September
2000


スキー教師の【TOK】が 日記替わりに日々の雑感を綴るコーナーです。            
100% 個人的な日記です。興味のある人は見てください。(^I^)            
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日記の中のテーマ  What is Today's Topic?

教師日記 9月 #2
         9/16から…
E−mailから教師冥利
E−mailから(躍動感#5)

E−mailから
(躍動感#4)

E−mailから(躍動感#3)
E−mailから
(躍動感#2)

E−mailから
(躍動感)

E−mailから(滑走感覚)
E−mailから
  (軽く感じる板)

E−mailから
  (On Line Ski Class)

E−mailから(腰)
E−mailから

  (イメージトレーニング)

E−mailから(DOとLET)


**********

教師日記 8月 #2


教師日記 8月 #1

To 教師日記 7月

To 教師日記 6月

To 教師日記 5月 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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9/15 (金) 曇り 
 昨日は一日 On Line Ski Class の仕事でした。デジタルビデオの編集も少しは馴れましたが,スキーレッスンでの応用の可能性を探りながらの試行錯誤でした。なによりも生徒さんと同じ映像を見て,ここがこうで,あそこがこう…という解説ができるのがイチバンです。映像を編集しながら,自分自身のイメトレにもなっているなぁー,と感じた【TOK】でした。(^I^)
 さて,今日は  E-mail からの最終日です。Wさんから頂いたメールの一部を御紹介いたします。
※ Wさんからの E-mail から… 抜粋
 『【TOK】先生コンニチワ! 教師日記,毎日楽しく読ませて頂いてます。これだけ毎日書かれるのは時間的にだけでなく,テーマを選ばれるのも大変だと思うのですが,,,,。毎回,今日は何が話題かな?と思いながらホームページを開いています。私はまだ1級を持っていませんが,今度トライしてみようかと思っています。何か目標を決めた方が漠然と滑るより,いろいろ考えられていいのかな?と思うからです。LETスキー,という言葉に出会ったことで,私みたいな体力の衰えを感じ始めた中年スキーヤーもやる気が出て来ました。【TOK】さんの教師日記を読ませていただいて,スキーは老若男女誰でも出来る生涯スポーツだ,という言葉に励まされた気がします。これからも,大変でしょうが,スキー指導にホームページ作りに頑張って下さい。』
※ 【TOK】のコメント
 ありがとうございます。変うれしい E−mail で,少々気恥ずかしい気がします。(^I^)
 初めは,指導したその日の反省を込めて,レッスンでお教えしたことを勝手に書き留めていたのですが,いつの間にかこんな風になってしまいました。みなさんから参考になるとか,勉強になると言われると,おだてに乗りやすいタチの私は直ぐ「豚の木登り」で危なっかしいのですが…。おかげさまで予想もしなかった
「日経ネットナビ2001年版ベストブックマーク」にも「スキーのペ−ジ」で選ばれ,その中で,「教師日記はお薦め」とのコメントまでいただいてしまいました。これに恥じないよう,さらにみなさんのお役に立てるホームページ作りに邁進したいと思います。
 最近思うことは,毎日なにかしらテーマが自然に出てくる,ということです。「新聞マンガ」を書いている人は,よくあれだけ毎日毎日アイデアが沸くものだと,感心していましたが,意外とテーマは見つかるものだと思います。毎回毎回,テーマが違うようで,実は同じことを前から見たり,後ろから見たり,上から見たりしているだけのような気もしますが…。みなさんからの E-mail や,雑誌の記事,新聞のコラムなども参考になります。それぞれの内容をスキーに当てはめて考えてみたらどうなる?という視点でモノを見るクセがついたようです。(^I^)
 Wさんのように,何人かの方は私の日記から刺激を受けられ,「スキーを続けよう」という気持ちになられたと聞きました。雪の自然の中へ一人でも誘うことができれば,教師冥利につきます。生涯スポーツとしてのスキー,これをこれからも忘れず,キーワードとしていきたいと思います。
 みなさんからの E-mail やお便りがこの日記の原動力となっていることは間違いありません。これからも辛口,甘口のご批評,よろしくお願い致します。(^I^)


