スキーの性能(小回り)
スキーの性能(大回り)
スキーテスト(LET感覚のスキー)
テスターズテスト(#4)
テスターズテスト(#3)テスターズテスト(資質)
スキーテスト(三浦敬三さん)
スキーテスターズテスト(#1)
スキーテスト(曲げとネジレ剛性)
スキーテスト(LET意識の誕生)
スキーテスト(ELAN RC05)
スキーテスト(目的と方法)
スキーテスト
作用反作用
カービングターン(老若男女)
カービングターン(感覚)
迎え角(Gravity Woks)
迎え角と外向角
迎え角(カービング)
落ちる感覚
迎え角(クロスオーバー)
迎え角(LET意識)
迎え角(低速)
オレンジターン(お手玉)
オレンジターン(引く)
オレンジターン(ジュース)
オレンジターン(意識集中)
オレンジターン
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6/30 (金) 曇り
今日はアサイチ、パソコントラブル…日記のUPが遅れる(=_=;)。昼までにホームページの作業を終えて、午後からは、明日OpenするTシャツWebShopの作業。夕方からTennisで汗を流す。気ッ持ちイイ! (^I^)
さて、今日はスキーの性能の”小回り”について…。昨日大回りに要求される性能と逆の性質…ということでUPしたところ、具体的にどういう性質か説明して欲しい…とのE−mailを「Mさん」から頂きましたので、お話し致します。
”小回り”というターンはどういうターンかと言うと、「回転半径が小さく、滑走スピードも中速程度」のターンといえます。つまり”大回り”のような高速安定性よりも「いかに方向を変えるか?」という”操作性”の良いことが最大の課題になります。そこでキーワードは「振り回しやすい」、「ターンの始動が楽に作れる」、「板の反応が敏感」、「切れが良く、走る」ということになります。
「振り回しやすさ」はスイングウエイトに影響されます。このスイングウエイトというのは一本の板の重さの割合がどのような配分になっているか、ということです。足元よりもトップとテールの方が重ければウエイトが重くなり、振りまわしにくくなります。慣性モーメントが大きいとも言います。ですから”小回り”には「スイングウエイトが小さく、慣性モーメントの小さいもの」が適しているわけです。
「ターンの始動が楽に作れる」というのは、ターンに必要な迎え角が作りやすく、ターンがすぐ始まる、ということです。この迎え角はスキッディングでもカービングでも、タ−ンに必要なものですが、もしスキーが硬くて容易にたわんでくれなかったら、つまりフレックス(曲げ剛性)が強かったら、簡単に作ることが出来なくなります。ですから”小回り”には「フレックス、曲げ剛性の柔らかいもの」が適しています。
「板の反応が敏感」というのはスキーの返りの早さが早いということで、レスポンスが早いとも言います。スキーがたわんでも、それの戻る力が遅かったり、弱かったりでは次のターンに容易に入って行くことが出来ませんので、小回りには向いていません。物理用語では”固有振動数”という言葉で表現します。小回りには「固有振動数の高いもの」が適しています。
「切れが良く、走る」というのは、ターン後半でしっかり雪をグリップしてくれ、圧を解放した時次のターン方向へ素早く抜け出る、ということです。これには”曲げ剛性(ネジレの硬さ)”が影響してきます。特にレーサーがタイムを競うとなれば、ただ強ければイイというわけではなく、その配分がポイントになります。「ELAN RC05」のようにトップよりもテールのネジレ剛性が強いものがレースには向いているようです。一般的には”小回り”でも、切れの良さを追求するスキーヤーには「曲げ剛性配分の良いもの」が適しています。しかし、一般スキーヤーで「切れよりも、ズレてもイイから、楽に小回りをしたい」という人は「”ネジレ剛性”の弱いもの」が適しています。
……ところで、「トップよりテールの幅が広いスキー」が「SALOMO○」社から発売になりますね!SL競技者モデルと言うことですが、そのコンセプトは「ELAN RC05」と似ているような気がします。(^I^)
皆さんも、もし日記を読んで頂いて質問やご意見がおありでしたら、遠慮なくどうぞ! ひとくちコメントなども嬉しいです! (^I^) こちらでお待ちしています⇒
6/29 (木) 晴⇒曇り
今日は午前中いっとき晴れ間がのぞいたのですが、午後からは曇りそして小雨…。夕方からJogで汗を流し、夜はメルツェンでビールを飲みながら、インラインスケート大会の打ち合わせ。
そして、30日アサイチでこの日記をUPしようとしたら、ディスプレーの様子がおかしい…。前々から少し調子がおかしくなっていたが、いよいよ寿命かな?…ということで急遽パソコンショップへ。いま30日am11:30ようやくUPできそう…。
さて、スキーの性能によって滑り方はどう違うのか?と言うことが今日のテーマ。スキー板にはいろいろなモデルがあります。一社から30数種類ものモデルが発表され、それぞれ特徴が書いてあります。本当にその30数種類のスキーはそれぞれ違った特徴を持っているものなんでしょうか?。良く聞かれる質問です。品質管理が良く行き届き、設計理論のしっかりしているメーカーの板は「それぞれ全く違った特徴」を持っています。でも、残念ながらある会社の板は同じモデルでも性質が全く違う、という経験もありました。製作コンセプトがはっきりしていて、それを作れるだけの能力のある会社のスキーは、モデルごとの性質はほとんど同じで、しかもモデルが違えばその性質は違うのです。良くもこんなに多くの性質のスキーを作り出せるものだと感心したことがあります。スキーを買う時は信頼できるメーカーのものを選ぶことが大事だと思いました。
また、大回りでも小回りでも、コブでも、深雪でも、全てイイ具合に滑れる板を紹介して欲しい…と言われることがあります。残念ながら、そういう板は作り得ないし、存在しない! というのが結論です。それら全てにイイスキーのことを「オールラウンドタイプ」と言うのですが、それぞれナントナクはこなせるものの、バッチシ!というワケには行きません。大回りなら大回りに優れた性能を持たせようとすると、小回りに要求される性質は犠牲にならざるを得ないのです。大回りに要求される性質とは「高速安定性」です。そのため「滑走中スキーがフラフラしないこと(慣性モーメントが大きいこと)」、「エッジホールドが良いこと(ネジレ剛性が強いこと)」、「スキーのはね返りが強すぎないこと(固有振動数が高過ぎないこと)」、「直進性が良く走ること(サイドカーブが小さ過ぎないこと)」…がその条件ですが、良く考えると、これらのことは全て「小回りに要求される性質と逆の性質」なのです。そういうことで「ある特定の滑りに叶ったスキーは他の滑りには向いていない」ということになるのです。特徴を出せば出すほど一般オールラウンドなものとはかけ離れて行くのです。このことは大変重要な意味を持っています。つまり、スキーヤーがどのような楽しみ方をするか?をハッキリさせておかないと、本当に自分にあったスキーは選べない…ということです。今人気の「ケンタロー」が履いているスキーだから、俺も、私も…ということで選んだら、大変なことになります。彼らが使っている板はさらに過激な特徴をスキーに持たせているのです。しかし、特にレースをやっている人はこれを逆手に取ることもできます。彼ら一流レーサーが履いているスキーを乗りこなす努力をすることは、技術がそれに近づいていくカモシレナイ…という側面を持っているからです。
最近の技術選では、一人のプレイヤーが数台のスキーを準備し、それを履き替えて出場しています。彼らのように、生活を左右するほどの演技をする必要があるスキーヤーにとっては、このことはしょうがないことかもしれません。でも、一般スキーヤーにとってはこれは無理なことです。どのようなスキーをし、楽しむのか?これを先ず考え、それにあったスキー選びをしたいものです。
生徒さんがどのようなスキーを履いているのか? コレをチェックすることから私達教師のレッスンが始まるのです。
6/28 (水) 曇り
今日午後、白馬に帰って来ました。そして、久しぶりに自分のデスクトップから打ち込みをしています。やっぱり自分の使いなれているモノは使いやすくてイイ….(^I^) あったりマエか? ハッハハハハ……(^I^)。
さて、前回までは”テスターズテスト”の話しでした。運良くと言うか、ナントかテスターとして認められ、それ以降もスキーテストに参加させてもらいました。そこでまたいろいろな事を学びました。今考えてみると、私の今のレッスンの根幹を成している”LET感覚のスキー”も、これらの「スキーテスト」で培われたものだとはっきり解かります。
