May
200

八方尾根スキースクール教師【TOK】の個人的な日記です。興味のある人はどうぞご覧ください。(^I^)  
Ski Top   【TOK】への Mail
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 「 スキー教師日記 」 May 2004

What's Today ?

05/31 グッキーと共に…
05/30 キャスターの積極性
05/29 イメージは宝 !!! 
05/28 自分流のスキー
05/27 ゲロゲロの威力 !!! 
05/26 土台,足元が基本
05/25 “遊び心”とスキー
05/24 S字ターンのコツ
05/23 座学も大事…
05/22 クロッシングを磨く
05/21 ブーツ選びは?
05/20 バナナシェープ#3
05/19 魔軸が見えた !!! 
05/18 軸が見えますか?
05/17 バナナシェープ#2
05/16 高い姿勢とは?
05/15 山スキーの楽しみ
05/14 プロセスを楽しむ
05/13 新検定は◎
05/12 キャスターターンは
     トップコントロール!!!
05/11 新教程の影響は?
05/10 役員の仕事…
05/09 イロイロの面白さ
05/08 “スキー”への

        夢とロマン
05/07 新しい旅立ち…
05/06 けじめのレッスン
05/05 来シーズンへの課題
05/04 明確な意識を持つ
05/03 兎平教室受付で…
05/02 来季への良い弾み
05/01
不思議ワールド

*** これまでの日記***


* 2004年4月
* 2004年3月

* 2004年2月
* 2004年1月

* 2003年12月
* 2003年11月
* 2003年10月
* 2003年9月
* 2003年8月
* 2003年7月
* 2003年6月
* 2003年5月
* 2003年4月
* 2003年3月
* 2003年2月
* 2003年1月

* 2002年12月

* 2002年11月

* 2002年10月

* 2002年9月
* 2002年8月

* 2002年7月
* 2002年6月
* 2002年5月
* 2002年4月
* 2002年3月
* 2002年2月
* 2002年1月

* 2001年12月
* 2001年11月
* 2001年10月
* 2001年9月
* 2001年8月No.2
* 2001年8月No.1
* 2001年7月
2001年6月


*  以下 2001年

教師日記 5月

教師日記 4月
教師日記 3月
教師日記 2月
教師日記 1月

*  以下 2000年

教師日記 12月
教師日記 11月
教師日記 10月
教師日記 9月 #2
教師日記 9月 #1
教師日記 8月 #2
教師日記 8月 #1
教師日記 7月
教師日記 6月
教師日記 5月 


 * 以下 1998-2000

2000年4月 
2000年3月
2000年2月
2000年1月
1999年12月
1999年秋
1999年4月
1999年3月
1999年2月
1999年1月
1998年12月


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May,31/2004 (月曜日)  雨 
  今日は雨の白馬です。昨日は本当に暑い一日でした !!!  聞くところによると,7月下旬の暑さだったとか…。セミも鳴き始めました。そしたら昨夜のNEWSで,アメリカで17年セミという,17年毎に一度羽化するセミが大発生 !!! と報じていました。世界には面白いことが一杯あるんですネ!(^I^)
        *****
 さて,今日は2004シーズンを振り返っての17回目,最終回で…「グッキーを偲ぶ」です。(^I^)
 今シーズンの初め,私なりに密かに心に決めていた事がありました。それは「マルティン・グガニックのスキー術を,一人でも多くの皆さんに広めたい !!! 」ということでした。ハッキリ申し上げて,これまで30数年間いろいろな方のスキー滑走を見る機会に恵まれましたが,彼のスキーほど理にかなったものは無い !!! と思います。その考えは彼が他界して尚一層強くなってきています。彼の指導理念というか,その大きな柱に付いては「【TOK】…グッキーを語る」に書いてありますので参考にして欲しいのですが,私も大変勉強になることが一杯あります。私とレッスン上の言葉や表現方法は違っても,その目指すところは同じだナァー…とつくづく思います。もし「一般スキー」というジャンルがあって,多くのスキーヤーが学ぶべき,“応用の利く基本的な滑り”があるとすれば,それは「グッキーのスキー技術」だと断言して良いと思っております。モチロン私は彼ほどの能力はありませんが,その数パーセントでも皆さんにそれをお伝えできたらいいナァー…とシーズン初めにそれを思いました。
 そして,そのことをいろいろな所で実践させていただきました。日本でのレッスンはもちろん,インドでもグッキーの滑りを解説して参りました。これまでフォームや姿勢の事を重要視していた彼等は,フォームやスタイルは後からできるもの…ということを目の辺りにし,実に伸び伸びとしたスキーに変わりました。今シーズン,いたるところで彼の理論を実践した結果,「枝葉末節」的な理論ではない「幹」の部分で,彼の述べていた事は大正解だと,その意を一層強くしました。そして,尚一層彼の滑りに傾注しはじめている【TOK】です。(^I^)
 その基本となっていることは,「シチュエーションに応じた運動で千差万別の滑りがあり,技術はひとつだけではない」ということです。そしてその具体的な要項として,「滑走フィーリング,バランス感覚など,“感性”を高めることの重要性」,「バランス維持の上で“重心”のことを考えた滑りをすることの重要性」,「落下運動による雪面からの“圧”を意識することの重要性」を言っています。
 今シーズンは事あるごとにグッキーのイメージを思い出しながらレッスンをさせていただきました。“キャスター・ターン”意識が彼の述べていることを実践する上で役に立ったこともありますが,その他にも“Snow Eat Turn”や“バナナシェープ”など,彼のスキーイメージを具体化するモノとして思いついた言葉もあります。今シーズンはそういう意味で毎日“グッキー”と共にレッスンをした年だった,とも言えます。
 グッキー !!! 今シーズンもレッスンお疲れ様でした !!! (^I^) (^o^) (^I^)
 グッキーの滑り…いま一度皆さんと一緒に見てみましょう !!! ⇒写真をクリック(1.5MB)
 Thanks Guggie!



May,30/2004 (日曜日)  快晴 !!! 
  今日は本当は天気予報では曇りから雨になる予報なのですが,何をどう間違ってくれたのか,快晴のイイ天気です !!! 。これから崩れるかもしれませんが…。
 さて,On Line Ski School のトップページ…明後日から6月になることもあり,気分転換の意味も込めてリニューアルしました。ゴテゴテせずに少しはスッキリしたかな?(^ー^)
        *****
 今日は今シーズンを振り返っての16回目…「キャスター・ターンの積極性」について…
 
“キャスター・ターン”のお話をすると,良く「じゃぁ,キャスター・ターンではただ待っているだけで,何もしないのですか?」…と聞かれることがあります。違います !!! 私に言わせれば「明らかな意思を持って斜面移動し,積極的に雪の抵抗を求めて行くアグレッシブなスキー!」なのです。ただ落下するのを待っているだけだと,身体が抵抗を受け止める準備がうまくできないのです。自分自らアノ方向に行くぞ!コノ方向に行くぞ!という明確な意思があり,積極的に行こうとするから,身体がそれに反応し,その意志やイメージがうまく噛み合って,素晴らしいハーモニーを奏でるようになるのです。
 “スキー”で大切なことは,これまでも何度か話しましたが,「どこを支えとして意識するか?」,「どの方向から力を得るか?」,「どれ位の強さの圧か?」という“ベクトル”を意識することなのです。この内,「どこを支えとするか?」という荷重点や,「どれ位の強さか?」という荷重量のことは結構みんなが意識するのですが,「力がやって来る方向=迎え角意識」をしっかり持っている人はあんまり居りません。なんとなくアノ方向,コノ方向…という人が多いのです。特にカービングターンが全盛になってから。スキーは前に走らせるものだ!という感覚が強くなり,スキーのサイド方向から雪の抵抗を受ける,という感覚が少なくなっています。これではスキーの前後差をうまく利用できないばかりか,小回り系のスキーイングがうまくできなくて当たりまえ !!! ということになってしまいます。
 キャスター意識はその転がり方向もイメージしますので,スキーの移動を止めないだけでなく,その移動方向もしっかり意識することになります。そしてキャスターが不安定なイメージを伴うために,上半身も遅れないで付いて行こう!という積極的な気持ちも生まれてくるのです。
 キャスターは決して「何もしないターン」では無いことをご理解いただけたでしょうか?むしろ「積極的に落下して行こうとする積極的なターン」だということを…。(^I^)