9/14 (木) 晴れ 
 昨日,一昨日と2日続けてのビアホールの休日でした。友人が白馬に来ていたので連続で休みにしたのですが,おかげさまでイイ休養と刺激を受けました。…というのも,その友人は某TV局に勤めていて,画像関係に強く,この期間中,On Line Ski Class での画像処理の相談にのってもらえたからです。友達というのは本当にありがたいものです!(^I^)
…で,結局デジタルビデオを購入してしまいました。,これからキットOn Line Ski Classに役立つことと思います。
 さて,ここ数日,Dさんからの E−mail から始まった話題,「躍動感」についてお話しして来ました。昨日,一昨日とご紹介させてもらった他にも,いろいろな方からE-mail頂きました。
 その中に「宮○さんの滑りは、素直で安定していて気持ち良さそうなのに対して,○木さんの滑りは、力強そうなんですが少し苦しそうに見えました。○木さんの場合はやはり「Do」的な滑りなんでしょうか?」というのがありました。私は○木選手の滑りが【Doスキー】だとは思いません。ターン後半⇒クロスオーバー⇒ターン前半,と荷重点が「かかと」⇒「フラット」⇒「拇指球」という風に移っているだけで,その間,雪への自分からの働きかけは行なっていないと思います。
彼らのロングターンで,あのスピードで下手に【Doスキー】をしたら,多分上体が暴れてしまうはずです。誤解を招かないようにもう一度お話ししますが,私が気になったのは,雑誌で「ミスを招く可能性も高い,躍動感がある」という表現です。昨日もお話ししたように,○木選手は彼の技量の範囲内で,あのスピードでさえほとんどミスをすることなく,ターンの最中に荷重点を変えることができる能力を持っているのです。ですからバランスを崩すことなく,ターン後半切れて走り,前半,早い捕らえができるのです。スキーは前後に激しく移動し,下半身の動きがダイナミックになります。ですから躍動感はあるのです。ミスをする可能性は,○木選手の場合ほとんど無いということです。でも,他の選手や一般のスキーヤーが同じことをしたら,それはモロにミスにつながる危険性があります。ですから,躍動感を出そうとして,自分の技量以上の「ミスを招く可能性のある滑り方」はすべきではないし,教えるべきではない,ということです。上体の乱れを不必要に生じさせるような滑り方は……。
 「ミスを招く可能性のあるアクティブな滑り方で,ミス無く滑れる」⇒「躍動感が出る」という図式は,それなりの技量を持った人にはあり得ても,「躍動感を出す」⇒「ミスを招く可能性のあるアクティブな滑り方で滑らなければならない」という図式は無いということです。各人の持っている技量の範囲内で上体の安定した,しかもそれなりの「躍動感」のある滑りを心掛けるべきでしょう。
 また,次のようなE−mailも頂きました。「安定感があって躍動感のある滑り、つまりTOK先生の言われるような、上半身は安定感があって、下半身はアクティブに動くような滑りを習得したいと思ったら、どういった練習が最も効果的でしょうか?」というものです。
 これは何回かこの教師日記でもとり上げていますが,重心位置をしっかり決めて,斜面を移動することです。そうすればターン後半に受けた圧を,重心方向(腰の方向)に引き上げながらニュートラルにすることができ,クロスオーバーが楽に行われます。上半身が落ち着いていて,体の落下方向をしっかり向いていますから,スキーと上体の間にできる僅かな「迎え角」が次のターンに誘導してくれるのです。下半身はベンディングのように縦方向(スキーに対して垂直方向)に動くことになります。つまり脚のストロークが激しく行われ「躍動感」がでるのです。
 手前ミソですが「受けて」⇒「引く」という【Letスキー】そのものだと思います。(^I^)


9/13 (水) 曇り 
 名古屋を中心とする地域の方,大変な豪雨でお見舞い申し上げます。想像をはるかに上回る雨だったようですね…。おかげさまで白馬は,自然災害はそんなにありません。隣りの小谷は結構ありますが…。一日も早い復興をお祈りいたします。
 さて,きょうも昨日のテーマ「躍動感」についてのお話しです。ここ2,3日躍動感,についてお話ししていますが,次のようなE-mailをある方から頂きました。この発信人の方のお名前もあえて公表しませんが,とかく「バッジ検定」では,この躍動感のある滑りとはなにか?が議論の的になります。良い機会ですので,この場所を使ってみなさんと「躍動感」について考えてみたいと思います。
※ ある方(#2さん)からの E-mail から…抜粋
 『 【TOK】さんのご指摘の「スキーは老若男女誰にでも出来る,生涯スポーツだ」というご意見は、大変もっともだと思います。そういう意味で、人に教える場合や、人の模範となる滑りは、アクロバティックであってはならないというのは、よく分かる話です。
 そういう意味で、○木選手のスタイルこそが、躍動感がある滑りの代表のような、雑誌の書き方には、私も賛成できません。むしろ、私自身がもし、ゲレンデで滑るとすれば、宮○選手の滑りを模範とすると思います。(今シーズンは、そうなりたいというあくまでも願望ですが)
 でも、【TOK】さんもいつも言っておられるように、スキーは人それぞれの楽しみ方や、スタイルがあっていいと思いますので、自分だけに出来る、他人から見れば、アクロバティックな滑りのスタイルがあっても構わないのではないかと思います。(本人がそれに熟練していて、暴走して、事故やけがをするというような事がないことは勿論ですが。)
 エキスパート達がそろった技術選では、人と違う部分をアピールしなければなりませんし、そういう意味で、○木選手が評価されるというのは、私は当然のことだと思います。
 ○木選手の滑りは、一つの彼の個性的なスタイルであって、最初から高得点を狙って、ああいうスタイルを身につけた訳ではないと思います。むしろ、彼の滑りに高得点が出るので、ただそれをまねている人たちの方が問題でしょう。』
※ 【TOK】のコメント
 本当に貴重なご意見,ありがとうございます!。みなさんが考えておられるいろんなご意見の中から。私達スキー教師が学ばなければならない重要なテーマが見えてきます。今回の「躍動感」についても,教える側の人間として深く考えなければならないことが内在している,と思います。
 今日の#2さんのご意見も,基本的には昨日の#1さんと大きくは違わないと感じます。表面上は「○木」選手個人の滑り方,演じ方のスタイルが「宮○」選手と違うので,「○木選手の滑りそのもの」の是非,みたいに感じられますが,#1さんも「○木」選手の滑りそのもの,を評価しないのでは無く,『彼の滑りが「高得点」が出たものだから,他の選手が自分自身の個性としてでは無く,「○木」選手の演技の外ッ面だけを真似て滑ろうとすること』,を批判しているのだ,と思います。
 #2さんも書いておられるように,「本人がそれに熟練していて、暴走して、事故やけがをするというような事がない…」くらい熟達しているからこそ,あの演技ができたのだと思います。「○木選手の滑りは彼の技量を裏打ちする結果の滑り,として評価できる」のです。しかし,他の選手は「みずから磨き上げた技量としての演技では無く,モノマネの演技」という風に見えました。「己の個性」ではなく「○木選手の二番煎じ」なのです。柏木選手の「滑り」と「滑り方」の違い,と言っても良いでしょう。くどいようですが「柏木選手の滑りは,彼の個性であって評価できる」,しかし「表面上現れた形だけを真似て滑った,他の選手の滑りは評価できない」,ということだと思います。滑りを真似られた「○木」選手が気の毒…,という言い方もできます。
 以前の技術選で,たしか「宮○」は「○木」にロングターンで負けているはず…。なのに「宮○」は「○木」の滑りを真似なかった。彼ほどの技量があれば,やろうと思えばできたはずなのに…。己の滑りを「自分の個性ある滑り」として先シーズンの技術選で演じた。これはこれで立派!ということになる…(^I^)
 さて,こうやって見てくると,私達検定員や教師もしっかりしなくてはなりません。「滑りの本質を理解し,トレーニングを積んで得た技量を発揮して滑っているのか? それとも,単に他人の外見だけを真似た滑りか?」 検定員諸君!教師の皆さん!これを見分ける能力が試されますゾ!。
 「躍動感」というひとつのテーマから,「他人のモノマネでなく,自分みずからの技量を磨くこと」,の大切さを教えられた【TOK】でした!(^I^)
 #1さん,#2さん,貴重なご意見ありがとうございました!


