴があくくらいギュッと…。そのとき右手の腕の筋肉の状態はどうなっていますか?筋肉が緊張して硬直状態になっています。強い力をカステラに加えようとする時,筋肉は硬くなるのです。こちらは「DO筋」が働いています。
つまり,次のことが解かります。あるものの硬さや温度を感じ,その情報を伝え様とする時,筋肉は適度なリラックス状態にあります。情報をあるものから脳の方向に情報を伝えようとする筋肉が働き,スキー滑降では,足から脳の方向に力が伝わる滑り方です。一方,あるものに力を加え,ナニかを行おうとする時,筋肉は緊張状態になります。脳からの指令をあるものに伝える筋肉が働き,スキー滑降では脳から足へ…という図式の滑りになります。
さて,深雪を滑る時(なにも深雪だけに限りませんが…)あなたはどちらの筋の状態で滑っていますか?もし「カステラをつぶす感覚」で滑っているのなら,あなたの脚は常に緊張状態にあり,5,6回転で疲労を感じることになります。「カステラの硬さを感じる」様に滑っているのなら,脚は適度なリラックス状態で,いろんな斜面状況に適応しながら滑っていることになります。深雪滑降の語録で「押さば引け,引かば押せ…」とか「深雪は,鼻歌交じりで滑る…」などを紹介しましたが,実はこれらは「筋肉をリラックスさせる」ための方法でもあったのです。
「感じて滑ること」は,このように「身体の自然な反応」を生む効果があります。脳で考えて滑るというよりも,身体が自然に反応してしまう滑り方です。あなたも,感じることでリラックスした滑りを! (^I^)
考えてみれば,感性を磨くことは,スキーだけでなく,生活一般でも大事なことですネ!
8/21 (月) 高曇り
今日は急用で教師日記 オ・ヤ・ス・ミ・ です!
済みません! (=_=;)
8/20 (日) 高曇り
今朝は,少しだけ薄い雲が空を覆っています。でも爽やかな風が窓から入って来て,気持ちイイ朝です。(^I^)
昨日も「Sato」さんご夫妻がビアホールへ来てくれました。お話しによると,第3ケルン,八方池までのトレッキングの予定が,ナント唐松岳頂上までの往復登山になったようで…。これくらいの体力と気力があれば,今年のスキーシーズンも大丈夫!(^I^)
さて,きょうは「深雪・足裏感覚」の2回目で”足裏で雪を観る…”。
私のレッスンではちょくちょくこの”足裏感覚”のことが出てきます。これまでの教師生活を振り帰ってみると,私のスキーは,結局この言葉を探すための長い道程だった様な気がします。それほどスキーを楽しむ上で大事なことだと思います。では,どうやったらこの”足裏感覚”を磨くことができるのでしょうか?私の経験からお話ししたいと思います。
人間には視覚,聴覚,味覚,触覚,嗅覚の五感,ファイブセンスがあります。この五感,研ぎ澄まそうと努めなければ,その能力は次第に衰えて行きます。反対に意識を良く働かせ,感覚を研ぎ澄ます訓練をすれば少しづつ鋭いものにすることも可能です。要は,意識をいかに働かせるか?ということです。
スキーをする場合,雪からの情報をイチバン初めに感じ取る部位として「足裏」が挙げられます。この部分の感覚を鋭くするには,先ず他からの不必要な情報をカットすることです。五感のうちで”足裏感覚”に関するものは「触覚」です。この「触覚」を鍛えるときに,イチバンの障害となるのは,実は「視覚」なのです。そこで目をつぶって足裏に意識を集中してみます。スキーブーツを履く必要はありません。いまあなたの足が接している場所の「硬さ」や「暖かさ」…が解かりますか? もし,あなたが畳の上に立っていたとしたら,畳表の「たたみ目」の筋が感じられるはずです。板の間の上なら「板独特の硬さ」が…。そして,畳や板の暖かさや表面の粗さ,「ひんやりしてる…」とか「すべすべしてる」とかも解かるはずです。足裏の触覚に意識が行き,接している場所の情報が足裏を介して脳に伝わったのです。
スキーをしている時,私は右の図の様に,親指の付け根付近から雪面方向に向かって,「レーダー波」とも言える「電波的触手」を出し,雪を探りながら滑っています。目はできるだけ焦点をボケさせ,視覚に意識が行き過ぎないようにします。焦点をボケさすことで,一点に意識が行かなくなり,視野が広くなる効果も生まれます。周囲のスキーヤーやボーダーも視野に入り,衝突などの危険も回避できるようになります。エキスパートスキーヤーが他人との衝突事故が少ないのもうなずけます。「目で雪を見る」のでは無く,「足裏で雪を観る」意識で滑るのです。