スキー板のテストは「スキーの持つ性質をテスターの体で感じ取る作業」です。『スキー板から身体へ伝わって来る情報を的確にキャッチする作業』なのです。自分から板に働きかけて(DO的操作をして)、その反応(レスポンス)を探るにしても、結局は板の性質や特徴は、その後に起きるスキー板からの情報を身体で感じ取って判断するのだから、LET感覚に長けていないとうまく行かない…ということになります。雪と板の間に起こるスキー板の反応は、足裏に伝わり、そしてくるぶしを経由してふくらはぎ、それから大腿部、腰へと伝わります。またその情報(シグナル)は足裏で感じ取られ、神経系を通じて「脳」に伝わるります。つまり、最終的に板の性質を判断するのは、下から上方向への情報だということです。そして、実はこのことは「一般スキーヤーがスキーの特性を生かしたターンをする」という時にも当てはまるのです。板の持つ性能を100%引き出してスキーを楽しむには、よしんばDO的な働きかけをしたにしても、その後のスキーの反応を感じ取れなければ意味が無い…ということになります。例えば、特に「小回り系」ではスキーのタワミを短時間にしっかり作り出すために、自らの脚力でスキーをターン外側に押し出す動作”DO”を余儀なくされることがあります。この時大事なのは、その後に起こるスキー板の反応を的確に感じ取る意識”LET”なのです。数々の「スキーテスト」を繰り返しているうち、私自身、その滑り方が「DO的」なものから「LET的」なものに変わって行きました。「ELAN RC05」で「LET意識」に目覚めた【TOK】は、その後のスキーテストでさらにLET感覚のスキーに磨きをかけることになったのです。
次回は「スキー板の持つ性質」についてお話しましょう。乞う、ご期待! (^I^)
6/26 (月) 曇り
25日はいろいろ忙しくてUPできませんでした。昨日は、Tシャツビジネスの勉強で都内のいろいろなショップを巡り、カラーやデザインの傾向を調べて回りました。自分の趣向を、ごり押しするのではなく、本当に気に入って頂ける商品をご提供することしか無いと、再確認したのでした。今日は日比谷公園で4時間のテニスを楽しみました。義弟が、ここのところの運動不足を解消した方がイイと、コートを取ってくれたのでした。昔、学生時代に、日比谷公園でテニスが出来るなんてイイ身分だなぁー・・・・等と思ったことがあったのですが、あそこは都営らしく、予約が取れれば2時間3千円で誰でも使えるとのこと・・・。そんなこんなで久し振りに4時間みっちりテニスをして、酒を抜いた【TOK】でした。(^I^)
さて、”テスターズテスト”の話しの続き・・・。二日間の、私にとっては過酷なテストが終わり、その結果はいろいろなデータを「コンピュータ分析」した後、各自に連絡するということでした。もし、テスターとして不適格!というような結果が出たら、これまでやって来たスキーテストはどう言い訳したらいいんだろう?と思いながらその知らせが届くのを待ちました。約3週間後連絡が入りました。「スキーテスター候補として合格されました。ついては3月に最終のテスター選考を行いますので御参集ください」。いわば、二次審査的なもので、候補として16名が挙げられたのでした。まずは第一次予選突破で胸をなでおろしました。(^I^)
そして3月、再び志賀のジャイアントコースで第2回の”テスターズテスト”が行われました。前回と同じようなテストでした。そして最終判定は「スキーテスター合格!」でした。私のテスターとしての資質は一応クリア、ということになった訳です。そして、特に「スキーの慣性モーメントに敏感なテスター」という評価を受けました。どういうことかと言うと、スキーの安定性に関する事項に敏感、ということで「特に、大回り系のターンに要求される性能を見分けることが得意」、という評価でした。
めでたく「スキーテスター」として認知された【TOK】はその後何年か、「skie○誌」のテスターとして、その企画に参加させていただきました。これまで、数百台ものスキーをテストする機会に恵まれたのでした。このことは私のその後のスキーレッスンに大きな影響を与えることになったのです。(テスターズテストの項、終了)
6/24 (土) 小雨
東京は、梅雨の真っ只中、という表現がピッタシの天気でした。夜、学生時代の友人の誕生日を祝う名目で開かれた、ちょっとしたPartyに参加。それぞれいろいろな立場で頑張っていて、今は学生の頃は想像も出来ない職業について活躍している人も・・・。でも、こうやってその頃の連中が集まると、昔の「彼」や「彼女」に戻り、ワイワイ、ガヤガヤと花が咲きました。この後、またどの様に変わって行くのか、楽しみでもあります。
さて、”テスターズテスト”の続きです。
まず初日、志賀高原のジャイアントスキー場に、SAJ、SIA傘下のスキー教師、約30名が集合。テストの説明を受けた後早速テストに・・・。テストする板は30本余りで、全て表面は塗装で黒く塗りつぶされ、どこのメーカーのものか解らない様になっている。目で見て余計な先入観を持たせない為だ。スキーにはナンバリングがされていて、試乗する順番が決められている。ある人は「標準スキー」「#2」、「#3」、「#4」・・・・、またある人は「標準スキー」、「#15」、「#16」・・・・という様に。ジャイアントスキー場の一番上からスタートし、初めの中斜面では「高速大回り」、さらに「約20旗門のポール」そして中間部の急斜面では「中ターン」、最後に下部で「小回り」を滑り、その評価を”標準スキー”と比較して、そのデータを記入する、という方法が取られた。約30台を神経を研ぎ澄ませながら滑るには相当の集中力が要求され、滑り終わった頃にはみんなグッタリ!。 そして二日目、今度は板の番号が昨日とは違うナンバリングがされていて、どれがどれか全く解らない。昨日と同じ方法で試乗し、またその結果をレポートする。「この板は、昨日の#5と似ているけれど・・・・違うかなぁー?・・・」などと憶測しながらの試乗だ。でも結局、その時々のフィーリングを素直に書くのがイチバンで、それしかないことに気付く・・・。そんなこんなで二日目終了。
二日で約70回、ジャイアントコースを隅々まで知り尽くした感じがした【TOK】でした。 これらのスキーテストを通じて、スキーの性能を判断する能力とは、「足裏に伝わってくるスキーからの信号」を感じと取る能力だとつくづく感じました。今、レッスンで足裏感覚が大事だ、と皆さんにお話している原型は、この時培われたのかもしれません。(^I^) ・・・・(続く)
6/23 (金) 小雨
今日は朝早く起きて、東京へ・・・。このシーズン、暇な時を見つけて充電を兼ねながら社会勉強と、妻の慰労を・・・。今日は昼過ぎから妻の知人とTDLへ。TDLとは「東京ディズニーランド」のこと・・・。いまさら、という気もするが、あの人気の秘密の一端を見るのも悪くはないと、誘いに乗ったのでした。あいにくの雨模様で昼は残念でしたが、夕方から雨も止み、パレードも見られました。あの入場券で、良くもこんなにいろいろなモノが見られるものだと感心しきり・・・。人が喜ぶ・・・ということはどういうことなのか?をちょっぴり感じた【TOK】でした。
さて、”スキーテスターズテスト”の話・・・。一昨日、そのいきさつについてお話ししましたが、今日はその続きで、このテスターに要求される”資質”について。コレは大きく分けて三つありました。
一つは「再現性が良いかどうか?」。これは、ある板をある時履き、その時述べた評価と、違う時に乗った時の評価とが、同じようにできるかどうか?ということ・・・。つまり、いつ乗ってもその板に対して、同じような評価ができる能力、感性があるかどうかということ。
二つ目は「機械的な特性を言い当てる能力があるかどうか?」。スキーの持つ曲げやネジレの強さ、サイドカーブの形状、スキー自体の重さ・・・等の特性を、スキー滑走のフィーリングとして感じ取れ、表現できる感性があるかどうかということ。
三つ目は「実走フィーリングと機械的特性の関係が、これまで得られた膨大なデータと一致しているかどうか?」。これまで、過去15年間、1200台のテストで得られたデータで、「skie○誌」は「こういう機械的特性」は「こういう滑走フィーリング」と関係がある、という大まかな関係をつかんでいました。ですから、いくら「再現性のイイスキーヤー」でも、そのデータと大きく異なる人は、テスターとして適していない、ということになるわけです。
