Mar./31/2003 (月) 晴れ
3月も晦日を迎えました。今年は黄砂が少なく,その分雪の溶けるのも緩やかで,まだ里にも雪がたくさん残っています。いつもなら里の田んぼのあぜが見えて,ゲレンデ下部は一部滑走できないエリアが出来るのですが,今年はまだまだOK!といったところです。(^I^)
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さて,昨日は“Iwa”さん,“Eba”さん,“Kur”さん,“Mat”さん4人のプライベートレッスンでした。“Iwa”さんは私のホームページを良くご覧頂いている方で,今回はみなさん4人の技術レベル向上を目指しての受講でした。
まず皆さんの滑りを拝見しました。皆さんに共通している改善点は,大きく分けて三つありました。「自ら雪に働き掛けすぎる事」「角付けの切り替えがうまくいっていない事」「雪からの抵抗に意識がいっていない事」の三つでした。そこでまず「足裏感覚を磨く」ことから始めました。足裏で感じる…ということを意識するには“オレンジ・ターン”が有効なのでこの意識をしっかり持ち,イメージを豊かにすることから始めました。みなさん“感じる”…というようなことは初めての経験だったらしく,キョトン…とした顔をされていましたが,慣れるにつれて少しづつその意味を理解されたようでした。スキーがターンするにはスキーと雪との間に「圧」が必要だけれど,これを自分で加えるか?あるいは雪からもらうか?…で,その質に大きな違いが出ることを話させていただきました。
“オレンジ・ターン”に慣れられた後,“キャスター・ターン”の練習に入ることにしました。本来は“オレンジ”に馴れることを,少なくとも半日,出来れば一日練習した後で“キャスター・ターン”に入りたかったのですが,時間的制約もあり,思い切って1時間ほどで“オレンジ”を切り上げることにしました。
「キャスター」の基本的なことをお話ししてから実践練習に入りましたが,何しろ“感じる”ということの練習を始めて小一時間後のことですから,皆さん戸惑いを隠せないようでした…。(=_=;) でも何とか皆さんの真剣な努力で,午後のレッスン終了時には「キャスター・ターン」の概要を掴んでいただきました。(^I^)
午後はこの「キャスター・ターン」に磨きをかける練習をしました。キャスターの内側二輪の転がりに乗ることで斜面移動感覚を養うこと,これを四輪に乗り換えていくことでクロッシングが容易に出来ること,キャスターの転がり方向をいろいろイメージすることで回転弧の調整が出来ること,かかと支点意識により不必要な傾け操作が不要になること…を学びました。
“Iwa”さんは,中回りでターン前半の捕らえが遅れる,小回りでは角付けの切り替えに難,大回りではスキーの前に乗り過ぎ…という欠点をお持ちでしたが,レッスンの終了時には,この全てに改善が見られ,特にかかと支点の滑りを覚えられてからは,「切れるスキー」から「走るスキー」に変わられました。(^I^)
“Eba”さんは,腰で角付けを決める,抵抗の来る方向を意識できていない,クロスオーバーがうまく出来ずスキーを横から横へ動かす…というマイナス要因をお持ちでしたが,キャスターの転がりをイメージ出来るようになってからは,雪の抵抗で素直にターン出来るようになられました。あとは,このキャスターイメージをより洗練させていくことだと思います。(^I^)
“Kur”さんは,初め拝見した時,体全体のローテーションを大きく使い,スキーの前に乗り過ぎ…という印象を受けました。一連のレッスン後,雪面をしっかり捕らえて,雪の抵抗でターンして行く…という感覚が分かったようで,ローテーションも消え,腰の位置が高くて,見違えるような素直なイイ滑りになりました。(^I^)
“Mat”さんは,ターン前半,腰を使ってターンをリードするクセがあり,それがターン後半まで続き,迎え角を作れない…という欠点をお持ちでした。これは自分でスキーを回そう!とする人に多い現象なのですが,キャスターに乗って行く…という練習で,右ターンは完全にこれが無くなりました。幾分左ターンでこのクセが出ますが,キャスターに乗り込んでいく意識に磨きをかければこれも直ぐに改善されるはずです。
4人とも,これまでスキーのトップを押さえる,自分で回す…という意識が強かったと思うのですが,テールで切る,雪の力で回してもらう…という意識に慣れられれば格段に滑りが楽になり,違ったスキーの世界が見えてくると思います。昨日はその入り口に立たれ,これまでとは違った感覚を感じていただきましたので,さらに感性を磨き,感受性豊かなスキーイングをして欲しいと思います。(^I^)
お疲れ様でした!(^I^)
Mar./30/2003 (日) 曇り
気がつくと「春の選抜・甲子園」が始まり,「プロ野球」も開幕していました。世の中はもうすっかり「春」なのですね?。 そういえば,八方尾根の名木山など,ようやくザラメ雪の日が多くなりました。でも,このザラメ…なぜか好きです。どことなく「新雪滑走」に似たフィーリングで滑れるからでしょうか…?(^I^)。 天然雪でのスキー滑走を楽しめるのもあと少し…。毎日毎日を感謝しながら滑りたいと思います。(^I^)
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さて,昨日は“Hor”さんのプライベートレッスン二日目でした。昨年,初めてお会いした時に比べると,本当にお上手になられました。何よりも“Hor”さんの「うまくなるぞ!」という気概がそうさせたのだと思いますが,その少しでもお役に立てたとすれば,私も教師冥利です。
昨日の午前は,“Hor”さんの滑りがどのように変わられたか?をビデオに撮りながらレッスンをすることにしました。午前は天候があまり良くなく,上部がガスっていたりしたので,名木山を中心に撮影をしました。気温はやや高めで雪質は湿雪のザラメ状でしたが,“Hor”さんはその悪雪をモノともせず滑られました。特に目に付いたのは,不必要な身体の運動が少なく,重心の軌跡が理想的に斜面上を移動するスキーイングでした。ですからビデオを見る限りは,大変おとなしい滑りで,動きの少ないスキーなのですが,実際はスピードがあり,悪雪の抵抗を下半身でうまく処理している…ということなのです。この映像はシーズン明けに皆様にもご紹介したいと思います。(^I^)
午後は,天候も回復したので場所をパノラマに移してレッスンを行ないました。名木山とは打って変わって2月中旬並みの良い雪でしたが,一部の場所が圧雪作業による「ゴロゴロ雪玉」が斜面一面に撒かれた状態の悪雪でした。私も足場が突然崩れるようにサイドスリップして転びそうになったのですが,“Hor”さんは悠然と同じ場所を滑られたのでした。まさに脱帽!でした。(^I^) 「スキーは力じゃないよ,雪と友達になる事だよ!」…と“Hor”さんに教えられた感じでした。
その後,キーキャスター「1」から,「3」キャスターに乗り込む“クロッシング感覚がイマイチ…ということでした。良く良く拝見すると,キャスターの回転が少なくなってしまい,スキーが前方に進まなくなっていることが原因でした。そこで,それまでターンをして来た外スキーが,クロッシングで身体の下を通過する時にあるイメージを持つことにしました。それは「飛行機の離陸イメージ」でした。身体の下を飛行機に見立てたスキーが,次のターン方向に滑走路を離陸して行くイメージを持つことにしたのです。これが効きました!(^I^) それまでの外スキーが鮮やかに身体の下を通過し,見事に離陸成功(クロッシング成功)を果たすようになったのです。そしてさらに,離陸した飛行機(スキー)と反対側の飛行機(スキー)が出来るだけ早い時期に「着陸」を始めるイメージを持ってもらうことで,次のターンの捕らえも早く出来るようになりました。この「着陸イメージ」はさらに思いがけない効果を生みました。着陸はモチロン,キーキャスターの「3」で行なうのですが,その着陸した飛行機がどの方向を向いている滑走路に進入するか?という意識を持つことが,ターン前半の雪面の捕らえ感覚とリンクするようになったのです。つまり,大回りでは着陸した飛行機が親指側の長い滑走路に,小回りでは小指側の短い滑走路に進入していくイメージを持つことなのです。 この“離陸・着陸”イメージで下半身がうまく使われるようになり,“Hor”さんの滑りはさらに躍動感が感じられるようになりました。(^I^) このイメージのターンを“離着陸・ターン”と命名する事にしました! (^I^)
その後,気温が下がってザラメが固まり始め,さらにコブも出来始めたリーゼンコースを滑り下りたのですが,“Hor”さんは,その悪条件を苦にしない様子で滑り切りました!。ハッキリ申し上げて御歳「67才」の方が,あのような悪条件の中を,良くぞ無駄のない滑りで下りられたものだと感心しました!。(^I^)
【TOK】流スキー術…「名人位」を差し上げたいと思います。(^I^) 参りました!
“離着陸・ターン”の発想を促していただきました。“Hor”さん,本当にありがとうございました!