そんなこと出来るのかいな?と疑問に思う方も居られると思いますが,やってみて下さい。トレーニングを積めば,緩斜面なら,目をつぶって大回りでも小回りでも出来る様になります。(^I^) 少しづつ,少しづつの積み重ねで,あなたも足裏で雪を観る,ことが必ずできる様になります。
8/19 (土) 晴れ
今日も良い天気! 昨日は日本海まで泳ぎに行って来ました。白馬から日本海の糸魚川までは50キロ,今は交通事情も良くなり,車で約50分で行けます。昨日は富山県の海,朝日町の海岸で遊んで来ました。
夜は愛知県のスキー仲間「Sato」さんご夫妻がビアホールに来てくれ,楽しいひとときを過ごしました。
今日も「深雪」でそのテ−マは”足裏感覚”。
これまでも何回かお話しする機会がありましたが,雪の情報を的確につかむには”足裏感覚”が非常に大切になります。スキーは「スキー板と雪との間に働く,力関係をコントロールして楽しむスポーツ」なのですが,その「力関係」がどうなっているか?を伝えてくれるのが「足」という「センサー」なのです。
雪とスキーの力関係は,スキー板の「ど部分に?」,「どの方向から?」,「どれ位の強さで?」…という値で感知されます。これを感知するものは”足”に他なりません。それも”足裏”が最も早く,それらの値を感じるのです。ですから,その値がどの位なのか感じ分ける能力が”足裏”にあればあるほど,的確な情報を得ることができることになります。足裏はスキーをする上で最も大切な「センサー」の役割を果たしているのです。
この足裏からの情報は,足裏→足→足首→脛,ふくらはぎ→ヒザ→太股→腰→上体…→脳,という風に伝わって行きます。足裏から脳の方向へ情報が伝わるのです。体の動きは,情報の伝達につられた形で,自然にそして的確に反応する,と私は考えています。つまり,動作,体の動きは,足首→ヒザ→腰,のように下から起こり,その部位々々で必要な対応が起こるのです。足首で対処し切れなかった情報はヒザへ,そしてそこでも処理できなかったモノは腰へ…という順序に,です。ですから,小さなショックや抵抗への対処は足首やヒザが自然に対処してくれ,腰にまでその情報を伝えることはありません。上体の揺れやバランス崩壊という事態を生じないで済みます。
ところが,足裏の情報を元とせず,目からの情報,「視覚」を元にしてしまうと,これとはまるで違った状況が起こります。目→脳→首→上体,背骨→腰→太股→ヒザ→…足裏,という風に,さっきとはまるで逆の仕組みで情報伝達が起こります。つまり動作は上体から始まり,腰,ヒザ…という順序で起こることになります。深雪の中に見える,ちょっとしたコブでも,目からの「アッ!コブだ!」という情報は脳に先に届き,「何とかしなくちゃ…そうそう,ヒザと足首でショックを軽くするんだ!」という動作として現れてしまいます。体の下からではなく,上から対処が始まってしまうのです。目で見た時のコブへの対応は,上体のフリーズ→腰の屈曲→腰落ち→後傾…といった最悪の状態を招いてしまいます。
さらに,深雪では雪の状況がどうなっているか「視覚」では判断できない場合がたくさんあります。もし,目による判断が可能だとしても,雪の中を見ることができないのですから,どうなっているかの判断はでき得ないのです。こうなると,もうナニも言えません。目で見ることのできないものは足裏で探って行くしかないのです。
雪とスキーのコンタクト状況を,足裏で判断するか,目でするか? これは体の動きの大きな差となって現れてくるだけでなく,そうしないと滑れない!ということなのです。”足裏感覚”が大事な所以でもあります。
それでは,その”足裏感覚”を鍛えるにはどうしたらいいのでしょう? それは次回のお楽しみ!(^I^)
8/18 (金) 快晴
ここのところ,雨も,カミナリも無く,8月上旬の天候は何だったんだ?と思うような天候が続いています。みなさんはいかがお過ごしですか?