9/12 (火) 雨 
 最近TVでやってましたが,オリンピックなどでのスポーツ選手の記録を伸ばすのに最近「遺伝子組み替え技術」が使われ始めたとか…。記録ってなんだろう?競技ってなんだろう?…人間ってなんだろう?と考えてしまいました…。私達は「スキー」を通じて「普通の自然を,普通に楽しめ,本来の人間性を失わないように…」したいものです。(^I^)
 さて,昨日一昨日と「躍動感」についてお話ししましたが,ある方から次のようなE−mailを頂きましたのでご紹介させていただきます。
※ ある方からの E-mail から…抜粋
 『私は○木選手が評価されるのが納得できません。確かに昨年の技術選手権の滑りは良かった(ビジュアル的に・・)うまいと思います。でも今年の技術選手権で選手の皆が見た目のスタイルだけで真似ている様に思えてならなかったのです。「点が出るから・・」という理由で。
 それに真っ向から挑んで、自らのスタイルを守り通したのが、宮○選手のように思えてなりません。彼の、あのロングターンがもっと評価されるべきです。購入したビデオの解説でも「(宮○選手の滑りが)ものたりない印象がぬぐえない」というようなコメントもありました。その後、TOK先生に教えてもらう機会があり、ますます、○木選手の見た目のスタイルは間違ってると思えてならないのです。
 TOK先生に教わってからスキー雑誌の技術解説がバカらしく思えた事も確かです。以前は一字一句理解しながら読んでいたのですが、最近はほとんど読んでいません。ひとつの事を、紙面を飾るために小難しく書いてるように思えるのです。
 ただ、○木選手の全てが悪いわけではなく、TOK先生や宮○選手のLetの感覚がスキーの全てではないでしょう。いろんなスタイルがあって良いと思います。ひとつの突出したスタイルだけが評価されるのは過去、屈伸系?やスイング&グライド等の技術に偏った時代と同じかもしれません。(正確ではないかもしれませんが、過去にひとつの技術に偏った時代があったと聞いております。) 先生も書かれていますが、DoもできてLetもできる。これが良いと思います。』

※ 【TOK】のコメント
 ご本人からは匿名ではありませんでしたが,あえて,ある方からのお便り,とさせていただきました。 昨日の日記に,『「SKI J○○ 誌」の,このような解説は,一般読者に誤った「躍動感」のイメージを植え付けてしまいます。みなさんはどのようにお考えになりますか?』と書きましたが,これを受けてのご意見だと思います。
 いろいろなご意見があるとは思いますが,ひとつの貴重なご意見として載させて頂きました。滑り方や,滑りに対する評価は人の数だけあって当然ですが,私も今年の技術選について,この方と同じ印象を持ちました。技術選はナニをどう評価する大会なのか?ということについても考えさせられました。
 「スキー」が「老若男女誰にでも出来る,生涯スポーツだ」という視点から見れば,アクロバティックな滑りは極力避けなければなりません。SAJのスキー教程にも,「本連盟は国民スキーヤーに広く,健全で楽しいスキーを指導する義務をになっている」とあります。この延長線上に「技術選」があり,選手がその持てる技術を競う大会であれば,その評価もその使命に合致したものであって欲しいと思います。
 「技術選」の評価のみならず,身近な「バッジテスト」においても,我々検定員が肝に命じるべきことだと思います。スキーが一部の人の技術論争の道具になったり,合理性からかけ離れたスポーツーとして捉えられることの無いようにしなければなりません。また,スキー雑誌や,我々ホームページでの意見や主張も,多様な意見を述べるのは大いに結構ですが,その影響に留意することも必要でしょう。また,私達自身も,読者としてしっかりと批判できる目で,情報を取捨選択することも…。
 意見発信の一端を汚している【TOK】も気をつけなければ…ネ! (^I^)