May,29/2004 (土曜日)  曇り
  今日はこれから雨予報が…。もう直ぐ梅雨が来るのでしょうか?そんな感じがする今年の気候です。
 昨日はチューブを使った「筋トレ」を行ないました。気持ちのいい筋肉疲労が全身を覆っています。今日は筋肉の休養日…。本当は泳ぎたいのですが…。土曜日だし,プールは混んでるだろうナァー…
        *****
 さて,今日は今シーズンを振り返っての15回目…「イメージの大切さ」ということについて…。
 昨日も「インド」での経験から「自由なスキー」ということについて書きましたが,今日もインドで感じたことをもとに…。
 インドでは13名の方にスキー指導をさせていただきました。軍人で国境警備を担当する兵士にスキーを指導する教官が5名,一般のスキーヤーが3名,インドのオリンピック候補選手が5名…という構成でした。さすがに初心者は居られませんでしたが,やっとパラレルターンができる程度の人から,オリンピックを経験したレーサーまで幅広い人たちを対象としたスキー指導になりました。
 このように経験の差が大きい人たちに,あることを伝達するのに「姿勢」や「フォーム」を解説してもほとんど意味がありません。このインドのスキー指導では本当は,“キャスター”等を使わずに,オーソドックススタイルで通そうと思っていたのですが,それは結局できませんでした。やっぱり足裏感覚,イメージの大切さを思い知りました!。キャスターイメージ,オレンジイメージ,バナナシェープ,引く引くターン,ドライビングターン,Snow Eat Turn,ゲロゲロ…Etc.等。そのイメージをどう持つか?で彼等の身体の反応が違って来たのです。もちろん,各自の身体的な特徴に合った自然なフォームが現れたのは言うまでもありません。イメージをどう持つか?という意識で滑っていると,自然に雪面コンタクトの様子が身体全体で認知できるようになるのです。
 日本人だろうがインド人だろうが,あるイメージが意識でき,そのイメージを身体で表現しようとすれば,ほとんど全員がそのイメージに対応した身体の反応が現れ,雪とのコンタクトの感じが会得できる…ということなのです。(^I^)
 人種を越え,性別を越え,スキーの技術レベルを越えて,みんなに共通して認識してもらえる“イメージ”こそ,スキー技術習得に大きな福音をもたらす“宝物”なのかもしれません。
 ちなみに,右の写真は,フィーリングやイメージを彼等に伝えるために実際にインドで使った品々の一部です。(^ー^) 




May,28/2004 (金曜日)  晴れ
  今日は「穏やかな晴れ」…といった感じの白馬です。時が静かに流れて行く…そんな気分になるような気候,と言っていいでしょうか?(^ー^) 冬の時の流れとは違った充実感に満たされています。
        *****
 さて,今日は今シーズンを振り返っての14回目…「自由なスキー」ということについて…。
 今シーズンは,おかげさまでインドでのスキー指導,という大役を無事済ますことができました。本当にいろいろな方のご支援のおかげです。ありがとうございました。その経験の中でまたひとつ貴重な事を学ばせていただいたと思っています。それは,“スキー”にはイロイロなスタイルがあり,その楽しみ方や関わり方もひとつでは無い…ということです。日本を離れると,そこでいろいろな種類の“スキー”があることに気付かされます。アメリカではアメリカ的な,インドではインド的な“スキーの世界”があるのです。
 今回,特にインドでのスキーと関わる機会を得て思ったことは,彼等は「雪と戯れ,その冷たさや白い色に感動し,その上を滑るフィーリングを楽しんでいる…」ということでした。もちろん日本のようにスキー用具を自由に手に入れられる状況にはありませんし,スキーを楽しむことができる人にも限りがあります。しかし,その様な環境にあっても,“スキー”を楽しむ自由さというか旺盛さは素晴らしい !!! と思いました。環境が恵まれていないからこそ“スキー”を純粋に愛でる事ができる…と言えるのかもしれません。
 彼等が使っているスキー用具も,私たちが今日本で使っているものとは比べものになりません。カービングタイプの板はほとんどありませんし,スキー場そのものの整備のされ方も日本のそれとは異なります。こういう状況の地で最も大切なことは,「雪の自然を楽しむ為の道具としてのスキー」…というスタンスを取ることです。ですから,スキー技術も,コレ!と決まったものを教えるのではなく,いろいろな状況下で応用でき実践的に使える技術を教えることが大事です。どんな斜面でも,雪質でも,道具でも,そしてさらには乗り手に運動能力の差があっても,本当に使えて役に立つ技術です。コレこそが基本で最も大事な技術だと思います。
 ひるがえって日本のスキー事情を考えてみると,少し寂しい気がします。それは,人造的な斜面を,決め込んだテクニックで滑ろうと,躍起になっているスキーヤーがあまりに多い…という気がするからです。日本ではスキーの楽しみ方をひとつの方向に絞るような雰囲気があるような気がするのです。もっともっと,“スキー”というのは自由さがあってイイんじゃないだろうか?自分流の楽しみ方を追求し気ままに滑る…その方が通り一遍等のスキーをする人より評価される…そんな感覚がスキー界に浸透したら素晴らしい !!! と思うのです。
 こういう日本的なスキーの風潮を作ってきたその責任の一端は,私たちスキー教師にもあると思います。反省しなければならないと思います。(-_-;) しかし,これは「平均的で同じ価値観の人間こそが大事」…という日本人の特徴的な考え方にも因っていると思います。欧米のように「他人と同じではその人の価値が無い。人と違っている所にこそ個人としての意味がある」…という考え方に立てば,決め込んだテクニックに走ったり,あるパターンの滑りに固執したりすることは無いと思うのです。
 来シーズンは,ぜひ“自分流のスキー”にこだわってみたい !!!  そう思っている【TOK】です。(^ー^)



May,27/2004 (木曜日)  曇り
  今日それほど暗い感じではありませんが,青空が見えません…。その内晴れるとの予報が出ていますが…。(^I^)
 さて,昨日はインラインスケートの日でした。まだまだぎこちないのですが,少しづつ慣れてくるのが解ります。新しいものにトライし,新鮮な感覚を身につけるって,楽しいものですネ!(^.^)
        *****
 さて,今日は今シーズンを振り返っての13回目…「ゲロゲロターン」について…です。(^I^)
 今シーズンから検定に小回りが入りました。特に1級では5種目中2種目も小回りがあり,これの成否が合格を左右するほどでした。これまでも何回かこの日記に書きましたが,うまくできないほとんどの方が,「ターン後半に上肢と下肢の間にネジレ状態を作れない」…というのがその理由でした。小回りがうまくできるできない,を決定付けるのはこの「ネジレ」だと言っても過言で無い !!! と私は思います。スキーが回り込むのに連れて上半身も一緒に回ってしまうのです。実はこの様なポジションと言うかフォームは,私たちの日常生活ではあんまりと言うより,ほとんどありません。“スキー”というスポーツ特有の姿勢かもしれません。それだけに,しっかり意識しないとうまくできないのです。それを解決しよう…というのがこの「ゲロゲロターン」でした。(^I^)
 表現がチョッと汚い…と思われるかも知れませんが,このイメージ本当に効きます。ターン後半にターン外側の外スキーの外側に「ゲロっ吐き」をするイメージを持つのです。大事なスキー板ですから,その上にゲロをするわけにはいきません。その板の外側にするのです。今チョットやってみましょうか?今あなたが居るその場所に立って下さい。そして体側右側なら右足の右側に,この「ゲロっ吐き」をやってみてください。どうです?外向傾が自然にできているでしょう?そしてさらに,大きな事に気付きませんか?「オエェーッ…」とやると,単に上半身が外側を向くだけでなく,みぞおちの付近が中心となった“バナナシェープ”ができていることに気付かれたでしょう?(^I^) 
 この
ゲロゲロの後で,クロッシングを意識してやれば,下肢は確実にそのゲロッ吐きをした方向,つまり上半身の向いている方向を向くようになるのです。これであなたの小回りはOK !!! です。 ^ー^)
 このゲロゲロターン…これもイメージです。チョット汚いイメージかもしれませんが,効果絶大です。私目【TOK】が保障します。小回りの苦手なあなた…ぜひ試してみて下さい。(^o^)



May,26/2004 (水曜日)  快晴
  今日くらいカラッと晴れてくれると言うことはありません。(^o^) 本当に気持ちの良い朝です。
 昨日は今日ほどの晴天ではありませんでしたが,緑の美しさに誘われて,バイクトレーニングをしました。昨日は「二股」という八方尾根の北側の沢と,白馬岳の麓から流れてくる沢の合流点まで行って来ました。距離にして約5キロのコースですが,結構登りがあり,良いトレーニングになります。良い汗をかくことができました。(^I^)
       *****
 さて,今日は今シーズンを振り返っての12回目…「足元が基本」ということについて…
 