さて今日は深雪の話の6日目で話題のテーマは深雪・悪雪の名手”パンチョ”こと佐藤勝俊さんのお話し。
「技術選」が行われる以前の「デモ選」の時の話しです。「悪雪」という種目がありました。場所は今の八方,リーゼングラードの斜面。往時の名選手,丸山周司,太谷多喜男さんたちが出場していた頃の話しです。
斜面状況は,クラストした上に新雪が積もって,さらにクラストした,二重クラストという最悪の状態…。ここで競技が行われました。当時のトップデモ達が気合いを込めてスタートしたのですが,十数人滑って誰一人としてゴール出来ない状況が続きました。みんな5,6回ターンしただけで転倒,また転倒…という状態でした。大会役員も,これじゃ競技にならないから中止しようか?…と言っていた矢先,一人の選手が転倒しないでバンバン滑ってきたのです!悪雪のパンチョと異名を付けられた志賀・熊の湯の「佐藤勝俊」その人でした。
滑り方も彼だけは違っていました。それまでの選手が滑っていた,体を大きく上下に使う滑りでは無く,腰の位置がほとんど動かず,脚だけが伸びたり縮んだりする滑りでした。今で言う「ベンディング」的な滑りだったのです。それまでの滑り方,スキーを操作する,動かす滑りでは無く,雪の抵抗をうまくターンに結びつける滑り方でした。
彼は熊の湯の斜面で,夕陽で斜面が溶け,クラストした雪の中で良く滑ったと言われています。斜面が彼に理想的な滑りを会得させてくれたのでしょう。何回も何回もトライしてはその雪を滑りこなす技法を身に付けていたのでした。
彼の滑り方や技術は,その後研究され,「曲進系」という技術でスキー教程の柱となり,その後の変遷を経て,今は「ベンディング」という名前でスキー教程に取り入れられていま
8/17 (木) 快晴
今朝は良く晴れ,白馬の山も見えていい気持ち…。お盆の喧騒が過ぎて,気分は秋の【TOK】です。
さて,今日も「深雪」のお話でテーマは”自然体”
昨日の「語録」から推測するに,深雪の名手と言われる人は「雪と仲良く」滑っているようです。なるがままに任せる…と言う言葉も出てきました。大部分の他のスポーツでは,自らの身体を使い,動作を起こす事で運動をします。でもスキーは異質です。初めに斜面を降りる,という行為はありますが,その後は雪からの働きかけがあって,それにごく自然に対処しているだけです。
体の動きだけでなく,心の内も静かなのです。どことなく「無心」で「謙虚」で…まるで「禅」の境地?に居る気分がします。「禅」では,「心を一つの対象に注いで、心の散乱をしずめ、その上で、対象を正しくはっきりとらえる」ことを「禅定」と言うそうですが,まさにその通りと言った感じです。心を雪から来る足裏の抵抗に集中し,それを静かな気持ちで感じ取り,その力を吸収しては放してやり,そして又雪の中に落ちて行く…。さらに,「禅定」に徹しきったときに感じられるよろこび,を「禅悦」とも言うそうですが,深雪の中を雪と戯れているときは,まさにその「悦び」の真っ只中に居る気持ちがします。
”自然体”とは元々柔道の用語で、「きわめて自然に柔らかに立った構え」をいうのだそうですが,「柔らか」とは,「性格・気持・様子・言動などがおだやかなさま」のことで,深雪滑降のときに,その動きのダイナミックさとはうらはらに感じられる「心の静けさ」とも相通じるところがありそうです。
今日の写真をクリックしてみてください。八方の深雪の名手「丸山貢一」氏の滑りです。見て欲しいのは「上体が安定しているところ」と,「腰を中心とした脚の曲げ伸ばし(ストローク)の運動」です。一見すると腰が上下に動いている様に見えますが,これはターン後半蓄積された雪の抵抗によるエネルギーを解放しているだけで,自ら上下に体を動かしているわけではありません。
深雪制覇を目指しているあなた…「禅」の修行と,このアニメーションでイメージトレーニングを!(^I^)
8/16 (水) 晴れ
お盆も今日で終わり…。どんな連休でしたか?私は夏の稼ぎ時で,まあまあの忙しさでした。
On Line Ski Class について,いろいろなご提言を頂いております。息の長い,本当に役立つものとして運営して行きたいと思っております。皆様の率直なご意見をお待ちしています。