9/11 (月) 雨 
 日記に「雨」と記入するのは,何日ぶりでしょう? それほど雨が少なかった今年の夏でした。白馬は秋の気配が強く気候も涼しいのですが,Newsによると都会はまだ残暑が厳しいようで…。みなさん健康管理には重分気をつけてください。(^I^)
 昨日の話題が「躍動感」でしたが,たまたまあるスキー雑誌を見ていたら,この躍動感に関する記事が載っていましたので,今日はのお話し…。
※ SKI J○○ 誌 から…抜粋
 『宮下と柏木は,ともにカービングでのロングターンを得意とするスキーヤーですが,その運動感覚には対照的な部分があります…(中略)…その具体的な違いは,ターン全体をとおして足裏の荷重点を一定に保つ意識の強い宮下に対して,ターン前半と後半で荷重点を意図的に前後に動かす意識の強い柏木…。
 …宮下の滑りは,ターン全体をとおして安定感が非常に高いものです。…状態を静かに保ちながらクロスオーバーを行える,という部分にその安定感の高さが現れています。スキー板がスッポ抜けたり,重心移動の量が狂ってしまいやすいクロスオーバーの部分の運動を正確に行え…非常になめらかな流れでターンができています。
 …柏木の滑りは,ターン後半で荷重点を踵寄りに移した結果スキー板を前に走らせることが可能になっています。…(次のターンの始動期では)足裏の荷重点を母指球寄りに移しているため,スキー板のトップ側から雪面に切り込んで行く事が可能になっています。…この滑りは,スキー板がスッポ抜けるなどのミスを招く可能性も高いが,躍動感のあるカービングターンを実現しています』
※ 【TOK】のコメント
 確かに,この記事の言う,宮下の「正確さ」と柏木の「躍動感」…という見方は,彼ら二人の特徴を良くとらえた解説です。ただ,気になるのは柏木の「ミスを招く可能性も高いが,躍動感がある」と述べている部分です。
 私たちスキー教師の立場からすると,「ミスを招く可能性のある滑り」を評価する事は出来ません。レースなどでタイムを競う時は別です。100分の1秒でも早く滑ろうとする時は,「安定性」と「速さ」を天秤にかけ,どちらを優先させるかを判断するのは選手の作戦次第です。しかし,ミスを犯しやすい滑りが「躍動感」のある滑りだと言う表現はいただけません。モチロン練習の一環として柏木選手のような「荷重点移動意識」の練習をすることは否定しませんが…。
 実際のスキーレッスンやスキー検定では,私はこのような滑りを評価しませんし「躍動的」とも見ません。我々一般スキーヤーが楽しみで行なったり…,いろいろな斜面に挑戦して新しい体験をしたり…,ということが目的のスキーでは,極力ミスを防ぎ,安定した安全なスキーをすることが大命題です。
 「SKI J○○ 誌」の,このような解説は,一般読者に誤った「躍動感」のイメージを植え付けてしまいます。みなさんはどのようにお考えになりますか?
 「安定感のある中でいかにダイナミックさを表現するか」が本当の「躍動感」だと【TOK】は信じています。(^I^)


9/10
 (日) 曇り 
 白馬はめっきり秋の気配が強くなりました。虫の声が良く聞かれます。今年の紅葉は夏が暑かっただけにきれいだろうと,もっぱらのウワサです。紅葉が過ぎればいよいよ冬…楽しみ楽しみ…(^I^)
 さて,今日の E-mail はDさんからのお便り…。
※ D さんからの E−mail から…抜粋
 『「LET」な滑りをした場合に滑りの躍動感というのはでるのでしょうか?検定などでは、滑りの躍動感が点数にひびくと聞いています。』
※ 【TOK】のコメント
 良く聞かれる質問です。「LET」意識で滑ると,おとなしい滑りになってしまって,躍動感が出ないんじゃナイカ?
 ところがどっこい…それが違うのです。「LETスキー」は,これまでも解説して来たように,「雪とスキーヤーの間に生じる圧を受けとめ,それをターンやクロスオーバーに利用しよう」というものですから,「重心(腰)を中心とした運動」になるのです。つまり,上半身は静かで,下半身が伸びたり縮んだりする動きがある…という滑りになります。
 私の本業は「Tシャツのプリント業」なのですが,そのデザインを作る時,こういうことがあります。「黒を際立たせ,はっきり見えるようにする」という作業をする場合,普通の人は,黒いインクをベタベタ重ね塗りします。しかし,少しでもデザインをかじった人は,黒は黒で塗るけれども,周りの部分を白く塗るのです。…つまり,黒を際立たせるのに回りの対比する部分を,逆に強調させるのです。
 スキーの「躍動感」もこれと似ています。身体全体が動きまくってしまったら,それは躍動感というより,暴れている…としか映りません。どこか静かな部分があって,それと対比して動きの激しい部分があるから「躍動感」を感じるのです。スキーでは,上体が静かで下半身に動きがあるから,よりダイナミックに見えるのです。「暴れる」ということと「躍動感」を混同してはなりません。
 先ほども言ったように,「LETスキー」は「受ける」と「引く」という点に特徴がありますが,この意識で滑ると,ベンディング的な下半身,脚の動きが出てきます。上体は抵抗を受けとめる方向をしっかりキープしていますから,静かです。上半身が静かで,下半身に動きがあるという滑りになるのです。
 「スキーヤーの運動」に関連して,次のようなことをおっしゃる方も居ます。「LETスキーは楽なんだけれど,なんかこうスポーツをしたという実感が無い。もう少し体を動かして,汗をかいて,おおッやったぞ!運動した!スポーツした!というのが欲しい」と言う方が…。そういう方はモチロン「DOスキー」をなされば良いわけです。「DOスキー」も出来るけど「LETスキー」も出来る…という風になってもらいたいと思います。ところが現実は「DOスキー」を教わる機会が多く,滑ることも多いのです。スキーは「落下運動だ」ということと,「老若男女誰でも出来る生涯スポーツだ」という視点から見れば,「LETスキー」の重要性は見逃せないのです。


