January
2002

八方尾根スキースクール教師【TOK】の個人的な日記です。興味のある人はどうぞご覧ください。(^I^)  
          
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 What's Today ?

What's Today ?

01/31 滑走イメージの豊かさ
01/30 
ビール談義とスキー
01/29 
スキーの“達人”
01/28 転倒で上達!
01/27 従来技術からの脱却
01/26 スキーは楽しい!
01/25 足裏感覚の大切さ
01/24 きめ細かいレッスン
01/23 変貌が楽しみな生徒さん
01/22 悪雪は上達の早道
01/21 頂いたエネルギー
01/20 任せる快感
01/19 【Letスキー】は楽しい
01/18 トレーン長記録?
01/17 ヒヨッコの【TOK】
01/16 風流スキー…?
01/15 再び…用具選び…
01/14 
感性を磨く
01/13 感じるスキー
01/12 合理的なスキー操作
01/11 口ずさみ演技
01/10 再び…ルールとマナー
01/19 用具選びは大切!
01/08 スキーは心…
01/07 準指検定スペシャル
           二日目
01/06 準指検定スペシャル
           一日目
01/05 雪からのプレゼント
01/04 嬉しいお顔
01/03 模擬試験
01/02 引出しの数
01/01 擬音ターン


  ***
     これまでの日記  
           ***

教師日記 2001年12月
教師日記 2001年11月
教師日記 2001年10月
教師日記 2001年9月
教師日記 2001年8月No.2
教師日記 2001年8月No.1
教師日記 2001年7月

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教師日記 10月

教師日記 9月 #2

教師日記 9月 #1

教師日記 8月 #2

教師日記 8月 #1

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教師日記 6月

教師日記 5月 

 

 

 

 

 

 

 


1/31 (木) 小雪
  昨日は雪も上がり,イイスキー日和になりそうでしたが…結局雪でした。今朝も小雪が舞う天気です。
  数えてみたら1月の「晴れ」は8日ありました。そんなにあったかナァーー?と思うのはどうしてなんでしょうか?

  さて,昨日は“Iwas”さんのプライベートレッスンでした。1級合格を目指されている方です。これまで数度受験されたとのことですが惜しいところで涙をのまれたようです。
  滑りを拝見すると,ややターン前半に雪面の捕らえ方で難がありました。また小回りが少し苦手…ということでした。そこでスキーに大事な「身体の特徴・用具の特性・位置エネルギー」の三要素”を生かす滑り,を目指してレッスンを行ないました。
  午前中はスキッディングとカービングの成り立ちとその違いについて考えました。かなり滑っておられるので,基本的なことを中回りで確認し,それを通称「タテッコ」(パノラマコース下部のゲレンデ)で実践してみました。急斜面ですが整備が行き届いていて気持ち良く滑れました。“Iwas”さんも「カービングでは角付けよりもたわみ優先」の意識を持つ…という練習でターン前半の雪面の捕らえ方が良くなりました。あれくらい急斜面でターン後半に圧力が集中しないで済むのは,ターン前半の処理が良いからだということを実感されたようです。
  午後は苦手とおっしゃる小回りを練習しました。良くあるパターンですが,ターン後半で角付けを強めてしまい過ぎるため,身体が内側に残り,クロスオーバーができにくい滑りをされていました。この修正には主に三つの方法があります。ひとつは左右の圧配分を「100-0」から徐々に「90-10」,「80-20」…「50-50」という感じでニュートラルポジションに持っていく意識を持つことです。私はこれを「エネルギーの左右へのバトンタッチ」と言っています。二つ目は,クロスオーバーをそれまでターンをリードしてきたスキーに対して行なう意識,を持つことです。三つ目は「ズレ」をしっかり意識し「切れはズレで起こる!」ということを学ぶことです。結局“Iwas”さんは最後の「ズレ意識」で小回りのコツをつかまれました。これまでは,切ろう切ろうという意識,あるいは圧を貯めてそれを一気に開放…という意識があり過ぎたのだと思います。「ずれて行けばイインダ!」ということに気付かれた“Iwas”さんの小回りは滑るごとにスムーズになられました。(^I^)
  
  昨日は練習パターン,イメージの多さがいかに滑りを変える上で大事か…ということを,再確認させて頂きました。“Iwas”さん,ありがとうございました。 またご一緒しましょう。 1級受験…楽しみながら最善を尽くしてください。 応援してます!。(^I^)


1/30 (水) うす曇
  昨日までの雪が上がり,晴れ間が出てきました!。今日はイイスキー日和になりそうです。
  そう言えば,もう明日で1月も終わりですねぇー…。冬のシーズン,特に日の経つのを早く感じます。

  さて,昨日は“Yamam”さん“Yamas”さん“Tab”さん,三人グループのプライベートレッスンでした。
  テクニカル,及び1級合格を目指している方々で,それ向けてのレッスン…ということでした。
  「身体の特徴・用具の特性・位置エネルギー」の,スキーをする上で大事な三要素を生かすためにはどうしたらよいか?ということを中心にレッスンを行ないました。例によって,初めはスキーの性能を引き出すための「支点」探しから始めました。その後,スキッディング,カービング…とその基本的考え方を解説し,円弧をキープし好きな時に次のターンに入っていくためには,常に雪からの力を受け続けなければならないことを学びました。  午後は,午前中の基本的な考え方を生かし,いろいろなターンについてそれを応用してみました。カービングターンでは,「支点」の他に「着力点」を意識した方が円弧のコントロールが容易なこと,ニュートラルへの抜けではどちらのスキーに対してクロスオーバーを行なっているか?という意識が重要なこと,…が主なテーマとなりました。
  “Yamam”さんは,かなり滑り込んでおられ,大回り,中回りは本当に良い滑りをされておりました。ただターン中盤から後半にかけて重心位置が少し高いため,ヒザを有効に使われず,やや力が内側に逃げてしまう傾向がありました。エネルギーラインの長さを意識で切れば,さらに一段飛躍すると思います。(^I^)
  “Yamas”さんは,非常に器用な方で,足裏感覚も優れており,ターン各局面における圧の調整,エネルギーラインの作り方がしっかり決まってきました。雪の抵抗を受けてターンする…という意味も理解されたようです。  “Tab”さんはこれまでモーグルなど,スキーを振り回す滑りをメインにやって来られたようで,雪の力を利用することが苦手でしたが,後半は圧の蓄積と開放がうまくできるようになりました。あとは,足裏感覚を常に意識して滑ることが,さらなる上達の秘訣だと思います。
  寒気に覆われ,大変寒い中でのレッスンでしたが,楽しく過ごさせて頂きました。ありがとうございました。
  人それぞれの滑りがあるように,世界各国で作られているビールも,それぞれの特徴があるからこそ楽しい…夜の「メルツェン」でのビール談義も楽しかったです! またお会いしましょう! (^I^)


1/29 (火) 雪
  昨日からのゆきが降り続いています。屋根雪が玄関先に落ちて雪が多く,今朝は別の非常口から出て行かなければなりません。雪国には雪国独特の生活があるなぁー…とつくづく思います。(^I^)

  さて,昨日はスキースクール業務でレッスンは一日お休みでした。
  3月中旬に行なわれる「リーゼンスラローム大会」の競技役員,主審を仰せつかり,昨日はその会議がありました。こういう時勢で年々参加者が少なくなっているのですが,約500名の選手が各クラス別に出場します。各クラスごとの選手のスタート順を,過去の成績や他の大会での実績を踏まえて決める「ドロー会議」でした。あと約45日後の大会が成功する事を祈りながらの会議でした。

  夜,昨日行なわれた「テクニカル・クラウンプライズテスト」を受験し,残念ながらクラウン合格が果せなかった“Mar”さんが「メルツェン」に来てくれました。
  その検定の様子を聞きながら,クラウン合格の技能程度…について話しました。以前にも書いたのですが,技術的に優れていて,どのような斜面もこなせ,滑りに安定感があって美しい…というのが必要ですが,それとともに「そのスキーヤーの個性」が出ていることが大事ではないか,という話になりました。その人の生活スタイルや人生観が“スキー”の滑りに反映され,独特の雰囲気を持っている位でないと難しいのではないか…。シャープな滑りだけでなく,スキーヤーとして“達人”的な風格が備わっていないと,“スキー”の技術の最高位,これ以上のスキーヤーは居ない…というレベルの“クラウン”の称号はいただけない…。そんな事を話したのでした。

  クラウン合格! まさに「スキーの“達人”たる証」なのです。


1/28 (月) 雪
  昨日はひょっとすると雨も覚悟かと思いましたが,おかげさまで午前中に少し湿った雪が降り,その後は吹雪き模様に変わり,スキーにはそれほど支障ない天候でした。(^I^) 今朝はその冬型がまだ続いています。

  さて,昨日は“Fujスキー協会”の皆さんのプライベートレッスン二日目。「ターン舵取りからニュートラルへの抜け」,「ニュートラルから舵取りの入り方」そして,「舵取り期でのエネルギーライン意識」の三つをテーマに学んでいます。
  昨日の初めは「支点」探しから…。「雪面からの圧」を感じ取る練習には欠かせないものです。スキーが最も安定する場所…そこを探しながら滑ることで“感じる”ということの本質を考えてみました。「与える圧」と「やって来る圧」があることが解かれば「支点探し」は大成功です!。一昨日落ちて行くことの感覚がうまくつかめなかった人,“Oka”さんもようやくこの「下から来る圧」感覚がつかめたようで,どんどん斜面を滑り降りることができるようになりました。なんとなく落ち行くのではなく,自分自ら進んで落ちて行くようになれば大成功です。
  このあと,斜面移動で雪の抵抗をもらうことを主体としたスキッディングターンとカービングターンの違いを再確認しました。このことで「ズレの延長線上に切れの滑り,カービングがある」ことを学びました。皆さん有資格者の方ばかりなのに,こんな基本的なことを申し上げて失礼かと思いましたが,この原点を忘れてのスキー指導は無い…という信念から再度確認させてもらいました。
  午後は「ターン舵取りからニュートラルへの抜け」をメインにいろいろな回転半径のターンを考えてみました。左右の圧配分を「100-0」から「50-50」に減らしていく感覚とはちょっと違った,「角付けを最大からフラットにして行く感覚」でのクロスオーバーの練習です。「圧をメイン」ではなく「角付けメイン」のフィーリング…と言った方がいいのかもしれません。角付けが少しづつニュートラルにむけて甘くなれば,結果として雪面からの圧は減って来ますので「圧の変化」につながるのですが,意識として角付けを考える…ということです。この効果は,クロスオーバーがそれまでターンをリードしてきたスキーに対して行なわれる感覚となり,次のターンをリードするスキーが雪面を捕らることを一層容易にしてくれる事です。簡単に言えばクロスオーバーがスムーズに行なわれ,ターン始動が容易になる…ということです。この練習をいろいろ斜面を変えて行なってみました。調子に乗り名木山の大回り壁でこれをやってみました。調子に乗り過ぎるとろくな事はありません。今シーズン初の「転倒!」をしてしまいました。言い訳は無用…転倒は転倒です…。(=_=;)
  …ということで,レッスンと言うよりは,ご一緒に研修させていただいた…そんな感じの二日間でした。みなさん,今度は転倒しない様最善を尽くします! …でも,転倒するということは新しいことにチャレンジしている証拠だ…という見方もあるそうで,良い方に良い方にものごとを考えた【TOK】でした!(^I^)