Mar./29/2003 (土) 曇り
今日は曇っています。いつの間にか,3月もあともう二日を残すだけになってしまいました。今年は黄砂の来かたが遅く,ゲレンデも白いのでつい二月のような錯覚に陥ってしまいます。(^I^) これまでのところ,文句のつけようがほど,良いシーズンでした。(^I^)
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さて,昨日は“Hor”さんのプライベートレッスンでした。“Hor”さんとご一緒するのは今シーズン二度目です。前回は3月7日…深い雪の中でのレッスンでした。(^I^) 今回は昨日と今日の二日間の連続レッスンです。
前回のレッスンですでに「キャスター・ターン」のあらましをお話ししてあります。その後数日練習をされたとのことでしたが,“Hor”さんの滑り…本当にガラッと変わられておりました。(^I^) キャスターに乗って行くイメージが定着され,斜面移動の感覚をしっかりつかまれたせいか,見ていても安定感があり,ターンコントロールも確実に出来ておられました。お話を伺うと,「キャスターに乗り続ける意識と,角付けの切り替え時に“3”番のキャスターを意識することがポイントでした…」ということでした。確かに「3」のキャスターの転がりを意識することで,スキーが重心の下を通過してくれ,自分の“重心”を次のターン内側に運ぶ意識が必要無くなります。これによって,角付けの切り替えが非常に楽に行なえようになるのです。昨日も試しに“Hor”さんに「∞ターン」をしていただきましたが,フォールラインに直角,あるいはそれ以上に山側に切り上がってからでも角付けの切り替えが可能になり,素晴らしい「∞」を作られていました。失礼ですが,これが「67歳」になる方の滑りか?と思わせるターンでした!。(^I^)
そういうことで,昨日はこの「キャスター・ターン」により磨きをかけることにしました。兎平付近は,一昨日の晩に降った新雪が太陽の日を浴びて溶け,雪の表面に少し水が浮いている…という滑りづらい雪でしたが,“Hor”さんはこれをモノともせず滑りこなされていました。(^I^) 午前中は,その後リーゼンコースを二度,小回りや大回り,中回りを入れながら滑り降りました。
午後は第一ケルンまで上り,その後黒菱の急斜面,スカイラインの悪雪,兎平の小さいコブ…といろいろな所を巡ってキャスターイメージを高めました。本当にお世辞ではなく,“Hor”さんの滑りにはある種の風格が出て来ました。“Hor”さんの個性…と言ったらいいのでしょうか,“Hor”さん独特のオーラみたいなものが,滑りから感じられるのです。確かに俊敏さでは若い人にはかないませんが,滑りに無駄が無く,どうしてあんなにゆったり楽に滑れるんだろう?という気持ちを抱かせる滑りです。スピードもそんなに低速ではなく,私とトレーンをしてもしっかり付いて来られるくらいの速度で滑られます。名人…という人の滑りは,まさにあのような滑りだと思います。
一日の最後は,名木山の中壁のザクザク雪でした。あの斜面を,自信たっぷり,余裕を持って滑り降りて来られるのにはまさに「脱帽!」のひとことでした。
さて,今日はビデオに“Hor”さんの滑りを収めさせていただきたいと思います。シーズンが明けましたら,皆さんに“Hor”さんの滑りをぜひ紹介させていただこうと思っています。乞うご期待! (^I^)
では,行って来まァーす! (^I^)
Mar./28/2003 (金) 晴れ
今日はゲレンデ上部,少し風があるものの「晴れ」の八方尾根です。(^I^) スキー場…黄砂が少ないので溶けるのも遅く,例年のいまどきに比べてはるかに残雪が多いようです。ゲレンデ下部のリフトはこの週末でほとんど営業を終わりますが,兎平から上はまだまだスキーシーズンです!(^I^)
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さて,昨日は“Kami”さんのプライベートレッスンでした。“Kami”さんは準指導員の資格をお持ちの方で,テクニカル合格を目指されています。今シーズン,数回チャレンジされたのですが,今一歩届かなかったようです。当面テクニカル合格を目指してトレーニングをされていますので,その為の練習と,私のホームページに書かれていることを実践してみたい…ということでレッスンを受講されました。
天気も良かったので黒菱まで上り,早速滑りを拝見しました。さすがに有資格者だけあって,全体にうまいものの,ハイスピードのロングターンではややスキーのトップを抑え過ぎでした。そのため膝が必要以上に前に倒れ,腰がやや引けて,舵取りの最中に身体の運動の流れが止まってしまう滑りでした。角付けの切り替え時では,抜重動作がみられ,スキーの走りが少ない大回りになってしまっていました。小回りは角付けの切り替えにやや難があり,スキーを横から横に振ってしまう滑りでした。そのため一回一回ターンが止まってしまい,重心の移動もやや無理のあるものでした。
“Kami”さんのような方には「キャスター・ターン」の練習が打って付けなので,早速この練習をしました。もともと滑走感覚は優れておられるので,足裏にキャスターをイメージする事に何の抵抗もありませんでした。二輪イメージの舵取りは直ぐにクリアされましたが,角付けの切り替えで,「圧を抜かずに四輪で滑る意識」が大変でした。これまで,“Kami”さんはニュートラルに入るときに,抜重動作を使って来られていたので,そのクセがなかなか抜けないのでした。この様な方には,「1」「2」の二輪から,「1」「2」「3」「4」全部の四輪に乗り,そのまま乗り続けて「3」「4」のターン内側の二輪の転がりに乗る…というところまで片足で行なう練習が効果的です。俗に言う「チャールストン・ターン」なのですが,一本のスキーでターン後半から角付けの切り替え,ターン前半の内足ターンまで乗り続けるものです。“Kami”さんは次第にこの要領を会得され,キャスターイメージの練習を開始して1時間半後には大回り,中回りで無理のない♪♪♪にりぃーん…よんりぃーん…にりぃーん…よんりぃーん…♪♪♪の滑りができるようになりました。(^I^)
時間があったので,午後に練習しようと思っていた「小回り」をすることにしました。足のつま先をブーツの先端上部にくっつける要領で「1」のキャスターだけに乗り,このキャスター一個の転がりに乗って行く練習から始めました。かかとに乗る感じなのですが,この位置でバランスを取りながら斜面移動して行けば,足首が緩む事は無く,後傾にならずに滑ることができます。「1」のキャスターと“重心”との間のバランス軸をしっかりキープして滑り降りる感覚です。初めはスキッディング要素の多い滑り,「1」のキャスターを「4」方向に転がして行く感覚の小回りから始めました。もともと上体のネジレはうまく作ることがお出来になるので,うまい具合にネジレのエネルギーを作ることが出来ました。次は,角付けの切り替え時に「3」キャスターに乗り込むことでしたが,これも♪♪♪よんりぃーん♪♪♪の延長線上の感覚と同じですので,少しの練習でこのコツを会得されました。午前の終わり頃には,このクロッシングがうまく行き始め,スムーズな角付けの切り替えができるようになりました。(^I^)
午前の練習ではまだぎこちなさが残っていましたが,1時間半の昼休みの間にしっかり復習されたようで,このぎこちなさもすっかり無くなっていました。(^I^) 午後からはパノラマ,兎平と周り,大回り,中回り,小回りに磨きをかけました。コブの小回りでは,コブの頂点で「3」に入り,それに続く谷回りで,次の足のキャスター「1」を回転させるための探りを入れながらキャスターの回転に乗り込んで行く要領を学びました。“Kami”さんにとっては,…@「3」のキャスターに乗るときにこのキャスターの回転を止めない,ということと,A足を伸ばす要領で探りを入れながらキャスターを転がす…という二点が重要ポイントになりました。この二つがうまく意識できた時は,途切れのない,リズムに乗った小回りがうまくできるようになりました。(^I^)
レッスン終了前,ウスバや名木山の中壁で,大回り系の滑りをしました。春のザクザク雪で,しかも小さいコブがある中での滑走でしたが,キャスターに乗り込む意識がしっかり出来るようになり,しかもクロッシング的に角付けの切り替えが出来るようになったので,本当に安定感のある素晴らしい滑りを見せてくれました。(^I^)
キャスターに乗る…という意識は,良く言われる「スキーの真上に乗り込む」ということを可能にしてくれる,と思います。“Kami”さんの滑りを見ていて,このことを強く感じた【TOK】でした。(^I^)
“Kami”さん,お疲れ様でした! またご一緒しましょうネ! (^I^)
Mar./27/2003 (木) 晴れ
今日は昼は一時陽が射し,夜は雨…そして明日はまた朝方から晴れる…との予報が出ています。夜のうちに雨が過ぎてくれると本当に助かります。
昨日は休暇をもらい,私用で松本まで行って来ました。もう安曇野はすっかり春の気配でした。白馬に帰って来て,一面白い世界が広がっているのを見ると,「絵本のページをめくったら違う世界が在った!…」というような気分になりました。(^I^) 白馬はまだまだ「雪の国」なのです。(^I^)
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さてこのところいろいろな方から E-mail を頂いています。お一人づつ返事を差し上げなければ…と思いつつ,なかなか時間が取れません。この日記を通して返信が遅れている事をお詫びいたします…(=_=;)。必ず返事は差し上げますのでお許し下さい…。
多くの方から“オレンジ”や“キャスター”で1級合格できた!,あるいは準指導員検定に合格できた!…との E-mail をいただきました。手前ミソで恐縮ですが,本当に嬉しい事です。私の知る限り,直接私のレッスンを受けられずに,このホームページで語られている事を参考にしてスキー上達を図ろう…とされている方が5人居られます。(^I^) 地理的なこと,日程や時間的な理由などで,直接レッスンは受けられなくとも,この「
On Line Ski School 」で述べている事を実践することで,これまでの滑りと違った感覚で滑れるようになった…という E-mail を良くいただきます。本当に良かったと思います。(^I^) 私の意図するイメージが100%その通りに伝わっていなくても,それぞれの方がそれぞれのイメージを膨らませて,これまでと違った滑りのフィーリングを会得される… これこそ「On Line Ski School
」を開設している本旨に合致することです。
“オレンジ”や“キャスター”を実践してみても,その効果が無かった…という場合でも,誰に気兼ねすることなく直ぐに止めることができます。自分に都合の良い所だけを使えば良いわけで,「また【TOK】が変な事を言ってるぞ!マ,当てにはならないがやってみるか…」的な気分でイメージを追いかけてみることができます。もし,このような気持ちからでも,何か得られる事がひとつでもあれば,嬉しいことです。(^I^)
5月連休が明けたら,皆さんからの E-mail を少しづつ紹介させていただきながら,,シーズンを振り返ってみたいと思っています。でも,まだシーズンが終わったわけではありません。あと40日ほど残っています。この間にまた次の「【TOK】用語」が見つかるかもしれません。乞うご期待!です。ハッハハハハ……(^I^)
Mar./26/2003 (水) 晴れ
今日は晴れになりました(^I^) 昨日は結局一日雨でしたが,まあまあ滑りやすい雪でした。花粉症の人にとっては少しだけ楽な一日だったようで…(^I^)
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さて昨日は,「K大付属高校」のプライベートレッスン五日目…最終日でした。
あいにく,雨の中での最終レッスンとなりましたが,これまでの晴天に感謝してか,生徒諸君は元気にレッスンを受講してくれました。昨日自由滑走時間にスピードを出し過ぎて転倒し,膝を痛めてしまった一人の生徒を除く6名でのレッスンでした。
さて,昨日までの四日間の練習で,スキッディングは皆かなり意識してターンコントロールができるようになったので,カービングターンの経験をすることにしました。(^I^) まだ滑走日数の少ない諸君でしたが,持ち前の若さを生かし果敢にトライしてくれました。彼らにしてはかなりのスピードが出ていましたが,適度なスキッディングも交えながら前に進む意識の練習に挑戦してくれました。雨が幸いしてザラメ状の雪が固まった条件となったので,スキーの雪への潜り込み方も適度で,バランスの良い生徒はかなり走りのあるカービング要素で滑ることが出来ました。でも,キャスター意識が根底にあるので,角だけに頼ったモノでなく,斜面移動による「タワミ」をメインにしたカービングなので,足元のザラメ雪が横に押し出されて足場を失ない,バランスを崩してしまう…というような事はありませんでした。角付けだけに頼らないカービング…初級者や中級者には本当に必要な事だと感じました。
午前9時から11時半まで,雨の中を元気に滑りまくり,五日間全てのレッスンを終了しました。(^I^)
5日前にはどことなく「甘え」みたいな感じが見えた生徒諸君も,日焼けで顔が黒くなったせいか,ひとまわりもふたまわりも大きくなったように感じました。ただ単にスキー技術を伝達する…ということだけでなく,人ととの触れ合い,自然との触れ合いを通して,いつもとは違う非日常的な「社会」とのコミュニケーションができたことは,彼らにとって本当に有意義だったと思います。私のメインの接触は,30人近い生徒の中の7人だけでしたが,リフトの上でいろいろな話をすることが出来ました。皆,しっかりした考えを持っていて,私が圧倒させれる事もありました。若いエネルギーを頂いた貴重な五日間でした。みんな!ありがとう!(^I^)(^I^)(^I^)(^I^)(^I^)(^I^)(^I^)
またさらに,付き添いの先生方の姿勢にも打たれました。これを企画し,いろいろな手配をされた「K大付属高校」の諸先生方…生徒さんに対する熱情がいたるところで感じられました。教育者とはかくあるべし!という見本のようにも思えました。教わる…という姿勢ではなく,生徒自らが積極的に学ぼう!という意欲を沸かせる…。それぞれの生徒にひとつの答えを要求するのではなく,それぞれの答えを答えとして評価する…。4人の先生方にも多くの事を教えていただきました。ありがとうございました!(^I^)
7人の生徒たちとの握手で感じた「手のぬくもり」がまだ残っています…。スキー教師…その役得をじっくり味わった一日でした。(^I^)
Mar./25/2003 (火) 雨
今日は久しぶりに“ame”…この3月,この教師日記で初めての「雨」の打ち込みです。(^I^) それほど雨が少なく,崩れても曇天や雪でした。何回も言うように黄砂も少なく,雪の溶けるのもいつもより遅いペースです。スキーヤーのとって本当に恵まれたシーズンとなりました。(^I^)
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さて昨日は,「K大付属高校」のプライベートレッスン,四日目でした。
恒例の「プライベート検定」の日で,私の班は全員が「3級」受験でした。15,6才と本当に若い生徒たちだけに,滑る毎に上達し,全員が3級合格となりました。(^I^) 中には小回りや中回りのリズム変化まで行なう生徒も現われ,検定員の私自身がビックリするほどでした。(^I^)
午前中は,検定の種目の合間を使って,リーゼンコースコースのロング滑走を行ないました。それも二度…。他のお客様の数も少なかったので,結構スピードを出しての滑走でした。それにしても,初日にはプルークボーゲンさえおぼつかなかったのに,パラレルでウスバの急斜面を滑り降りるまでになったのには私も正直驚きです。(^I^) もちろんカービング要素ではなく,スキッディングでですが,いかに斜面移動の意識と,クロッシングが大事か!ということを思い知りました。この四日間,キャスター意識の練習をメインに上記二つのことを口うるさく言ってきましたが,その効果が確かめられました。もし効果が無いようなら従来の“オレンジ”に戻るつもりでしたが,その必要はありませんでした。(^I^)