9/9 (土) 曇り E−mailから(滑走感覚#2)
 今朝はどんよりした天気です。(=_=;)。昨日は「On Line Ski Class」のレッスンに一日費やしました。html形式で書くと,アニメや動画が使えることに気がつき,これからはこの方式を採用することに…。遅きに失したかな?ハッハハハハ……(^I^)
 さて今日は昨日の続き,「滑走感覚」の第2弾です。
 私がこの「滑走感覚」のことを深く考えるようになったキッカケは,前にもお話ししましたが「スキーテスト」に関わる様になってからのことです。スキー板の性能をレポートする時は,ほとんどが自分のその板に対する「感覚」を述べることになるのです。
 この時期になると,各スキー雑誌が「スキーテスト」を公開しています。最近気がついたのですが,テスターによってその表現が微妙に違うようです。M.グガニックや宮下征○の表現は私にはピッタリ来るのですが,中には「この人,ナニを伝えたいんだろう?」と思う人も居ます。
 ある板に対する評価2例です。
 bPテスターの表現=「高速ロングターンには良いですが,それほど小さいターンには向かないという感じです。ショートターンではこのスキー板を振りまわすには少しパワーのある人でないと難しいでしょう」。
 bQテスターの表現=「高速のロングターンにおいては非常に安定感があって良かった。ミドルターン,ショートターンもしくは低速ターンでは,少し重量感があってしっかりしている分,扱いづらさを感じました」
 この両者,同じ板に対する評価なのですが,bPのテスターの表現は「どうして?」の部分が無いのです。結果として,ショートターンに向かない,ということの理由が述べられていません。bQのテスターは「…重量感があってしっかりしているが…扱いづらい」と表現しています。スキーが重く感じるが雪面ホールドはしっかりしている…ということは,どっしり安定はしているが,返りのしなやかさが無いんだな?と想像できます。どうしてbPテスターが「…(反発力が弱いから)…パワーが必要…」と述べたのか?その意味がここで初めて解かります。パワーが必要な理由がスキーの反発力の無さ,にあったということが解かるのです。ちなみに,体重がこの二人のテスターより軽いと思われる女性テスターは,このスキーに対して「ロングはもちろん,ショートターンもしやすい。全体的にすごく良いフィーリングで滑れる」と評価しています。つまり,このスキーは曲げの力が弱く,ネジレの強い板で,体重のある人が乗ると反発が弱く感じられるが,軽い人だとOKだということなのです。テスターの表現として,読者にその板の情報を的確に伝えるには,ナニを伝えたいか?ということを考えて述べる必要があります。
 ある板を生徒さんに履いてもらって,そのフィーリングを聞く,というのも「滑走感覚」や「足裏感覚」を磨く上で,良いアイデアかもしれない! と思った【TOK】でした。
 今シーズン,いろんなテストスキーをみなさんに履いてもらって,その感想を聞いてみよぉーッと!!!(^I^)



9/8 (金) 曇り 
 今朝,7時半頃まで幾分雲が厚かった空も,8時過ぎて青空が…。どうも天候で気分が左右されるタチで…私のような人間を「気分屋」と言うんでしょうネェー…。
 さて今日はIshiさんからのE−mail。「滑走感覚」について…。
 ※ Ishi さんからのE−mailから…抜粋
 『【TOK】先生こんにちは。教師日記やスキーQAによく滑走感覚のことについて述べておられますが,先生によってその述べられる感覚が違う様に思います。レッスンを受けていて時々戸惑うことがあります。どれも正しいのでしょうが,【TOK】先生はこの感覚の違いについてどう思われますか?』

※ 【TOK】のコメント
 「滑走感覚…違って当たり前」だと思っています。百人の教師が居れば百種類の微妙に違った感覚の説明がなされることでしょう。骨格や体型も各人違いますし,使っている用具も異なるのですから,その感覚は違って当然です。で,生徒さんの中には,「アノ先生とコノ先生,言うことが違う…」と言われる人も居ます。これは仕方のないことなのですが,習う立場の人から見れば「オイオイ,もう少し統一してくれヨ…」と言いたい気持ちもわかります。(^I^) 
 しかし,別の視点に立てば,こういうことも言えます。「百種類の感覚の違いがあれば,百種類の異なったレッスンを受けることが出来る」と…。生徒さんは,各教師が持っているそれぞれの感覚の中から,自分のフィーリングとマッチするのはどれだろうか?と探し出さなければなりませんが…。でも,これはこれで楽しい作業かもしれません。「今日の教師はどんなこと言うかなぁー?どんな感覚やフィーリングを教えてくれるんだろう?」……。
 ところで,この「滑走感覚」,よくよく考えてみると,「感覚」という言葉から面白い側面が見えてきます。「感覚」とは辞書によると
物事の実体を鋭敏に感じとる精神のはたらき。また、実感として感じ知ること。感受性。』ということだそうです。「感じとる」「感じ知る」という様に,「あるモノの情報を得ること」なのです。「得る」という行為は,こちらから向こう側に働きかけるのでは無く,向こうからこちらに向かってくる情報を取得することです。つまり,「感覚」には「向こう⇒こちら」という「方向性がある」ということです。
 腰から足までの脚を「触覚」のように使って「雪とスキーのコンタクト状況」を感知し,脳に伝えることが,「スキーの滑走感覚」に他なりません。実は,
この「滑走感覚」を大事にし,そこから生まれたのが「LETスキー」なのです。ですから「LETスキー」の主題は「情報を雪から足へ,足から脚へ,脚から腰へ,腰から上体へ…」という『受ける⇒伝える』ということなのです。『伝える⇒動かす』という「DOスキー」では「滑走感覚」は説明できにくいのです。
 ちょっと質問の趣旨とは違った方向へ走ってしまいましたが,「滑走感覚」をしっかり説明できる教師は,スキーヤーの型や姿勢,運動ばかり指摘する教師とはひと味ちがったレッスンができるはずです。
 身体の持っている「感じ取る能力」や「感受性」を養い,生徒さんに的確にその感覚(フィーリング)をお伝えすること,これは教える側の責任なのです…。