1/27 (日) 雪
  昨日は一日「晴れ」かと思いましたが,午前中に雲が広がりました。でも,一日中白馬の連山も見えていて,スキーには最高の日でした。さすがに今日は大きな台風並みの低気圧が日本列島を通過中ということで,雪が降っています。これが雨に変わる…との予報もあって,ちょっと心配です。

  さて,昨日は“Fujスキー協会”の皆さんのプライベートレッスンでした。昨日今日の二日間のレッスンです。皆さん準指導員,指導員をお持ちの方々で,最近の話題やこれからのスキー技術の方向などを考えてみたい…ということでのレッスンでした。
  スキー界ではいろいろな動きというか,テーマとして取り上げられている事がありますが,今回は私の感じている事をメインにお話することにしました。今回は主に三つの事を考えてみたいと思います。「ターン舵取りからニュートラルへの抜け」,「ニュートラルから舵取りの入り方」そして,「舵取り期でのエネルギーライン意識」の三つです。
  先ず「ターン舵取りからニュートラルへの抜け」では,クロスオーバーでは二本のスキーが同時に行なわれるわけではなく,左右の板にほんのわずかだけれど時間的な差があることに注目してみました。それまの外スキーに対してのクロスオーバーなのか,それとも内スキーに対してのものなのか?…ということです。この意識が有るか無いかでその後の舵取りが大きく違ってきます。外スキーに対するクロスオーバーの練習でこの感覚の違いをつかんでもらいました。
  次は「舵取り期でのエネルギーライン意識」に注目してみました。雪面コンタクトがしっかり決まっている人は,どことなく着力点とそれを受け止める身体の部位に一本のラインがあるように見えます。ところがなんとなく抵抗をつかんでいる人や,雪に自ら圧を加えている人はこのラインがハッキリしません。上手い人はターン前半からこのラインができていて,その滑りに雪との一体感や美しさを感じます。このラインはどういう意識でできるのかを研修しました。
  「ニュートラルから舵取りの入り方」が初日の最後のテーマとなりました。“ドライビングターン”イメージでスキートップでの雪面の捕らえ方と,その後の落差を稼ぐ練習をしました。この滑りでは「支点意識」と「着力点」意識が大事なのですが,これまでの滑り方のクセが抜けない人も居られました。従来の「荷重点」意識では感じられない“テコ”的な力の掛かり方を感じ取って欲しいのですが…。ズレに乗って落ちて行くことがスキーをたわませ,結果的にカービングにつながる事を知ってもらいたいと思いました。昨日は全員の方にこの感覚を得てもらう事ができませんでしたので,今日のレッスンでのメインテーマにしたいと思います。
  従来の滑り方のイメージからの脱却…難しい事だなぁー,と感じました。

  さて,今8時50分,少し雪も小降りに…なりました。 では,行って来まぁーす!(^I^)


1/26 (土) 快晴
  昨日は久しぶりの「晴れ」で,今日は「快晴」です! しかも週末,雪質最高! 言うこと無しのスキー日和です。これほど良い条件が揃うのはシーズン中何回もある事ではありません。(^I^)

  さて,昨日は“Kat”さん“Tom”さんご夫妻のプライベートレッスン三日目。
  昨日の課題は二日間で学んだ基本を実践で試すことでした。幸い快晴とはいきませんでしたが,イイ天気に恵まれ最高のツアー日和となりました!(^I^)
  先ず白樺からセントラルコース,パノラマと中回りを中心に基本練習の反復から始めました。ニュートラル後の雪面の捕らえに意識がいくかどうかが,その後の舵取りを左右するので,そのことを練習しながらの滑走でした。パノラマ下部の通称「タテッコ」では,今日から開かれる「98’Nagano Memorial 2002 Super-G」のコースを試走させてもらいました。30度〜35度の急斜面を大回りで滑る醍醐味は最高でした!(^I^) かなりのスピードが出ましたが,ターン前半での雪面の捕らえがあれば安心して滑れることを,実践で学びました。その後もう一度パノラマに上り,セントラルコースを白樺まで下りました。スキー場上部と下部の雪質とでは少し違いがあり,それを足裏で感じながらの滑走でした。名木山ではこの二日半での成果を見るためにビデオ撮りを行ないました。
  午後は上部の雲も取れましたのでビデオ撮影を兼ねながらのツアーとなりました。まず一気に第一ケルンまで上り,白馬三山に挨拶をして,さぁー滑走開始です!。スノーダストの交じるガスの中を滑る姿は,ビデオ撮影の上でも最高でした!。そして,ガスがあっても足裏感覚さえしっかりしていれば安心して滑れることを実感しました。黒菱では雪質がこれ以上望めない!というくらいの雪質で,これぞスキーの快感!を味わいました。その後,北尾根に出て,スカイライン第二リフトの線下を横切っての「粗踏み新雪の斜面」に挑戦しました。滑走中のバランスの乱れは当然のことですが,これをいかにリカバリーするか?…その為にはエネルギーラインをしっかり意識し雪面抵抗を求め続ける意思が大切…ということを学びました。北尾根滑走後は兎平に戻り「コブ」に挑戦しました。それほど深いコブではありませんでしたが,足裏を研ぎ澄ませれば大丈夫!ということを,奥さんの“Tom”さんが実証してくれました!。“Kat”さんも「初めて見た!」…とビックリした「コブクリア経験」でした! 実は,私もビックリでした!(^I^) その後パノラマでは基本練習をもう一度おさらいし,セントラルコースを経て白樺,名木山へと帰りました。途中コブの斜面を再度挑戦し,“Tom”さんの滑りがフロックでなかったことを確かめました。

  三日間のレッスンでした。初めに目指した「きめ細かいレッスン」ができたと自負しております。お二人とも私のアドバイスや解説を良く聞いていただき,本当に一生懸命新しい感覚を会得しようと頑張っていただきました。私に言わせれば,お二人の「“うまくしてもらおう”という姿勢ではなく“うまくなるぞ!”という姿勢」が,二皮も未皮も剥けた滑りに結びついたと思います。「雪の圧を足裏で感じて滑る」…このことの大切さも,再度実感させてもらった【TOK】でした!
  “Kat”さん“Tom”さん 本当にありがとう。 私のほうから御礼申し上げます。

  夜は,昼撮影したビデオを見ながら,「メルツェン」で大いに盛り上がった三人でした!(^I^)
  ホント,スキーは楽しい! 



1/25 (金) 晴れ
  今朝は久しぶりの「晴れ」です!(^I^)。天気が少しぐらい悪くてもスキーは楽しいのですが,晴れていれば,その2倍はさらに楽しい!…そんな気がします。みなさん,この週末はどちらでお過ごしの予定ですか?

  昨日は“Kat”さん“Tom”さんご夫妻のプライベートレッスン二日目。一昨日の基本ターンをベースに午前中は小回り,午後は大回りを中心にレッスンを行ないました。
  小回りでは,先ずズレズレの横移動の大きいスキッディングのものから行ないました。しっかり雪の抵抗の来る方を見据え,足裏でその圧が増減する感覚を感じ取ってもらいました。雪の力でスキーがたわみ,反発エネルギーが貯まれば,あとはそれをどうニュートラルポジションにつなげるか?ということになります。昨年までの“斜めの直滑降”意識,または今年の“エネルギーのバトンタッチ”意識を持つことで,圧の左右へのやり取りを練習しました。着力点を母子きゅう付近,受け止める体の部位をヒザの前に意識することで,よりテンポの速い小回りが可能になることも実践してみました。またニュートラルから舵取りに入る時は,“ドライビングターン”の要領,つまり,ハンドルを切ることで車の前輪がターン内側を向き,アクセルをふかす要領で落下するイメージを持ってもらうこと,で素早い雪面の捕らえも体験しました。次に,舵取り期で,移動する方向を少しづつブーツの向いている方向に意識することでカービング要素の強い小回りになることも練習しました。お二人とも雪面抵抗をしっかり受け止め,圧のやり取りも急激でなくソフトにできるようになり,自然なはずみ運動が出るようになりました。特に“Kat”さんはスキーの性能をほぼ100%引き出すような素晴らしい小回りになりました!(^I^)
  午後は大回りでした。午前中少しやった“ドライビングターン”意識での大回りから始めました。私の予想以上にこの“ドライビングターン”意識が効きました。特に“Tom”さんは足裏感覚が良く,雪からの情報をいろいろ感じ別けられるようで,自在にターンコントロールができるようになりました。ターン前半,谷回り部分の雪面コンタクトの作り方のうまさは圧巻でした!(^I^) これまで得意なのは大回りか小回りかハッキリしない…とおっしゃっていましたが,この後は「大回りが楽しい!」と笑顔一杯でした。一昨日初めて拝見した大回りで,不自然な外向傾を作っていたその姿は,もう見られませんでした。“Kat”さんはRが15か16くらいの板をお使いのため,幾分大回りでは円弧調整に苦労していましたが,角付けを微妙にコントロールすることでこれを乗り越えておられました。
  お二人の,これまでの潜在ポテンシャルが高かったので,私もビックリするくらいその滑りが変わられました。(^I^) 最終日の今日は八方のゲレンデをいろいろ巡り,二日間のレッスンでの効果を,実践で試してみたいと思います。幸い天候も最高ですので…。
  では,行って来まァァァァーーーす! (^I^)