以上のようなことを見分けられる人をテスターとして探し出し、これからのスキーテストのテスターとして活躍してもらい、さらにはこれらのデータから、機械的特性が解れば、すぐスキーの性質も解るようにしよう、というのが、最終的な目的なのでした。
次回は、そのテストはどのようにして行われたか?をお話ししたいと思います。
6/22 (水) 高曇り
今日も高曇りのスッキリはしないが雨は降らず、まあまあの天気。
明日から28日まで私用兼仕事で、白馬を留守にします。ノートパソコンを持って行きますので、時々UPできるとは思いますが、写真は入れ替えできません。悪しからずご了承下さい。ホームページのTop、少しだけレイアウト替えてみました。
さて、夜9時15分からNH○で「三浦敬三」さんのスキーが紹介されていました。96才におなりだそうですが、お元気に滑っておられました。実はここ数日「スキーテスト」の話題をUPしていますが、スキーテストを始めて間も無い頃、数年、多分3、4年だったと思いますが、ご一緒に仕事をさせていただきました。スキーテストの話題に呼応する様に「敬三さん」にお会いできました!。(^I^) スキー理論もさることながら、スキー道具に付いてもなかなか造詣が深く、特にスキーチューンやエッジ角、今で言うところの「ベベル角」について詳しく説明を受けたことがあります。スキーテストが始まり、その方法を模索している中、「敬三さん」のご助言が大変役立ったという話も、編集部の方から聞いたことがあります。お元気だとは伺っていましたが、実際に映像でそのお姿を拝見して、その滑りに感動さえ覚えました。みなさんご欄になりましたか? わたしには「LETのスキー」でまさに正真証明の”生涯スキー”にみえましたが…。もし見逃した方は28日か、29日にBSで再放送があるようですので、チェックしてみてください。
そしてもうひとつ、蛇足ですが、あのビデオの撮影の現場に立会い、収録を担当していたのが私の友人の「神山○」なのでした!。彼自身スキーがうまく、数年前、彼が八方尾○スキースクールの教師の一人と結婚したり、私個人の「レッスンビデオ」を作ってもらったりしたこともあり、懇意にしているのです。取材で何度か八甲田や立山に行くとか、行ったとか聞いていましたが、その時の話でも「敬三さん」の元気さには敬服したというコメントが聞かれました。偶然が重なって不思議な気持ちの【TOK】です。
私も96才までにはまだまだ…、コレからがスキー人生だと思った【TOK】デシタ!(^I^)
では、明日からチョット留守にしますが、みなさんヨロシク! 行って来ぁ〜ます!
6/21 (火) 高曇り
今日も梅雨なのに、白馬の山並が見える天候でした。今年は空梅雨かもしれないとのNEWSが流れていますが…。未んさんの所ではどうでしょう?
さて、今日もスキーテストの続きです。で、今日のテーマは”スキーテスターズテスト”について…。世の中に送り出されるいろいろなモノ、それを試食したり、試乗したりする人がいます。コーヒーを試す人は「カップテイスター」、車や飛行機を試乗するのは「テストドライバー」「テストパイロット」Etc.など…。スキーでは「スキーテスター」と呼んでいます。このテスター、いろいろな人が選ばれています。ある雑誌では「デモ」だったり、あるいは「元レーサー」だったり…。私は、たまたま所属するスキースクールにテスト依頼があり、そこの「チョット理屈っぽい教師」ということで選ばれたのが始まりですが…。実はこの”テスター”、どういう人を選ぶか?が「スキーテスト」で重要になります。スキー板の持つ特性をしっかり感じ取り、適切な言葉で評価できなければなりません。その為には、スキーの技術的な事、理論的知識もある程度持っていなくてはなりません。ただ、好きだ、嫌いだ、ではダメです。「skie○誌」では、今シーズンまで、27年間”スキーテスト”を企画し、そのレポートを誌上で行なっていますが、ある時、このテスターをどういう人達に行ってもらうのがイチバンいいのか、検討した事があります。1988年の事です。”スキーテスターズテスト”がその名称で、志賀高原のジャイアントスキー場で行なわれました。その時の雑誌の紹介文の一部を抜粋してみると…。
「スキーテスターの条件とは…。スキーの性能を見分けるテスターと言えば、一流レーサーや名スキーヤーと相場は決まっている。が、スキーが速く、うまく滑れるということと、スキーの性能を敏感にかぎ分ける能力は同一なのだろうか?…そんな素朴な疑問をキッカケに、多数量解析(*)を用いてテスターを選ぶ、という世界初の試みは始まった。」
1988年の1月、「skie○誌」から「”スキーテスターのテスト”を行ないたいので、貴スクールからも数名の教師を派遣して欲しい…」との連絡が入った。私は自分から志願して「ぜひその企画に派遣して欲しい!」と申し出たのでした。かくして、今思えば過酷だったけれども楽しかった”スキーテスターズテスト”が始まったのでした! (次回に続く)
(*)多数量解析=1988年まで15年間、「skie○誌」が蓄積した膨大なスキーテストの資料を元に、これまでのテスターの感覚表現を数値化し、回答に表れる各テスターの答え方のクセや評価傾向などを分析把握して、スキーの機械的特性の違いに正確に反応できているかどうか?を検証するシステム。解析用のコンピュータソフトも特別に作られた。
6/20 (火) 快晴
今日は快晴のイイ天気で【TOK】の気分も晴々! ビアホールが定休日なので、夕方からゆっくりテニスを楽しみました。妻が結構打つようになって、私も気を抜けなくなりました。私のHPも、最近Openした新しい掲示板に皆さんからの書き込みが多く、大変励みになります。(^I^) 雪の無いオフシーズンも、こんなに多くの方々が私のHPを見に来てくれているのだと思うと、【TOK】も気が入ります!(^I^)
さて、今日もスキーテストの続き…。私に大きな意識転換をもたらしてくれた「ELAN RC05」、それは「曲げの強さはそれほど硬くないが、テールのネジレがものすごく硬い板」…つまり、「曲げ剛性は弱いが、ねじれ剛性が強い板」でした。普通考えれば曲げの強さが弱ければ、ネジレの強さも弱いのが普通です。例えばある一本の板を手にとってそれを曲げてみます。曲げる時の力がそれほど必要無ければ、捻るのだって楽に出来るのが当たり前です。ですから「曲げる力は必要無いが、ねじる時には大きな力が要る」というのは矛盾したことなのです。それまでも、スキー設計に関わる人達は、その矛盾した性格を併せ持ったスキーを作ろうと躍起にはなっていたのです。ボックス構造だとか、ハニカム構造だとか…いろんなことを試していました。しかし、「ELAN RC05」はテールのネジレの強さを強くし、トップとテールのネジレの強さに差をつけることが出来たスキーだったのです。もちろん、曲げる強さはそんなに強くありませんでした。
このことは何を意味しているかと言うと、フラットに乗っている時はスキーの硬さを感じないが、いったん角付けするとテールが硬く感じる、ということなのです。実際スキーしている時の事を考えてみると、タワミ易い方が一本のスキーの中で、トップの「迎え角」を大きく作る事が出来ます。(⇒迎え角(カービング)参照) しかし、「迎え角」を大きくする事が出来ても、ネジレの力が弱く、雪面をグリップする事が出来なければ、ズルズルとずれてしまいますから、全く意味が無いのです。曲げの力に弱く、ネジレに強い板、というのは「角付けした時に雪面を捕らえる感じが強い」ということになります。これをスキーテスターは「雪面ホールド」が強い、と表現します。その時、雪面ホールドの長さが長く感じるのを「有効エッジ長が長い」と言います。
最近、スキー素材や構造力学的な研究が進み、このような「矛盾した性能」を併せ持つスキーが生産できるようになりました。それが「カービングスキー」です。「ELAN RC05」はその先駆けとなったスキーなのかもしれません。
(段落…少し大きくしてみました。少しは読みやすくなりましたか?(^I^))
6/19 (月) 晴れ
今日は私用で松本へ…。最近はオリンピック道路ができ、時間的なアクセスが早いこともあって、長野市へ行くことの方が多いのですが、久しぶりに松本市に行って来ました。で、思ったのは、長野より松本の方が活気がある、ということでした。どこと無く雰囲気が明るく、行き交う人々の顔も明るい気がしました。長野市の方が近くに山並が迫っている、ということだけが理由では無いように感じた【TOK】でした。松本ではオリンピックやってないのに、アノ活気は何なのでしょうネ?