9/7 (木) 高曇り 
 昨日は朝,イイ天気だったのに,昼頃から雲が出てしまいました。あの気持ちイイ秋の天気…少し続いてほしいと思ったのですが…。どうも秋雨前線が居座っている感じですね?!
 さて,今日のE-mailはSさんからのお便りです。
※ S さんからのE−mailから抜粋…
 『教師日記,毎日見させてもらっています。雪の抵抗を受け,その力でターンするということですが,これまで私の滑っていた感じとはだいぶ違うようです。私はスキーを動かそう動かそうとばかりしていました。それで,スキー板も動かしやすい,軽いものを選んで買うようにしていました。でも,雪の力でターンすることができれば重めのものでもイイのかなぁーと思っています。というのは,友達のスキー板借りて滑った時,動かしにくいけれど,雪を捕らえている,という感じがありました。でも,重く感じられたので,今も軽めのものを今も使っています。重めの板のほうが雪の力を受けるのにいいのでしょうか?』
※ 【TOK】のコメント
 スキー板が軽く感じるとか,重く感じるというのは,「スキーテスト」でもお話ししたように,雪面ホールド力(グリップの力)と関係があります。軽く感じるスキーは「曲げ剛性」や「ネジレ剛性」が弱い場合が多く,つまり極端な言葉で言えば「へなへなスキー」で,雪の力をしっかり受けとめている,という感じが弱くなります。Sさんのおっしゃる通り「振りまわしやすい」のですが,その分「安定性」に欠けるのです。一方,重く感じる板は,曲げやネジレの剛性が強く,雪面をしっかりグリップする感じが強くなります。ですから,雪の力を効率良く受け止めるには,どちらかというと「重め」の板の方が適していることになります。
 軽く感じる板は,自分の力で振り回すことが容易ですから,「DO」の滑りに適していると言えます。しかし,これまで何回もお話ししているように「DO」的なスキーは運動量の変化が大きい,反作用的な運動が起こりやすくバランス崩しの原因になりやすい,高速では危険…などの弊害をもたらす要因になりやすいのです。
 そこで雪の力を効率良く利用して滑る「LET」的な滑りをやろうとすると,ある程度,ネジレや曲げの力の強い板のほうがイイ,ということになります。つまり「少し重く感じる板」が「LETスキー」には向いていると言えます。しかし,体重や脚力などとも関係してきますので,一概に重ければ重いほどイイというわけにはいきません。私の経験では,曲げの力が弱めでネジレの力が強め,の板…つまり「しなやかだがネジレにくい板」がいい様に思います。
 では,このような板をどうやって選ぶか?ということになりますが,結論をいいますと,「試乗会などで実際に乗ってみる」 のがイチバンです。あるいは友達のスキーを借りて滑ってみるのも一考です。
 その次は「スキー雑誌などでデータを調べる」ことです。評価項目の,回しやすさ,ずらしやすさ,が優れている板は「DO」的jなスキーにむいていますし,エッジの食いつき,安定性,切れ,の項目が優れているいる板は「LETスキー」に適しています。しかし,体重や脚力と大きな関係がありますから,むやみにこの値の大きいものを選ぶのは危険です。テスターのコメントなどを参考にしながら選ばれるのがいいでしょう。
 Sさんの質問の答えとしては,「重く感じる板のほうが雪の抵抗を受け止めやすい」ということになります。