1/24 (木) 小雪
  今朝も小雪…。晴れ予報の天気を信じて待っていたのですが…。でも,雨でなく雪です。文句は言えませんネ?(^I^)

  さて,昨日は“Kat”さん“Tom”さんご夫妻のプライベートレッスンでした。よく私のホームページをご覧頂いている方で,当面“Kat”さんは1級,奥さんの“Tom”さんは2級合格を目指していますが,これからのスキーライフに役立つ技術を学びたい…ということでのレッスンでした。昨日から3日連続のレッスンですので,きめ細かいレッスンをさせていただこうと思っております。
  先ず,初日の初めはお二人のビデオ撮りから…。三日間のレッスン終了の時に,どのように変わられたか,ビデオで見てみたい…と思ったからです。(^I^) 
  そしてその後は,「スキーの特性を活かす」…ということから始めました。その為には乗っていて最も安定する「支点」探しが大事になります。この支点もアバウトな捉え方でなく,この斜面このスピードではここしかない!…という点をピンポイントで見つけ出すことです。このエリアが広いと広いほど,リカバリーに結びつく焦点がボケることになります。狭ければ狭いほど,ちょっとその位置がずれただけで,「元に戻そう」という意識,リカバリー意識が常に働く事になり,バランスが乱れません。
  この支点探しの後は,その位置に「オレンジ」を意識することの練習でした。たわいもないことのようですが,このオレンジ…かなりの効果があると思っています。このオレンジの形を足裏に意識することで,「支点・圧の量・迎え角」を一気に意識する事ができるのです。実は
“Kat”さんは右ターンでどうしてもスキーに乗り切れない…という悩みをお持ちでしたが,このオレンジターンの練習でそれがスンナリできるようになりました。午前中は,オレンジターンを中心としたスキッディングの意味を考えながらのレッスンでした。
  午後はカービングターンについて考えてみました。スキッディングとカービングの違いは? どうしてカービングターンが起こるのか? カービングターンの優位性は? カービングの導入方法は? スキーをたわませることの意味は? 着力点とは?…ということを考えながらレッスンを進めました。寒い中でしたが,最も基本的なカービング要素を,中回りを中心に,パノラマゲレンデ,リーゼンコースを使いながら行ないました。初日のレッスン終了の頃には,お二人とも雪の抵抗を感じ取るコツをつかまれ,躍動感のある滑りになられました。
  午後のレッスンの最中,「マルティン・グガニック率いるスキー教師研修班」の滑りを目の前で見る機会に会いました。彼の迫力ある滑りに見とれながら,彼も「“斜面移動で雪から来る圧を最大に活かしたターン”を心掛けている…」と語っていたことをお話したのでした。
  
  二日目の今日は昨日の練習を軸に,いろいろなターンを経験しようと思っています。
  では,行ってきまァーす! (^I^)



1/23 (水) 小雪
  今朝も小雪が舞っています。おかげさまでゲレンデの雪は心配ありません。昨日のスカイラインは「新雪・深雪の旬」だと,妻は申しております。(^I^) 私も行けば良かった!

  さて,昨日は“Tut”さんのプライベートレッスンでした。“Tut”さんは私のホームページをよくご覧頂いている方で,ご専門は物理系のお仕事をされている方です。すでに2級をお持ちで,常々私がホームページ上でお話ししていることを実際に雪上で確認し,これからのスキーライフに生かしたい…というご希望でした。私も元々理科系の出身ですので,大げさに言えば物理的な視点からスキーの運動をどうとらえるか?的なレッスンとなりました。
  まず初めに「身体の特徴・用具の特性・位置エネルギー」の三要素”をうまく使う…ということからお話しました。用具の本来持っている性能を引き出すにはどういった考え方をしたらいいか?ということから「スキッディング」は“スキーの前後差”,「カービング」は“スキーのたわみ”と“スキーの角付け”…という基本的なことを考えてみました。
  “Tut”さんは毎週のようにお近くのスキー場に通っているだけあって,「スキーの運動ポテンシャル」はかなりのものがありました。私がお話することを次から次へと身体で表現することがおできになりました。午前中は前述の基本的なことを学びましたが,圧の左右へのやり取りでは,ストレッチング的なものもベンディング的なものも自在に操ることができました。(^I^)
  午後は午前中に学んだことをいろいろな斜面やターンで実践してみました。大回り,中回りは基本的な滑りは直ぐクリアされました。ただ小回りでは「支点」と「着力点」が,やや後方に遅れ気味になり暴走気味になる事が気になりました。お使いの板のトーションがやや弱い感じがしましたので,私の板をお使いいただきましたところ,幾分改善はされましたが,時々気を抜くとやはり俗に言う後傾気味になりました。後傾になる原因は「エッジを立ててスキーを止めようとする意識が多い」ことと,「身体が伸び気味でヒザをうまく使えない」ということが多いのですが,“Tut”さんは後者の方でした。ストックを短目に持って重心をやや低めに設定して滑ったところ,エネルギーラインが2次元的横方向から3次元的縦方向に変わり,小回りでのエネルギーの貯めもしっかりできるようになられました。(^I^)
  “Tut”さんの技術ポテンシャルが高かったので,お伝えしたいことがたくさんあり,幾分まとまりの無いレッスンになったかもしれませんが,技術の引出しを整理して頂いて,これからのスキーイングの参考にしていただきたいと思います。また私のレッスンでの造語,パワートライアングルとか着力点などが「物理的」に適当でないものがあればご指摘いただければ幸いです。(^I^)

  久しぶりに物理の教科書を思い出しながらのレッスンでした。
  “Tut”さんのご成長というか変貌が楽しみな【TOK】です。(^I^)


1/22 (火) 小雪
  昨日は雨とみぞれで最悪のコンデションでしたが,その天候が雪に変わりました。平野部は薄日も射して来ましたが,ゲレンデは雲の中です。

  さて,昨日は“Nis”さんと“Mae”さんのプライベートレッスンでした。
  “Nis”さんはテクニカル,“Mae”さんは1級合格を目指されている方で,毎年レッスンをさせていただいている方々です。
  雨雪混じりの雪質で,条件は良くありませんでしたが,先ず「支点」探しから始めました。この練習では,ほとんどの人が足裏に神経を注ぐため,抵抗を受ける意識のターンをします。この延長線上に実は【Letスキー】の極意が待っているのです。(^I^)
  これに続いて,着力点と重心を結ぶ「エネルギーライン」をイメージした練習を行ないました。お二人ともかなりの滑り込みをされていたので,このラインを意識することで,自分から雪に働きかける動きが少なくなり,動作が下から起こるようになりました。
  次にニュートラルへの入り方ですが,ここで“Mae”さんがどうしても圧を上方に抜くストレッチ的動きになってしまいます。これでは次の舵取りが遅くなってしまいますので,ベンディングの練習を行なうことにしました。この圧を腰の下に引き込む感覚は,一度覚えてしまえば「ナァンダこんなことか…?」ということになるのですが,この感覚がスンナリわからない人も良く居られます。その前の舵取りでエネルギーが充分蓄積されていることと,その圧を腰の方向に引き込むようにしてニュートラルに入ることが大事なのですが…。結局午前中約1時間かけての練習になりました。(^I^)
  午後の練習の前に,ビデオを見ながら「エネルギーライン」と「ベンディング」のイメージをつかんでもらい,椅子を左右の手で支えにしながら,腰に足を引き込む要領の練習をしました。これが生きたのか,その後雪上での練習ですぐに圧を引き込むことができるようになりました。(^I^)
  続いて,エネルギーラインの着力点とそれを受け取る腰やヒザの位置をいろいろ組み合わせることで,いろいろなターンを経験してもらいました。雪が湿っていて大変でしたが,こういう時こそ圧のやり取りが大事になります。名木山の大壁で“Nis”さんは素晴らしい中回りを披露してくれました。(^I^) 圧の蓄積とそれをどのようにニュートラルにつなげるか?がポイントでした。それさえうまくできてしまえば,次の舵取りはかなりの余裕を持って行なうことができます。
  「エネルギーライン」のイメージと「圧の調整」…このことの重要性と,「
悪雪は上達の早道」ということを感じた一日でした!
  天候も悪く,重い雪の中…本当にお疲れ様でした!(^I^)


1/21 (月) 曇り
  三日間続いた晴天も終わりを告げ,曇り空の白馬です。これから雨になるかも…という予報ですが,できれば雪になって欲しい…そんなことを思っています。
  
  さて,昨日は「SALOMONカービング体験&レッスン」第二回目の二日目でした。
  快晴のイイ天気でしたので,昨日おさらいした「オレンジターン」をベースに,ロングコースを巡りました。先ず手始めに標高1850メートルの第一ケルンまで上り,白馬三山をはじめ,後立山連峰,妙高連山,吾妻高妻,戸隠,志賀高原,猫岳,浅間,八ヶ岳,中央アルプス…と,360度の景観を楽しみました。雪質は硬く,アイスバーン状態の所もありましたが,支点にオレンジをしっかり意識することでスキーが安定することを実感しながらのツアーとなりました。カービングスキーのトーションが適度に雪を捕らえ,スキーに任せることの大事さを皆さん感じ取られたようです。(^I^) いくらカービングスキーを履いているとはいえ,ご高齢の方にはこれほど雪が硬いと,かなり苦労するかな?…と,思っていましたが,思いのほか安定していて,わたし自身少しビックリしました。
  北尾根の緩中斜面ではカービング要素の強い滑りを体験してもらいました。エネルギーのバトンタッチ意識をしっかり持つこと,そして先ず横方向に出て行き側圧を受けること,次に少しづつ迎え角意識を側方からスキーブーツの向いている方向に変えて行くこと…。これでターン中盤から後半に掛けてスキーがスゥーーーっと走る「カービング体験」をして頂きました。みなさんご高齢にもかかわらず,スケートのように切れる滑りを楽しんでおられました。(^I^)
  午後は名木山から兎平,パノラマ,黒菱,リーゼンコースと回り,この二日間で学んだことを実践してみました。“川の流れに逆らわずに流れる「木の葉」の心境で滑る”というお話をさせていただいたところ,「これはイイ!」との感想も頂きました。3時半,今回も無事に,楽しくレッスンを終えることができました。