May,24/2004 の日記に「…ターンをリードするのは,圧の大きさそのものではなく,その圧がプラスに転じていること,つまり増え続けていることなのです。…」と書きました。このことについて「もう少し詳しく説明して欲しい…」という e-mail をいただきましたので,今日はその話をしたいと思います。
 プルークターンというのがあります。2003年発行の「日本スキー教程」では,このプルークターンを「切り替えにパラレルポジションになり,舵取り期のなかでプルークポジションが見られるターン」…と説明されています。そして,シュテムターンとの違いについて,「…外スキー主導か両スキー主導か,なのですが,具体的には“内スキー操作”の内容の違いになります。…中略…プルークターンの内スキー操作は,荷重しながら“スキートップの方向を変える”操作で“トップコントロール”といえます。…」と教程の71Pageに解説されています。
 実はこのプルークターン…準指導員検定,指導員検定の種目としても設定されているもので,この要領が掴めない…というご要望があり,何回かレッスンをさせていただきました。でもこれはプルークボーゲンの延長線上にあるもので,足裏の感覚さえしっかり意識できれば簡単にできることなのです。Oct./07/2003の教師日記「プルークボーゲン」…“オレンジ踏み意識”と“キャスター意識”,で解説させていただきましたが,この中の“キャスター意識”で行なえば,間違いなくプルークターンが簡単にできます。プルークターンの要領はそちらで見ていただくとして,この時のターンの切り替えの時の様子に注目してみたいと思います。
 キャスター意識のプルークボーゲンでは,ターンの後半それまでターンをリードしてきた外スキーに圧が強く掛かっています。そして次のターンに入る時,その圧を減らすことはしないで,そのまま乗り込みながらフラットにして行きます。例えば左ターンから右ターンに移るときのことを考えてみると,右スキーの圧は緩まることなくフラットになります。右のスキーがフラットになった時,左のスキーは圧は少ないものの角が立っている状態です。こういう状況ですでに右ターンが開始されて行きます。つまり左スキーは圧そのものは右スキーの圧より少ないものの,角付けされて雪の抵抗を受け始め,その圧が少しづつ強くなっているからなのです。圧がプラスに転じている…というのはこの時のことを言います。この様子は,「プルークボーゲンの2態」…約2メガのADSL用の映像と,ISDN用の映像どちらかでご覧頂きたいと思います。結局ターンというのは圧が強いか弱いかで決まるのではなく,圧が増えているか減っているか?圧の微分値がプラスかマイナスか?で決まってくる…ということなのです。
 教程ではこのことを「内スキー主導」と言っていますが,それは圧の強さそのものに意識が行っているから「…
荷重しながら“スキートップの方向を変える”…」と表現しているわけで,圧変化がプラスかマイナスか?ということでは無いように思います。“スキートップの方向を変える”という表現も“変える”ではなく,“変わってしまう”…が本当だと思います。
 キャスターを足裏に意識してこの様なプルークボーゲンを行なうと,ターン圧の強弱や増減ということに意識が行かなくても,実際には見事なプルークターンができます。これは【Letスキー】の特徴なのだと私は思っています。荷重するという感覚,雪に圧を加える【Doスキー】的な方法では,自分で加える圧の増減は意識できても,雪から来る圧の増減は感じにくいのです。結局,いろいろなターンを行う時に大事になるのは,雪とのコンタクトを最も敏感に感じ取る足元,足裏の感覚なのだ…ということができると思います。
 家を作るにも,スキーを楽しむにも,土台となる足元が基本…ということです。(^I^)



May,25/2004 (火曜日)  晴れ
  今日も気持ちの良い朝です。例年の春に戻ってくれたようで嬉しいです。(^I^) ツバメやいろいろな鳥がさえずりながら空を自由に飛び交っています。生命力の豊かさいうか,素晴らしさを感じる春です。(^I^)
       *****
 さて,今日はスキーの技術を少し離れて,最近の私の生活の様子をお伝えします。私的なことで申し訳ありませんが…。マ,日記だからイイか?

 @ニュージーランドツアーを視野に入れているわけではありませんが,春になって時間を見つけながら英会話を少しづつ勉強しています。使わないでいるとどうも単語が忘れがちになるのです。少ないボキャブラリーがさらに少なくなっては会話になりませんので,頭の訓練を兼ねてのおさらいです。(^ー^) 義務感でなく,クイズみたいな感覚で聞いたり声に出したりすると,楽しみながら英語と遊んでいる自分が見えます。そんなイイカゲンでは頭に入らんぞ !!! と言われるかもしれませんが,言葉と遊んでいる感覚…これが楽しいのです。(^I^)
 Aまたもうひとつやり始めた事があります。なぜか,以前少しだけやったインラインスケートを思い出し,スケートを倉庫から引っ張り出して2年ぶりくらいに乗ってみました。初めこそぎこちなかったのですが,次第に慣れ,少しは様になったターンができました。(^.^) バランス感覚や平衡感覚もトレーニングを休むと衰えて行くようで,週に一度は乗ってみようと思っています。そして,帰って来て,どんな練習方法があるかな?どう楽しんだらいいのだろう?と思って「インラインスケート」で検索したところ,面白いページをInter Netで見つけました。勝手に紹介してしまいますが,「ジャンのインラインスケート」というホームページです。40歳になられてからから本格的にスキーを始め,そのトレーニングとしてインラインスケートを始められたJIANGさんと仰る方が,その様子を映像で紹介しています。今年51歳になられたようですが,そのテクニックには(*_*)です !!! 。興味のある方は訪問してみてください。若者に負けない華麗な映像が見れます。インラインスケートを本当に楽しんでいるようで,思わず喝采を送りたくなりました。(^ー^)

 以上二つのことを考えながら,「楽しみながらやる」ことの意味を思いました。楽しみ方にはそれぞれいろいろあるのですが,義務感や競争意識が勝ちすぎると,それはもう「楽しみ」から逸脱してしまうのではないかと…。どこかに精神的な余裕があって“遊び”の心がないと本当に楽しめないのではないかと思ったのです。
 この頃は,大きな試合の前にインタビューされた選手が試合への抱負を聞かれて,「思いっきり楽しみながら試合に臨みます…」というようなコメントを聞くことが多いのですが,もしこの「楽しみ」の中に“遊び心”的な精神的余裕が入っているなら,それは凄いことだナァー !!! と思います。
 そして,私たちの“スキー”にその“遊び心”はあるのだろうか?…ということを思いました。「たかが“スキー”…されど“スキー”だ !!! “遊び”などと不遜な !!! 」とお叱りを受けるかもしれませんが,その気持ちがある人と無い人とでは「スキーの世界」の大きさがまるで違う…そう思ったのです。
 英会話とインラインスケートから思った“遊び心”の大切さでした。(^I^)



May,24/2004 (月曜日)  快晴
  今日は本当に気持ちの良い朝です。この春はいつもの年と違って,梅雨が早く来たのかなぁー?と思うような天候がGWの後,続きました。でも,今日は本当に気持ち良く晴れました !!! 。こうイイ天気だと「身も心も晴れ々々 !!! 」です。(^I^)
       *****
 さて,今日は今シーズンを振り返っての11回目…「S字ターン」について…。
 
May,22/2004 に「クロッシング」のことに付いて書きましたが,今日の「S字ターン」はこれと深い関係にあるのでお話したいと思います。
 ターンの後半エッジングを強め,それを開放する事で身体とスキーの入れ替えを行なって滑る方法,もしくは交互操作で右,左…と滑る方法は,角付けの切り替えの部分で一回々々スキーの運動が止まり,そのシュプールがアルファベットの「C」のようになりますので「C字ターン」と呼んでいます。右の図で言うと「B」のところで運動の流れが止まってしまう滑り方です
 これに対し,角付けの切り替え時にスキーの運動が止まらず,ターン後半のエネルギーが次のターンにうまくバトンタッチされる形で滑る方法は,右の図の「A」⇒「B」⇒「C」とひとつの運動として行なわれ,そのシュプールも「S」のように描かれますので「S字ターン」と呼んでいます。
 C字ターンよりもS字ターンの方が,流れがスムーズで,“重心”の移動の軌跡も滑らかになり,バランス維持の上でも優れていますので,検定などでの評価は高くなります。
 それではS字ターンをするにはどうしたら良いか?ということになりますが,簡単な方法は“クロッシング”意識を持つ…ということです。図の@からA…Cまでは右足の♪♪♪二輪…四輪♪♪♪の場面ですが,この時圧を失わないようにし,角付けだけが緩んでくるとスキーが走り,腰の下を通過して行きます。このDの局面で左足の♪♪♪二輪…♪♪♪を意識して行くと,それまで右脚に蓄積されていたエネルギーが左足の方にバトンタッチされるような感覚で伝わって行きます。
 ここで,BからCの右ターン前半にポイントを絞ってみてみると,Dの局面で左足を意識したからといって,急激に右足のDの圧が急激に減るわけではありません。D,E…Fと徐々に減って行きCの部分ではじめてゼロに近くなります。Dのところでは左足での捉えがあっても,その圧そのものの強さを考えるとまだ右足の方が多いはずです。ただ圧の変化は確実に弱くなり始めています。圧の強さそのものは大きいけれど,マイナスに転じ始めている,ということです。一方左足の圧は,圧の強さそのものは小さいけれど,プラスに転じ始めています。実はターンをリードするのは,圧の大きさそのものではなく,その圧がプラスに転じていること,つまり増え続けていることなのです。あるスキーヤーの中には,右足のDはまだ圧が結構感じられる…ということで,「ターン前半は内スキーでリードする !!! 」と述べている人も居ますが,それは「圧の増減」でなく「圧の量」を言っているのだと思います。
 BからCにかけて,私は外スキーに意識が行っていますが,滑った後のシュプールを見てみると,内スキーでの捉えも結構残っているのです。クロッシング意識で行なえばターン前半の内スキーも急激な圧変化は起こらず,滑らかな「S字ターン」が描ける…ということです。(^I^)