午後はまたまた,黒菱⇒スカイライン⇒北尾根⇒咲花⇒白樺⇒名木山…と巡り,いろいろな斜面変化を楽しみました。黒菱付近の雪質と白樺や名木山の雪質では雲泥の差がありますが,生徒たちはどのような雪質でも,「斜面移動でターンする」というクセがつきました。「自ら雪に力を働かせる要素」が少なければ少ないほどバランスを崩すことも少なく,安定した滑りが出来ることを身を持って体験し,身に付けたようです。(^I^)
さて,今日は雨の中ですが5日間のレッスンの最終日です。「雨の中でもスキーは楽しい!」ということを生徒たちと共に感じて来ようと思います。(^I^)
では,行って来まァーす! (^I^)
Mar./24/2003 (月) 快晴
今日も快晴です!(^I^) 昨日はちょっと黄砂が見られました。もう3月も下旬…そろそろ黄砂があってもおかしくは無いのですが,白い雪のままで居て欲しい…そんなことも思います。(^I^) 少しわがままですネ!?(^I^)
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さて昨日は,「K大付属高校」のプライベートレッスン,三日目でした。
初級者クラス7名の生徒と伴にスキーを学んでいますが,エネルギッシュな若者たちに圧倒される感じです。みなものごとに対する興味があり,しっかりと私の助言やアドバイスを聞いてくれます。新しい事を学ぶ時には先人の経験を大事にする…このことを見事に実践してくれています。こういう若者も大勢居る事を知るのは嬉しいことです。
さて,肝心のレッスンは「キャスターイメージ」をより磨くことに集中しました。そして,彼らの学習意欲に呼応する形で,本当は午後に行う予定だった「キャスターイメージの小回り」を午前中に行なうことにしました。キャスターを転がして行く角度と,それによって出来る「ネジレ」をどう開放するか?ということを,♪♪♪60度ォー(コロコロ)…よんりィーん…60度ォー(コロコロ)…よんりィーん…♪♪♪というリズムで行なう練習をしました。当たり前のことですが,すぐには出来ないにしても,小回りの雰囲気はできるようになりました。(^I^)
午後は,ゲレンデをパノラマに移し,シュテムターン,大回り,小回りの練習を行ないました。シュテムターンのリズムは♪♪♪にりぃーん…二輪準備ィー…にりぃーん…二輪準備ィー…にりぃーん…♪♪♪で,大回りは♪♪♪にりぃーん…よんりぃーん…Two…Four…Two…Four…♪♪♪でした。この言葉をつぶやきながら,出来るだけ長い距離を滑りました。生徒諸君も次第に「キャスターイメージ」に馴れ,一日のレッスン終了頃には巧みにキャスターをコントロールできる生徒も居ました。(^I^)
今日は4日目…天気も良いし,思う存分キャスターを転がして来ます!若者のエネルギーに負けないように!(^I^)
Mar./23/2003 (日) 快晴
今日はちょっと肌寒い感じのする「曇り」でしたが,白馬の山並みはうっすらと見えていて,まずまずの天候でした。そして今日は「快晴!」…本当に天候に恵まれた三連休でした。(^I^) みなさんはどのような休日を過ごされているのでしょうか?(^I^)
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さて昨日は,「K大付属高校」のプライベートレッスン,二日目でした。私の担当は「初級クラス」の7名で,ほとんどの生徒がスキーを始めて二回目とか,数日…というスキー経歴でした。
スキーの経験が浅いのでどうしても自分の力でスキーを回そうとしてしまいます。そこで「スキーの“前後差”をうまく使って滑る」…ということから始めました。その為には先ず「荷重点(支点)」を見つけ出さなければなりません。そこで「支点探しツアー」⇒「オレンジターン」⇒「ジュース浴びターン」…と進め,「雪の力でターンする」ということの意味を学びました。生徒たちの飲み込みは結構早く,“オレンジ”関連の練習は約1時間半で終了できました。
そこで,いよいよ「キャスター・ターン」を試してみることにしました。私も「初級者」にキャスター・ターンをお教えするのは初めてなので,どの程度うまく行くか心配でしたが,案ずるより生むが安し,で彼らなりにキャスターの意味を理解してくれました。午前中はキャスターに乗って転がって行く…というイメージだけでしたが,雪にオーバープレッシャーを掛けることが少なくなり,斜面移動することが苦痛でなく楽しみとして感じられるようになりました。(^I^)
午後は,場所を黒菱からスカイライン,国際…と巡って,「キャスターイメージ」をさらに膨らませることにしました。スキーを始めて2,3回の生徒たちでしたが,“オレンジ”と午前の“キャスター”が効いたのか,まがりなりにも黒菱の中斜面を滑り降りることができるようになりました。(^I^) 中にはスピードが出てもバランス良く外スキーに乗ることが出来て,シュテムターン的な滑りをする生徒も…。(^I^)
とにかく,「片足4つ,両足で8つのキャスターがどのように転がっているか?」ということだけに意識を集中する練習を,スカイラインの長い感謝面を使って練習しました。みんなかなりキャスターの転がりに乗って行くことが出来るようになったので,思い切って「二輪・四輪」の練習で,角付けの切り替えがスムーズに行くかどうかを試してみました。これも生むが安し!で,プルークターンの様相は濃いものの,パラレル的な運動が見られるようになりました。(^I^) あとは長い距離を,キャスターを足裏にイメージして ♪♪♪にりぃーん…よんりぃーん…Two…Four…Two…Four…♪♪♪ のリズムで滑ることでした。(^I^) 中にはどうしてもスピードが怖く,スキーを止めてしまう生徒も居りましたが,彼もキャスターの転がりに乗っていくことのほうがより安全なのだ!ということに少しづつ気付き始めたようでした。
一昨日は苦労して滑り降りた白樺や名木山の斜面も,結構コントロールして滑れるようになりました。
今日も本当に良い天気です。生徒たちとキャスターを思いっきり転がして来たいと思います。では行って来まァーす!(^I^)
Mar./22/2003 (土) 曇り
今日は連休の二日目…天気は曇りでイマイチですが,この雲も夜には取れ,明日は晴れ予報が…。(^I^) 昨日の連休初日,上の方は結構混んでいたようです。(^I^)
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さて昨日から,毎年担当させていただいている「K大付属高校」の生徒さんのプライベートレッスンが始まりました。25日午前まで,5日間のレッスンです。今年で3年目になりますが,この高校の生徒さんは,みんなやる気満々でハッキリと自分の目標を持っている生徒さんです。25日までの長丁場ですが,各自目標とするバッジテスト合格を目指してがんばる事になります。スキー教師にとっても,やりがいのある指導になりそうで,楽しみです。(^I^)
初日の昨日は,午後から約2時間掛けてクラス分けをしました。今年は総勢28名で,その生徒さんを3班に別け,今日からの班別レッスンに備えました。今年は初級クラス7名を担当させていただきます。25日に,ひとまわりもふたまわりも大きくなった彼らを発見することになると思います。今から楽しみです。(^I^)
では,行って来まァーす!(^I^)
Mar./21/2003 (金) ● 春分の日 快晴
今日は「春分の日」…昼の長さと夜の長さが同じ,ということで,これから一段と暖かさに加速が…。でも,雪が多いので4月も結構楽しめそうな気がします。(^I^)
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さて,昨日は「八方スペシャルテスト(三回目)」が開催されました。そして,その検定員を務めさせていただきました。今回は11歳から65歳までの方,10名が受験してくれました。
一回目は「大変な降雪」の中,二回目は「強風・アイスバーン」での検定でした。三回目の昨日は,二回目に輪を掛けてさらに悪雪条件での検定となりました。悪雪では私も雪にスキーを取られて転倒!検定員として恥ずかしい滑りをお見せしてしまいました。(=_=;)
さて,昨日のテストは…
AMは @リーゼンコース・ノンストップ滑走 Aリーゼングラード北側・コブ&悪雪 B黒菱急斜面・悪雪小回り C黒菱・悪雪中回り Dスカイライン・悪雪大回り Eスカイライン・悪雪斜面変化フリー F兎平南斜面・整地フリー
PMは Gチャンピオンコース急斜面・ロングコースンフリー H国際急斜面・コブ大回り Iセントラルコース・急斜面ロングコース・小回り規制(約200m・急斜面一旦停止・フォールラインキープ) J名木山・悪雪(ザラメ)フリー
以上11種目でした。午前中の「天然斜面滑走」は,二回目の悪雪よりも数段タフで,吹き溜まり状態の雪の締まり方がより硬く,バランス維持が大変でした。でも,そのような中でも受験生の数人は縦気味に斜面を滑り降り,素晴らしい滑りを見せてくれました。前二回はどちらかと言うと「整地に強く悪雪に弱い人」が多かったのですが,今回はその逆で「悪雪に強い人」が多かったようです。でも本当に素晴らしい悪雪滑走を見せていただきました。
その一方,整地やコブでの滑走がイマイチで,馬力だけでなく繊細さが欲しいなァー…という受験生もおられました。昨日は「アイスバーン」を除いた「悪雪」「整地」「コブ」「ザラメ」…と,本当に八方尾根の全ての雪質を踏破した…という気がします。これら全ての中でトータル的に素晴らしい!という人が数人おられ,見事4人の方が「名人」位を獲得されました。特に65歳の“Mo”さんは,そのお歳にもかかわらず,全種目を完走したのはもちろん,お年には見えない迫力ある滑りを見せてくれました。(^I^) じつは“Mo”さんは,一回目も受験されたのですが,そのテストの初めに転倒され,精神的に落ち込まれて,その後の滑りに集中できなくなって,認定を逃してしまわれていたのです。でも,再度挑戦され,今回は集中力が途切れる事も無く,見事に「名人位」を獲得されました。(^I^) あの悪雪での中,良くぞ気迫を持って滑り終えられました。拍手を送らさせていただきます。(^I^)
今回は,残念ながら「達人」の認定者は居られませんでした。(=_=;)
普段なら敬遠して行かない斜面…気迫を持ってこれに挑み,新しい技術を学ぶ…大事なことだと思った【TOK】でした。
Mar./20/2003 (木) 快晴
今日も山の頂に少しだけ雲が掛かっていますが,二日続きの快晴です!(^I^) 明日からの連休も雪や雨は無く,晴れ間が多い,との予報が出ています。3月もいよいよ終盤…みなさんはどのようは計画をお立てでしょうか?(^I^)
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さて,昨日はスキー雑誌“skier”の取材応対でした。来年発売される技術版で「八方特集」を組んでいただけるという事で,そのための技術写真を撮りました。光線の加減と晴間を縫っての撮影のため,朝早くからの出勤でした。
わたしの担当は「指導する際に,あるいは自己練習の際に役に立つバリエーションの紹介」ということで,最近八方尾根スキースクールで売り出し中の「丸山智彦君」と「丸山貴雄君」をモデルに,私が考える数種類のバリエーションを撮影しました。
モデルの両丸山君は,私のスキー仲間というか,恩師でもある元デモンストレーター「故・丸山隆文」さんのご子息です。撮影を通して,隆文さんの滑りの面影が二人の滑りに現われているのを見て,つくづく親子だなァー…と感じました。特に智彦君の滑りは隆文さんそっくりで,彼のことを懐かしく思い出したのでした。(^I^)
昨日撮影した写真や,八方尾根スキースクールの紹介記事は本号に譲ることにしたいと思います。興味のある方は発売を楽しみに!(^I^)
昼過ぎ撮影が終わり,少し時間があったので,私がかねがね来年用のスキーとして考えている板の「試乗」をすることにしました。運良く兎平109の「500○イル」というところに,お目当てのスキー,来年モデルの「elan HCX」があったので,それを借りて試乗してみました。「R=11.5」「162センチ」の板でしたが,結果は(^I^)(^I^)(^I^)(^I^)(^I^)でした!。スキーのカラーは赤がメインで私のユニフォームにもピッタリ合います。(^I^) 私の考える合理的なスキー操作を具現化してくれるスキーとして,最高のパワーを持っている板だと思います。雪面ホールドが素晴らしく,高速安定性も抜群で,レスポンスもしなやか…。本来はSLレース用の板で上位から2番目の機種なのですが,レーサーだけに限らず,私が使っても全く違和感が無く,小回りだけでなく,中回りも大回りもバッチリ!でした。
これだけ言うと,私と某社との関係を疑う人も居るかも知れませんが,関係は一切ありません。たまたま私の体系や滑り方に合致しているだけ…かもしれません。あくまでも【TOK】個人のフィーリングでは最高!という事です。皆さんも機会がありましたらぜひ試乗してみてください。
また,たまたま私が興味あって乗ったスキーだけを紹介し,「良かった!」というニュースをお届けすると,他のメーカーの方たちに失礼ですから,いろいろなスキーを履かれた方で「あのスキー良かったよ!」という情報がありましたら【TOK】宛にお教え頂ければ,それにも乗ってみて,レポートさせていただきたいと思います。よろしくお願い致します。(^I^)
昨日は,素晴らしい恋人に出逢った感じの余韻に浸った一日でした!(^I^)
Mar./19/2003 (水) 快晴
今日は山の頂に少しだけ雲が掛かっていますが,快晴です!(^I^) 名木山,白樺の下のほうは少しザラメ状ですが,ウスバから上部,標高1000mから上はまだサラサラの雪です。まだ2月???…と思わせる雪の状況です。
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さて,昨日は“Hori”さんのプライベートレッスンでした。ここ毎年,年一回はレッスンを担当させていただいていて,昨日も忙しいお仕事の合間を縫っての受講でした。“Hori”さんはもうかなりお上手で,山などのバックカントリーもお仲間と良く滑られている方ですが,今年,この日記で書かれていることをメインに学びたいということでした。
そこで,早速今年のひとつのテーマとしている「キャスター・ターン」について解説させていただきました。午前中はキャスター・ターンの特徴である,「最小限の軸の傾けでターンすることが可能になる」…ということを,大回り,中回りを通して学びました。「最小限の軸の傾け」でスキーが出来るということは,主に次の三つのこと,「クロスオーバーが楽に出来る」「関節を曲げ過ぎないので疲労や怪我が少ない」「エッジコントロールに幅が出来る」という利点を生みます。“Hori”さんはこのことをしっかり感じ取られたようでした。
午後は例によって「小回り」をこのキャスターイメージで練習しました。キーとなる「1」のキャスターで雪面を捕らえ,転がして行く意識が小回りの舵取りでは大事になるのですが,中盤から後半にかけて,これまでのクセで,“Hori”さんはスキーを止めてしまいがちになりました。大回り,中回りではこんな事は無いのですが,小回りになると決まってターン後半に角付けを強め,その反動でスキーを左右に移動してターンしてしまうのです。これだと舵取りで圧が掛かりすぎてスキーのズレ要素が多くなるだけでなく,角付けの切り替えもうまく行きません。「1」キャスターを転がしながら斜面を移動していく事で雪面からの抵抗が受けられ,その後「3」キャスターを転がすイメージを持つことでクロッシングがうまく行なえるのですが…。レッスンの後半,あまりにも「1」「3」を使うことがうまく行かないので,「ヒョットするとスキー板のせい?」と思い私のスキーと取り替えてみました。案の定,“Hori”さんのスキーはトップのトーションが弱くトップが逃げてしまいます。私の板を履いた“Hori”さんの滑りが変わったのは言うまでもありません。スキーの持つパワーがスキーヤーのパワーに合っていない…ということです。
レッスン終了後,5時まで私のスキーを使っていただきました。帰って来た彼の顔が微妙に悲しげでした…。板を換えたらレッスンでの内容がほとんど出来た…ということでした。でも,ご自分のお使いになっている板の限界を知った事,さらなる技術の追求には板の性能が無関係ではない事…これらのことを学ばれたのは決して無意味ではないと思います。
ご自分のスキー志向や技術志向に合ったスキー用具の選択…大事なことだと思った【TOK】でした。
用具をお買い求めになる前に「試乗」…大事です!