  火曜日から日曜日まで六日間,
実年・40歳以上」の方を対象とした,近畿日本ツーリスト主催 「SALOMONカービング体験&レッスン」を担当させて頂きました。お一人の怪我人もなくレッスンが終了しました。そしてまた今年も皆さんから大きなパワーを頂きました。
  “H”さんは74歳のお年ですが毎回参加される度に,ハッキリした上達が見られます。聞くところによりますと夏は毎日身体を動かされ,ウエイトトレーニングもされているとのことです。私も負けていられません。
  女性の“K”さんは67歳だそうですが,その身のこなしは若い女性に負けませんでした。実に素直で,雪の抵抗を受け止める滑りを疲労してくれました。力だけでない雪との調和を感じさせる美しいスキーイングでした。
  “Y”さんは6?歳の方ですが,スキースクールの教師顔負けの鋭いカービングターンを見せてくれました。そして何よりも感心したのは,他の皆さんに対する思いやりでした。グループの方にはモチロン,関係のない他のスキーヤーでも,転倒して困っておられる方が居れば,立ち止まって助けておられました。むかしは良く見かけたこのような姿ですが,最近は見られなくなりました。“Y”さんはこれを実践されておられました。久しぶりに感動を覚えました。
  他にもたくさんの方に多くの事を学ばせてもらいました。「お教えすることは学ぶことなり…」のことわざを今一度噛み締めた【TOK】でした。
 
  皆さん,本当にありがとうございました! (^I^)  また来年元気でお会いしましょう!


1/20 (日) 快晴
  今日で三日連続のイイ天気です! この火曜日,水曜日…雨に合われた方には申し訳ないような天気です。この週末スキーにお出かけになられた方は幸せですね!(^I^)

  さて,昨日は「SALOMONカービング体験&レッスン」第三回目の初日。今回は週末のせいもあって,参加者は24名でした。毎回のようにクラス別けから初め,私の担当する1班は14名の編成になりました。
  例によって,スキーに乗っていて最も安定する場所「支点」探しから始めました。この安定する場所探しで最も効果があるのは「探そう…」という意識があると【Let】的になる,ということです。情報を,雪面→スキー板→足…という風に感じ取ろうとしますから,【Do】的な動きが出ません。生徒さんは過去にスキーを何十年も経験されていますから滑走感覚は豊かです。そして,二三回のトレーンで,自分からスキーを動かさなくても,支点を探しているだけでターンできていることに気付きます。皆さんのお顔が「アレレ?…」という顔つきなり,「これはちょっと今まで体験してきたスキーとは違うぞ…?!」という表情になります。これが体験できると,その後のレッスンに興味が湧きます。今度はどんな新しい感覚を味わえるんだろう?という風に興味を示すようになります。
  あとは,スキーのトップの長さとテールの長さの違いを生かした「スキッディングターン」と,スキーのたわみとサイドカーブを生かした「カービングターン」の特質をお話しするだけです。これまで体験されてきたスキーと根本的に違う感覚は,「体を使ってスキーをする」から「雪の力でスキーをする」ということです。「任せる」ことが「快感」として感じられるようになるのです。
  昨日はその後,「オレンジ」を支点に意識することで圧変化のイメージを学んでもらいました。今日はこれを進めて「どんな形にオレンジがつぶれているか?」をイメージアプする練習から始める予定です。
  今日は天気も最高ですから,私も楽しみながらレッスンをさせていただきます。
  では,行って来まァーーーす!(^I^)



1/19 (土) 晴れ
  今日も昨日に続きイイ天気になりそうです! まだ朝のうちは平野部の上空に雲がありますが,この雲…風とは関係のない雲のようです。晴れていても,平野部に雲がある時は強風の兆候なのですが,今日は大丈夫でしょう。

  さて,昨日は「SALOMONカービング体験&レッスン」第二回目の二日目でした。前回同様,「自分から雪に働きかけず,雪から圧をもらってターンする」…ということをメインにお話し,トレーン主体のレッスンを行ないました。各トレーンごとにテーマを設け,そのことに集中する…というやり方です。足裏にオレンジを意識すること,スキーのどこで雪の圧を感じるかということ,貯まった圧を次のターンにつなげるためにはどういう意識を持ったらやりやすいかということ…等をテーマに解説しました。
  天気も良かったので,午前はゴンドラで兎平へ上り,黒菱に出て,スカイライン,北尾根,咲花,白樺,名木山と巡りました。午後は再び兎平からパノラマ,リーゼンコース,そして名木山,白樺と,いろいろな条件の斜面を楽しみました。上部はアイスバーン状態,山麓はややザラメ状態でしたが,みなさん「雪を感じるスキー」でロングコースを堪能していただきました。
  考えてみると,みなさん「実年・40歳以上」の方々ですので,レッスンで私がお話したことは,昔習った「テールを押し出せ」,「外向傾を作れ」,「ズレずに切れ」…ということと全く逆の意識でのスキーです。初めはキョトンとした顔をされていましたが,長い距離を滑ってもあんまり疲れず,アイスバーンでも安心していられ,滑走の快感を味わうことができる【Letスキー】的滑りは,最後には皆さんに歓迎されていたようです。(^I^) 「スキーは疲れる…という感じがしなくなりました。カービングスキーを使えば楽に滑れるので,再びスキーを本格的に楽しんでみようかな…と思います」というコメントも頂きました。
  お年を召された方々は,若い人たちに比べると体力的なこともあってスンナリ【Letスキー】的感覚に入ることができます。モチロン【Doスキー】的な運動もスキーの楽しみではありますが,それだけでなく【Letスキー】の持つスキーの魅力も偉大だなぁー…と思った【TOK】でした。(^I^)
 
 みなさん! また来シーズンお会いしましょうね! (^I^)


1/18 (金) 快晴
  今日はイイ天気になりました! 二三日前の天候がウソのようです。(^I^) 曇る日があれば照る日もある…よく言ったものです。

  さて,昨日は「SALOMONカービング体験&レッスン」第二回目の初日でした。今回は44名の方が参加され,その方たちを3班に分けることから始まりました。人数の多い班は約20名を担当することになり,昔のレッスンを思い出しました。最近は多くても7〜8名のレッスンです。その前,スキー人気が絶好の頃は15,6人を担当していました。(^I^) いろいろなスキーヤーに共通のテーマを探し出してレッスンをしなければならないので教師の腕が試されます。他の先生方も大奮闘でした。
  さて,私の班は10年以上経験のベテラン組です。先ず,スキーの持っている特質を生かす滑り…ということを考えながら滑っていただきました。カービングスキーを使う前の滑りには精通している方が多いので,カービングの特質についてお話しました。ゲレンデがアイスバーン状態でしたが,トーションが以前のスキーより強いので雪面ホールドが良く,「カービングスキーはアイスバーンでも安心して乗っていられる…」という感想を頂きました。確かに,雪面ホールド,という面では以前のスキーに比べものにならないくらい改善され,アイスバーンでの安定感は増しました。
  生徒さんの数が多いので,トレーン主体のレッスンとなりました。レッスン終了後スキースクールに戻ったら,「リフト降り場から乗り場まで,長がぁーーくつながったトレーンをしてましたネ…!?」と冷やかされた【TOK】でした。
  さて,今日は天候もいいし,八方の醍醐味を皆さんに味わってもらおうと思います。
  では,行って来まァーーす!。(^I^)



1/17 (木) 曇り
  昨日も一日雨でした…。スキーを楽しみにお出での皆さんには本当にお気の毒な天候でした…(=_=;)
  今朝は曇り空で少し気温も下がってきました。午後からは雪マークが出ています。

  昨日はその雨の中,実年・40歳以上」の方を対象とした,「SALOMONカービング体験&レッスン」
の二日目でした。みなさんご高齢の方々なのに,スキーをしたいという熱意は雨をものともしませんでした。結局雨の中,午前2時間ビッチリ,そして午後は1時間15分のレッスンとなりました。さすがに午後は雨足も強くなり,これ以上雪上でレッスンすると健康に良くない…と私が判断し,レッスンを約45分早く切り上げさせていただきました。
  午前は自動車の運転をイメージした「ドライビングターン」から始めました。多くの方が昔スキーをやられた方で,【Doスキー】的な動きは得意としています。これを【Let】感覚に持って行くためには,「自分から雪に働きかけなくてもターンができる!」…ということを実感してもらう必要があります。そのための「ドライビングターン」の練習でした。多くの方が「アレレ…?」という感じで,どうして回っちゃうんだろう?というお顔をされていました。
そこでカービングスキーと従来のスキーの違いをお話し,スキーの性能が全くと言っていいほど変わったことを理解してもらいました。
  私の担当した班はかなり経験の深い方々ばかりでしたので,これまでのスキー操作に慣れ親しんでおられ,抵抗を感じられた方もおられましたが,要点をお話し,滑走テーマを絞ってトレーン中心のレッスンをすることで理解して頂きました。
  午後は黒菱まで足を伸ばしましたが,あいにくの雨でしたので,スカイラインコースを北尾根経由で咲花まで出て,白樺ゲレンデまでトレーンで滑り降りました。これまでのスキー技術ですと,どうしても圧変化が大きく,特に雨の日などはスピードが落ちてターンにならないことが多かったのですが,【Let】的なスキーをすることでカービングスキーの持つ特性が活き,かなりの低速でも止ってしまうことが無く,ターンを持続することができます。黒菱から白樺まで,いろいろな斜面を滑ることで,そのことを感じられ「カービングスキーは面白い!」と話された方もおられました。
  夜はホテルの広間を借りてのミーティングでしたが,皆さんから熱心な質問が続きました。この企画でいつも思うことですが,実年・熟年パワーの大きさを感じます。これに比べれば私のスキーに対する思いなど,まだまだヒヨッコ…そんな思いを抱いた【TOK】でした。(^I^)
 
  皆さん! 雨の中本当にお疲れ様でした。 また来年イイ雪のコンデションでご一緒しましょう!(^I^)


1/16 (水) 雨
  昨日昼から雨です。それほど強い雨ではありませんが…。
  昨日からお越しの方には少し気の毒です。曇っていてもいいから,せめて雨が止んでくれたら…。