さて、昨日の続きです。 そういうことで「ELAN RC05」を乗りこなすには、それまで常識と考えられていた滑り方「テールを外に押しやる」とか「スキーを動かす」ということが通用しなかったのです。今にして思えば、「かかと荷重+つまさきヒネリ」の滑りこそ「LET感覚の滑り」そのものなのでした。かかとを荷重点(支点)にすることで、スキーを操作することが規制され、ただ乗っているだけ、という意識が必要になってきます。当時はまだ「かかと押し出し」などという技術が幅を利かせて頃でした。雪の抵抗を待つ、などということはお呼びもつかないことでした。 そしてまた、このこのことは用具が研究開発され、新しいモノができれば、それを乗りこなすための理論や技術も変わらざるを得ない、ということになります。
では、「ELAN RC05」はどのような機械的特性を持ったスキーだったのでしょう? ナントびっくりモノでした。テールのネジレの硬さがトップのネジレに比べ異常に強かったのです。つまりテールが外へズレにくい設計がされていたのです。これまで、この様な性格のスキーには乗ったことがありませんでした。まさにオドロキでした。これを普通の感覚で乗ると、トップがズルズルと外側に流れてしまうターンになってしまいます。しかし、テールが硬いと操作性は犠牲は悪くなりますが、方向安定性が増します。テールの雪面ホールドが良くなり、切れが良くなるのです。スピードが出てその移動方向をしっかりコントロールするには、その移動する物体の後部がしっかり保持(ホールド)されていなくてはいけません。例えば、弓矢の「矢」です。矢羽が”うしろ”にあるのは方向をしっかり維持する為です。飛行機の「方向舵」が飛行機の”うしろ”にあるのも、レースカーの後輪が異常に大きく重いのも、その方向安定性を増す為なのです。「ELAN RC05」も実はコレと似た性格を持った板なのでした。テールがしっかり雪の抵抗を受け止め、進行方向をキープしてくれるので、思い切って斜面を落ちて行くことができます。落ちて行けばその分雪からの抗力が生まれ、スキーヤーを跳ね返すエネルギーを与えてくれます。あとはターンからターンそのエネルギーを「引き」ながらクロスオーバーさせて行けば良いわけです。「操作するスキー」ではなく「受けて行くスキー」を意図した設計がされていた、と言って良いと思います。
このスキーに出会い、それを乗りこなすことで、おおきな収穫を得たのでした。それまで「DO」的な滑りをしていた中に、この時、ほんのわずかですが「LET」の感覚が芽生え始めたのです。LET意識の誕生でした。 (^I^)
6/18 (日) 快晴
今日は快晴のイイ天気! 気分良くTシャツビジネスのホームページ作りができました。(^I^)
さて、今日は、私が”荷重点とはなんぞや?”ということを深く考えるキッカケとなり、その後の教師活動に大きく影響を及ぼした【ELAN RC05】についてのお話し…。
それまで私は”デモ選”出場の選手に圧倒的人気のあった「O社」の板を履いていました。グラスファイバー製のスキーで、柔らかい雪では大変滑りやすく、「O社」の板を履かないとデモにはなれない、とまで言われたスキーでした。そして、テストのある日、W杯で連戦連勝のステンマルクが履いているというスキー板「ELAN RC05」をテストする時が来たのでした。どんなスキーかと期待しながら、そのスキーに履き替え、リフト乗り場までほんのわずかの距離、約10mを移動したのです。ほんのわずかの距離を滑っただけで、あるフィーリング、「このスキーは柔らかいな!」とか「こりゃ良さそうだ!」とかの直感が働くのです。 ところが……、このスキー、トップが軽いのです!。アレレ…とその第一印象にまず驚きながらリフトで終点まで行き、おそるおそる滑り始めました……。案の定、スキーが回ってくれません! 行けども行けどもテールの捕らえが強過ぎてトップがターン内側に入って来てくれないのです。テールを外側に押し出そうにもテールが硬過ぎて、思い通りにはズレてくれないのです! いつの間にか、性格などつかめないまま下まで着いてしまいました。困ってしまいました…。ステンマルクが履いて良い成績を残しているスキーの評価が、これでは「ダメスキー」との判定を下さなくてはならなくなります……。テスターとしては、なんとか乗りこなす方法を見つけだし、「このスキーはこういう風に乗れば生きる…」という風なコメントを残さなくてはいけません。そこで、どう乗ったら良いのか探る為、もう一本リフトに乗って上まで行き、再挑戦です。今度はトップに荷重したり、テールにしたり、いろいろやってみました。比較的に、かかと荷重にするとターンがしやすくなりました。そこで「かかと荷重でつま先をターン内側方向にひねる様にして」滑ったみたのです。そしたらどうでしょう、いままでコントロールできなかった板が、魔法の様に回るではありませんか! 驚きでした! これほど乗る位置でスキーの扱いやすさが違うスキーに、かつて出会ったことはありませんでした。さらに、その様にして乗ると、テールが外へ出て行かない分、ズレが少なくなるではありませんか! そして、スキーが前に前に出て行くのです。切れと走りが抜群なのです。ステンマルクの勝てる訳が解かったような気持ちでした!
そこで気が付いたのです。「かかと荷重+つまさきヒネリ」の重要性が……。それまでの「母子きゅう荷重でテールを外へ押し出す滑り」はこのスキーでは通用しない…と。
その日、名木山のゲレンデは、私の記念の場所となったのでした。
6/17 (土) 小雨
今日は梅雨空に逆戻り…。Tシャツビジネスのホームページ作りで一日パソコンの前に…。妻がやや機嫌悪い…。仕事に熱中し過ぎらしい…(=_=;)
さて、今日から【TOK】が大変影響を受けた”スキーテスト”について…。右の写真は当時の模様を載せたスキー雑誌です。長いことやらせてもらいましたので、いろんな事が学べました。
スキーテストには二つの主なテストがあります。ひとつは雪上での”実走テスト”でこれはスキーテスターが行ない、そのフィーリングをデータとして取ること。もうひとつは”機械テスト”で、スキーの持つ機械的特性、曲げの硬さや慣性モーメントなど、スキー板自身の持つ機械的なデータを取ること。そして、スキーヤーの志向にあったスキーモデルを一般スキーヤーにお知らせすることが主な目的でした。次に、この二つの特性を結び付け、スキー板にどのような機械的特性を持たせたら、滑りの感覚はどう変わるものか?どういう特性のスキーがどういったタイプのスキーヤーに向いているのか?これからスキーを改良し、望みのスキーを作るにはどのような機械的特性が必要となるのか?…というようなことを研究することも二次的な目的でした。
私は実走テストのほうを担当させてもらいました。それは一日に約20台〜30台くらいの板を履き換えては滑り、履き替えては滑りして、その滑走フィーリングをまずテープに録音し、そしてデータ集計用紙に記入する…というものでした。一台一台の性能を注意深く感じ取りながら、朝から夕方まで一日約50〜60回、約500m〜800m位の雪上コースを周回するのは体力的に大変でしたが、それぞれ個性の違うスキーに出会える楽しみの方が勝っていました。
滑走フィーリングには、いろいろな分析項目がありますが、私はいつも「方向性、操作性、安定性」の三つの特性を意識してテストしていました。方向性は、無駄なズレが無くしっかり雪面のホールドができるかどうか…というスキーの”切れ”に関する要素。操作性はスキー自分の意図した方向へターンコントロールができ、乗っていて無駄な重さや軽さを感じるか感じないか…という”扱い易さ”に関する要素。そして、安定性はターンの最中、安心して板に頼っていられるかどうか、という”安定感”に関する要素です。方向性や安定性の良い板は、残念ながら操作性は良くない…とか、逆に小回りがやりやすくて操作性が良いと思われる板は、切れがイマイチ…といったようなことを感じ取りながら滑るわけです。そして気が付いたのは「方向性、操作性、安定性」の三つの特性そのものが、相矛盾する項目でもあるということでした。方向安定性が良ければ、操作性は犠牲にならざるを得ない…あるいはその逆…というようなことが解かってきたのです。つまり、ある特性や特徴を持たせれば持たせるほど、それに比例して犠牲になる特徴が出てしまう、ということです。それだけに、オールラウンド的な板は平凡な板だ、というようなことになってしまうのでした。
そして、スキーテストを始めて2年目、私にとって忘れることのできないスキー板と出会ったのです。それは【ELAN RC05】という板でした!。次回はこの板についてお話しましょう。(続く…)
6/16 (金) 高曇り