May,23/2004 (日曜日)  曇り
  今日も曇り空で,連続6日目の朝の天気「曇り」の白馬です。例年ですと,一年で一番穏やかで,晴天の続く確立も高いのですが…。今年はどうしたんでしょうネェー?
       *****
 さて,今日は今シーズンを振り返っての10回目…「効果的なレッスン」について…。
 今シーズンは,指導部として「技術の理解」および「理論の研修」を雪上だけでなく,室内でも行ない効率良いレッスンができるよう,スキースクールの一階スペースに「レクチャースペース」を設け,ビデオ上映や簡単なレクチャーができるように整備しました。最近はDVDや,パソコンを使った豊富なデータが準備できるようになりましたので,これを有効に使うための機材や黒板を設置したのでした。
 これを設置したから…というわけではありませんが,若い教師諸君もいろいろ工夫を凝らして生徒さんにいろいろレクチャーをするようになりました。教師ですから人前で話すことを嫌がっていては始まりませんが,中には雪の上だけで,自分の思う理論を述べたり,ビデオでの解説が苦手な教師も居ます。しかし,実際のレッスンでは降雪が激しかったり,気温が低かったりで雪上での説明が不適切な時もあります。この様な時には暖かい場所で,理論研修やビデオ研修が効果があります。
 教わる生徒さんの中には,「理論や技術展開よりも雪上のレッスンを優先して!」という方も居られますが,理解を早め,より効果的なレッスンで上達を結果的に早くするには,この様な雪上でない所での講義も役に立つのです。スキーヤーのタイプには,@頭で理解できていて,実際の滑りもできる人,A頭で理解できているが,実際の滑りができない人,B頭で理解できておらず,実際の滑りもできない人,C頭で理解できていないが,実際の滑りができてしまう人…の4タイプがあると言われますが,できれば@かAでありたいと思います。くれぐれもCタイプにはならないように…(^I^)
 少なくとも物心ついた成人のレッスンでは,子供さんたちのレッスンと違い,頭で理解できていないと,身体がこれからやろうとする事を素直に受け入れてくれないのです。理屈なんかなくてもスキーはできる!という人も居られますが,より楽しみを深めるためには,少しだけ座学も必要かも知れません…。
 そういった意味で,スキースクールの一階の「レクチャースペース」は結構利用価値があったと思います。これまではいちいちスキーブーツを脱いで,スクールの二階や三階に上らなければいけませんでしたが,撮ったビデオをブーツを履いたまま直ぐに見られたり,黒板を使って技術説明ができたり…いろいろ活用できました。
 モチロン,レクチャーの最中に ZZZzzz......の人も居られましたが…これも含めて有効利用???。(^I^)



May,22/2004 (土曜日)  曇り
  今日は午後から雨模様のようです。(=_=;)。昨日は午後から晴れて,昼頃約40分のジョギングをしながら,春の白馬を堪能できましたが…。(^I^) 自然豊かな環境の中で身体を動かすことができることの幸せを感じています。(^I^)
       *****
 さて,今日は今シーズンを振り返っての9回目…「クロッシング」に付いてです。
 今シーズン自分自身で強く思ったことがあります。それは,これまで幾分複雑に思っていたスキー技術がシンプルなものに思えてきたことです。今更ナニを…と仰る方が居られるかもしれませんが,「スキーの技術って,“舵取り”と“角付けの切り替え”なんだ !!! 」と強く思ったのです。
 “舵取り”についてはこれまでの「軸」や「バナナシェープ」で何度も話してきました。もうひとつの“角付けの切り替え”に付いて今日はお話しようと思います。
 一昨シーズンから“クロッシング”という言葉を使うようになりました。一部の同僚スキー教師から「【TOK】さん,ちょっとクロッシングという言葉…使いすぎだよ !!! 」という苦情も頂いたことがあります。でも,今シーズンこの“クロッシング”の大切さをさらに感じることになりました。(^I^)
 多くのスキーヤーは舵取りが結構自在にできるようになっても,角付けの切り替えがうまく行かず,悶々としている人が多いように思います。でも,私の経験では,クロスオーバーという「スキーの上を“重心”が越えて行くんだ!」という考え方を忘れ,「腰の下をスキーが通り過ぎて行くんだ !!! 」というクロッシング意識を持てば,その疑問は解け,スムーズに身体とスキーの入れ替えができるようになると思います。(^I^)
 そのためには,何度もこの日記にも出てきている“A-Caster”を使うことなのです。舵取り期で使っている「1」のキーキャスターを,そのまま転がりを維持したまま「3番キャスター」の方向に移動させて行く感覚で滑ってみると,A-Casterの転がりが意識できます。つまり,圧を減らさないでターンをリードしてきた外スキーをそのままフラットにして行く…ということができるようになるのです。すると,キーキャスターの時より角付けの量が減り,圧も軽くはなっていませんので,スキーが前方に走ってくれます。結果的に腰の下をスキーが通り過ぎて行ってくれる様になります。この時一瞬スキーのテールだけで雪面を捉えているような,後傾になったような感じがしますが,胸の向きさえ前のターンの迎え角方向を向いていれば,必ず次のターン方向にスキーは返って来ます。
 今シーズンレッスンで,「キャスター・ターン」を多用することになりましたが,その結果として,多くの方に「角付けの切り替え」がさほど難しいものではないことを,学んでいただけたと思います。私の感じでは悪雪や斜面条件が難しければ難しいほど,次のターンに入りやすくなると思っています。その理由は“重心”の軌跡が急激に変動しない事に尽きます。
 この様子を足元だけを強調してアニメにしたものが右のアニメーションです。ターンのマキシマムから徐々に角付けが緩められ,スキーがフラット気味になって腰の下,ひざの下…と通過して行く様子を示したものです。ややトップが浮き気味になりながらクロッシングに入って行く様子がみえます。ターン後半に蓄えられたエネルギーが抜重によって次のターン方向に開放される様に見えますが,滑り手の意識には抜重はありません。もしこの時に抜重があれば,スキーはこれほど走らなくなります。圧を緩めないようにしてフラットに入っていくからこそスキーが走るのです。
 “クロッシング”に磨きをかけることで,確実にターンコントロールが楽になる…そんなことを感じたシーズンでした。(^I^)



May,21/2004 (金曜日)  曇り
  今,8時現在,白馬の里は雲が少し広がっていますが,この雲も間もなく取れて陽が射して来そうな気配です。ここ白馬では台風の影響も少なくて済みそうです。(^I^)
 さて,三日ぶりに白馬に帰って来ましたが,やっぱりイイナァー !!! と思います。自分の祖先が森や平地を闊歩していたのは間違いない…そんなことを思います。(^I^)
       *****
 さて,今日はここ数日お話している「バナナシェープ」や「軸」と関係のあるトピックスで,“T.N”さんから頂いた e-mail について回答させていただきます。そのご質問の内容は…

  『 はじめまして大阪在住のT.Nともうします。毎日楽しくHPを見させていただいてます。スキーを始めてはや20年・・先生のHPに出会い、雪からのいろいろな情報を足裏で敏感に感じ取りながら滑ることの楽しさを今シーズン感じることができました。ありがとうございました。今シーズンはいろいろな斜面、雪質をすべり、それが本当に楽しく、雪がいろいろなことを教えてくれると言うことを知りました。