  さて昨日から2日間の予定で,実年・40歳以上」の方を対象とした,近畿日本ツーリスト主催 「SALOMONカービング体験&レッスン」が始まり,その主任を仰せつかりました。近畿日本ツーリストが計画し、SALOMONが後援してのプログラムで,これから同じプログラムが3回続きます。今年初回の今回は41名の方が参加し,3班に分けての講習となりました。参加者の平均ご年齢は60才くらいで,これまでいくらかスキーを経験したことのある方々です。このプログラムは結構人気があり,毎回参加される方が増えています。
  初日の昨日は,あいにくの雨でしたが兎平まで上がり,長いコースをフリートレインで滑ることに主眼を置きながら,クラス分けを行ないました。私が担当したのは経験豊富な方の班で,若い頃鳴らしたであろうと思われる方々でした。雨の天候でしたので,リーゼンコースをカービングスキーの話などを適宜織り交ぜ滑り降りました。「雨の中のスキーもまた風流…」などと言いながらの滑走でした。

  あいにく今日も雨模様…どうしようか…? 皆さんには本当にお気の毒です…。


1/15 (火) 晴れ
  昨日ほどイイ天気ではありませんが,まあまあのイイ天気です。これから崩れる…との予報もありますが…。 
  みなさん,この週末そして連休…いかがお過ごしでしたか? 私のホームページご覧の数名の方が「メルツェン」に来てくれました。忙しくてゆっくりお話もできませんでした。この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。(^I^)

  さて昨日はこの3日にレッスンをさせていただいた“Ume”さんの再レッスンでした。今回は“Ume”さん“Oka”さん,そして“Oog”さんの3人のプライベートレッスンでした。3人とも準指導員の資格をお持ちの方で,テクニカル合格を目指している方です。
  前回,イイ感じで小回りをされていたのですが,翌日ご自分で滑ったらその時の感じが思い出せず,あのフィーリングを忘れないうちにもう一度レッスンを受けたい…というご希望でした。
  今回も主に「小回り」がメインテーマになりました。“Ume”さんは男性の方で,中回り大回りではイイ感じのカービングターンをされるのですが,小回りではどうしても【Do】的なスキー操作が強くなってしまいます。他のお二人は女性の方で,比較的雪の圧を利用した滑りがおできになります。
  【Do】的なスキー操作は雪から来る圧と自分から加える圧の区別がつかない人に多いので,再度,足裏感覚を磨くことから始めました。今回は車の運転をイメージした,俗称「ドライビングターン」で雪面からの圧を感じることにしました。車に乗ってハンドルを左右に切り,アクセルを加減する要領でターンを行なうのです。運転席に座っているイメージを持ちながら滑ると,「車」という物体が路面ならぬ雪面を右に左に道路を進む感じが出て,自分から雪に働きかける動きが無くなって来ます。
  この練習をしていてあることに気付きました。どうも“Ume”さんの滑走ラインが小さくならないのです。これはヒョットすると…と思い,スキーを私のと取り替えて滑ってみました。やはり案の定,スキーの性質が小回りのしにくい板でした。小回り系をするにはトーションが強く,どうしても滑走ラインが大きくなってしまうのです。以前「パワーの無いスキー」のことをお話しましたが,今回は「パワーがあり過ぎ」でした。この板では大回り系はできるとしても小回りは無理です。そこでレッスン中,私のスキーを使ってもらうことにしました。それから彼の滑りが活き活きしたのは言うまでもありません。スキー板選択の重要性をまたまた感じさせられました。
  午後は,そのイイ感じが急斜面やコブでも通じるか?ということで,場所を「スカイペアリフト」脇のゲレンデに移してレッスンを行ないました。急斜面に行くと雪からの圧を平面的に受けようとする人がほとんどです。その為体が内倒して,雪面を上下方向に捕らえることができなくなり,結果的にノーコン,暴走になってしまいます。雪から来るエネルギーラインをできるだけ細い線でイメージし,しかもその方向は「雪の中から来る!」という意識を持つことが大事です。そうすれば着力点と重心を結んだ線が平面でなく立体的になり,俗に言う「斜面に立つ」ことができるのです。急斜面での小回りは,いきなりスンナリ…というわけにはいきませんが,このイメージをしっかり持って練習することが大切です。
  コブは平滑な急斜面に比べれば楽です。コブの頭で雪からの圧がもらえるからです。貰ったあとはスキーの方向を急激に変えるのでは無く,ニュートラルポジションを意識することです。そのことによって重心とスキーのクロスオーバーが楽になります。
  三人とも急斜面,コブではスタートからゴールまで安定して…というわけにはいきませんでしたが,いたるところでその片鱗を見せてくれました。あとはできるだけ長い距離を集中して滑る練習を積むことです。
  
  「雪からの圧を感じる」…うまくなればうまくなるほど,この言葉が大切だと思った【TOK】でした。
  そして「スキー選びの大切さ」…も……。


1/14 (月) 快晴
  「快晴」という言葉を使うのは,だいぶ久しぶりの様な気がします。(^I^)
  今日は風の無い一日であって欲しいと思います。みなさんはどこのスキー場でお楽しみですか?

  昨日は“Dynスキークラブのレッスンの二日目でした。
  一昨日おさらいした基本を生かしてできるだけ長い距離を…と思ったのですが,いかんせん連休で思ったよりも混んでいて,黒菱やスカイラインなど,私が行きたかった希望のゲレンデは滑ることができませんでした。それでもセントラルやパノラマは気持ち良く滑れました。大事なことは習った技術を使っていかにいろいろな斜面を楽しむか?ということです。12人のグループで,技術的にレベル差があったのは事実ですが,上手な人はいい見本を見せてくれましたし,経験の少ない人はうまい人の滑りを良く観察して,それぞれが何かを得ていただいたと思います。
  
さて,昨日のレッスンで感じたことは「集中力」ということでした。各自それぞれの課題がありますが,どれだけそのことに集中できるか?ということが滑りを替えて行く原動力になる…と思いました。特に,雪の抵抗がやって来る方向については,これをアバウトにとらえるのとするどい一本の線でとらえるのとでは,その滑りに大きな差が出ると感じました。アバウトなボケた線のイメージではその滑りはボケたものになり,その線がするどければ,スキー板もそれなりに敏感に反応した動きを見せてくれる…そう感じました。これは「コンタクトポイント」を大きくとらえるかできるだけ小さくとらえるか?の違いと同じことだと思いました。つまり,感じるという感性は,できるだけ研ぎ澄まされたものの方が良く,その違いが分かれば分かるほどその威力を発揮する…ということです。
  スキー上達とは「感性を磨くこと」…ということを学ばせてもらった二日間でした。
  夜は忙しくてじっくりお付き合いできずゴメン…(=_=;)  みなさんありがとうございました! (^I^)  



1/13 (日) 曇り
  昨日は強風で,しかも暖かい風でゲレンデは湿った雪に変わり,大変でした…。混雑はするし…。でもそれなりに雪山を楽しもうと思えば楽しめました(^I^) 皆さんはどちらでエンジョイしてますか?

  さて,昨日と今日は例年この時期にレッスンをさせていただいている“Dynスキークラブのレッスン。昨日はその初日でした。今年も有資格者数名を含む12名の方が参加してくれました。
  12名の中には私と初めて滑る方もおられましたので,スキーの基本からレッスンを行ないました。もう過去に何度も同じようなことをきかれている参加者もおられますが,復習…ということでお付き合いいただきました。何度も言うように「身体の特徴・用具の特性・位置エネルギー」の三要素”をどう生かすか?ということが,「スキーを楽しむ」うえで大事なので,そのことをメインにレッスンを進めました。
  午前中は,強風で山麓のゲレンデが混雑している状況もあり,スキッディングターン,カービングターンを「雪の抵抗を貰う」ということをテーマにおさらいしました。
  午後は,ターン後半のエネルギーの貯め方,ニュートラルポジションへの移り方,そして舵取りへの入り方を

中回りを中心に行ないました。また,雪の抵抗をどこで感じ,どこで受け止めるか?ということがターンフィーリングを豊かにし,その質を変えることも学びました。
  12名の方がおられますと,その滑り方も様々です。でも皆さんに共通する大事な柱は同じです。その質的な違いはあっても,雪を感じ雪と一体になる意識があれば,そのレベルレベルでスキーを楽しむことができます。昨日も“感じるスキー”が根底のテーマになりましたが,この言葉はそういう技術レベルの違いを超えたスキーの楽しみ方を実現させてくれました。

  今日は二日目…。天候はまずまずなので,滑走距離を増やし,昨日の基本的な考え方をどう実際のすべりで実践するか?について学びたいと思います。
  では,行って来まァーす!(^I^)


1/12 (土) 晴れ
  今朝は山の頂きこそ見えませんが,イイ天気になりそうです!(^I^) ただ風が出ないことを…。雪の量はタップリありますから,あとは天候です。天気予報によると,この連休は晴れ間が多いようですから,多分じっくりスキーが楽しめそうです。(^I^)