今日も白馬三山が見える天気! Tシャツビジネスの仕事に一日費やす。夕方からJogで汗を流す。On Line Ski School の件で知人のSさんが「画像処理」についてイイ御提言をしてくれた。画像をどう処理し、皆さんからのデータをどう扱うかが、今ネックになっていて、これを解決してからOn Line Ski School を立ち上げる予定…。
さて、カービングスキーを使って引力に任せれば、体力に自信の無い人達にもスキーの楽しみの枠を広げてくれる…というのが一昨日のお話でした。ここで大事なのは「スキーの特性」、「スキーの性能」ということです。スキーの持つ性能が滑りの質や、その楽しみ方まで変えてくれるということです。特に、スキーのネジレと曲げの剛性(物体のずれ変形に対する弾性の強さ=ネジレ易さや曲げ易さ)と、サイドカーブが大変重要な意味を持つことになります。
私は縁あって、過去十数年に渡って「スキーテスト」の仕事をさせてもらいました。最も長かったのは「skie○誌」で約12年、「スキージャー○ル誌」で2年間やらせてもらいました。そこで、これから”スキーテスト”での経験や”スキーの性能”の話題についてお話したいと思います。
私がスキースクールの教師になって3、4年経った頃、「skie○誌」が大々的に「スキーテスト」なる企画を立ち上げました。実際の雪上での滑走フィーリングと、スキーの持つ物理的特性が、どのような関係にあるのか?をレポートするもので、この企画は今でも続いています。最初この企画が出されたとき、八方尾根スキースクールにその実走テストを担当して欲しい、という要請がありました。私がたまたま理工系の出身で、スキー技術などで理屈っぽいことを言っていましたから、「【TOK】お前ヤレ!」ということになりました。
実は、今思うと、この”スキーテスト”がキッカケとなって「スキー技術や指導はどうあるべきか?」、「どう楽しんだらイイのか?」ということを考える事になりました。私にとって大きな転機となった”スキーテスト”でした。
次回からこのことをお話したいと思います。乞うご期待! カナ? (^I^)
6/15 (木) 快晴
今日は久しぶりの良い天気! 気持ちも晴々、仕事もはかどり、Jogも気分良くできました。当然夜のビールも美味しく頂きました! (^I^)
さて、昨日は”実年”や”女性”がカービングスキーを使ったらどうなるかのお話しでした。今日もそれの続き…。
おおきな滑走感覚の違いは「LET意識」で滑るとうまくいく…ということですが、このことでナニが良くなるのか?ということを考えてみたいと思います。「LET意識」で滑るということは”身体が落下して行く力を使う”ということになるわけで、「DO意識」のような余分な働きかけがありません。つまり雪に働きかける、という作用が無いのです。物理的には、ニュートンが”作用反作用(Action & Reaction)”の法則として提唱したように「作用があれば反作用が必ずある」というのが定説です。しかし、「LET意識」では引力の作用(Gravitational Effect)に従っているだけで、自ら働きかけるという作用がありませんから、反作用が生まれないのです。実はこの反作用、スキーでは大変な悪玉になるのです。もし右に足を押し出せば、それと反対側、左に上体が傾く力が働いてしまいます。脚を下に伸ばして圧を作ろうとすると、その反作用として重心(上体)が上方に伸びてしまうのです。つまり上体の安定感が崩れてバランス維持が難しくなったり、目線が変わって適正な判断が出来なくなったり、してしまいます。できるだけこの様な動きを発生させないことがスキーでは大切です。カービングスキーを効率良く使えば「LET意識」でターンが出来ますから、反作用が少なくなります。上体が安定し、安心してスキーが出来るわけです。
「雪と喧嘩しない、という感じが掴めた…」、「疲れなくなった…」、「長い距離が続けて滑れるようになった…」、「雪の感触が解かるようになった…」、「雪や自然のありがたさが解かる気がする…」、「引力に身を任せる楽しみが解かった!」、「大きな自然に身をゆだねている気がする…」等の言葉が聞かれたのでした。(^I^)
6/14 (水) 曇
今朝も曇空の中から唐松岳が顔を出してくれました。(^I^) 気候に気分が左右される【TOK】です…。
今日のテーマもカービングですが、その中でも”老若男女のカービング”を取り上げたいと思います。
一昨年から、あるツアー会社が主催する「40歳以上のカービングスキー試乗付きレッスン」というのを担当しました。ニシーズン担当したことになりますが、このレッスンの中で、いろいろな事を体験させてもらいました。痛感したことは「体力的に劣る人でもカービングスキーの持つ特性を生かしてスキーを楽しめる!」ということでした。モチロン、カービングスキーにもいろいろありますから、なんでもイイ…という訳にはいきませんが…。サロモ○社の協力で、試乗会も兼ねていましたので、生徒さんは許される範囲でいろいろなタイプのカービングスキーを履くことができました。初級・中級くらいの人はイージーカーブ、又上級クラスでスキー経験の長い人はピュアカーブくらいのがいちばん合っている様でした。ノーマルスキーと違ってトップ部分が広くできていますから、チョット角付けするだけでスキーがたわんだ状態が作り出せます。つまりそんなに必死になって外スキーに乗り込もうとしなくても良いわけです。またノーマルスキーでは滑走スピードがある程度以上必要ですが、カービングスキーの場合はそれほど必要としません。あとは何が必要かと言うと「斜面を移動すること」だけなのです。ノーマルスキーではタワミが少ない分、方向を変えようとするとどうしてもテールを外方向に押しやる動きが必要でした。カービングスキーの場合はこの動作はあんまり必要としません。つまり「DO意識」よりも「LET意識」の方が大事になってきます。レッスンではこれまで経験してきた「D0」を極力やめさせ、「LET意識」を持ってもらうことが大事になりました。「先生、スキーを自分で動かさず、待ってればイイ…なんて、楽で便利なスキーが出来たもんだネー…」というのが大方の感想でした。「これこそ雪の力を利用したターンなのだ!」と教師の私も思ったものです。
何度も言うように、「DO感覚」よりも「LET感覚」の習得がスキーを「生涯スポーツ」として位置付ける重要な要因だと思った【TOK】でした。
6/13 (火) 小雨
山の頂が少しだけ見え、梅雨空にもかかわらず少しだけ気分が和らぎました。夕方、雨の為、テニスはできず、Jogをしてから、教師仲間の経営する居酒屋で一杯楽しんだ【TOK】でした。
さて、今日は先日出てきた”カービング”について…。レッスン後、ある方から次のようなお便りを頂きました。
※Kさんのお便り
「カービングの感覚」をモノにしたいとお願いした今回のレッスンでしたが、実際に受けてみて、最初に考えていたこと、つまり『「カービングの感覚」をモノに したい』という言い方はちょっと違うなと思いました。「カービングの感覚」と
いうのは何もカービングスキーが市場に現れたからといって突然現れたものでは なく、足裏で感じる〈スキー(=自分の足=自分)〉と〈雪面〉との圧のやりと りの感覚をどんどん研ぎ澄ませていくときに、その延長線上で「自然に(あるい は必然的に)感じる滑走フィーリング」であるというような感じがしています。
カービングとかスキッディングとか物理的な状態はあとからいくらでも言うことができるけれども、重要なのは斜面の状況とか、雪の状態とか、自分が楽に滑りたいのかチャレンジしてみたいのかという意志とか、そういったいろんなファクターが絡むさまざまな局面で、最適な圧のやりとりを調整できる能力なんだという感じがします。
※【TOK】のコメント
本当にそのとおりです。おっしゃるとおり、スキッディングとカービングが別々の技術として存在するわけではないのです。どちらかの要素がより強く出ているだけのことです。いろな条件があって、それに応じた滑りをする時に、自然発生的に生まれる滑りのスタイルの違い…という風に考えた方がイイでしょう。進行方向に対して横向きの抵抗をより強く受けようと意識すれば、それはスキッディング要素の多いターンになりますし、縦方向に抵抗を求めればカービング的なものになります。ですからカービング・ターンは、本来はノーマルスキーでも出来る技術というか、滑り方なのです。カービングスキーでなくともカービングターンができるのが本当でしょう。ただ、カービングスキーを履くとそのフィーリングが、より低速でも、また外足でスキーをしっかりたわまそうとしなくても、体験できるわけですから、いろんな人のスキーライフにきっと役立ちますよネ!