Mar./18/2003 (火) 曇り
今日も曇り空ですが,間もなく晴れるとの事です。(^I^) 気温は結構低く,3月…という気があんまりしません。スキーヤーには嬉しいですが…。
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さて,昨日は「HAKUBA技術選」のジャッジを担当させていただきました。「HAKUBA技術選」というのは,五龍とおみ,岩岳,八方尾根の各スキースクールの教師を対象とした「ミニ技術選」で,約80名教師が参加しての大会となりました。常日頃レッスン活動や大会の競技役員として活躍してくれている人たちが,各校の横の連絡を密にし,親睦を深めながら一日楽しもう!…という趣旨の大会です。
午前は「大回り」「シュテムターン」「小回り」の3種目,午後は「ティーム演技」でしたが,一応「技術選」という名目での大会ですので,技術を全面に出して演技する人も居ましたし,親睦メインの楽しみ派の人も…。ですからジャッジも大変で,この選手は何を訴えたいのかな?ということを考えながらの配点でした。(^I^)
夜は表彰式を兼ねたPartyにご招待頂き,楽しい一夜を過ごさせていただきました。(^I^)
ごちそう様でした! (^I^)
Mar./17/2003 (月) 曇り
今日は曇り空に…。 でもこの3月も雨が少なくて助かっています。例年ですと黄砂と雨がもう少し多いのですが…。この分だと4月に入っても結構良い条件でスキーが楽しめそうです。(^I^)
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さて,昨日は「バッジテスト」の検定員で1級班を担当させていただきました。
3月も中盤になったせいもあり,受験される方が結構多く,1級は81名の受験でした。午前は実践種目テストで私の班は14名…。カービング要素の大回りから見させていただきましたが,多くの方が「角付け操作」に頼った滑りで,もう少し面で滑る事をアドバイスさせていただきました。また急斜面での深回りターンをカービング要素でどこまで滑ることが出来るか?というテーマを与えさせていただき,雪面抵抗を受け続けることが出来るかどうかの能力を見させていただきました。まだまだ多くの方が「カービング」は「レールターン」…という見方や,体を内向内傾させてスキーのトップから切り込んで行く…という滑りをする方が多く,そのことの非合理性を話させていただきました。中回りでは角付けの切り替え時のニュートラルで抜重動作になる人が多く,スキーが横に動いてしまう受験生が大半でした。カービング要素ではもう少しスキーをトップ方向に走らせることが大事です。総合滑降は比較的雪の状態が柔らかい斜面で行ないましたが,角に頼り気味の人は,エッジが立ちすぎて雪が横に逃げてしまい,雪面を捕らえ続けることが出来ずにスキーが走らないターンになってしまいました。普通ですと,検定ではレッスンはしないのですが,ヒントとして簡単に「キャスターイメージ」で滑ることをお話ししました。数人の方はこの意味をすぐに理解され,次の滑りから角に頼り過ぎない,面での滑りに変わられました。
午後は1級の規定種目テストでした。大回りでは午前の実践種目の総合滑降と同じ現象,「エッジが立ちすぎて雪が横に逃げてしまっている受験生」が多く見られました。特に春先,これからのザクザク雪では角でなく面で滑る意識が大事になります。またニュートラル部分で前のターンのエネルギーを次のターンにつなげて行くことが出来ない人も多く,結果として「C字ターン」になってしまう人も多く居ました。中回りから小回りのリズム変化では,いつも検定で思うことですが,小回りがうまく出来ない人が大勢居りました。いくらカービング要素の滑りとは言え,小回りでは「上体と下肢の間のネジレ」が必要で,正対気味では絶対にうまく滑れません。他の検定員とも話したのですが,1,2級の検定には「小回り」をひとつの種目として入れ,スキッディング要素とカービング要素がうまくミックスして使える技術をもう少し学んでいただくようにすべきです。
検定の結果は5人の合格でした。残念ながら合格できなかった人も,検定を通して少しでも合理的なスキーを学んでいただけたら嬉しい…そう思った【TOK】でした。(^I^)
Mar./16/2003 (日) 快晴
今日は快晴! 日曜日…週間天気予報では雲が多いとの予報でしたが,良い方にはずれてくれました。(^I^) この天気,午後から崩れるようですが…今日一日はイイ条件でスキーが出来そうです。(^I^)
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さて,昨日は“Kim”さんご夫妻,そしてお友達の“Fuk”さん三人のプライベートレッスンでした。“Kim”さんご夫妻とは毎年数回レッスンを担当させていただいていますが,“Fuk”さんは初めてで,このホームページで解説している内容を実践で学びたい…ということでした。
このところ私のレッスンの主流となっている「キャスター・ターン」については“Kim”さんご夫妻も初めてですので,このキャスターを中心にレッスンを進めることにしました。この「キャスター・ターン」についての詳細は,このシーズンが明けてからじっくり検証したいと思うのですが,これまでの私の教師生活の中でも“オレンジ”に続く大事なキーワードになるような気がしています。キャスターの転がりに乗って行く…という感覚,足裏に意識したキャスターがコロコロ転がっているというイメージが,これほどターンコントロールを容易にしてくれるとは,私自身驚いているのです。
レッスンではキャスターをどのように足裏に意識するか?ということから始め,斜面をいろいろ滑りながら,キョロキョロ,コロコロ,クルクル,スゥー…という感覚を磨きました。不思議なもので,この意識で滑った後,普通にターすると,思いの外ターンが楽に出来ることが解るのです。お三方とも相当なスキー技術をお持ちですので,角に乗る感覚や,クロスオーバーなどの感覚は良く解っているのですが,この技術だけでは相当に難しい「∞・ターン」がいとも簡単に出来てしまうのです。その理由は「身体がスキーに付いて行く」ということと,「軸が寝過ぎない」ということにあるように思います。基本的な練習の後,♪♪♪にりぃーん(二輪)…よぉんりぃーん(四輪)…にりぃーん(二輪)…よぉんりぃーん(四輪)…♪♪♪の言葉がゲレンデのあちこちで聞かれたのでした。(^I^)
午後はこの基本的なキャスターターンを基に,「かかとの“キーキャスター”にしっかり乗り込む」練習をしました。普通であればスキーでは「かかと加重」は異端視されがちなのですが,私はスキーの運動も高速運動を行う他の物体と同じように「移動する物体の後部が安定している事」が大事だと思っています。その為にはかかとが支点となって,テール部分でしっかり雪面をホールドする事が重要だと思います。「1」キャスターが「キーキャスター」となる所以はそこにあるのです。そういうわけで,午後は「1」キャスターをどの方向にどう転がしていくか?ということを大回り,中回り,小回りでいろいろ試しながらレッスンを終えました。
新しい感覚を身に付けるには,ある程度過去の技術への決別が必要です。過去の技術を捨てるのではなく,別の引き出しを作る…という意味においてです。お三方も新しい引き出しが一個増えました。あとはこの引き出しの中身をより充実させていくことが大事です。
また次回,お会いする時はキャスターの達人になっていることを! お疲れ様でした! (^I^)
Mar./15/2003 (土) 曇り
昨日は快晴でしたが,少しだけ黄砂がみられ,すこしだけ「どんより」…。でも,3月にしてはまだまだイイ条件でスキーが楽しめます! (^I^) みなさんはこの週末,いかがお過ごしですか?