  さて,昨日は“Kan”さんと“Kit”さんのプライベートレッスンでした。“Kan”さんとは昨年もご一緒し,昨シーズン見事1級合格を果されました。今年は準指受験を目指されているとのこと…。また“Kit”さんは当面1級合格を目指しておられる…ということで,お二人の目標に沿ったレッスンとなりました。
  どちらの目標もある意味で「合理的なスキー操作」ということが大事になります。私の考える合理性とは「身体の特徴・用具の特性・位置エネルギー」の三要素をうまく使いこなし,マッチングした運動をすることです。その為には無理やり行なう動作や,用具の特性を無視した操作は避けるべきだと思っています。
  レッスンでは,身体の動きをスムーズに行なうにはどうしたらいいか?ということからご一緒に考えてみました。斜面条件に関わらずマッチした運動を引き出すには,雪を足裏で感じ取ることが大事です。そこで例によって“感じる「場所・方向・強さ」”を意識する練習から始めました。この三つの要素を解説する中で,スキッディングとはどういうものか?またカービングとは?そしてひねり操作とは?…ということを考えました。お二人ともこれまでいろいろスキー技術について勉強されており,技術の引出しの数がかなり多かったので,わたしの話すことを次々とクリアすることができました。これまでいろいろ考え,悩んで来たことが花開き,その成果が出たように思います。自分の力だけでなく雪の力を使う…という意味を充分理解されたと思います。
  午後からは,午前中の感覚をいろいろなターンに応用してみました。先ず小回りでは大勢の方がそうであるように,「ニュートラルポジションへの入り方」がキーワードになりました。これをしっかり意識することでターン始動期に余裕が生まれます。そして斜面を下方にズレて行く感覚を落ち着いて感じ取ることができます。このニュートラルポジションの余裕が無いと,スキーを回すことに注意が働き,落下することができません。また,スキーの板上の感じ取る場所,着力点も大事な要素です。小回りでは支点に近くなり,中回り大回りではトップ方向にこの着力点が移ります。この着力点から重心方向にやって来るエネルギーのラインをしっかり意識することが,フォームを自然に作ることになります。
  小回りのあとは大回り,中回りと進めました。ターン円弧の大きさに関わらず,スキーの操作意識は小回りと同じです。着力点と重心を結ぶ線がしっかり意識できれば,その時々の斜面状況に合った運動や姿勢が自然に現れてくるようになります。足裏感覚と自分の滑走感覚,そして教師の評価が因果関係で把握できれば,その技術について,ひとつの大きな道筋が出来上がります。あとはこの道筋の中身をいろいろな斜面条件下で試し,自分なりの感覚を磨き上げて行くことです。これがご自分の,「スキー技術の引出しの中身」を豊かにしてくれることになります。
  “Kan”さんの右ターンでの内倒グセも,雪の抵抗をしっかり受け止める意識で自然に治ってしまいました。いろいろなターンも無理のない,雪の一体となった良いスキーイングになりました。“Kit”さんは足裏で感じることの意味を理解され,【Letスキー】とはどういうものか?ご理解いただけたようです。そして,身体の特性を活かした合理的なターンができるようになりました。(^I^)
  お二人とも目標達成に向けて大きく一歩を歩みだした…そう感じた【TOK】でした。(^I^)


1/11 (金) 雪
  今度の週末の晴れ予報…が楽しみです。少し天気のいい状態でのスキーが楽しみたくなりました。贅沢かな?(^I^)

  さて,昨日は“Kat”さんのプライベートレッスンでした。“Kat”さんは昨年,一昨年と毎年レッスンをさせていただいている方で,昨年はパワートライアングル感覚でグゥーンと成長された方です。今年は準指導員を受験をされるということで,それに向けてのトレーニング…がテーマでした。
  1月6,7日の準指検定スペシャルの時と同じような事がテーマになりました。
  基礎技術の
プルークボーゲン(コンフォート)では…「ひねり操作」の感覚を磨き,雪の抵抗を受けることの意味を理解すること。ひねり感覚は脚をひねる意識よりも,足裏に意識したオレンジなどの物体をひねる意識を持つ。それをきっかけとして雪の抵抗を求めていくことが大事。♪♪♪ひねェーる…受けるゥー…抜けるゥー♪♪♪というようなリズムを口ずさんで行なうとリズムが取れる。…ということを学びました。
  また,応用技術のシュテムターン(セーフティー)では,山スキーを開きだすシュテム動作は,それまで舵取り期をプルークボーゲンで滑って来たことを確認する積もりで「V字形」に開きだすこと。V字形を確認したら,続いて外スキーで雪面を捕らえ,プルークボーゲン要領で外側に出て行く意識を持つこと,内スキーは特別に意識して処理する意識を持たず,外スキーの自然な動きに任せる積もりで行なう。♪♪♪受けるゥー…V字かくにィーん…外へェー…受けるゥー♪♪♪というような口ずさみでリズムを取る。…が課題となりました。
  午後は応用技術の中の,小回り(コンフォート)と,中回り(カービング)を練習しました。
  小回り(コンフォート)では,プルークボーゲンでやった外スキーの動きと同じ意識を持つこと。必ず「抜けるゥー」というニュートラルポジションを通過する意識を持つこと。このとき外スキーに貯まったエネルギーをバトンタッチする要領で,反対側のスキーに伝えていくこと。自分の力で操作するのではなく,雪に操作される感覚で,落差を充分取って行うこと。着力点を意識し♪♪♪ずれるゥー,タァッチ,ずれるゥー…♪♪♪のリズムで行う。小回りを素早く行なうには,雪の抵抗を重心で受ける意識より下のヒザ頭で受け止める意識を持つ…ということを学びました。
  中回り(カービング)では,先ず「たわみ」をどう作るか?ということから始めました。その為には舵取りに入るとき,着力点で雪を探りながら前方に進んでいく意識を大事にしました。たわみができたら徐々に角付けを強めサイドカーブを有効に使う意識を持ちました。
  特に基礎技術,応用技術では「口ずさみ効果」についてお話をしました。これが運動のリズムやメリハリを作り,滑らかなスキーイングにつながります。“Kat”さんもこのことの重要性に気付かれ,初めて行なった低速系の技術も合格圏に入る滑りを見せてくれました。あとはこれをより洗練させるためにいろいろな感覚をご自分で探されることが大事です。
  楽しくレッスンをさせて頂きました。合格を祈念いたしております! (^I^)



1/10 (木) 曇り
  今シーズンは本当に雪に恵まれたシーズンになりました!(^I^) すでに例年の最高降雪量を上回るくらいの雪が降りました。それだけに雪崩や他の雪害にも注意が必要です。

  昨日は兎平教室の主任でした。
  人事部長の気遣いで久しぶりにレッスンを離れ,事務方の仕事でした。みなさんによく「毎日毎日レッスンだと疲れるでしょう…?」と言われますが,夏よりも生活スタイルが規則正しくなりますので,わたし自身は疲れをそれほど感じません。スキーをしないとかえって気分がモヤモヤして落ち着かない気がします。

  さて,その兎平…昨日はスノーボーダーの遭難騒ぎで,実はゆっくりする事ができませんでした。一昨日夕方,二人のスノーボーダーが,リーゼンクワッドリフト上のリフト,展望リフトの下をかいくぐって,南側の滑走禁止区域に入り込んだのです。この沢は雪崩の巣とも言えるところで,ロープや立て看板で「進入禁止」のサインをしてあるのですが,それにもかかわらず無謀にも入り込んでしまいました。
  スノーボードに限らず,スキーでも落下し続けられるうちはターンができるのですが,一旦止ってしまうとそこから動き出すのが大変です。特にこの日は大雪で人が埋まるほどの新雪が降っていました。雪が落ち着き,少し硬くなっていれば雪を踏み固めて,そこからまた滑り始める事ができるのですが,フカフカした新雪ではどうにもなりません。雪崩が起こるほどの急斜面ですから沢を登る事も不可能……そこでパトロールの要請…となったわけです。
  35人体制の救助隊も人力だけでは動けず,雪上車のウインチを使って,約一日がかりで黒菱平に引き上げたのでした。その間幸運にも雪崩の発生がなく,二次遭難にも遭わずにすみました。本当に「幸運」としか言い様がありません。
  こういうことが起こると,決まって「スキー場管理者の責任」ということが言われます。ハッキリと「立ち入り禁止」とうたってあるにもかかわらず,それを無視して危険区域に入り込むスノーボーダーやスキーヤーが居ますが,これを防ぐのは人丈以上の鉄柵でスキー場全体を囲むなどしない限り絶対不可能です。でも,たとえもしこれをしたとしても,それを乗り越えて危険区域に入り込む輩は消えないでしょう。スキー場管理者の責任ということになれば,規制区域がどんどん増えるだけです。そうすれば,天候の状況や雪の状態を確かめて安全な時にオフピステを滑りたいと願う一般のスノースポーツ愛好家の楽しみのエリアが小さくなる一方です。ルールやマナーを守ってスポーツを楽しむのは人として当然のことです。どこでも自由に滑れる権利は,その結果に対して自分で責任の取れる人にしか与えられないものです。

  幸い,死亡…というような最悪の事態にならず良かったと思いますが,あらためてオフピステの楽しみ方について考えさせられた【TOK】でした。


1/9 (水) 雪
  雪で私の自宅からはスキー場が見えません。本当に「’56豪雪」以来の豪雪です。雪の処理場探しにみなさん躍起になっています。でもこころおきなくスキーは楽しめる…申し訳ない気もしますが…。

  さて昨日は,私のホームページを良くご覧頂いている“Mor”さんのプライベートレッスンでした。“Mor”さんのご希望は,当面の目標としているテクニカル受験に向けてその技術を磨きたい…というものでした。
  今在る段階から,ステップアプするにはどのような場合でも,基本をもう一度見直す…ということが大事だと思います。そこで最も基本的なこと,毎度お馴染みの言葉ですが“感じる「場所・方向・強さ」”についてのお話を中心に午前のレッスンを進めました。どちらかと言うと雪に働きかける運動が多い滑りでしたので,先ず「雪を感じることの大切さ」についてご一緒に考えました。その中でスキッディングターンやカービングターンの成り立ちをお話しし,「身体の特徴・用具の特性・位置エネルギー」の三要素”を生かすターンとはどういうものかについても学びました。
  午後は午前の基本レッスンを元に
小回り,中回り,大回りの各ターンについてその特質を考えました。カービング特性を生かし,S字のターンをするにはいかに「スキーのたわみ」を作ることが大事かを学びましたが,どうもエネルギーのバトンタッチがイマイチうまく行きません…。どうもターン後半でのエネルギーの蓄積がうまく行かない様なので,私のスキーと交換してみました。そしたらやっぱり…“Mor”さんの使われている板は,スキーの潜在エネルギー,パワーが少ないのです。エネルギーを貯めるのに必要なスキーそのもののパワー,つまりスキーのフレックスとトーションの値が小さいのです。ですからいくら斜面を移動してもスキーにエネルギーが貯まりません。“Mor”さんの板は「イージーカーブ」的な性質の板でした。私の板を使用された“Mor”さんの滑りが活き活きしたのは言うまでもありません。それまで苦労していた小回りでのバトンタッチもうまくいきました。レッスン後半になって気付いたのですが,中回りも大回りも見違えるような滑りになられました。(^I^) もう少し早く気付けばもっともっと違うフィーリングを経験させてあげられたのに…と悔やまれます。
   スキー板を履き替えて滑りが別人のように変わられた生徒さんは,今シーズン二回目…。スキー用具選びの大切さをまたまた実感させられた【TOK】でした!