 先生に一つアドバイスをいただきたいことがあります。ブーツについてです。私は今○○○○をはいていますが、来シーズンは新しいブーツに変えようと考えています。○○○○は足首に角度がついており、私がはくと膝が始めからかなりはいっています。普通に立った状態で上から第1バックルが見えないくらいです。この状態で私がAキャスターを使おうと思うとお尻が落ちた状態になってしまいます。(使い方が間違えているかもしれませんが)
 そこで新しいブーツはN社の△△△△などの比較的足首の前傾角度の浅いものでキーキャスター、Aキャスターの使いやすいブーツを考えています。フレックスも少し堅めを考えています。先生も書かれていたように特に春の雪で今のブーツでは自然に膝がはいってしまい、テールが流れていました。
 先生はどこのブーツをお履きなのでしょうか。また、新しいブーツ選びに関するアドバイスをいただけたら、よろしくお願いします。』


 
“T.N”さん, e-mail ありがとうございます。(^I^) ブーツの前傾角があり過ぎて,テールが流れやすい…とのことですが,私も経験がありますのでその感じが良く解ります。
 昨日の図「バランス維持角」を見ていただきましょう。靴の前傾角が深いということは,ひざ頭が前に行くという事ですから,おなじ雪面抵抗を受けた場合,その分バランス維持角「α」が大きくなって,バナナシェープの曲がり具合を大きくしないとバランスが維持できない…ということになります。この姿勢が苦しいので,いきおい母子きゅう側に乗ってしまいます。でもそうすると,つま先側が支点になってしまって,“T.N”さんの仰るようにテールがターン外側に流れてしまう…という結果になってしまうわけです。
 ただ,レーシングを目的とし,ほとんど硬いバーンしか滑らないレーサーの場合は,トップから切り込んで行くカービング技術を使うことが多いので,ブーツは前傾角の深いもの,フレックスも柔らかいもの,を使う傾向にあります。この方がより角付け角のコントロールがしやすくなりますが,低い姿勢になりがちで,腹筋などのトレーニングも必要になります。エッジコントロールはしやすいものの雪面抵抗が大きくなりがちなので,スピードはロスしやすくなります。ターン円弧や軌跡のコントロールを大事にし少々スピードを犠牲にしても…というトップから切り込んで行くタイプ…といえます。“T.N”さんのお使いのスキーブーツはこういうタイプのものだと思います。
 一方,レーサーの中にもトップではなくテールで切って行くタイプの人も居ます。このようなスキーヤーは前傾角の浅めのもので,フレックスも硬めのものを使う傾向にあります。かかとでの雪面ホールドがしっかりしてきますので,テールでの切れが良くなります。トップでの捉え感は薄いのですが,ターン円弧よりスピード重視の人には適したブーツだと言えます。
 そこで,レーサーでない,私たち一般スキーヤーはどちらを選択したら良いのか?ということになります。私はテールコントロールが主体の人は前傾角が深いブーツを,トップコントロール主体の人なら前傾角が浅めのブーツをお薦めします。その理由は,私たち一般スキーヤーはいつも硬いバーンだけを滑る環境に無く,いろいろな斜面を滑りますし,疲労も少ない方が良いからです。これまで何度も述べていますが,そのためには高い姿勢で滑ることが理想的です。
 でも,物事には「ほどほど…」とか「中道」…という言葉もありますから,極端に走らない方が良いと思います。できれば前傾角やフレックスを変えられる機構を持ったブーツがあれば,それが一番だと思います。同じメーカーでもいろいろな特性のブーツを作っていますので,メーカーよりも機種にこだわるべきだと思います。
 
 スキー板だけでなく,スキーブーツにも注意を払う…大事なことですネ!(^I^)



May,20/2004 (木曜日)  曇り
  今日も出張先,東京からのUP dateです。
  今にも雨が降りそうな感じの東京の空です。昼近くに東京を出て白馬に向かいます。
       *****
 さて,今日は YAMASA50
さんの掲示板への書き込みに対する回答です。May,17/2004 の日記「バナナシェープ」と少し関係がありますので,ここでお話させていただきます。
 バナナシェープ…について次のような書き込みがありました。

  『 YAMASA50 [北海道・東北] 2004/05/19(水)0:10 
 TOKさん こんにちは いつも日記楽しく読ませて頂いてます。先日のバナナシェープのお話、どうも自分は誤解してたようです。今まで足元から腰、頭に掛けて体の左右方向へのバナナシェープの事だと思ってました。実際は体の前後方向へのバナナシェープの事だったんですね。
 ターン後半に肩のラインを出来るだけ斜面に平行にしようとすると外傾になってちょうど体の横方向にバナナシェープのようになるので、てっきりその事だと思い込んでました。』


 
 私の書き方がいけなかったのだと思いますが,「…チョットしたコブが来たりしたら,スキーヤーの身体はつんのめってしまい,バランスを失う事になります。直滑降でさえそうなのですから,ターンの舵取り期においては尚更です。…」ということで直滑降だけでなくターンの最中も…ということで説明させていただいたつもりになっていました。直滑降の時にはバナナの向きは前後方向になりますが,ターンの最中は「迎え角」方向になるのです。申し訳ありません。(=_=;) YAMASA50 さんの仰るように実際のターンでは横方向にもバナナの形は表れてくるのです。直滑降の時にはバナナの向きは12時方向になりますが,大回りターンではそこからややターン外側にバナナの向きが変わって来ます。1時方向あるいは11時方向に変わります。そして中回りターンではさらに外向の向きは大きくなり,バナナの向きは2時や10時になるのです。
 図のバランス角「α」は重心と支点の間に想定される赤いラインと,支点から垂直方向に伸びる青のライン間にできる角度です。ですから,この赤いラインが雪面から来る抵抗とバランスの取れる「軸」になるわけです。つまり,ターンの最中は前後方向にしかできませんが,ターン中はターン内側に入ってきます。ですからバナナはターン外側の抵抗とバランスの取れる向き,つまり迎え角の方向…になるわけです。
 ということで,今日は「バナナシェープ」の補足でした。(^I^)



May,19/2004 (水曜日)  曇り
  今日は出張先からのUP dateです。
  今午後2時…,東京のド真ん中に居ますが,もうすぐ雨になりそうです…。台風が来ているんですって?!?! 
       *****
 さて,今日は今シーズンを振り返っての8回目…「軸」に付いての二日目です…。
 昨日のクイズ…試してご覧いただけましたでしょうか?(^I^)

 私の目に見える「軸」は右の写真のようです。
 ここで,いろいろな略語が出てきましたので,それを先に説明させていただきます。

 *FP⇒支点 (
Fulcrum Point )=体の重みを支える場所
 *SP⇒センサーポイント (Sensor Point)=スキーが雪の抵抗を受け止める場所の中心。スキー板の一部だけで受け止めているわけではないが,その中心として認知される場所。
 *RP⇒レシーブポイント (Receive Point)=雪からの圧を受け止める身体の部位。

 このグッギーの高速大回りの写真では,支点(FP
)を「右足のかかと付近」とし,そことレシーブポイント(RP)を結ぶ軸を中心として斜面移動をしています。その結果,センサーポイント(SP)に雪からの圧が掛かり,そのエネルギーがレシーブポイント(RP)に行っている様に見えます。
 この滑りではレシーブポイント(RP)と支点(FP)を結ぶ線が“サポート軸”で,センサーポイント(SP)からレシーブポイント(RP)に向かっている線が“センサー軸”ということになります。サポート軸は結構張りがあり,強く太い軸としてイメージできますが,センサー軸はそれほど強いものではなく,しかもターンの最中いつも常に存在する…というわけではありません。雪の抵抗の違いによって,細くも太くもイメージされます。モチロン,ここで言っているセンサー軸とかサポート軸などという言葉は【TOK】が勝手に述べている言葉で一般的な認知を受けているわけではありませんので,ご注意ください。(^I^)
 こういう感覚でスキーヤーの写真を見ていると,安心感を与えてくれる人の滑りには必ずと言っていいほど「軸」があり,これがしっかりしているのを感じます。特に「サポート軸」がしっかりしているように思います。そして,うまいスキーヤーは,さらに角付けの切り替えの局面でさえもこの軸が見えているように思います。私に言わせれば“A-Caster”をしっかり意識できるスキーヤーです。(^I^) ですから,“キャスター”や“オレンジ”など足裏に意識を集中でき,雪面コンタクトを意識している人は,この軸ができやすい…ということが言えると思います。
 そして,このサポート軸を意識して滑っていると,本当に微妙な信号なのですが,センサー軸の存在も分かるようになります。この写真は大回りですので,レシーブポイントは重心よりやや上方にできています。回転弧が違ってくると,圧の大きさや,圧の方向,そしてセンサーポイントの場所も違ってきますので,レシーブポイントもいろいろ違った所に意識されるようになります。
 この「軸のイメージ」はあくまで私個人の感覚です。人によっては私と違ったイメージの「軸」ができた人も居られると思います。でもそれはそれで良いと思います。ただ,レッスンなどでこの「軸」のイメージを持っていただくと,ほとんどの方がドッシリと安定感のある滑りをされるようになります。この理由を考えてみると,その大きな要因は【Doスキー】になりにくいからだと思います。【Doスキー】ではバランス維持よりも雪への働き掛けを意識しますから,「軸」が見えにくくなります。「軸」を意識すると,バランス維持がメインになるので,自然に【Letスキー】になって来るのだと思います。(^I^) 軸意識で本当にスキーがうまくできるので,「魔軸(マジック)ターン」と呼んだほどでした。ハッハハハハ……(^I^)(^I^)(^I^)
 今日は「軸」のお話でした。