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さて,昨日は“Kat”さん“Tom”さんご夫妻,そしてお友達の“Kiy”さん三人のプライベートレッスン,三日目でした。
天気も良かったので,午前中は三人の「VTR撮影」を行ないながらのレッスンとしました。先ず黒菱の大斜面の大回りから。スピードが結構出ても,足裏にキャスターがあり,そのキャスターを踏み外さない意識があれば安心して乗って行けることを確認しました。(^I^)
そして再度「足裏感覚」を磨くため,キョロキョロ,コロコロ,クルクル,スゥー…というような感覚で雪面を移動し,その時々でキャスターがどのように回転しているか?を感じ取る練習をしました。この練習の後では「必ず」と言っていいほど,素直なターンができるようになります。キャスターイメージを忘れた時には,この「コロ・キョロ」の練習をした方がいいでしょう。
その後,場所をスカイラインに移し,やや悪雪での「∞」ターンや,整地での小回りを撮影しました。そして兎平からチャンピオンスカイペアの急斜面に出て高速大回りを撮影しました。その近くでたまたま「グッキー」がレッスンをしていたので,彼の滑りも参考にしながら大回り,中回りを練習しました。その後,セントラルコースでの小回りと巡って撮影の終了としました。
昼食後,約30分午前に撮影したビデオを見て,各自のテーマを洗い出しました。“Kat”さんは,小回りでの胸の向き,“Tom”さんは右ターンでの角付けの過多,そして“Kiy”さんは上体の構えの浅さ…でした。(^I^)
その後ゲレンデに戻り,これまでの総括をしながら欠点克服を行ないました。先ず兎平新コースでコブに挑戦しました。ここで“Tom”さんがコブの小回りの秘訣を会得されました!(^I^) コブの頂点でキャスター「3」を意識して転がし,クロッシングを行なうこと,その後次の外スキーのキャスター「1」を「4」方向に意識的に転がしそれに乗っていく意識を持つこと…がそのポイントでした。もちろん胸の向きがフォールラインをキープする事が前提ですが…。“Kat”さんの課題は小回りにおける「胸の向き」でしたが,これもご自分でしっかり意識すれば維持できる事が実証され,コブの中でもうまく行きました。(^I^) “Kiy”さんはコブが比較的得意,と言うだけあって安定した滑りを披瀝してくれました。(^I^)
その後,「タテッコ」の急斜面を総合滑降で楽しみました。(^I^) お三方とも,キャスターイメージを持つことでターン前半から適度な雪面ホールドが出来るようになり,谷回り部分を大きくしても不安でなくなったので,ターン中盤から後半にかけて自分から雪面に圧を掛ける動作や角付けを強める運動が消え,適度な切れと素晴らしい走りのある滑りを見せてくれました。(^I^) その後の国際ゲレンデまでの中緩斜面では,水を得た魚のような滑らかなスキーイングを楽しまれていました。
レッスンの最後に,キャスターに馴れて来たら,そのキャスターの軸に自動車のような「スプリング」が付いている意識を持ち,そのスプリングが「雪面抵抗の捉え方でいろいろ圧縮されるイメージ」を持つ練習をしました。スプリングが全て圧縮された状態…つまり雪面コンタクトが一杯一杯状態ではそれ以上の雪面抵抗のコントロールが効きません。このスプリングに余裕を持たせてキャスターを転がして行く意識…すなわち余裕のある角付け状態で滑ることが大事です。「キーキャスター1」でターンして行く意識は,角付けの角度をある一定のところで止めますので,スプリングがアップアップ状態にならない状況を作りやすいのです。
再度ゴンドラで兎平まで上り,スプリングイメージを持ちながら,またまた「タテッコ」で気持ちの良い大回りを楽しみました!そして白樺から名木山へ…。この下部のゲレンデは少し春の雪でザクザクしていましたが,キャスターイメージがあればなんのその!三人とも本当に楽しそうにザラメ雪を楽しんでいました。(^I^)
この三日間で学んだこと基本的なイメージ「キャスターに乗って行く」…ということが,三人の滑りにさらに「自由なスキーイング」をもたらしてくれた…と思います。うまいけれどどこと無く気張っているスキーヤーと違い,どことなく自由さが溢れているのです。今日から某スキー場に場所を移してスキーを楽しんでいると思います。思いっきり楽しんでくださいネ!
三日間,どうもありがとうございました!(^I^)
Mar./14/2003 (金) 快晴
今日は快晴です! 白馬三山が青空にまぶしく輝いています。(^I^) 昨日も本当にイイ条件でスキーが楽しめました。この素晴らしい環境の中で“スキー”が出来ることの幸せをつくづく感じます。(^I^)
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さて,昨日は“Kat”さん“Tom”さんご夫妻,そしてお友達の“Kiy”さん三人のプライベートレッスン二日目でした。
一昨日に続いて,昨日は「キャスターイメージを磨く」…ということを主眼にレッスンを行ないました。不思議なもので,足裏に4つのコロ…キャスターを意識し,それがどの方向にどのように回転して行くか?ということをイメージするだけで,ターンが変わってしまうのです。これにはスキー指導を長年行なってきたわたし自身がビックリしています。(*_*) 多分,「不安定な四つのキャスターに乗り込む」という感覚,そしてその四つの内でも,「内くるぶし下のキャスター」をキーキャスターとして重要視する…ということが,昔から上手なスキーヤーの代名詞としてよく言われている,「身体の下からスキーを離さない」とか「スキーの真上に乗り込む」,あるいは「高い姿勢で滑る」というようなことを実現させているのだと思います。
一通り一昨日の復習をした後,小回りでのキャスターイメージを学びました。大回り,中回りとはややキャスターイメージが違って,「1」キャスターに9割以上乗り込み続ける意識を持ちます。こうすることでスキーのテール部分がターン外側に流れるのを防げ,常に腰の下に足をキープする事が出来ます。初めはスキーを左右に振る事が無くなり,ただ斜面移動していく感覚になるので,果たして小回りが出来るんだろうか?と不安になりますが,この練習を続けていく事で,「かかと付近で雪面を捕らえることの安定性がいかに大きいか!」ということに気付きます。(^I^) ただし,小回りで最も大事な「上半身と下肢の間のネジレ」をしっかり作ることを忘れてはいけません。また,切れと走りのある小回りをしようとする時は,「上半身」というのも腰から上部のことではなく,ウエスト部分から上のこと,になります。腰そのものの向きは正対気味になり,ウエストから上部がフォールラインを向くことになります。「1」のキーキャスターの転がりに乗り続け,肩のラインはフォールラインに直角に維持しておくぞ!という意識が小回りでは重要になります。お三方もチョッと気を緩めると,すぐに上半身がフォールラインをキープ出来なくなります。この原因のひとつは,自分自らスキーを回そうとしてしまうので,そのリアクションとして「上半身が回り込んでしまう」ということにあります。またせっかく上手にネジレが出来ていても,ストックを突こうとして外側の手が出てしまう事もあります。ストックを握る手は前後左右に動かさず,いつも同じ場所に置いておいて,手首を開き気味に突くことです。
午後はさらに急斜面や,コブ斜面でキャスターに磨きを掛ける練習を行ないました。急斜面での,フォールラインに直角以上に切り上がってから次のターンの入る…という「∞」ターンでは,いかに「キャスターイメージが効くか!」ということを実践していただきました。普通では考えられない「∞」ターンなのですが,これが出来るのです。キャスターに乗って前に進む…という感覚がいかにターンコントロールを容易にしてくれるか!ということの証拠のような気がします。これさえ出来れば急斜面に入っても怖気づくことはありません。(^I^) お三方の滑りが素晴らしい滑りになったのはいうまでもありません。(^I^)
さて,最終日の今日…天気にも恵まれましたのでビデオ撮影をしながら,急斜面,悪雪等いろいろな斜面を巡りたいと思います。(^I^)
では,行って来まァーす!(^I^)
Mar./13/2003 (木) 晴れ
今日明日とイイ天気になりそうです。連日書いていますが,今年の3月は黄砂も無く,白い雪の状態が続いています。例年ですと雪が黄色がかっているのですが…。そのため,雪もほとんどザクザク状況が見られません。11月中旬から滑れ,そして3月も最高のコンディション…今年は言うことなしです!(^I^)
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さて,昨日は“Kat”さん“Tom”さんご夫妻,そしてお友達の“Kiy”さん三人のプライベートレッスンでした。昨日から明日まで,三日間の連続レッスンです。“Kat”さん“Tom”さんご夫妻とは昨シーズン一度レッスンをさせていただいていて,今年は“Kiy”さんもぜひ参加したい!…ということでご一緒されることになりました。(^I^)
レッスンのはじめにお三方の滑りを拝見したのですが,“Kat”さんもさることながら,とにかく“Tom”さんの上達振りにはビックリ(*_*)でした!。昨年練習した「雪の抵抗でターンする…」ということが完全に生きて本当に素晴らしいスキーイングが出来るようになっていました。(^I^) 友達の“Kiy”さんはやや角付けと自分から雪面に働き掛ける運動が強く,その分運動量の多いスキーイングになっていました。
昨年ご夫妻には「オレンジターンを中心としたスキッディングの練習」「カービングターンの展開」「エネルギーのバトンタッチ」「ドライビングターン」をメインに解説させていただきました。今年は「ドライビングターン」の変形型の「キャスター・ターン」をメインに行なうことにしました。その前に,“Kiy”さんは私のレッスンが初めてですので,足裏で感じることの意味や,雪の抵抗をもらって滑る事の意味を理解していただくため“オレンジ”をイメージしたターンの練習を午前中掛けて行ないました。もうこの午前中のレッスンで“Kiy”さんの滑りもガラッと変わりました。オレンジターンでジュースを浴びながらターンをする…ということの意味が分かり,自分から働き掛ける事が少なくなって斜面移動が行なえるようになったからです。(^I^)
午後は今回のメインテーマ「キャスター・ターン」の練習に入りました。午前のレッスンで雪からの情報を感じ取る…ということの意味が理解できていましたので,あとは合計8つのキャスターでいかに雪面とコンタクトしているか?に意識を集中させることです。緩斜面から急斜面までいろいろな条件を滑りながら,キャスターの感度を高める練習をしました。二輪意識,四輪意識,横へコロコロ,前にゴロゴロ,斜面をクルクル…等いろいろなキャスターの転がりをイメージすることで,ターンコントロールがいかにうまくいくか?を実践しました。初日のレッスンの終わり頃には,三人とも大回り,中回りでは最高のキャスター・ターンを披露してくれました。(^I^)
さて,今日は昨日のレッスンの続き…「キャスターの感度に一段と磨きを掛ける事」と,「小回りキャスターの使い方」の練習です。(^I^)
では行って来まァーす!