1/8 (火) 曇り
  昨夜低気圧が通過したみたいで,湿り気のある雪が降りました。でも,その後冬型の気圧配置になって,また大雪かな?と思われたのですが,その兆候は無いようで,一安心…と言ったところです。

  さて,昨日は“Kaw”さんのプライベートレッスンでした。ホームページをよくご覧頂いている方で,昨年も一度レッスンをさせて頂きました。昨日は,シーズン初めの課題を探しながら,スキーの基本を修得したい…ということで受講されました。
  昨年は欲張ってあまりにも沢山のことをお話し,ポイントの定まらないレッスンになった…と書いてあるのを教師日記で読み,今回は欲張らないように気を付けました。(^I^)
  お話の中心は,私が今思っている最も大事なこと,“感じる「場所・方向・強さ」”を理解していただくことと,“「身体の特徴・用具の特性・位置エネルギー」の三要素”を生かす滑りをする…ということでした。どうしたら感じ取る能力を鋭くできるか?なぜ感じ取ることが必要なのか?感じ取ることがどんな果実をもたらすのか?ということをご一緒に考えてみました。コンタクトポイントを探すことから始め,スキッディングターンの成り立ち,ずれることでたわみが生まれること,たわみがカービングターンの大きな柱であること,たわみをキープするには落下し続ける意識が大事であること,そのためには自ら雪に働きかける意識より雪からエネルギーを貰う意識が大事なこと,円弧の大きさのコントロールは迎え角意識と着力点と角付けの量に左右されること…を午前中に学びました。
  午後は中回り,小回り,大回りのターンコントロールに重点を置いたレッスンを行ないました。昨年ご希望されていた【Letスキー】の本質を学びたい…という目的はかなり達成されたと思います。それは各ターンで,「身体の特徴・用具の特性・位置エネルギー」の三要素を,素直に生かした滑りがおできになったことが証明しています。若者が力任せに雪面上を滑るのとは一味違った「流れに逆らわない達人の滑り」ができるようになられました。(^I^) 「技術の箱」の引出しの数も増え,その中身も充実されました。これからはさらにいろいろな感覚を研ぎ澄まされ,引出しの宝物を増やしていって欲しいと思います。
  「スキーは力ではない,心だ…」ということを,“Kaw”さんの滑りから学ばせて頂きました。楽しく充実したレッスンができました。ありがとうございました。(^I^)


1/7 (月) 晴れ
  ようやく「晴れ」という言葉が使えます。(^I^) それにしても大雪でした!でもスキーヤーにとっては天からの大事な贈り物です。文句は言えません…。

  昨日は「準指・指導員受験スペシャル」の準指導員班担当の二日目でした。
  午前中は「発展技術」を中心にレッスンを行ないました。与えられた斜面状況にどう対応して滑るか?。シチュエーションごとにどういう要素を使いどう演じるか?…ということを一緒に考えました。自分の個性的な滑りを強調するのではなく,誰にとっても解かりやすい基本形となる滑りというのはどういうものか?ということも考えました。皆さん,準指導員を受験しよう…というだけあって,個々の実力はかなりありました。あとはテクニカルやクラウンとは一味違う,人の見本として滑る意識をどう演技に反映するかということが課題でした。その考え方が浸透し,午前の終わり頃には各種目ともいい形で演技ができるようになりました。
  午後は基礎技術,応用技術の復習をメインに行ないました。足裏で感じながら演技することが身体のリラックスを生み,自然なフォームを作り出すこと,そして“口ずさみ”がリズム取りの上でいかに大切か…ということも学んでもらいました。
  この二日間の短い間でしたが,それぞれ目標がしっかりしている人たちでしたので,私の話も一生懸命聞いていただきました。各種目ごとの狙いも充分理解していただけたと思います。あとはその操作要領,演技要領を洗練し,来るべき検定に臨んで欲しいと思います。
  7人のチャレンジャーの皆さん! 楽しみながら,最善を尽くしてください。吉報を待っています!(^I^)


1/6 (日) 曇り
  今朝,少しだけですが北の空から日が射しています。昨日まで本当に大雪でした!。白馬に来て’57豪雪(?)以来,2度目の大雪でした!。明日も晴れるようなので,その内に雪が落ち着いてくれるといいですネ…。

  さて,昨日は「準指・指導員受験スペシャル」の準指導員班担当でした。総勢7名で,昨日今日の二日間のレッスンです。昨日は「基礎技術」と「応用技術」の4種目を練習しました。ポイントは…
 @プルークボーゲン(コンフォート)
  「ひねり操作」の感覚を磨き,雪の抵抗を受けることの意味を理解すること。ひねり感覚は脚をひねる意識よりも,足裏に意識したオレンジなどの物体をひねる意識を持つ。その方がヒザの位置や伸び縮みの運動がスムーズに行なえる。また,ひねる意識だけでなく,それをきっかけとして雪の抵抗を求めていくことが大事。♪♪♪ひねェーる…受けるゥー…抜けるゥー♪♪♪というようなリズムを口ずさんで行なうとリズムが取れる。
 Aシュテムターン(セーフティー)
  山スキーを開きだすシュテム動作は,それまで舵取り期をプルークボーゲンで滑って来たことを確認する積もりで「V字形」に開きだすこと。V字形を確認したら,続いて外スキーで雪面を捕らえ,プルークボーゲン要領で外側に出て行く意識を持つこと,内スキーは特別に意識して処理する意識を持たず,外スキーの自然な動きに任せる積もりで行なう。♪♪♪受けるゥー…V字かくにィーん…外へェー…受けるゥー♪♪♪というような口ずさみでリズムを取る。
 B小回り(コンフォート)
  @のプルークボーゲンでやった外スキーの動きと同じ意識を持つこと。必ず「抜けるゥー」というニュートラルポジションを通過する意識を持つこと。このとき外スキーに貯まったエネルギーをバトンタッチする要領で,反対側のスキーに伝えていくこと。自分の力で操作するのではなく,雪に操作される感覚で,落差を充分取って行うこと。着力点を意識し♪♪♪ずれるゥー,タァッチ,ずれるゥー…♪♪♪のリズムで行う。
 C中回り(カービング)
  角付けだけに頼らず,「着力点意識」をしっかり持ち,スキーのどの部分でどの方向から雪の抵抗を受け止め,「たわみ」を作るか?という意識を持つこと。貯まったエネルギーを「100-0」から徐々に減圧し「50-50」にするバトンタッチ要領で次のターンにつなげていくこと。自分でたわみを作るのではなく,雪がたわみを作り続くてくれる…という意識を持つこと。切るよりも積極的にズレ込んで行く意識でスピードに負けない意思を持つこと。レールターンにこだわらないこと。♪♪♪ずれェーる…タァッチ…ずれェーる…♪♪♪のリズムで行うこと。

  以上のようなことがポイントでした。総勢7名の中にはこれまで意識したことの無い感覚もあったようですが,少しづつ言葉の意味を理解され,上からではなく,下から動きが出るようになりました。足裏で感じることの重要性をさらに感じた一日でした。
  今日は発展技術もはさみながら,総体的なレッスンをしようと思います。
  それでは行って来まぁーす。(^I^)


1/5 (土) 大雪
  昨日もまたまた大雪! 除雪が追いつかないくなりそうな感じで降っています。間違いなく大雪です。

  さて,昨日は大雪の中,何回かレッスンをさせていただいた“Do”さんと彼の友人“Su”さんのプライベートレッスンでした。
  当面“Do”さんはテクニカル,“Su”さん1級合格を目指されている方で,それに向けてのレッスン…ということでした。初めに少し滑っていただいたところ,“Do”さんは昨年に比べてスキー操作そのものがだいぶ【Letスキー】になられていますが,まだ落下することに充分慣れておられず,角付けに頼るところが少し見られました。また“Su”さんは,全体的に【Do】的なスキーで,雪の圧をもらってターンすることができないでいる感じでした。
  そこで例によって“感じる「場所・方向・強さ」”の三要素の練習から始めました。“Do”さんはもちろんですが,“Su”さんも次第に雪を感じる事に習熟され,無理の無いスキー操作に変わって来られました。左右の圧のやり取り,バトンタッチ意識でのクロスオーバー,パワートライアングル先端での雪面の捕らえ意識…の練習を経て,午前の終わり頃に少しだけ小回りをしてみたのですが,ナント!これまで小回りが苦手…とおっしゃっていた“Su”さんの滑りが最高の小回りに!。これまでのターン後半にエッジを立て,その反動でクロスオーバーする操作から完全に抜け出て,雪の圧を有効に利用する滑りになって来たことがその理由でした。(^I^)
  午後はこの意識を使った大回り,中回りの練習をしました。お二人とも,小回りで行なったリズムを,そのまま単純に引き伸ばし,着力点意識を変えるだけで円弧の大きさを自由にコントロールできるようになられました。あとは,いろいろな感覚を自分自身で試行錯誤しながら得ていくことで,技術の引出しを大きく,かつ細かにして行くことだと思います。
  “Su”さんの新しい感覚,「雪からのプレゼント」の意味を理解され,会得された時の笑顔が素敵でした!。またお会いしましょう!(^I^)