6/12 (月) 曇
梅雨に入ったものの雨そのものは少なくなんとなく救われている【TOK】です。今日もテニスができました。(^I^)
ここのところ”迎え角”についていろいろ述べてきましたが、この迎え角……つまるところ『雪の抵抗をもらう滑り』が出来て初めて意味がある、というか”雪からの圧を感じられないと、迎え角そのものの考え方が理解出来ない”ということになるのだと、今更ながら思いました。低速のスキッディングでも、高速のカービングでも…。これまでも何度も言ってきたことですが、自分から雪に働きかける動き、スキー板を操作する運動では、迎え角意識は必要無いのです。重力の法則に従って斜面を滑り降りて行く、ということが根本にあり、その時どう抵抗を受けとめるのか?ということを考える時、はじめて”迎え角”の意味が出てくるのです。
実は、スキーというスポーツはここのところに他のスポーツとの違いがある、スキースポーツの特徴はここのところにこそある、…のです。スキーの運動は”gravity works”(重力作用、落下運動)だと、よく外国のスキーヤーーやボーダーが言いますが、全くそのとおりです。6/9に”落ちる感覚”で書いたとおりです。しかし、私がレッスンで良く経験するのは「いかにスキーを操作するか?」ということに汲々としている姿です。「自分の力で回るんじゃないよ! 雪が回らせてくれるんだよ!」ということに気がつけば、スキーは非常に楽なスポーツなのです。日記でも、本当にくどく言ってますが、それほど大事なことだと私は思っています。
スキー場でリフトに乗る時お金を払います。お金を払うということはナニかを買っていることです。ナニを買っているかと言うと、それは”位置エネルギー”です。高い所に自分を運んでもらうためにお金を払っているのです。ですからその高さを使って楽しむのがスキーの本当の楽しみ方なのです。高い所から低い所へ落ちて行くことを楽しまなくてはいけません。ところが、良く周りを見てください。いかに多くのスキーヤーが、落ちることを拒否してスキーをしていることか…。
”迎え角”を考えることで、またスキーの楽しみ方の本質を考えさせられた【TOK】デシタ! (^I^)
6/11 (日) 曇
今日も曇空の白馬……。でも雨は降らなかったので夕方からテニス。およそ1時間のトレーニングだが汗をかくのは気持ちイイ! (^I^)
さて,今日も昨日の続きで”迎え角”。
カービング・ターン状況での迎え角は一本のスキーの中で、部分々々でその角度が違っていることが特徴でした。低速時のスキッディング状況のように、胸の向きに対してスキーがどれ位の角度に置かれているか?という平面的な迎え角ではありませんでした。あきらかにこの時の迎え角とは異なり、三次元的、立体的なものなので、この迎え角のことを”タワミ角”とか”沈み込み角”と表現している人もいます。しかし、あくまで「雪の抵抗の来る方向に対してスキーがどの角度で置かれているか?」というのを”迎え角”と定義すれば、”カービング状況での迎え角”は昨日の説明のようになります。
しかし、ここで次のことを考えなくてはなりません。カービング・ターンの状況下でも胸の向きに対するスキーの角度が存在するということです。それは左右の二本のスキーがあり、舵取りをしている状況では、外スキーが内スキーより送れて来るということから生じる角度があるということです。外スキーが遅れてる分だけ外足が遅れ、外ヒザが遅れます。当然、腰も外側が遅れ、その上の上体も外側が遅れます。ですから、胸の向きがスキーと同じ向きを向く…というワケにはいきません。良くカービングでは正対だ、と言われますが、こうやって考えてみると「外スキーが遅れている分だけ、胸の向きはスキーの方向より外側を向いている」ということになります。この角度のことを”迎え角”と混同してはいけません。昔言われていたように”外向角”と理解すべきでしょう。低速では「胸の向き=雪の抵抗を受けとめる方向」で、この外向角と迎え角は同じですが、高速になりスキーがたわんでカービング状況になれば「胸の向き=抵抗の方向」ではなくなるのです。
この”外向角”…が実はカービング・ターンでのクロスオーバーを容易にしてくれます。”迎え角”と”外向角”の違いを意識して滑走できれば、貴方は間違い無く「エキスパートスキーヤー」です! (^I^)
6/10 (土) 曇
今日は晴予想でしたが、曇空の白馬でした。梅雨入りが本物かな?と思わせるような天候です。日中は経理のまとめ、そして夕方からテニスを…。
本日のテーマは”スキーがたわんだ時の迎え角”について…。
ある程度スピードが出てくると、6月6日にUPした内容の”迎え角”とは違った局面になってきます。角付けした状態でスピードを増して行くと、雪の抵抗を受けて”スキーがたわむ”からです。”たわむ”というのは右の図のようにスキーが”しなること”なのですが、そうするとスキーのトップとテールとでは、同じ方向にスキーヤーが移動して行っても、雪の抵抗を受ける角度に違いが出てきます。たわんだ分だけトップの方の角度「β」が大きくなるのです。つまり「β>α」ということになります。このようにスキー全体が円くなった状態で進行方向から雪の抵抗を受ければ、スキーのトップ部分が雪の抵抗を受ける角度=トップの迎え角「β」がセンター部分の迎え角「α」より大きくなります。結局、トップの受ける雪の抵抗がセンターのそれより大きくなり、トップは角付け内側に入ろうとします。これが”たわんだ状態”でのターン、実は”カービング”になります。スキーの前後差は関係無くなります。一本のスキー板の中に違った迎え角が存在する状況が出来ているのです。
”低速ではスキーの前後差”でしたが”高速ではスキーのタワミ差”がターンを持続させることになります。たわんだ状態をキープさせて滑る滑り方、それが”カービング・ターン”です。”スキーの前後差”を利用して滑るのが”スキッド・ターン”だと思えばいいでしょう。実際の滑りでは、この両者が混在した形で存在するのがほとんどです。
6/9 (金) 雨
今日は久しぶりの雨……と思っていたら、梅雨入りが宣言されました。(=_=;) またベトベトしたシーズンが始まるかとおもうと少し滅入ります。
ここのところ技術的と言うか、ちょっと重いテーマでしたので今日は私の経験談をひとつ……。
「スキーは重力を利用したスポーツだ!」と気付いた日の思い出。”落ちる感覚”をつかんだ記念すべき日でした。エディハウワイスの「雪が貴方を回してくれる…」という言葉は知っていても、それが具体的にどのような感覚なのか?まだつかめていなかった頃、当時の指導部長M.Mさんに連れられて黒菱に行ったのでした。あの日は大雪が降ったあくる日で、胸くらいまで深雪がありました。「今日は深雪のトレーニング…」ということであの急斜面を滑り始めたのですが、雪の力に頼ることを知らず、自分の力で回そうとするばかり…。2,3回はどうにか回れても下までたどり着くのは至難の技…。指導部長は「付いて来い!」の一言だけ!。「この野郎、そんなに言うなら付いてやってやろうじゃないか!」という気持ちになって、ターンできなくてモトモトと言う気分で、とにかく落ちて行ったのでした…が……。うまくターンできるじゃありませんか?!。「エエェッッッッ……???? コリャどういうこと? 自分で何もしてないのにスキーが勝手に回ってくれる!」。
……これが「LET=レット」意識の始りでした。この日以降、私の滑りが変わり、レッスン方法も変わったのです。”落ちる感覚”の大事さを身を持って感じたのです。単なるスポーツから「内なる心の満足が得られるスポーツ」としての”スキー”に変わった、と言っても過言ではないと思います。
どんなスポーツ、あるいは商売や生活の場面でも、私が経験したような「ターニングポイント(転機)」があります。それまでの苦労や乗り越えられない葛藤があればあるほど、その時の感激は大きいものです。私にとってこの日の「黒菱深雪トレーニング」は大きな転機でした。まさに手塚治虫のマンガの「ライトがパッとつく」感じ、あるいは「トンネルから出てしばらくして、音がパッと急に大きく聞こえる」感じと似ていました。
スキー教師として、そのような「ターニングポイント」となるような”言葉やアドバイス”を皆さんにお伝えできるよう努めたいと思っている【TOK】です。(^I^)
6/8 (木) 晴