Mar./12/2003 (水) 曇り
雲の間から白馬の山並みが見えています。技術選,準決勝,決勝の時の悪天候が悔やまれるほど,昨日今日はイイ条件です!。なかなか思うようには行かないものですが,せっかくのこのイイ条件…思いっきり楽しみたいものです。(^I^)
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さて,昨日は“Mot”さんのプライベートレッスンでした。近い時期に1級を受験される…ということで,昨日はその準備を兼ねて,技術の見直しをされたい…ということでの受講でした。時々私のホームページをご覧頂いており,以前にも1回ご一緒させていただいております。
滑りを拝見しますと,どの滑りにも共通して「右ターンでのテールの横ズレ」が見られました。リズムやタイミング,雪面の捕らえ…については,大回りで少しづつリズムが早くなって中回り的になってしまうきらいがありました。以前「雪の抵抗を受け止めてターンする…」ということや,バトンタッチ意識についてはお話ししてありますので,今回は「キャスター・ターン」で滑りのを見直すことにしました。
先ず,足裏に右図のような四輪の「丸いキャスター」を意識していただき,この四つのキャスターが雪面上をどのように転がっているのか?というイメージを持ってもらいます。始めはなかなかイメージアプ出来ないのですが,横に行ったり,後ろに行ったり,クルッと回転したり…ということを繰り返していると,いつの間にか実際に足裏にキャスターが付いているかのような錯覚に陥ります。クルッと1回転することができるようになると,キャスターが転がってターンする…というイメージは簡単なこととして感じられるようになります。実際のターンの舵取りでは「1」と「2」の二厘のキャスターが転がっているイメージを持ち,角付けの切り替えでは「1」「2」「3」「4」の全部のキャスターで捕らえてから,次の外足の二輪で捕らえるイメージを持ちます。このことで,クロッシング的に腰の下をスキーが通り過ぎて行き,軸の入れ替えがスムーズに行なえるようになります。午前中はこのキャスターイメージで大回り,中回りの練習をしました。苦手だった右ターンも,左足内くるぶし下の「1番キャスター」がつま先側に転がるイメージを持てるようになってから,横ズレの 少ない切れのある走るターンになられました。(^I^)
午後は場所を白樺ゲレンデに移し,実際のバッジテストを想定したレッスンを行ないました。それぞれの種目の着眼点が,キャスターイメージではどういう意識で表現したらいいのか?…という視点でのレッスンでした。実践種目の大回り,中回りでは出来るだけ重心を上下させないベンディング的なターンをするために,二輪から四輪に移行する時に圧を減じないようにしながら行なう意識をもちました。このことにより抜重動作が無くなり,角付けが次第に緩くなって行くのでスキーが前方に走り,腰の下をスキーが素早く通り過ぎるようになります。自分ではスキーを前方に送り出している意識は無いのですが,スキーが勝手に前方に開放されるように出て行ってしまうのです。実践種目の総合滑降は,「2」のキャスターをスキーのトップや中間部に意識することで,「1」と「2」の間のホイールベースが変わり,また上体の迎え角も変わるので,いろいろな回転半径のターンをすることが出来ます。(^I^)
規定種目の大回りは,実践種目と同じなのですが,設定斜面が急になるので,その分ターン前半で「1」キャスターでの「探り感覚」が大事になります。この“探る”という感覚は脚の伸び現象を生みますが,これは雪面を押し付けるものとは違います。カタツムリの触覚が伸びる現象と同じもので,向こう向きに圧を加えるのではなく,手前方向へ来る圧を探りに行く…という現象なのです。もしこの「探り現象」が効率よく行なわれれば,ターン始動期の早い時期にスキーのたわみが生じ,スキッディングを早い時期からカービングに移行させることが出来るのです。(^I^) 中回りから小回りへのリズム変化では小回りが“Mot”さんの場合もポイントとなりました。良くあることなのですが,上体と下肢のネジレ現象が,ストックが前に出過ぎることで無くなってしまうのです。上体をフォールラインにキープするのは,日常生活の場面ではあまり見られないことから,多くの方がこれがうまくいきません。“Mot”さんの場合もこの練習に約20分掛かりましたが,終いにはうまくできるようになられました。(^I^) これが出来れば小回りもうまくいきますので,あとはリズム変化をさせる時に,中回りのスピードを,ターンの切り上げを深くする事で,充分落としてから小回りに入ることです。
キャスターイメージをどうバッジテストの種目に反映させるか?ということで一日レッスンをさせていただきました。“Mot”さんにとっては始めてのキャスターイメージですので,受験日までにこれを消化して頂き,ぜひとも合格して頂たいと思います。朗報をお待ちしています!(^I^)
Mar./11/2003 (火) 晴れ
兎平付近から上はガスが掛かっていますが,平地は陽が射していますので,天気は「晴れ」…に。(^I^) 3月だというのに八方尾根スキー場の下部,白樺,名木山のリフト乗り場付近だけが湿った雪…。そこから上部はシーズン真っ最中のような粉雪です。黄砂も無く,こんな年も珍しい!(^I^)
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さて,昨日は“Kaw”さんのプライベートレッスンでした。数年前一度レッスンをさせていただいた事があり,その時は「引く引くターン」の練習をした…ということでした。今回は「午後になると小回りなどで腰が落ち始め疲れてしまうので,その原因を探りながら技術を磨きたい…」ということでのレッスン受講となりました。
すべりを拝見すると,とても50歳代に入った人の滑りとは思えないエネルギッシュな滑りで,カービング要素ビンビン!のスキーイングでした。ただ,大回り,中回り,小回りすべてのターンで,ニュートラルが抜重的になり,その後舵取りで急激な角付けに入ってしまう滑り方でした。そのため,圧変化が多過ぎて,長い距離を滑ったり,小回りなどでは疲れの多い滑りになってしまうだろうと予想がつきました。
先ず“「身体の特徴・用具の特性・自然条件」を生かす”…ということの,用具の特性を生かす…ということから確認することにしました。プルークボーゲンを基に,スキーの前後差がある理由を考え,スキッディングとはどういうことなのか?斜面を移動して位置エネルギーでスキーをするとはどういうことなのか?ということを考えてみました。そして,その延長線上に「スキーがたわむ」という現象があり,それがカービングターンに移行することを実践して確かめました。どちらかというとKaw”さんはこれまでご自分から雪に働き掛ける意識が強く,雪の抵抗を受けてターンする…ということが少なかったように思います。自分で働き掛けるスキーイングが悪いわけではありませんが,疲れることは確かです。午前中の基本練習で「雪の力」を感じ取る練習をしましたが,これだけで“Kaw”さんの滑りが変わられたのは言うまでもありません。(^I^)
午後は「スキーがたわんでいる状態をキープできている」…ということを前提とした「キャスター・ターン」の練習に入りました。内くるぶし下のキーキャスター「1」が支点となり,センサーを担当するキャスター「2」が雪から上げられる力を感じ取りながら滑る…という感覚は,まるで砂に水が沁み込むように“Kaw”さんの滑りに反映されていきました。一回一回の滑りが見る見る変わって行くのが分かりました。(^I^) 大回り,中回りは言うに及ばず,小回りでもキャスター「1」での雪面ホールドが良く,状態と下肢のネジレも自然に作れるようになって,走りの良い,リズミカルな小回りになられました。この滑りがお出来になれば,長い距離を滑ってもそんなに疲れることはありません。ご自分の内力,体力を使うのではなく,高い所から低い所へ移動する…という位置エネルギーを使っているのですから…(^I^)。
“Kaw”さんの50歳代とは思えない滑りに,さらに技術的な「巧さ」が加わり,名人,達人的な雰囲気が感じられるようになりました!(^I^) ありがとうございました!
Mar./10/2003 (月) 曇り
昨日は吹雪模様が10時頃から落ち着き,少し雲がありましたが,結構イイ条件の中でスキーが楽しめました。本当に黄砂も無く,白い雪が嬉しい毎日です。(^I^)
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さて,昨日は“Doi”さん,“Sum”さんご夫妻のプライベートレッスンでした。お二人とは月一のペースでレッスンをさせていただいていまして,今シーズン四回目のレッスンでした。これまで「プルークポジション」の確認,「スクリュードライバー・ターン」,「ドライビング・ターン」とレッスンをさせていただきました。今回はドライビング・ターンを進化させた「キャスター・ターン」でスキー技術に磨きを掛けることにしました。(^I^)
キャスター・ターンの基本的な説明からはじめ,左右足裏にイメージした八つのキャスターで雪面とコンタクトする感覚を磨きました。ドライビング・ターンに比べて,雪面とのコンタクト感に柔らかさが見られ,より“感じる”という意識が強くなり,体が雪からの抵抗に素直に反応する現象が見られました。ターンの感じ取りでは内側二つのキャスターが,角付けの切り替え時には足裏全体の四つのキャスターが,雪面とコンタクトしながら回っている…というイメージが本当に素直でスムーズなターンを可能にしてくれました。これは「スケートボード」に乗っている感覚と似た意識が生まれるからだと思います。スケートボードでは過度にエッジに乗ると外側にボードが転がって逃げてしまいます。これに乗り続けるにはある角度以上に傾けることができません。スキーではエッジでの捕らえが出来るためにスケートボードに比べ軸を傾けてもバランスが取れるのですが,最近はこの度が過ぎているように思います。キャスターイメージのスキーイングが角付けだけに頼らない,面での滑りを可能にしてくれるのはこのような理由からだと思います。
午前中は大回り系統の滑りをこのキャスターイメージで行なったのですが,これまでチョッとクセのあった“Sum”さんの滑り…「ひざ下の三角窓」が消えていました。(^I^) これは角付けでなく,面で滑ろうとする意識がもたらした結果です。お二人とも午前の終わり頃には必要最小限度の軸の傾けでターン出来るようになり,重心位置が高くなって,スキー滑走そのものが楽になられました。(^I^)
午後は小回りの練習をしました。小回りでは大回り系統の滑りに比べて,よりかかと内側のキーキャスターに乗る意識が重要になります。そして斜面が急になれば,初めからカービング的に切るのではなく,ターン始動期では少し「4」方向にキーキャスターを転がすイメージを持ってから「2」方向に進む意識が大事です。つまり俗に言う「ひねり要素の小回り」ということになります。いずれにしても,キーキャスターを腰の下から離さずに,乗り続けて行く意識があればバランスを崩すことが少なくなり,上半身の向きも自然に抵抗の来る方向を向くようになります。上半身と下肢との間に適度な「ネジレ」が生まれ,斜面移動による楽な小回りが出来るようになります。お二人ともかなり楽に小回りをされるようになりました。(^I^) キャスターイメージをより高め,素直に乗り込んで行く意識を磨かれれば,大回り,中回りと同様の,素晴らしい小回りが出来ると思います。
昨日はスキーとスケボーの類似点を感じた【TOK】でした。(^I^)
Mar./09/2003 (日) 吹雪
3月も中旬になろうとしていますが,今朝は猛烈な吹雪です。黄砂も無く,今年のシーズンは本当に『雪』に恵まれている…そう思います。
さて技術選,「柏木選手」のブッチギリ的な優勝おめでとうございます!。宮下選手,やや元気が無かったみたいです…。期待していた新人の“S”選手…やはり左ひざの怪我で,右ターンが出来ていなかった…予選落ちでした。今年最善を尽くせなかった人…来年の奮起を!(^I^)
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さて,昨日は“Oga”さんのプライベートレッスンでした。“Oga”さんとは今年4回目のレッスンになります。今回はポイントを「小回り」に絞って練習したいというご希望でのレッスンとなりました。
前回までに,「クロスオーバー」「スクリュードライバー・ターン」を通して【Letスキー】や「感じるスキー」を,また「キャスター・ターン」を学んでいただきました。前回までの3回のレッスンで,雪の力を得て,その力でターンする,とういう感覚には大分慣れておられます。これらの事をベースにレッスンを展開させていただきました。(^I^)
今回もキーワードは「キャスター」で,先ず「1」のキーキャスターがどのように斜面移動をするか?というフィーリングを豊かにすることから始めました。1が4の方向へ,また3の方向へ,そして2の方向へと,いろいろその向きを変えて転がっていくイメージを豊かにすることで,スキッディングのズレに乗って行く感覚や,切れて行く感覚の違いを感じ取る練習です。人間の体は自分がどの方向にどれくらいの速さで,どれくらいの圧で移動しているか?に依って,自然にその対応姿勢を作ってくれます。つまり,小回りに絶対必要な,「上体と下肢の自然なネジレ状態」もスキーヤーの意識に依ることが多い…ということです。この「キャスター移動意識の練習」で,かなりズレと切れを多様に使い分けることができるようになりました。
クロスオーバーは一度「1−3」ラインで雪面を捕らえてから,次のスキーのキーキャスターに意識を働かせる事で,クロッシング的に角付けの切り替えを行なうことが出来るようになりました。
午前中は基本的な小回りの練習をしましたので,午後からは斜面状況をいろいろ換えて小回りを練習しました。斜面が緩やかであれば,クロッシングのあと,ターンの初めから,2の方向にキーキャスターを転がして行く感覚でいいのですが,斜度が急になれば,ターン始動期では先ず4の方向に転がすイメージを持ってから,徐々にその方向を2の方に換えていく意識を持ちます。こうすることで「斜面移動感覚」が生まれ,自分の力で角付けに頼って方向を変えたり,チェック的に圧を捕らえたり…ということが少なくなりました。(^I^) コブの斜面でもこれを試してみましたが,「1−3」ラインが生きて,蝶番のように足首が働き,楽に滑れるようになりました。最後に,技術選の「不整地コブ斜面」で使われた「名木山の大壁」を滑ってみました。かかと内側のキーキャスターでしっかり雪面を捕らえる事で,斜面キープが楽になること,体がスキーに付いて行こうとするので体が遅れないこと,足首が蝶番のように働きコブの下側の捕らえが容易になること…などの利点が生き,素晴らしいコブの小回りを見せてくれました。その後,同じく技術選の「ウエェーブ斜面」で小回りを試してみましたが,あのうねりにもかかわらず,身体の移動がスムーズに行なわれ,本当に見事な小回りをしてくれました。(^I^) 良かった,良かった!