さて,深雪の3回目,今日は”深雪語録”です。尚,一昨日と昨日のアニメーション,負荷が多いので画像クリックで,アニメーション専門ページへ飛ぶ様にしました。よろしくお願いします。
昨日,【スキーがたわむ力も,左右に回転して行く力も,雪の抵抗が作り出してくれる】…ということをお話ししました。スキーヤーの私達は,別にこれといった特別な動きをせずに,ただ斜面を素直に落ちて行くだけです。すると,スキーや身体が持っている力が自然に雪と反応し,「ターンする」という楽しみを与えてくれるのです。
今日は深雪に関するいろいろな語録を紹介しながら,その言葉に潜む意味を探ってみましょう。
「水に浮かぶ枯れ葉の様に流れに身を任せる」…これは深雪の極意を語る語録のひとつだと思います。自ら雪に働きかけるのでなく,雪からの働きかけを待ち,それに素直に身体が反応するのに任せる…というものです。過日「Matu」さんから「ゆる」についてのE-mailを頂きました。その中に,「脱力して身体の反応が自然に起きるのを待つ…」というような下りがありましたが,それに近い感覚かもしれません。
「押さば引け,引かば押せ…剣の極意,無心で臨む」…雪との圧のやり取りはこの語録の通りです。その為には「重心」つまり「腰の位置」をしっかり決めることです。深雪では特に,この重心の移動する軌跡を頭に描き,そこに向かって雪から働く力があればその圧を足裏で受けとめて引いてやり,圧が少なくなれば脚を伸ばしながら雪面との圧力を一定にするようにします。結果として滑りの形は「ベンディング」的なものになります。大切なことは,ベンディングの形や運動を真似るのでは無く,その底に潜んでいる「ターンに必要な圧をどうやって一定に保つか?…」ということを考えることです。形はあくまで「ある意識下の行動の結果現れる姿」であって,その形は各人それぞれ微妙に違うのです。「形を真似て魂入れず」ではなく「魂入れて形求めず」です。
「深雪は,ワンターン10万円!」…これは私が昔,スキーの先輩に言われたことです。深雪で1ターン出来れば,その人のスキーヘの資本投下は10万円,もし10ターン出来れば100万円の資本投下をした,と思ってイイ…ということです。深雪をモノにするにはそれ相当の期間とお金が掛かる…ということを言いたかったのだと思いますが,自然体で滑ることを意識して滑れば,それほど難しいものとは思いません。普段滑る時の意識をどのように持っているか?ということが大事だと思います。
「深雪は,鼻歌交じりで滑る」…今から20年くらい前,小賀○スキー製作所が「ホワイトファンタジー」という深雪シーンばかりを集めた映画を作りました。なかなかイイ映画で「深雪滑りたぁーい!」と思わせる映画でしたが,そのBGMが当時流行っていたフォークソングでした。その歌ひとつひとつが結構深雪シーンに合っていて,よく ♪♪ターララ,ララーラ,ラーラーラ…♪♪ と口ずさみながら滑ったものです。今でもその時のクセが残っていて,深雪の時は口をついて出ます。「呼吸法」のひとつと言っていいかもしれません。身体をリラックスさせることにもつながるのでしょう。みなさんも深雪の時は「鼻歌」でもつぶやきながら滑ってみてはいかがでしょう?
「そこに雪があるようで無いような,雪が無いようであるような…」…これは「エディーハウアイス」という往年のオーストリーの名デモが,ある映画の深雪シーンの解説で語っていた言葉です。まるで意味が解からない言葉にも聞こえますが,その真意は非常に意味深いものです。まるで雪の中の「浮遊体験」とでも言った方がいいでしょうか,フワフワァーっとした雪の感触を楽しみながら滑っているのが浮かんでくる言葉です。言わば「雪と喧嘩しないで滑るスキー」の極意を語る言葉,とでも言って良いでしょう。
さて,みなさんはどういう語録が好きですか? あなた独特の言葉は? ぜひ聞かせてください!(^I^)
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8/1-8/15 は ⇒ August #1
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