1/4 (金) 曇り
  昨日も大雪! 深雪がしっかり楽しめる状況になりました。(^I^) でも,ちょっとだけでもいいから晴れ間が欲しい…そんなことを思います。

  昨日は“Ume”さん“Oka”さん“Age”さんのプライベートレッスンでした。“Ume”さんは,私の ホームページを良くご覧頂いている方で,昨日は「小回り」をメインにレッスンして欲しい…というご希望でした。
  「小回り」もあくまで「…回り」ということですから,ターンが円弧を描いていないと評価されない,という点では中回りや大回りとそのターン要領は変わりありません。初めに三人の小回りを拝見しましたが,ターン後半ズレを防ぐためにチェック的な運動を使っているのが見られました。チェック的な運動や角付けが悪い…ということではありませんが,一気に圧が増減しますのでその分運動量が多くなり,身体的な動きもスムーズで無くなります。圧変化を極力小さく抑えた滑りの方が合理性から見ると評価が高いと思います。小回りは中回りに比べれば圧変化はどうしても大きくなりますが,それでもできるだけ急激な変化は避けるべきです。
  レッスンではこの「圧変化」のさせ方を学ぶために,“感じる「場所・方向・強さ」”の確認から行ないました。三人ともすでに準指導員以上の資格をお持ちの方ですのでこのことについてはすでに身体で会得されていることでしたが,さらに深く“感じる”ということについて考えてみました。「圧には方向性があること」,「落下運動をして行くと斜面下方ではなく上方へのズレ感覚が生じること」,「クロスオーバーは,身体を次のターン内側へ移す感覚というよりもスキー板が身体の下を左右に移動することで自然に起きる感覚になること」,「クロスオーバーでうまく次の着力点への意識が働けばターン始動期の捕らえが早くなること」…等を経験しました。
  午前中は中回りでこの感覚をしっかり身に付け,午後からは小回りに移りました。三人ともかなりの腕前でしたから,雪からの圧を利用するコツをつかめば滑りは変わる…と思っていましたが,案の定見る見る変わって来ました。先ず“Age”さんがゆっくりした運動の中でニュートラルポジションへの抜け方を身に付けられ,動きが雪の圧と一体になってきました。そして女性の“Oka”さんが見事な圧コントロールをし始めました。体型が宮下○樹に似ているのか,下半身の動きはまるで彼が滑っているようでした!。そして最後に“Ume”さんが「ズレ落ちる時の身体のポジション」を意識し始めてから,その滑りがガラッと変わりました!(^I^)。身体はしっかり谷側を向き,重心がスゥーッとフォールライン方向に移動していてスキーが左右に無理なく移動し始めたのです。落ちるエネルギーをターンに結びつけるコツが解かった,ということです。
  レッスンの終わり頃には三人の顔も最高のお顔になられました。新しい感覚の小回りを体験された喜びが伝わって来ました。でも,もちろんこれは【Letスキー】の入口ですから,この後いろいろな条件で足裏感覚を研ぎ済ますためのトレーニングを積み,より洗練されたものにして行って欲しいと思います。(^I^)

  あいにくの大雪の中のレッスンでしたが,昨日も生徒さんの嬉しそうなお顔に会えました。そのお手伝いができて嬉しさ人一倍の【TOK】でした!(^I^)


1/3 (木) 曇り
  昨日は大雪!車の駐車や移動が大変でした。今朝は少し小康状態に…。でも,これで本当に雪の心配なくスキーが楽しめます。(^I^)

  さて,昨日は午後から“K”さん“Sig”さん“Kos”さん,三人のプライベートレッスンでした。三人とも過去に数度レッスンをさせていただいた馴染みの方々です。
  レッスンの初めにバッジテスト1級の「模擬試験」をし,その後レッスンを…というご希望でしたので,先ず実践種目の大回りから…。中回り,総合滑降と一通り拝見し,規定種目の大回り,リズム変化で皆さんの滑りを評価させて頂きました。その後大雪でしたので,お茶を頂きながら講評を行ないました。どこが得点上のポイントになったのかを説明し,技術的な解説を室内で行ないました。
  その後雪上に出て,実技の講習を行ないました。すでに“感じる「場所・方向・強さ」”についての意識は充分あるので,三人に共通するレッスン上の要点は,
 @舵取りのズレ意識
 A舵取りからニュートラルへの抜け意識
 Bニュートラルから舵取りへの入り方。
の三点でした。「S字ターン」に要約されますが,特に舵取りでのエネルギーの蓄積が充分でないのがその大きな原因となっていましたので,舵取り意識の練習をみっちり行ないました。
  このターン後半でのエネルギーさえしっかり貯めることができれば,ニュートラルポジション,センターポジション,あるいはホームポジションとも言われるクロスオーバーがスムーズに行なえ,しかもターン始動が楽に行なえる…ということになります。
  この貯めができるようになってから,ニュートラルでのバトンタッチ意識を練習しましたが,ここで三人の滑りがガラッと変わりました。特に“Sig”さんの滑りは見事な変身!という感じでした。自分の力に頼り過ぎない,雪の力をうまくターンにつなげる滑りになりました。他のお二人もかなり滑りに変化が出,合理的なスキー操作ができる様になりました。この違いがどうして起こったのか?この時の意識を忘れることなく精進して欲しいと思います。(^I^) 
  大雪の中のレッスンでしたが,模擬試験…ということで,初めに三人の滑りがじっくり見れ,それの講評をしながら技術の解説が,あらかじめ机上でできました。このことが,短いレッスン時間を有効に使うことになり,これもなかなか良いレッスン形態だと思った【TOK】でした。(^I^)
  
  夜は「メルツェン」で反省会…。たまたま来てくれて居た,宮下○樹夫妻も交えスキー論議に花が咲きました。ウーン,楽しかったねぇー!(^I^)


1/
 (水) 雪
  昨日は湿ってはいましたが,雪でした。朝方は青空も覗いて,いい天気でしたが,午後から雪模様に…。
  今朝も雪が降っています。皆さんはお元気に正月をお過ごしでしょうか?

  昨日の元旦は,昨年と同じ“Wa”さんご夫妻のプライベートレッスンでした。
  昨年も元旦,新世紀最初のレッスンを担当させて頂きましたが,その時はアイスバーン状態,しかもところどころブッシュが出ている…という条件でのレッスンでした。今年は昨年よりは良かったものの,ごごからキョロキョロした,非常に滑りづらい雪になってしまいました。でも,お二人とも集中力を切らさず,最後までしっかりレッスンを受けていただきました。(^I^)
  初めにお二人の滑りを拝見したところ,“Wa”さんは全体的に良い滑りでしたが,やや不自然な外向が見られ,雪との一体感に欠ける滑りでした。奥さんの“Mi”さんは,ターン後半で自ら圧を作り出していくタイプの滑り方で,そのため後半ヒザと腰が折れてしまう滑りでした。
  そこで,午前中は次の様にレッスンを進めました。
   @雪の圧をもらう意識の練習
   A上からの圧と下からの圧の違いを感じる練習
   B足裏感覚を磨く練習
   Cターン圧を減じながらニュートラルポジションに抜ける練習
   Dニュートラルでのエネルギーのバトンタッチ要領の練習
  結局雪の圧を“感じる「場所・方向・強さ」”の練習になったのですが,この三つのポイントを抑え,いろいろな感覚が研ぎ澄まされることが,「スキー技術の引出しの数」を多くすることになります。いろいろな例を挙げ,その中からズレて行って雪の圧をもらう意識を修得していただきました。
  “Wa”さんは圧の来る方向に素直に対応できるようになり,“Mi”さんはやや高い姿勢になってモモやヒザへの負担も軽くなったようでした。
 午後は,中回りから小回り,そして大回りの練習をしました。「ターン後半で戴いたエネルギーという“お金”をニュートラルポジションというホームポジション(家庭)で一旦奥さんに渡し,また次のお仕事に出かけて行ってお金を稼いで来る…」というような意識を持つことで,ターンエネルギーの伝達をイメージしていただきました。
  レッスン終了の頃にはお二人とも雪の圧を受け取る…という意識の「引出しの数」をかなり増やされました。“Wa”さんの滑りはベンディング的になり,エッジングも強過ぎることなく,雪とのマッチングがかなり良くなったと思います。滑らかさと美しさが出て来られました。また“Mi”さんはつぶれた姿勢が無くなり,位置エネルギーをターンエネルギーに変える要領を修得されました。
  レッスンでの意識は,その後の練習でどんどん洗練されて行きます。また今度お会いした時,どのような滑りになっているか,楽しみです!(^I^)
  元旦のレッスン…天候はあいにくとなりましたが,気持ちの良い初レッスンとなりました。“Wa”さん,ありがとうございました!(^I^)



1/1 (火) 曇り
  明けましておめでとうございます。
  皆さんは新しい年をどちらでお迎えでしょうか? 私は,昨年よりも少しだけいい年になって欲しい…そんなことを思いながら新年を迎えました。(^I^)

  さて,昨日は,毎年ご一緒にスキーをさせていただいている“Miy”さんご夫婦のプライベートレッスンでした。
  そのシーズンの初めに,前年の効果が出る…とはよく言われることですが,それに照らし合わせてみると,お二人の滑りは確実にワンランク上に行ってました。どこにそれが出ているか,というと「自信に満ちた安定感」…ということになるでしょうか。とにかく最初に滑った大回りで,それを強く感じました。お二人の当面の目的,1級合格は時間の問題で,テクニカルレベルに相当する技術の修得も可能だと感じました。
  大回りはお二人とも相当のレベルでしたが,小回り系でターン円弧のコントロールにやや難がありましたので,午前中は「ベンディング的なスキー操作」を学ぶことにしました。目線を変えず,しかも素早い動きに対応できるベンディングは「S字ターン」には不可欠だと思います。この技術で大事なことは,「雪からのエネルギーをしっかり受け止めたわみの力をしっかり蓄積する…」ということにあります。これができればあとはその圧をどう腰の下に持ってくるか?ニュートラルポジションに入るか?ということになります。旦那さんの方はどうしてもターン後半脚を曲げながらの舵取りをするクセがあり,腰の下に引いてくる要領が掴めないでいましたが,いろいろなイメージ,「エネルギーの矢が重心に向かって射られるように返ってくる…」とか「ターン前半はゴムひもが伸びて行き,中盤以降そのゴムひもがヘソに向かって帰ってくる…」とかの説明の中から,雪のエネルギーを引き込む要領を修得してもらいました。それまでストレッチング的な動きが主流だっただけに,結構時間が掛かりましたが,一度この動きを修得してしまえば,技術の幅がグゥ〜ンと広がります。
  午後はこの技術を使って,いろいろなターンに挑戦しました。特にお二人とも足裏感覚が非常に良くなっていて,擬音…例えば「ギューン」とか「キィーン」とか「グリグリ」とかのイメージを滑りで表現できるようになられました。この,擬音をターンイメージと重ね合わせることができる能力はお二人のこれからの技術研鑚に大きく役立つだろうと思いました。これらの擬音は雪面コンタクトを自分で作り出すのに大きな役割を果すからです。エキスパートはなにかしらこのような擬音イメージを各自が持っていると,私は思います。皆さんも擬音をターンイメージに置き換える練習をされたら面白いと思います。

  2001年の大晦日,本当に楽しくレッスンをさせていただきました。教師たる私の方が気持ち良くなった一日でした。“Miy”さんありがとうございました! (^I^)


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