「キャスターイメージのターン」…効果あり! “Oga”さんに負けないように小回り頑張ろう…そう感じた【TOK】でした。(^I^)
Mar./08/2003 (土) 曇り
今朝はどんよりした天気です。技術選の決勝…準決勝の昨日は散々な天候でしたから,今日くらいはイイ条件で滑ってもらいたいのですが…。さて,今のところ「柏木選手」のブッチギリ的な優勝の気配濃厚ですが…。
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さて,昨日は“Hor”さんのプライベートレッスンでした。“Hor”さんとは昨シーズンの4月に二日間ご一緒させていただきました。ことし67歳におなりですが,元気にスキーを楽しんでおられます。(^I^) 今回は昨年の滑りにさらに磨きをかけ「疲れないスキー」を目指してのレッスン受講でした。
昨年は「エネルギーライン」と「バトンタァーッチによるクロスオーバー」の練習をメインに行ないましたが,その練習された成果が随所に見られました。(^I^) “Hor”さんのご希望で集合場所を兎平にしたのですが,昨日はパノラマコースが大雪のため粗踏み状態で条件が悪く,バランスを崩されて転倒されることがありました。あの条件では大変危険なので,場所をスキー場下部のゲレンデに移すことにしました。パノラマからタテッコ横の緩斜面迂回路をキャスター意識の練習をしながら白樺に滑り降りました。雪の条件は悪かったのですが,“Hor”さんは足裏に意識を集中され,少しづつ「キャスター・ターン」の感じを捕まえれらました。(^I^)
午後は名木山のパブリックコースで,キャスターの中でも「キーキャスター」となる,かかと内側のキャスターにしっかり乗る練習から始めました。「安全な小回り」では,1のキャスターが4方向に転がっていくイメージを持ち,角付けの切り替え時に「1,2,3,4」の全キャスターで雪面を一度捕らえてから次の外足の1で雪面を捕らえる練習をしました。キャスターがいろいろな方向に転がって行き,それに遅れずに乗り込んで行く感覚が次第に分かられた様で,斜面をクルッと一回転したり,後ろに滑ったり…ということもなんなくお出来になるようになりました。(^I^) このような芸当が出来れば,キャスターに乗り込んでターンするイメージを持つことはさほど難しくありません。イメージの大切さがこれほど生きるということを,またまた実感しました。
その後,白樺からゴンドラでパノラマに場所を移して悪雪でのキャスターターンを試してみました。悪雪ですから整地ほどの快感はありませんが,キーキャスターをしっかり意識することでバランスを極度に乱すことは少なくなり,転倒することもありませんでした。その後リーゼンコースを名木山まで滑りましたが,途中コブが出来ていて不整地斜面を滑ることになりました。大分お疲れではないかと思いましたが,“Hor”さんの熱意でその中を滑り切りました。(^I^) キャスター意識による「1,3」のかかとの軸が,まるで蝶番のように働いて,コブのショックをうまく吸収したり,コブを過ぎてからの雪面の捕らえを早くしてくれるようになりました。(^I^)
ところで,悪雪やコブではどうしてもバランスが乱れてしまいます。これはどのようなスキーの名手にもあることです。いつも整地のような快感を感じているわけではありません。その条件条件を受け入れ,できるだけ乱れを少なくしながら,もし乱れた時は早く修正しよう…という気持ちで滑っています。“Hor”さんもキット整地のような快感が得られないことに不満を感じられたかもしれませんが,その時々の条件はその条件として楽しむ気持ちがあれば,また別の意味で“スキー”の楽しみの幅が広がると思います。(^I^)
本当に悪雪やコブの悪条件の中,“Hor”さんには一生懸命滑っていただきました。疲れの少ないスキー…その本筋の方向を見つけられた,と思います。本当にお疲れ様でした。(^I^)
Mar./07/2003 (金) 雪
今朝は雪です。平地で10〜20センチ近くありますから,スキー場ではもう少しあるでしょう。技術選予選が終わり,今日から準決勝ですが,大会競技役員の方々…朝早くから,本当にご苦労様です。
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さて,昨日は“Iku”さんのプライベートレッスン三日目でした。
一昨昨日は「スキッディング」,一昨日は「カービング」の要領を学びました。昨日はそれを進めて,いろいろな斜面に対応できる技術を学びながら,スキッディングとカービングの持つ優位性をどのように使い分けたらいいか?というようなことを学びました。ポイントは「かかと支点意識を大事にすること」,「スキーヤーとしての進行方向をしっかり意識し雪の抵抗をしっかり受けること」,「圧変化を出来るだけ少なくすること」…でした。
午前中はパノラマ,黒菱,スカイライン,北尾根…と回り,要所要所でビデオを撮りながらのレッスンでした。雪の圧を積極的に利用する滑り,支点をかかと付近にする滑り,に磨きを掛けながらのレッスンでしたが,滑る度に“Iku”さんのスキーは変わられました。(^I^) これまでは,トップの取らえ感が強く,どうしてもテールがターン外側に逃げがちでしたが,テール支点の意識を持ち,キャスターの転がりに積極的に乗って行こうとすることで,スキーの先端部分で軽いながらももの凄く有効な圧を貰うことが出来るようになりました。その結果,ガッシーンと切れる!というより,シャーンと切れる感じになり,何よりも,より滑るようになりました。これまでの雪面抵抗の捕らえ方とは明らかに違うもので,“スキー”は力では無い!ということに気付かれたと思います。(^I^)
ビデオでは上体のブレがほとんど無いので,安定し過ぎていて迫力が感じられないように見えるかもしれませんが,実際のスキーイングではスピードがあり,かなり迫力がある滑りになりました。北尾根では悪雪にもトライしましたが,ビデオで見る限り破綻は無くイイ滑りでした。(^I^) しかし,悪雪やコブでは常に「アッ,前に乗りすぎた!」「前に抜け過ぎた!」…というようなしっくり来ない感覚いつも付きまとうものです。このようなフラストレーションを感じさせるような感覚は常にあるのですが,それをリカバリーして行こうとする強い意志が必要なのです。
午後は三日間の集大成…ということで,今回滑る機会の無かったコースを回ってみました。黒菱の急斜面の整地大回り,スカイラインの谷筋の凹部フリー,兎平新コースの悪雪大回り,タテッコ急斜面の大回り,国際凹部の急斜面大回り,チャンピオンスカイペア脇急斜面小回り,リーゼンコース小回り,名木山悪雪大回り…本当にいろいろな表情を持つ八方尾根のピステを全て滑り切りました。(^I^) 単に整地だけでなく,不整地や悪雪など,自然のままの斜面を滑ることで,“本当のスキー技術”というものが見えて来ます。雑誌や本,販売されているデモのビデオでは述べられていない,多種多様な技術があることを,“Iku”さんには感じ取っていただけたと信じています。
三日間の長いレッスンでしたが, 『 スキー技術をもう一度原点に戻って身直し,さらなる上達の基礎としたい… 』 という,“Iku”さんの目的が少しでも達成していただけたら幸いです。(^I^) 私の目から拝見する限り,“Iku”さんの滑り…ひと皮もふた皮も剥けて異質なものに変わった!…本当にそう思います。(^I^)
ありがとうございました! またお会いしましょう! (^I^)
Mar./06/2003 (木) 曇り
昨日は10時頃からイイ天気になり,白馬の山がきれいでした! 今年は本当に黄砂の到来も遅く,白い粉雪で,まるで1月の厳冬期のような条件でスキーが楽しめました。(^I^) ありがたいことです。(^I^)
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さて,昨日は“Iku”さんのプライベートレッスン二日目でした。
一昨日は「スキッディング」を勉強しましたので,昨日はそれを推し進めて「カービング要素」の滑りをご一緒に考えました。ただ単に「傾け操作でエッジを立てる」…ということでのカービングターンではなく,元々切れるターン,走るターン,と同義語として使われていた「たわみを元としたカービングターン」について学ぶ事にしました。たわみがあってカービングがある…という図式は“走るスキー”になりますが,角付けがあってカービングがある…という図式では“切れるスキー”にはなりまずが,スキーのトップにブレーキが掛かる要素が強くなります。前者では「運動する物体」に共通の“物体の後部が安定している”…ということが可能になるのですが,後者はそれに反しており,同じカービングの滑りでも,実は大きな違いがあるのです。
“たわみ”をベースとしたカービングを行なうために,例の「キャスター・ターン」を学ぶことにしました。(^I^) この日記でご紹介しているように,足裏に4つのキャスターを意識し,それに乗り続けて行く意識を持つものです。雪や斜度などの条件によってそれぞれのキャスターに伝わってくる情報は異なりますが,それを各キャスターで感知して,どちらの方向にどのように転がして行き,乗り込んで行くのか?ということが大事になります。午前中は大回り,中回りでキャスター意識を学びました。
午後は小回りをメインにキャスター・ターンを行ないました。特に大事になるのは1番のキャスターで,これを「キーキャスター」として意識することがいろいろなターンコントロールを容易にしてくれます。この1番のキャスターでしっかり雪面をホールドし自分の行き先,ターンして行く方向に進めて行きます。2番のキャスターは雪面ホールドは弱いのですが行き先案内人的な役割を持っています。この2番のキャスター…大回りではスキーのトップ近くに,中回りではビンディングのトーピースとトップの中間付近に,そして小回りでは親指の付け根付近に意識します。約雪面の捕らえ意識の8割を1番のキャスターが担当するのですが,そうすると結果的に「かかと荷重」的な感覚になります。“Iku”さんも「かかとで滑る…」という感覚は初めてのようでしたが,これに慣れてくるにつれてこの滑りの優位さが解って来たようでした。(^I^)
セントラルコースのや,たてっこの急斜面を,このキャスター・ターンで滑ってみましたが,“Iku”さんもテールで切る感覚に大分馴れられ,レッスンの終了頃には新しい感覚の切れと走りを会得されたようでした。あとはこれに磨きを掛け,より洗練させていくことが大事です。
今日は,昨日までの成果を生かし,いろいろな斜面でキャスターターンをしてみたいと思います。
では,行ってきまァーす! (^I^)
Mar./05/2003 (水) 曇り
昨日はまるで1月,厳冬期のような寒い一日で,粉雪が結構降りました。今朝は曇り空ですが,間もなくこの雲も取れ,晴れの天気に! 技術選が今日から始まりますが,予選の二日間はイイ条件で競技が出来そうです。(^I^) 選手諸君の検討をお祈りいたします。(^I^)
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さて,昨日は“Iku”さんのプライベートレッスンでした。“Iku”さんは,私のこの日記や「スキーQ&A」を毎日のよう良くご覧頂いている方で,これまで学ばれたスキー技術をもう一度原点に戻ってやり直し,さらなる上達を目指したい…ということで三日間の受講となりました。昨日はその初日でした。
先ず,お話を伺いながら滑りを拝見すると,相当滑り込まれている印象を受けました。ただ大回り,中回り,小回りで共通している滑りの特徴は「角付け主体で圧変化が急激なカービング要素の滑り…」ということでした。しかし,これまで相当勉強している様子が伺われ,滑りそのものはかなりポテンシャルの高いものでした。(^I^) 普通ならこれほどの滑りがお出来になれば,ある程度満足されると思うのですが,さらに磨きをかけたい…というお気持ちの中には「楽しさが感じられる…」という意味が込められているのではないか?という風に想像しました。この三日間で,“スキー”の本質を充分に理解され,これからのスキーライフのお役に立てるようなレッスンをさせて頂こう,と思いました。
さて,先ず“「用具の特性・身体の特徴・自然条件」を生かす”ということの中の,「用具の特性」を生かすには?ということからレッスンを始めさせていただきました。スキーが滑走中に最も安定している場所“支点”を探し,そこを中心として斜面移動することによって,スキーの前後差が生きてターンする…というスキッディングターンから始めました。その支点が土踏まずとかかとの中間,内くるぶし付近にあることを確認してから,プルークポジションの確認,プルークボーゲンの練習をしました。このプルークボーゲンには“スキー”をする上で本当に大切な財産が隠されています。プルークポジションの胸の向きとスキーの向きが作り出す角度が「迎え角」であることを確認し,さらにスピードが上がれば外スキーに圧が集中して内スキーが自然に揃うことから「シュテムターン」が起こり,そしてさらにこの迎え角があることが「基礎パラレルターン」の次のターンが始まって行く原動力になることを学びました。プルークボーゲンから基礎パラレルターンまで一貫して「迎え角」が大きな要素としてあることを確認しました。(^I^)
午後はスキッディング要素の小回りの練習をしました。小回りではこの「迎え角」がさらに大きくなり,「ネジレ-戻り」の力がターンに大きく影響することを学びました。上半身と下半身との間に「ねじれ状況を作る」というのは日常生活ではあんまりありませんが,この「ネジレ」が“スキー”では大きな意味を持ちます。これが解ればスキッディングの本質が理解できた…ということにもなると思います。自分自らの力を雪に働き掛けて行ったのではこのネジレ状況をキープする事が出来ません。あくまで位置エネルギーを使って斜面移動し,「雪の力」を利用することでこの「ネジレ状況」が自然に生まれ,これを持続できれば後はそれをいかに開放してやるか?ということになります。「引く意識」の出番です。この引く意識…スキッディングターンをやりやすくしてくれる最も効果的な方法だと思っています。雪の抵抗を受け続けることが出来れば,スキーには貴重な圧が貯まっています。後はその圧をいかにコントロールするか?になるのですが,スキーを重心方向に引き上げるようにして圧を開放してやれば,スキーは自然にターンを止め,上半身が向いているフォールライン方向に回り始めます。これが♪♪♪引くぅー…受けるぅー…引くぅー…受けるぅー…♪♪♪という,俗に言う「任せななさい・ターン」なのです。
さて,昨日の一連のレッスンでも,雪からの圧を感じるのに“オレンジ”の登場をお願いしました。他愛もないイメージなのですが効果は抜群です。足裏で感じる…“スキー”とは人間の感受性を豊かにしてくれるスポーツだなァー…とつくづく思った【TOK】でした。(^I^)
今日は昨日に引き続いて,スキッディング・ターンがどのようにカービング要素のターンへと変わっていくか?を,学びます。
では。行って来まァーす! (^I^)
Mar./04/2003 (火) 吹雪
今日は寒い朝を迎えました。技術選の競技役員…昨日は雨の中,今日は吹雪の中…コース設定に大変ですが頑張っています。出場選手が実力を遺憾なく発揮できるように…。(^I^)
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さて,昨日は“Miw”さんのプライベートレッスンでした。毎年滑りを拝見しているのですが,今年は「来年の準指・テクの受検に向けて頑張っているつもりですが、今のところ絶不調…。その原因を見ていただきたいと思っています。また合理的なコブの滑り方も…」という E-mail を頂いておりました。
昨年は,大回りと中回りではクロスオーバーとエネルギーラインの練習を,小回りでは上体と下肢のねじれに気をつけて滑る練習をしました。
今年の絶不調…と仰るすべりを拝見すると,軸がやや寝ていて,角付け操作主体の滑りになっています。これでは整地ではなんとか滑ることは出来ても,悪雪やコブ,軟雪ではスキーのトップが逃げてしまったり,横への動きになってしまい,ターン円弧をきれいにキープすることが出来なくなります。絶不調の原因は,一昨日のバッジテストの受験生と同じで,「傾け操作とトップでの雪面の捕らえの過多」にあると判断しました。
そこで,午前中は「キャスター・ターン」の練習を通して,エッジで捕らえるものから面で捕らえるものへと,雪面抵抗の捕らえ方の意識を変えることにしました。さすがに“Miw”さん…準指・テクの受検を目指しているだけあってポテンシャルが高く,スンナリ「キャスター意識」を自分のものとされ,面で捕らえる感覚を修得されました。(^I^) 軸が起き,いままで微妙な狭い角付けバランスに乗っていた滑りが,面に乗る滑り滑りに変わってきました。その結果,腰高な舵取りが可能になり,クロスオーバーも右図の二輪(1-2ライン)から四輪全部(1・2・3・4)に乗る感覚で,クロッシング的になってスムーズに行なうようになりました。
午後からはさらに「走る滑り」を目指し,「かかと支点」の滑りに挑戦しました。同じキャスターでも,1のキャスターに多く乗る感覚を養うものです。1に80%,2に20%くらいの割合でキャスターに乗り続けて行くことで,より支点を「かかと」にキープできるようになります。この特徴として「角が過度に立たなくなる」,「自分から雪に仕掛けにくくなる」という大きな効果が得られます。さらに,「1-3を軸として足首を蝶番のように使うことが出来る!」という絶大な効果も!