May,18/2004 (火曜日)  曇り
  今日は曇り空の白馬です。今日これから晴れ間が出てくるようですが…(^I^)。昨日は「雨」でしたので室内で“チューブエクササイズ”と,雨の小降りを狙ってのバイクでした。雨…でも汗をかくのは楽しい !!! (^I^)
 さて,今日から20日まで出張で白馬を留守にします。出張先から教師日記UPする予定ですが,時刻が今よりさらに不規則になることが予想されます。よろしくお願い致します。 
       *****
 さて,今日は今シーズンを振り返っての7回目…今日は「軸」に付いて…。
 この教師日記でもレッスン中に「軸」についてトレーニングした…といろいろ書いてきました。今日はこの軸に付いて考えてみたいと思います。
 よくリフトの上から他人のスキーイングを見ていると,本当に安心してみていられる人と,危なっかしい人が居ます。特に,安心して見られるスキーヤーの滑りにはある特徴があるように思います。私の目にはそれは「軸の有無」のように映ります。
 今日は皆さんにクイズを差し上げます。(^I^) 右の写真はマルティン・グガニックの写真です。さて,皆さんには「軸」がどのように見えるでしょうか?
 私の目に見える「軸」…答えというほどのものではありませんが…は明日解説させていただきます。支点をどことし,雪からの抵抗がスキーのどの部分から,どこに向かってやって来ているか?を右の写真の中に見つけて欲しいと思います。(^I^)
 
身体の重みをしっかり雪に預ける場所はどこか?雪の抵抗を感じ取るスキーの場所は?その雪のエネルギーを受け止める体の部位はは?…というようなことを思いながら写真を見ると,それらの「軸」が現れてきます。 
 それでは,また明日…。(^I^)



May,17/2004 (月曜日)  雨
  今日も「雨」です。この雨…今日一杯は続くようですネ!,(=_=;) でも,明日は晴れの多い天気に !!! 部屋の中でチューブを使った「筋トレ」をしたりしながら身体つくりを怠らない…?【TOK】です。でも,筋肉…意識して動かしていると「気ッ持ちイイ !!! 」と思います。(^I^) 皆さんもイイ身体,作ってますか? 
       *****
 さて,今日は今シーズンを振り返っての6回目…今日はきのうのテーマと少し関係のある「バナナシェープ」ということについて…。
 私がこの言葉に出会ったのはリッチー・ベルガーと一緒に滑った時です。彼の研修会に通訳として参加した時,“Image and keep your body as a banana....”と言うのです。どういう意味なのかすぐピーんと来ました。「外向傾の事だ !!! 」。カービングターンが流行り始めて,巷では「角を立てろ!,できるだけ外にスキーを放り出して壁を作れ!」などと言われていた時期です。後でグッギーにそのことを話したら,「そうダヨ,“スキー”はバナナだよ !!! 」と言って笑っていました。この時多くのスキー教師は可能な限り小さい姿勢を作って,エッジを使ったレールターンの様なカービングに命を掛けていましたから,皆キョトン???としたのを覚えています。
 この
「バナナシェープ」…私は今,本当に大切なことだと思っています。右上の図は直滑降でのバナナイメージです。よく直滑降では雪面に直角に立って滑りなさい…というような解説をしている人を見かけます。図のブルーの線の上に“重心”を持って行くようにしなさい…ということです。でも,これは明らかに間違いです。いくら直滑降といってもスキーの前方から雪の抵抗が来ているわけですから,垂直に立って良い訳がありません。チョットしたコブが来たりしたら,スキーヤーの身体はつんのめってしまい,バランスを失う事になります。直滑降でさえそうなのですから,ターンの舵取り期においては尚更です。グッギーはこのことをよく言っていました。“重心”は後方から付いて行くんだヨ !!! と…。
 上の図では“重心”の赤丸と垂直線との間の角度αをバランス維持角,と言っています。バナナのように湾曲したイメージで“重心”が後ろにあることが大切です。これをアコーデオンの様に股関節で折りたたんでしまっては,“重心”は後方に来れないのです。この「バナナシェープ」…実はキーキャスターと“重心”を結ぶ「あるライン」をイメージすることで,自然に作ることができます。これが実はこの教師日記で以前お話した“Snow Eat Turn”なのです。(^I^)
 下の図をご覧ください。かかとのキーキャスターからひざ,太もも,腰を経由して黒丸●の“重心”までブルーラインが通っています。つまり,かかとのキーキャスターの口から入った雪が,ブルーの経路をたどって“重心”に行き着き,そこに蓄積されるイメージを持つのです。通路が屈折して曲がっていてはそこに雪が滞ってしまいますので,各関節を伸ばそうとする気持ちが働きます。その結果,ひざの関節も,股関節も伸びますから自然に「姿勢が高く」なり懐が深くなるのです。良く「骨盤を立てて滑る…」という言葉を聴きますが,この“Snow Eat Turn”をイメージしてスキーをすると,自然に骨盤も立つことになるわけです。(^I^) これを「骨盤を立てよう,立てよう!」として滑ったのでは姿勢は近いものになったとしても,雪面とのコンタクトは違った結果になってしまいます。
 「バナナシェープ」…実は単に「外向傾」といった単純なモノではなく,骨盤が立ち,姿勢が高く,バランス維持に適した,とても合理的な形なのです。でも,皆さんご注意 !!! 。形は後で付いてくるもの…ナニを意識したから「バナナシェープ」になったのでしたっけ?
 …ということで,今日は「バナナシェープ」のお話でした。(^I^)



May,16/2004 (日曜日)  雨
  昨日は昼頃まで言い天気でした。その陽射しをたのしみながら1時間ばかりテニスを楽しんで来ました。一昨日の山スキーでの筋肉痛が少しづつ和らいで行く感じがしました。(^I^) 
       *****
 さて,今日は今シーズンを振り返っての5回目…今日は「高い姿勢で滑る」ということについて…。
 今シーズンの私の目標のひとつは「高い姿勢で滑る」ということでした。高い姿勢で滑ることの優位性はいろいろありますが,その中でも大きなことは「関節を曲げる量が少ないので,筋肉の疲労が少ない」ということです。それともうひとつ,「より“面”意識で滑れるので“走るスキーイング”が可能になる」ということです。