今日もイイ天気でした。気分良く一日を過ごせました!(^I^)
さて、今日も”迎え角”のお話…。この”迎え角”、実は重要な理由がもうひとつあります。それは「ターン方向を変える時に有効に働く!」ということです。右ターンから左ターンへ、あるいは左から右へ、ターンの方向を変える時、重心とスキーが入れ替わることを”クロスオーバー”と呼んでいますが、このクロスオーバーが難しく、スキーヤーの悩みの種のひとつです。今までターンして来た方向と違う方向へ回ろうというのですから、難しいと言えば難しいかもしれません。でも”迎え角”うまく使ってやればこれは意外と簡単なのです。
斜面を移動する時、体の向きはその移動する方向を向いているのが自然です。つまり、スキーヤーの進行方向(重心の移動方向)と上体の向きは一致していて、上体の向きとスキーの向いている方向には”「α」だけのネジレがある”ということになります。このネジレ現象が次のターンを楽に導いてくれるのです。もし、上体の向きをそのままキープして、角付けをはずしてやれば、下半身は上半身の方向に戻ろうとします。タオルを絞ってそれを離せば、元の姿に戻ろうとするのと同じ原理です。平面的な(二次元的な)ネジレと戻りの作用が働き、今まで「α」の角度だけネジレを維持してきたものが元へ戻り、スキーは上体の方向を向こうとするのです。角付けをゆるめればすぐにギューンと戻るわけではありません。ゆっくり戻ってきます。そしてこの戻りは上体の方向を向いたらお終い、という訳ではありません。一旦動き出したらすぐには止まらない、という「慣性力」が働き、スキーは上体の向き(正対)より少しだけ反対側に行き過ぎることになります。つまり今までとは逆の”迎え角”が生まれはじめます。この時を逃さず斜面を移動して行けば、これまでとは反対方向の”迎え角”がしっかり作り出せるわけです。
ターン後半に、貯められてきた「捻じれのエネルギーを」一度ニュートラルに戻してやる意識、とでも言ったらいいでしょうか…。上体(胸)はほとんど動かず、下半身だけがネジレたり戻ったりするのです。ターン後半は「おもちゃのゼンマイが捻られた状態」に相当し、切り換えはその「ゼンマイが元に戻る状態」とでもイメージしたらいいかもしれません。
”迎え角”を意識して斜面を降りて行けば、スキーの前後差がターンを導き出してくれる…ということだけでなく、楽に次のターンにも入って行ける…という効果もあるのです。”迎え角”…おろそかには出来ませんネ!(^I^)
6/7 (水) 快晴
今日も快晴。ここ約一周間、イイ天気が続いています。(^I^) 梅雨入り前の本当にイイ気候です。
実は、昨日解説用の図をUPし忘れてしまいました。ゴメンナサイ!(=_=;) で、今日も”迎え角”について…。
ゲレンデでは、皆さんに容易にターンのメカニズムを知っていただく為に「スキーの前後差、センターからトップまでの長さとテールまでの長さの違い、が雪の力を得て回転につながります」と説明しています。モチロンこれ以外の物理的な詳しい分析もあるとは思いますが、いちばん手っ取り早くご理解頂くには、「ターンはこうなんだよ…」と簡単に”スキーの前後差”でお話した方がイイようです。
ここで大事になってくる感覚は”雪の力で回る”ということです。出来るだけ早い機会にこの感覚に馴れた方が、これ以降スキーを楽しむ時に役に立ちます。「スキーはスポーツなんだから体を動かしてやるのが当然!」と言われる方も居られますが、私がこれまでスキーと関わって来て思うことは「雪が回る力、ターンする力を与えてくれている!」ということです。スキーヤーが斜面を落下して行く運動が、スキーという用具の特性を生かし、その上に乗っかっているスキーヤーの進行方向を変えてくれる、ということです。この意識が「LET=レット」の原点です。これが早く身に着けば身に着くほど、スキーの楽しみ方の質も変わります。体力や筋力に恵まれない「量若男女、誰もが楽しめるスポーツ」として、また「生涯スポーツ」として推奨できるのも、この「LET=レット」的な感覚でスキーが出来るからです。
もう20数年前になりますが、『エディハウワイス』というオーストリアの名デモが日本を訪れたことがあります。そのとき彼が言っていた言葉を今思い出します。「貴方が雪の力を信じ、その懐に飛び込めば、雪が貴方を回してくれます。貴方が雪と友達になろうとすれば、雪は貴方に大きなパワーと大いなる楽しみをを与えてくれます!」。その時はまだ充分にその意味が飲み込めませんでしたが、いま時々あの言葉を思い出し、LET意識の重要性を再確認しています。
6/6 (火) 快晴
今日は火曜日で私の Day Off の日。一周間に一度の休み…自分で勝手に設けた休日だが、この一日があることで、生活にリズムがつき活力が生まれる。気持ちの上で「今日は休日」のいう意識がリラックスを生むのかもしれない。
さて、昨日までは”オレンジターン”で”荷重点”の話。今日は”迎え角”について…。
”迎え角”をひとことで表現すれば「雪の抵抗の方向に対するスキーの角度」という事が出来ますが、スピードとの関係で実際の迎え角意識は微妙に異なります。先ず最初は低速での迎え角意識から…。
図のようにスキーは「トップ部の長さ L」と「テール部の長さ l」が違うように作られています。この違いが荷重点(スキーのセンター=最も痩せている部分)を中心とした「回転力」を生むことになります。少し角付けをした状態で、スキーが進行方向へ移動すれば,L>l で ”L=センターからトップまでの長さ が l=センターからテールまでの長さ より長い” ということから,トップ部がテール部より大きな抵抗を受けます。…という事はトップ部がテール部より強い雪の抵抗を受け、進む力が押さえられますから「踏んでいるポイント=荷重点(支点)」を中心にスキーはその向きを変える事になります。荷重点を中心とした”回転モーメント”が生まれます。これが「スキーがターンする」基本的な理論です。つまり「荷重点」を中心にして雪を捕らえ,角度α方向に移動して行けば,スキーの前後差で「回転力」が生まれ,スキーはその方向を変えるのです。この時,スキーはほんのわずかでもいいから,「スキーの側方から雪の抵抗を受けること」が必要です。そうでないと「スキーの前後差」は生きません。この側方の力の向きに対してスキーが置かれる角度「α」のことを「迎え角」と呼んでいます。「雪の抵抗を迎え受けて行く角度」という意味です。このような状態で斜面を上から下へ滑っていくと、右のスキーは左に曲がろうとする回転力をを受けることになります。
スピードが増して、スキーがタワミが出るようになれば、またその様相は変わってきますが、プルークボーゲンや低速のパラレルターンでは、このような考え方で雪の抵抗を受け止める意識があれば、スキーが楽に回るようになります。自分の力でスキーを操作するのではなく、雪の力がスキーを回してくれる……という感覚が、この時から始まることになります。
6/5 (月) 快晴
今日も良い天気の白馬・八方でした。昼は経理事務の続き。夕方からテニス…。イイ気候の中で汗をかくのは本当に気持ちイイ! (^I^)
今日もオレンジターンの続き…。今日のテーマは”お手玉”意識。
昨日は”引く”意識で、ターン後半にオレンジが元の形に戻るイメージの練習をしました。きょうはこれを進めて、そのオレンジをお手玉のように、右足から左へ,左から右へ、手渡しならぬ足渡しをするイメージの練習です。オレンジターンの初期は左右両足にそれぞれオレンジを意識しますが、足裏感覚に馴れて来て、ある程度スピードが出せるようになったら、1個のオレンジだけを意識するようにします。そしてターン後半にオレンジが元の姿に戻ってきたら、そのまま反対の足裏に移動して行くイメージを持ちます。あたかも”お手玉”の様に…。初めは足裏の”土踏まず”に移動する感覚で結構です。
ターン前半で足裏に置いているオレンジが脚を伸ばすことでつぶれてジュースが出る⇒ターン後半でそのオレンジが元の形に戻り始める⇒引く意識でオレンジが腰の方に近づいてくる⇒お手玉のようにオレンジを反対の足裏に移動させる……というのが一連の流れです。つまり、左右の足裏交互にオレンジがつぶれたり元の形に戻ったりしながら、行ったり来たりするイメージです。左右交互操作です。リズムに乗ってこれが出来る様になると、まるで下半身でダンスをしているフィーリングになります。この段階ではスキーがプルークだとかパラレルだとかにこだわる必要はありません。スキーヤーの滑走スピード、上体の構え方で”それぞれに合った形”が生まれてきます。”形やフォーム”は雪面とのコンタクト状況で自然に表れる、と思ったほうがイイでしょう。