大回り,中回りではこの滑りが出来るようになり,粗踏み条件の雪やコブの混じった不聖地斜面,急斜面で素晴らしい滑りをみせてくれました!(^I^)。 問題は「小回り」で出て来ました。(=_=;) 昨年同様小回りでストックワークをすると,上半身までスキーの方向に回りこんでしまい,せっかく出来た上体と下半身の「ネジレ」が雲散霧消してしまうのです。(=_=;) “Miw”さん…実はこれがまだ直っていなかったのです…。せっかくイイ感じで舵取りをして来ているのに,ストックを突くことで上体が回ってしまう…。ご自分ではやろうやろうと思っているし,一生懸命上半身が回りこまないように注意しているけれど…クセが出てしまう。頭でなく,体が悪いクセを覚えてしまっているのです。長年かかって出来上がった「クセ」を直すことの大変さを,またまた感じることになりました…。(=_=;) そこで,「自宅で出来る矯正方法」を雪上のレッスンが終わってからスクールに戻って伝授しました。一日10分間,トレーニングを兼ねて「ネジレ-戻り」体操をしてもらうのです。一度身に付いてしまったクセ…直すの,本当に大変です。さぁて,来年はこのクセ…直っているだろうか?
“Miw”さん! 死ぬ気で頑張ってね!…(冗談) 雨の中お疲れ様でした!
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さて,過日,今年ある県の代表として,技術選の本選に出場が決まった“S”君のことについて触れましたが,その“S”君…SL競技で片反で足首と膝をねじってしまったようです…。大会には出るようですが…彼本来の滑りが見られなくなりそうで残念です。(=_=;)
Mar./03/2003 (月) 曇り
今日は曇り空の白馬です。寒気が南下しているようで,寒さがぶり返すようです。
さて,いよいよ技術選が始まります。各地から選手が集まってきていて活気が感じられます。ことしはどんなドラマがあるのでしょうか?(^I^)
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さて,昨日は「バッジテスト」の検定員でした。午前は2級の実践種目テスト,午後は1級の規定種目テストの検定を行ないました。
午前は13名の受験生の「スキッディング要素」の滑りを基本としたテストを行ないました。少し暖かかったので雪が溶け,滑りづらい雪になりましたが,受験生の方々は一生懸命与えられた課題をクリアしようと頑張っておられました。2級合格の65ポイントレベルは,スキーの前後差を生かし,斜面移動が出来るかどうか?にかかっています。そしてどの方向からどれくらいの抵抗を受け止めているか?ということが意識できればポジションも自然に生まれ,スキーがたわめばカービング要素での滑りも可能です。おのずとポイントも66〜67…と高くなるわけです。多くの受験生の方は,検定の最中に少しづつスキッディングの意味を理解され,3種目の演技をこなされました。
午後は1級の規定種目テストでした。雪がザクザク状態になったのと,少しコブも出来た関係で,「角付け重視の滑り」では,足元が横方向にすくわれたり,コブでスキーが横方向に跳ね飛ばされたり,内倒過多で内スキーに乗らざるを得なくなったり…等の現象が見られました。合格点の70ポイントやそれ以上の高得点を出せた人の滑りは「面をうまく使った滑り」が出来る人でした。また「“支点”と“作用点”意識」を持たないと,トップが食い込み過ぎて,体が前につんのめる滑りになる人も見られました。ザクザク雪でのカービング要素…テールで切る意識が大事なことを痛感した検定でした。これは大回りだろうとリズム変化だろうと共通して言えることです。「傾け操作」と「トップからの雪面の捕らえ」の滑りが昨日のようなバーン状況では通用しない事をあらためて感じました。
雪の状況,自然条件がいかに幅広いスキー技術を要求しているか?ということを思い知らされた【TOK】でした。(^I^)
Mar./02/2003 (日) 晴れ
今日はイイ天気になりました。風が少し心配ですが…。
さて,技術選に参加する選手が結構飛ばしています。スピードをコントロールできなくて,衝突…などという選手も居るようです。もらい事故にあわないよう注意しましょう!(^I^)
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さて,昨日は「バッジテストスペシャル・1日コース」の担当でした。私の担当は7名で,今日受ける人も数名居られましたが,次回あるいは近い将来受けてみようと思っている人も…。
午前は先ず規定種目の「スキッド+カービング」要領を学ぶため,その前提としての「スキッディングターン」について学びました。単純には,スキーの前後差を利用し,斜面移動によって得られる抵抗を受けてターンすることなのですが,これが出来ない人が結構居られます。特にカービングタイプのスキーを使われる方に…。そこで“オレンジ”を足裏に意識し,そこから果汁が体に掛かって来るイメージの練習をしました。ほとんどの方が「角を立てる」意識が強過ぎ,ズレに乗って行くことが苦手でしたが,“オレンジ”を意識することで,少しづつ「ズレの本質」を理解されたようでした。
午後は実践種目の「カービング要素」の練習をしました。スキッディングで斜面移動して行った結果,スキー板がたわみ,トップの受ける見かけ上の迎え角と,センター部分やテールの迎え角に差が出来ることによって,カービング要素のターンが始まることになります。ですから先ず最初に「たわみ」があって,その次にたわみを生かすための「角付け」が必要になる…という風に考えた方が良いでしょう。ところがほとんどの方が「角付け」が初めにあり,その角付けだけで二本の線を残すような滑りをしようとしたがります。しかし,この滑りは重心位置を下げることになり,「疲れる」「傾け角が調整しにくい」「クロスオーバーに時間が掛かる」…などマイナス要因が多くなります。線で滑るよりも面で滑るカービング要素の方が評価が高くなる理由はそこにあります。
午後2時間かけて,大回り,中回り,総合滑降の種目の中で,角付けだけに頼らないカービング要素の練習を行ないました。この練習には「キャスター・ターン」が適していますので,これをキーワードにしました。生徒さんから,このキャスター意識は「ただ乗っているだけでは?」というご質問がありましたが,そうではなく,逆に積極的に場所移動を行い雪面抵抗を求めて行く滑りにつながるものです。何か動作を起そうとする動き,つまりAction(作用)は必ずバランスを乱す要因となるReaction(反作用)を生じさせます。“スキー”というスポーツの大きな特性,落下エネルギーを利用したスポーツ…という観点からも,できるだけ自ら雪面に余分な働きかけをしない,ということが大事になります。
雨模様の天候の中,みなさん熱心に私のレッスンを受講して頂きました。直ぐに合格!という特効薬は実はありません。バッジテスト受験を通して,合理的なスキーとはナニか?ということを考えていただければ嬉しい…そう思った【TOK】でした。(^I^)
Mar./01/2003 (土) 曇り
今日から3月…。今月もいい月でありますように!(^I^)
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さて,昨日は“Ide”さん,“Yana”さん,“Kami”さんのプライベートレッスンでした。みなさん,スキー技術に磨きをかけることと,1級合格に向けてのノウハウを学びたい…ということでのレッスン受講でした。
皆さんの滑りを拝見すると,雪面抵抗の受け方と,クロスオーバーに共通の難点がありました。強い抵抗を求めようとし過ぎるため,角付けが強くなってしまって軸が寝過ぎるのと,その後の角付けの切り換えがうまくいかないのです。そこで素直に雪面から抵抗を感じ取る練習を「キャスター・ターン」で行うことにしました。自分から圧を加えるのと,雪の抵抗圧を受けてターンするのとでは大きな違いが生まれます。キャスターターンで,自分から仕掛けなくてもスキーがターンしていくことを午前中かけて学びました。内側二輪意識から,ニュートラルに移行する時に四輪意識を持つことでクロスオーバーもうまくいくようになり,大回り,中回りは全員がうまく出来るようになりました。
午後は小回りの練習から始めました。小回りでは支点を“かかと内側”に意識し,その一輪のキャスターだけで斜面移動する感覚を学びました。外足の「かかと内側一輪キャスター」は皆さん初めての体験でしたが,次第にその感覚に習熟され切れる小回りが出来るようになりました。
その後,かかとのキャスターが大回り,中回りでも大きな役割を果たすことを学びました。運動する物体はスキーだけに限らず,弓矢にしても,飛行機にしても,F1のレーシングカーにしても,物体の後部がしっかりとホールドされていることが大事です。その意味ではスキーもテールがしっかりしていないとフラフラしたターンになってしまいます。今回の皆さんにも,かかと支点の大事さを感じていただきました。洗練されるまではどことなく窮屈かもしれませんが,これに慣れると「テールで切る快感」が身に付き,あらゆる斜面で臆せず滑ることが出来るようになります。レッスンの終了頃には全員の方が悪雪の中をスイスイ滑られるまでになりました。(^I^) この滑りにさらに磨きをかけられれば,1級合格も間もなくです!がんばって下さい!(^I^)
昨日も「キャスターの後輪の大切さ」を学んだ一日でした!(^I^)
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