9/6 (水) 快晴 
 今朝は本当に良い天気! 心が踊りたくなるような…。気温も20℃と過ごしやすい気温です。
 昨日はある中学校の生徒さん130名を連れて八方尾根,標高約2400mの丸山ケルンまで行って来ました。途中,「扇の雪渓」という個所があり,8月上旬には雪が消えるのですが,今年はまだ残っていて,子供たちもおおハシャギでした。帰って来たら,富士山には初冠雪があったとか…。大雪渓以外の雪渓が消えない内に,降雪がありそうな今年の冬は,大雪かな?と…。
 今日は,OさんからE−mailがあり,「On Line Ski Class のシステムについて教えて下さい」ということでしたで,そのお話し…。
 システムについてはsystemにそのあらましを載せてありますので,そちらをご覧下さい。ここでは,これまでのレッスンで感じたことをお話ししたいと思います。
 何人かの方からビデオをお送り頂きレッスンを始めました。これまでのやり方は,そのビデオ映像を私のパソコンに取りこみ,それを拝見て長所や欠点を指摘し,生徒さんの目的とする滑りに到達するにはどのような点に留意すればいいか,を指摘する方式です。映像はCDに焼き込み,文書で留意点などを書きこんで,生徒さんにお送りします。生徒さんはそのCDと文書で学んでもらう,という方式を採っています。本来なら,データやり取りが素早くできる能力があればCDを使わずに,オンラインでしたいのですが,映像データは数10メガの容量が必要になるので,現段階ではそれができません。
 その試行錯誤のレッスンの中で次のようなことに気付きました。
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 1.生徒さんの映像をパソコンに取り込み,何回も何回も繰り返し見ていると,欠点や長所が良く見えてくる。同じ場面のリピートが容易なので,ココを直したら良くなる,というポイントが雪上でのレッスンよりも鮮明になり,教師としての指摘がより的確なものとなる。
 2.生徒さんの代表的な映像をCDに焼きつけてお送りし,それぞれの滑りに対しての指摘が出来る。しかも,その指摘が映像,音声,テキスト文書の三つのデータとして残り,いつでも見れるので,忘れにくく,意味が確認できるまで繰り返し見ることが出来る。
 3.CDの滑りに合わせた音声が入っているので,スキーヤーの動きや操作を感覚的につかみやすい。 ♪♪受けるゥー引くゥー♪♪ などの「音」により「リズム取りの間合い」がつかめ,身体の動きの感覚的なイメージがわかる。
 4.生徒さんの映像と,同じCDに焼きつけたモデルの滑りを連続して見れるので,滑りの違いが比較でき,ナニが違うかが一目瞭然に判る。実際のスピードが映像では良くわからないので,表面的な体の使い方に限られてしまうが,かなりの効果はある。
 5.レッスンを進めて行く上で必要な「練習用映像」をCDに焼いてお送りすれば,そのイメージを繰り返し見ることができるので,オフシーズンのイメージトレーニングに最適である。
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 生徒さんのどなたかも述べておられましたが,「On Line Ski 教室」…ヒョットすると雪上でのレッスンと同じくらい…イヤそれより効果的かもしれない…という気がしています。
 数10メガのデータ…数10秒でやり取りできる日が早く来ないかなー。


9/5 (火) 曇り 
 昨日は爽やかな一日でした。インラインの大会も終わって,久しぶりにTennisを楽しみました。丁度,宮下征○君がインラインのジャッジで白馬に来ていて,一緒にやろうということになり,夫婦対決をしたのでした。彼は足が速く,結構いろいろな球を拾うのが上手で,イイ試合になりました。(^I^)
 さて,昨日の宿題…「スキーで,運動の動きの中心となる場所はどこでしょう?」という問題でしたが…。
 答えは「腰=重心」でした。物理を少しでもかじった人にはやさしい問題だったかもしれませんが,この「腰」,スキーだけでなく,いろいろなスポーツでも大事なポイントです。なにしろ「身体の要」と書いて「腰」ですから…。腰がある,腰が強い,腰が砕ける…など,腰にまつわるいろいろな諺もたくさんあります。それほど身体の重要な部分として認知されているということでしょう。
 スキーでも,この「腰」つまり「重心」の位置をイメージすると,スキー操作が楽に出来ます。重心に対して雪の抵抗がどのように働いているか?をイメージすることで「力の方向」がわかる様になるからです。「重心が斜面を下方に移動することで,雪との間にコンタクト圧が生まれる」とか「コンタクト圧が強くなって,クロスオーバーする時は,その圧を重心方向に引き上げる」とかいう動作は,いつも「重心」がキーワードとして働いています。足裏と雪の間に働く力関係も,とどのつまりは「重心と雪の間の力のやり取り」と言っていいのかもしれません。
 考えてみれば,軸が寝ているとか,立っている,とかの認識も,コンタクトポイントと重心を結ぶ線がどのくらい傾いているか?ということに他なりません。また,後傾姿勢だとか,前傾し過ぎ,と言われるのも両者を結ぶ線より身体が遅れるとか,前に行き過ぎ,とかいうことなのです。
 ぜひ雪上で「腰」に意識を持って滑ってみてください。足裏で捕らえる感覚とはまた違ったフィーリングが得られると思います。
 そう言えば高校生の時,野球の練習で言われつづけたなァー…「腰を貯めて,腰で打て!」。打てなかったけれど…(^I^)