 この日記でも“線”で滑るということと“面”で滑ることの違いを時々述べてきました。また,On Line Ski School のホームページ“フィーリングスキー”でも「面で滑る」ということを解説していますが,それは
「雪面にフラットにスキーを置くようにすること」ではありません。もちろんフラットにスキーを置けばそれは“面”で滑ることにはなるのですが,私の言う「面で滑る」…というのは,それと少しニュアンスが違います。滑走中には“重心”と“支点”とを結ぶ「サポート軸」をイメージすることができますが,このサポート軸が「スキー板の滑走面と直角にある状態で滑ること」を指しているのです。“フィーリングスキー”で説明用に載せたものが右の図ですが,そこではサポート軸をバランスラインという名前で説明していますので,バランスラインをサポート軸に置き換えて見ていただくと良いと思います。重心と滑走面が90度の関係を維持して滑る意識のものを“面で滑る”と表現しているのです。このようにして滑ると「スキーのフレックスを利用し,スキーをよりたわませている !!! 」という感覚の滑りになります。エッジを強くする感覚で,角を雪面に食い込ませている…という感覚よりも面で滑っている感じが強いのです。
 よく「高い姿勢」と「低い姿勢」という比較がされますが,この時勘違いしやすいのは,雪面と重心の距離の長さでこれを説明しようとする間違いです。右の図「高い姿勢」を見てください。重心“CM”から支点に伸びる黒い線と,雪面に伸びる赤い線がありますが,「赤い線の長短」が高い姿勢の「高い低い」ではありません。黒い線の長い滑りが「高い姿勢」なのです。ひざ関節や腰関節を折り曲げない姿勢です。特にハイスピードで滑るときはこのように高い姿勢でないと筋肉に負担が掛かり過ぎてしまいます。俗に「骨で滑る」などとも言われる滑りです。この図でわかるように,重心から支点に伸びる線とスキー滑走面が直角になっていれば,雪面に対する角付けは強くても「面で滑る」ということになるのです。
 ですから,例えばサポート軸がひざ頭と支点の間にできている「小回り」の時などは,その軸がより内側に入り込みますので,面で滑るというより“線”で滑る意識が強くなるわけです。大回りに比べればターン半径も小さく,遠心力も少ないので耐えられますが,それにしても筋肉は疲れることになります。ですからできるだけ小回りといえども高い姿勢で滑れればそれに越した事はありません。つま先側を支点として角付けをした方がより深いエッジングができますが,それではより低い姿勢になってしまいます。小回りの時でも,かかと支点にした方が,あるところでエッジ角が抑えられてしまいますので,より“面”意識に近い滑りになり,高めの姿勢をキープできることになります。“キャスター・ターン”でキーキャスターをかかと内側,くるぶしの内側付近…としているのはこういう意味からも合理性があると思っています。(^I^)
 “面”で滑るということは,落下運動を主体としてスキーを縦に利用し,“フレックス”を使おうという意識になります。また“線”で滑るという意識は,インサイドエッジ側への働き掛けが強くなり,どちらかというと“トーション”を利用した滑りになるように思います。もちろん面だけでも,また線だけでもターンはできませんが,「切れる滑り」と「走る滑り」を分けるのはこの意識の違いだと思います。
 今シーズン,高い姿勢のことに思いを馳せながらスキーをしてきましたが,そのせいでしょうか,いつもの年よりひざ関節の疲労や痛みが少ない…そんなことを思った【TOK】でした。(^I^)



May,15/2004 (土曜日)  快晴
  今朝は良い天気になりました !!! 昨日までの予報では,週末は天気はあんまり良くない…とのことだったのですが。今日夕方から崩れる様です。
       *****
 さて,今日は「白馬大雪渓」の一つ南側の谷,「長走り沢」に“山スキー”に行って来ました !!! 
 今シーズンのスキーは5月5日で終了の予定でしたが,白馬に住んで居て,まだ滑れるのにもったいない !!! という気持ちになり,今年から八方尾根スキースクールでスキー教師に採用してもらった息子「一哲」と二人で一緒に行って参りました。今日はそのレポートです。(^I^)
 朝8時半,自宅前で待ち合わせ,「猿倉」という白馬岳登山のベースとなる所までドライブ。9時過ぎに猿倉に着き,早速荷物を担いで登り始めました。今年は例年に比べ約2週間,雪解けが早い感じで,いつもならこの時期猿倉付近には雪がたくさんあり,ここまで滑って来れるのですが,今年は不可能…でした。
 始めは大雪渓にしようか?それとも長走り沢?と迷いましたが,息子の一哲がまだ長走り沢を滑ったことが無い…ということで,こちらに決定 !!! 。猿倉から大雪渓に向かう道の途中から左に折れ,長走り沢へ向かいました。この沢,白馬岳と白馬槍岳の真ん中にある「杓子岳」から伸びる右の尾根筋につながっている沢で,雪が無いととても登るのは無理な沢です。
 いつもなら5月の中旬であれば,沢の下部も全部雪に覆われていて楽に登れるのですが,今年は雪解けが早く,ところどころ沢の水が顔を出しています。残雪の薄いところを避けながら慎重に登り始め,私が当初最終目的地だと思っていた沢の中間部まで約1時間半の登りでした。朝早くは雲が広がっていましたが,その雲も次第に取れ,中間部に登りきった頃には良い天気になりました。(^I^) 私の予定では,この中間部をベースにして,沢の支流にある残雪を求めて登り,滑り降りてはまた別の沢に登り滑る…という「滑り重視」のつもりで居たのですが,一哲が「せっかく来たのだから,行ける所まで登ろう !!! 登れるだけ登って滑りは1回コッキリでイイじゃない !!! 」。天気も良くなって来て頂上の方に青空も広がって来たし,雪が無ければこの沢を登る事も容易じゃない…。息子の言葉もモットモ…ということで,靴をスキーブーツに履き替え,また登り始めました。大雪渓にしてもこの長走り沢にしても,上部に行くにしたがって反り返るように急峻になります。中間部までは結構良いペースで登れた二人も,足が次第に遅くなります。それでも何とか自分を励まし,目的の尾根筋に出たのが12時半頃…。猿倉を出て約3時間の登りでした。
 尾根筋の到達点は標高約2000メートル,猿倉から標高差700m,距離およそ8キロを3時間かけて登った事になります。さすがに最後の頃には登りが急峻で,20歩くらい登ってはひと休み,またひと休み…の連続で足もパンパンになるほどでした。でもここからの景色は結構良く,八方尾根をしっかり北側から見ることができました。(^I^)
 昼飯をここで済ませ,後は滑り下りるだけです。1時半,尾根筋をスタート,途中,滑りをビデオに収めながらの滑走でした。やはり下りは早い !!! 数時間かけて登った斜面もホンノ数分で降りてしまいます。右の写真は一哲のスタート直後のものです。小一時間かけて,ゼイゼイハァーハァー登った急斜面も10秒くらいでEND !!!
尾根筋から沢の上部は結構雪質も良く滑りやすかったのですが,所々石があったり,クレパスが口を開いていたり…で,コース取りが結構大変です。でも,これらの障害物を避けながら滑るのも楽しいものでした。一哲は急斜面を滑降中,一度クレパスのすぐ上に出てしまい,これを飛び越すという技を披露してくれました。文字通りアッと言う間に沢の中間点まで到達したのでした。(^I^)
 でも,ここでちょっとしたアクシデント発生 !!! 【TOK】の太もも内側の筋肉,多分「長内転筋」もしくは「薄筋」がつってしまったのです。それも両足とも !!! 5分くらいその痛みに耐え,発作が収まったところで出発。でもこの発作,その後数回続いたのでした。一哲に言わせると,「ミネラルや水の補給不足。汗をかく前にこれらを補給するのは基本の基本…」と言われてしまった【TOK】でした。(=_=;)
 その後スタート地点の猿倉に着いたのが午後2時半。ビデオを撮ったり,私の発作があったりで時間を費やしましたが,約1時間の下りでした。今年は雪の量が少なく,これからはアクセスも大変になりそうなので,無理ですが,来年は皆さんにも誘いをかけさせてもらい,一緒に楽しみたいと思います。
 
結構楽しく「山スキー」を楽しんだ二人でした。でも,お疲れ様でした !!! 
 ハイ,ホント疲れました。(^I^)