6/4 (日) 快晴
今日は快晴の白馬でした。Tシャツデザインも一段落して、しばらくやっていなかった会社の経理事務。毎日やればイイのだけれど、どうしても数週間くらい溜めてしまう。(=_=;)
さて、今日は”ジュースを搾りながら滑るイメージ”が解った後の練習法。ターンの前半と後半とでその意識を少し変えてみます。前半ではそのオレンジを脚を伸ばしながら押してジュースを出す要領で、項半は曲げながらさらに押しつぶす要領で滑ることです。この段階では、自分から雪に力を働きかける意識があっても結構です。ターンに必要な圧を作るだけのスピードが無いからです。つまり前半も後半も「DO=ドゥ」で滑ってみるわけです。プルークボーゲンからプルークターンくらいまではこの意識で充分です。前半が♪♪♪伸ばぁしながら…♪♪♪で、後半が♪♪♪曲げながらぁー…♪♪♪のリズムで行ってみます。
この滑りに馴れて少しスピードが出るようになったら次の段階に進みます。前半は♪♪伸ばぁしながら…♪♪ですが、後半を♪♪引きながらぁー…♪♪に変えてみるのです。後半にさらに曲げて行くのではなく、前半の伸ばしの段階でつぶれたオレンジが、雪からの力を受け、エネルギーがそのオレンジに注入されて、元の姿・形に戻る意識で滑ってみます。オレンジがターン後半「元の形に戻るイメージ」です。言葉を変えれば、自分の重心をオレンジに近づけて行く意識でなく、オレンジが重心に近づいてくるイメージを持つのです。足(スキー)を腰の方向に引く形になるので、これを”引く”という言葉で表わします。オレンジが,つぶれてジュースが出たり,軽くすると元に戻ったり……というイメージが沸けばシメタものです。雪と足の間の会話を「オレンジを介して」行うのです。そうすることで不必要な体の動きも消えます。オレンジのつぶれ加減を意識すると、膝や、腰もターンに必要な量だけ曲がってくれます。.すると体の不要な動きが無くなり、へっぴり腰や後傾姿勢も無くなります。
また、この”引く”という感覚が、この後、角付けの切り換え=クロスオーバーに大変役に立つ事になります。パラレルターンが楽に出来るようになるのです。
6/3 (土) うす曇
日中はTシャツの仕事…。少し疲れて昼過ぎはTVを見ながらゴロゴロ…。夕方からJog、そして夜の仕事。教師仲間が毎日のように来てくれるので嬉しい【TOK】です。(^I^) 当初、ビアホール【メルツェン】のOPEN目的の一つに仲間とのコミュニケーションを図る…というのがありましたから……。
さて、今日のテーマも”オレンジターン”について…。
足裏に意識を集中させる事が最大の意図ですが、その時、どういうイメージを持つと、一層集中できるか?ということを考えます。先ず、オレンジが雪と足裏の間”荷重点”に置いて、それを踏むとオレンジが”つぶれて行く”イメージが沸きます。そして次第に圧を強めて行くと皮が破れ”ジュースが滲み出”て来ます。その意識で滑ると、ジュースが雪面に滑走ラインを描いてくれるイメージが沸きます。これがターン円弧が出来ていく過程…という風に考えるわけです。…ジュースは日本語にすると”果汁”⇒”荷重”ですから……(^I^)。思いの他、この荷重点がしっかりして来るとスキーが安定してきます。初めは自分から脚を伸ばしたり、曲げたりしながら”DO的なオレンジ踏み”で行なっても差し支えありません。とにかく、足裏に意識を集中させること!が目的なのですから…。特に初心者、初級者の方には、これだけで充分です。ただし、気を付けなければならないことは、ターンしようとする外側の足のオレンジだけを意識し、内側のオレンジは無視する事です。
ジュースが雪面に描いたライン=シュプールを意識して滑る事で、足裏感覚の第1歩は成功です。あとはその意識を持って、出来るだけたくさんの距離を滑ることです。
6/2 (金) 晴
今日は一日Tシャツの仕事。高山植物をデザインしたものが欲しい…という要望に応えて、これにかかりっきりの一日でした。さすがに夕方になって体を動かしたくなり、妻と約30分のテニスを楽しみました。(^I^)
さて、今日は昨日のオレンジターンの続き…。
※ 読者からのご質問
質問です。先日「右脚のオレンジが無くなった!」と、言いましたが、どうも、右脚のターンがDOの意識になって来てしまったらしく、「かかと支点」ではなく「かかと荷重」に、なってしまいました。その前の左脚ターン仕上げの「引く〜う」が出来ていないのか判りませんが どうしても上手く受けられなくなってしまったので自己判断で右脚のオレンジの意識をつちふまず付近に戻してみた所、早くから雪を受けられる様になったような気がしましたが、左右の意識は本来なら同じ方が良いのでしょうか?
※ 【TOK】の答え
人間の身体は左右非対称に出来ているそうです。ですから本当は同じイメージで滑れるのがイイのですが、それが不可能な時もある、と思います。
これまでの経験からすると、右利きの人は右足が器用で左が不器用です。そのかわり、右足は大きな力に耐えられませんが、左は軸足になる関係か、大きな圧に耐える事が出来ます。ボールを投げたり、テニスをしたりする運動では左足が軸になることが多いので、そう言う事になるのでしょう。従って、本当は左右のフィーリングが同じ方が気分が良いのですが、そうもいかない事が結構あります。私も右ターンの方はしっかり雪をグリップ出来るのですが、右足が外足になる左ターンはテールが流れやすくなりますので、いつもかかと支点にするよう心掛けています。
時々レッスンでもやりますが、緩斜面で人が居ない時、目をつむって、足裏のオレンジだけに意識集中させる練習をすると、どこを支点(荷重点)にしているか確認できます。要は、足裏に意識を集中できれば良いわけで、その為にオレンジをイメージするのです。
6/1 (木) 曇
今日から六月…衣替えです。白馬地方では一気に夏の装い…という風景は見られませんが、東京に居た頃、衣替えで急に街中が明るくなったのを思い出します。今はそうでもないかもしれませんが…。
さて、今日から新しい月が始まりますので今月のテーマを考えてみました。今月は【TOK】流スキー術というか、私が”レッスンで使っている言葉”を中心に解説していきたいと思います。毎度お馴染みの言葉が出てくるかもしれませんが復習の意味でご覧下さい。(^I^)。また皆さんからのご希望があればE-mailでお待ちしていますのでヨロシク!
※ 読者からのご質問
「オレンジターン」で、つぶれたオレンジは「受ける、ひく」のひくところで復活するのでしょうか?あるいはひくのところでは両方つぶれていて、 圧のかかっていないターン内足で復活するのでしょうか?ひくの所で復活すると抜重のようなものになりそうですが。
※ 【TOK】の答え
オレンジターンは私が20年くらい前から使っている意識です。思いの他効果があります。その第1は、足裏に意識が集中できることです。その為荷重点がしっかりしスキーが安定します。前後左右にバランスが崩れてもオレンジを意識すると、バランスが回復します。レッスンでこれをやっていると「食べ物を踏むなんて、そんなもったいない事を教えてはダメ!」等とおちょくる教師仲間が居ますが、このオレンジターンだけは止められません。それほど効果があるのです。
さて、ご質問ですが、復活する意識です。雪からのエネルギーを受けて、復活するイメージ、つぶれたオレンジが元の姿に復元する意識です。オレンジは1個しか無く、その復元したオレンジが元に戻りながら反対の足裏に移動するイメージです。つまり、オレンジが左右の足裏をお手玉のように行ったり来たりするのです。結局、片足づつ交互の抜重になります。両足同時ではありません、つまり交互操作です。でも、その結果生まれる脚の運動は同時運動に見えます。
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オレンジ生産組合から表彰します!などという冗談を言われたことがあります。私の別名「オレンジ先生」はここから来ています。(^I^)
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