9/4
 (月) 晴れ 
 昨日,一昨日と「インラインスケート技術選」のため,教師日記,オヤスミしてしまいました。ゴメンナサイ…(=_=;)。 朝7時集合,その後「放送係」…終わってからは後片付けと,いろいろあり,動けませんでした…。
 さて,今日は,Kさんから次のようなE−mailをいただいておりますので「イメージトレーニング」について…
※ K さんからのE−mailから抜粋…
 『教師日記楽しく拝見いたしております。7/13に,ジョギング中のイメージトレーニングについて書いておられましたが,滑走イメージを自分の滑りに反映する良い方法がありましたらお教え下さい。と言いますのも,ビデオで宮下征樹さんや,渡辺一樹さん達,一流の選手の滑りを見ることはあるのですが,あまりに私の滑りとはかけ離れていて,ピンと来ないのです。私のレベルでも理解でき,実行に移せるような方法はあるものでしょうか?』
※ 【TOK】のコメント
 ありますよ! ご安心下さい!(^I^)
 一流の選手の滑りが,ご自分の滑りのイメージと重なり合わない…ということだと思います。つまり,一流の選手の滑りの感覚的なイメージ,例えば「雪の圧をどう受け,どう放しているのか?」とか「脚が伸びている場面,縮んで来ている場面…」とかのイメージが頭では体験できるが,実際の身体の動きとマッチングできない,ということでしょう。
 これを解決するひとつの方法は,選手の滑りに合わせてご自分の身体を動かしてみることです。座って見るのではなく,立って選手の滑りと同じ動きをしてみるのです。等身大の鏡にご自分の姿を写せればベストです。ビデオを見ながらご自分もそれに合わせて身体を動かしてみます。ターン後半での脚や上体の動きを「筋肉の動き」として感じてみるのです。スピードがありませんから,実際の選手の感じている「圧変化」と同じ,というわけには行きませんが,その感覚の一端はつかめるはずです。
 この時,見方の大事なポイントがあります。選手の身体の中で「動きの中心となる場所」があることを見つけ出すことです。よく見ると,一番安定している部位が必ずあるのです。ほとんどの場合それは…「○○」なのですが…さて,どこでしょう?。ここで正解を言うのは簡単ですが,あえて言わないことにします。うまい選手がスキー滑走をしている時,最も安定している場所,さぁ,それはどこでしょう?良く見て,その場所を探し出して下さい。この場所が解かれば,スキーの運動は「その部位を中心とした動き」であり”そこ”と雪との間のコンタクトさえ考えればイイ,ということにもなります。イメージトレーニングも”そこ”を中心とした動きとして捕らえることができ,「圧の方向」も理解できるようになります。脚や上体の動きのイメージアプが容易になります。
 それが,解かったら,あとは時々ビデオを見ずに,ご自分の姿だけを鏡に写して滑りのイメージで滑ってみます。これを何回も繰り返すことで,かなり良いフィーリングのイメージを作ることができるでしょう。
 みなさんも,ぜひ「スキー滑走中最も静かな場所はどこか?」を一流選手のビデオから探し出して下さい。今後のみなさんのイメージ作り,スキー滑走の参考になるはずです。(^I^)


9/2
 (月) 曇 
 今日はインラインスケートの大会のため,これから出発です。
 …そういう訳でオヤスミとなります……(=_=;)
 来てくれた方,ゴメンナサイ……


9/1 (金) 曇 
 ただ今ぁー!短い夏休みでしたが,楽しいひとときでした!(^I^) 今日からまた復帰しますのでヨロシク! 
 さて,今日から九月です。トップページにも書きましたが,その年の最高気温を記録した後,初めての降雪が「初雪」ということだそうです。そろそろ山には初雪が…少し早いかもしれませんが,夏のイチバン暑い日はもう過ぎましたので,「スキーシーズンはもう新しい年に入った」と言っていいでしょう。そこで,今日から当ページでは「今シーズン」ということにしましょう。8月31日までは「昨シーズン」ということになります!
 さて,この夏,多くのE-mailをいただきました。ありがとうございます。ここしばらく,その一部を紹介することにしたいと思います。
※ I さんからのE−mailから抜粋…
 『【TOK】先生の日記に「DO」と「LET」という言葉が良く出てきます。初めは何のことか良く理解できませんでしたが,「スキーQ&A」や日記をしばらく読んでいるうちに,これは大事なことらしいと気がつきました。特に「スキーは落差によって雪から頂くエネルギーで曲げられる」という言葉は,心にグサッと突き刺さりました。大回りはどうにかこうにか先生の言われる「LET感覚」で滑れているように思いますが,小回りは「DO」そのものです。今度の冬は「ズレながら切れて行く」感覚をぜひ体験してみたいと思っています。』
※ 【TOK】のコメント
 良かったですね! 「LET」と「DO」感覚の違いがお解かりになられて…(^I^)。私の経験では,かなりのスキー巧者でも,今時分が滑っているのはどちらなのか?「LET」なのか「DO」なのか?ということを意識できている人は少ない様に思います。
 最近「On Line Ski 教室」で,ある方の「小回り」をレッスンの為,イメージトレーニング用の画像を編集していて気が付いたことあります。ナニかと言うと,「ターン前半で,脚が伸びて行く局面は,押しているのでは無く”探っている”」ということです。小回りの要領を解説する為,何度も何度も同じ映像を見ていると良く見えて来たのです。”探る”ために脚が伸びる運動は,あたかもある動物が「触手」を伸ばす動作に似ています。その「触手」にナニかが触れば情報を的確に脳の方向に伝えるように働きます。うまい人の「脚の動き」も全くそれと違わないのです。脚,足という触手で雪を探り,ターンに必要な「圧」を蓄積する為にヒザがターン内側に入って行く…。みずから踏みこみ,雪を押し込んで圧を作る…というよりは,雪の抵抗を効率良く受けようという意識が,所作動作として「ヒザを内側に…」という体の作りを生み出しているのです。
 「小回り」…というイメージが,少しでも早くスキーを回しこむ,ということにつながると,どうしても自分の力ずくでスキーを回してしまう,ということになってしまいます。「雪の力がターンを作ってくれる」という「深雪」のコツはいろいろなところで役に立ちそうです。
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 みなさんも,これを聞きたい,これはどうなっているんだ?というご質問がありましたら,遠慮なく【TOK】までE-mail
 お送りください。みなさんで一緒に考えましょう!(^I^)


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