May,14/2004 (金曜日)  晴れ
  今朝は朝のうちはまだ曇っていますが,これから雲も取れ良い天気になりそうです。今日はこれから「白馬大雪渓」まで滑りに行って来ます。多分その一つ手前の谷,「長走り沢」の方が条件が良いと思うのですが…。後で帰って来たらレポートしますのでお楽しみに!!!。(^I^) 
 さて,ニュージーランドでスキーを楽しもう!!!ということで,jpSKI.comさんを中心に企画を練らせていただいていましたが,その詳細が決まりました。私からのメッセージ…にも書かせてもらいましたが,選択肢を優先したクライストチャーチでの食事以外は,オール込みでの料金ですので,リーズナブルな価格で行けると思います。ぜひご一緒に参りましょう!!! 楽しみにしております。(^I^) 尚,スキーの技能レベルはパラレルターンができる人ならOKです。何かご質問などありましたら,私もこのツアーの企画の一部を担当しましたのでご遠慮なく私宛 e-mail 下さい。
 尚,数人の方からjpSKI.comのバックボーンはどういう人で,信頼できる人ですか?というご質問を受けました。当然のことだと思います。私【TOK】の口からハッキリ申し上げて,本当に信頼できる人です。スキー技術もかなりなポテンシャルを持って居られます。信用していただいて大丈夫!!!,【TOK】が責任を持ちます。(^I^)
       *****
 さて,今シーズンを振り返っての4回目,今日は「因果」について…。
 この教師日記のところどころで紹介させていただいていますが,今シーズンは特に「滑りの因果関係」に付いていろいろ思いました。新教程の19ページ,2.スキー技術における「原因」と「結果」…でも触れていますが,私の「因果関係」はこれと少しニュアンスが違うものです。
 例えば“キャスター・ターン”で1時方向に斜面移動して行ったとします。するとスキー板は雪の抵抗を受け,雪質の状態,滑走スピード,エッジング角などの要素によってターンを始めます。この時のスキーの進行方向は,最初に自分が意識した1時方向ではなく,それよりも内側になっています。初めに行こうと意識したのは「1時方向」なのに,雪の抵抗やスキーの特性が働いて実際は1時方向ではなくなった…ということです。つまり,自分の「積もり」とその結果起った「現象」とは違っている,ということなのです。私たちが実際にスキーをしている時,このようなことがいつも起こっています。特に【Letスキー】でスキーをしようとすると,こういうことが多くなるのです。
 ところが,自分でスキーをエイヤッと動かしている時は自分で「やろう!」としていますから,ある程度その結果が予測できるのです。ですから,その時は予め起こるであろう現象を自分で予測した行動を先に取ることができます。これは【Doスキー】的なスキー操作,ということができます。
 ですから,【Letスキー】的な,位置エネルギーを利用したターンをするようになると,予測は先にできないことが多いのです。実際にその場所を滑ってみないとなんとも言えない…的な滑り方になるのです。落下してみて初めてその場所からの抵抗感が判り,「ハハァーン,ここはこういう抵抗が来てスキーはこういう回り方をするから,じゃあ,あの方向に行くには,乗る位置をここにして行き先のイメージをあっちにすると良いンんだな?」という,フィードバック的な意識が必要になってくるのです。多くのエキスパートスキーヤーは,このような「積もり」と「実際の現象」を,その程度の多少を別にして感じながら調整して滑っていると思います。
 このことを一番感じたのは“キャスター・ターン”のクロッシングの局面でです。舵取りの時は1時なら1時方向に転がして行こうとしているのですが,結局は12時方向にキャスターは転がって行っている。ですから次のターンに入ろうとした時は,キーキャスターの転がりを1時ではなく12時方向にイメージしなくてはならない…ということです。これを間違ってしまうと,1時方向に行こうとしていたんだから,キーキャスターからA-Caster,3番キャスターに乗り移る時もその方向は,それまでの1時方向…?ということになってしまいます。
 「ある意識」から生まれる「ある結果」は,そこに介在する条件によって違う形で表れる…ということを理解することが大事になります。こういう「積もり(因)」で滑ったのだから「結果(果)」はこうなるはずだ!!!ではダメなのです。「因」が同じでも,その時々のいろいろな条件によって「果」は違ったものとして現れて来るのです。
 “スキー”とはこのような「因」によって「果」を生み出す,そのプロセスを楽しむものでもある…そんなことを思った【TOK】でした。(^I^)



May,13/2004 (木曜日)  曇り
  今朝はあいにくの曇り空です。…というのはもしそんなに悪天候で無かったら,大雪渓近くの「長走り沢」という所にスキーに行って来ようと思っていたからです。(^I^) 昼頃までは持ちそうですので行って来ようカナ?(^I^)
       *****
 さて,今シーズンを振り返って…今日は「検定」についてです。
 今シーズンの初めに「新教程」改定が行なわれ,それに伴って,検定のシステムも変更になりました。先シーズンまでの「評価基準」は,「到達度」「習熟度」「運動要領への適応度」ということでしたが,今シーズンは様相が変わり「斜面状況への適応度」ということになりました。同じ「適応度」でも,「運動要領」と「斜面状況」とでは天地ほどの違いがあると思っていました。どんな斜面でも同じ運動要素や技術を求めるものと,斜面状況によってはそれを変えて,場面場面に合った技術を用いても良い,というのでは全く違ったことが求められるからです。そういう意味では,今シーズンの検定は受験生の選択肢が広がり,自由になったと思います。何が何でもカービング!…といった状況は無くなりました。しかし検定日当日の雪質や斜面条件に応じた滑りをする,ということは,逆にその技術や運動要素を見極める能力が必要になったということでもあります。その分難しくなったとも言えます。そういう意味では受験する方々に「スキー技術とは何か?」ということを考える良い機会を与えることにもなったと思います。一昨日「小回り」が検定種目に多く採用になった,ということが合格者を減らした,と書きましたが,それ以外に上記のようなこともその理由だったと思います。
 ひとつの技術だけに固執していては,いろいろな斜面に合った滑りはできません。オールラウンド的にいろいろな技術を身に付けていないと対応できないのです。そういう意味では「新検定」は以前のものより的を得たシステムになった…と言えると思います。合格者は減ったけれど,望ましい検定に戻ったと思います。そういう意味で
新検定は◎」です。
 検定受験だけが“スキー”ではありませんが,1級や2級受験にトライし,その中で適応幅の広い技術を身に付けて行く…という意味で,「検定」は本来の姿に近くなったと感じた【TOK】でした。(^I^)



May,12/2004 (水曜日)  快晴
  今朝は素晴らしい景色に出会えました。(^I^) …というのは放射冷却だったからでしょうか,朝早くガスが平地を覆っていたのですが,そのガスが次第に晴れ始め,その合間から「白馬槍ヶ岳」の残雪を頂いた姿が,まるで映画のワンシーンを見ているような感じて現れてきたのです。白馬に住んでいても,こういうシーンにはめったに出会えません。その日の状況と自分のタイムスケジュール,そのタイミングがピッタリ合わないと…。
 今日も気持ちよく一日が過ごせそうです。(^I^)
       *****
 さて,昨日からは今シーズン,2004シーズンを振り返って…ということで書いています。今日は「トップコントロール,テールコントロール」についてです。
 この言葉も今シーズンの初めに「新教程」の中で新しく言われ始めたのですが,検定の要領の中にこの言葉があったものですから多くの方からご質問を受けました。一体どういう滑りがトップコントロールで,何がテールコントロールなんだ?と…。【TOK】流に簡単に言えば「つま先側を支点にしてテールを左右にコントロールするのがテールコントロール」で,「かかとを支点としてスキーのトップ側をコントロールするのがトップコントロール」…ということです。トップ&テールコントロールはその中間で「土踏まず」辺りが支点になった滑り…という風に解釈すれば良いと思います。「支点」という感覚を持てば結構簡単に説明がつくことなのですが,それをスキー操作という観点で「トップでとらえて行く」とか,「テールの横ズレ感覚」というような表現で説明しようとして,混乱させてしまうケースがあったようです。ターンするには雪とスキーの間に「圧」が必要なのですが,「その“圧”には方向がある」ということを無視してしまうとこういう結果になってしまいます。
 新しい教程に素晴らしい言葉が載っています。「“スキー”は落下運動である」という言葉です。つまり位置エネルギーを利用してスキーをしなさい,ということなのですが,そのくせに【Doスキー】的な運動要素を持ち出してスキー操作を説明しようとするからオカシナことになってしまうのだと思います。スキッドとスライド,スリップの違いを明確にしないことや,サイドカーブのことばかり持ち出し,もう一つの大事なスキーの形状特性である「トップ部分がテール部分より長い」ということを活かした滑りを考慮に入れないことも問題だと思います。スキーの形状の両特性を活かした滑りを,落下運動と組み合わせて行なえば,トップコントロールやテールコントロールの意味はおのずと明らかになって来る…私はそう思っています。
 シーズン初めになにかと取りざたされたこの「トップコントロールやテールコントロール」…シーズンが終わる頃には多くのスキーヤーも理解されたと思っています。
 特に,この日記をお読み頂いている方は「キーキャスターを支点としたキャスター・ターンは“トップコントロール”だったんだ!!!」ということに気付かれていたと…。(^I^)



May,11/2004 (火曜日)  晴れ
  今日は良い天気になりそうです。(^I^) 昨日も書きましたが,キットいろいろな緑が私たちの目を楽しませてくれる事でしょう。(^I^) 春のこの頃,本当に植物の持っている成長のエネルギー,勢いを感じます。
       *****
 さて,今日からは今シーズンを振り返っての感想を少し書いてみたいと思います。
 2004シーズンインの頃は「新教程」が発刊され「指導法」も「検定」も変わる…ということで,ひょっとすると大変な事になるのでは…と心配しました。ですが幕を開けてみるとそれほどのことはありませんでした。今思うとシーズンインの頃のあの騒ぎは何だったんだろう?という気さえします。(^I^) スキーヤーはそれほど馬鹿じゃない,皆それぞれ落ち着き先を知っていて,水が流れるように自然の導きに従うものだ…という思いを強くしています。
 新教程で言われていた「水平面理論」も実際の指導現場では大きな話題にもなりませんでしたし,多くのスキーヤーもそのことを求めもしませんでした。理論は理論として,やはり実際のターンでは「ターン後半の雪質や斜度,滑走スピードに合った,適度で自然な外向傾」と,その結果現れる「ターン前半の自然な内向内傾」を大事にした滑りを多くのスキーヤーは目指していました。
 特に「検定」の1級や2級の種目に「小回り」が入ったことで,ターン後半の“上肢と下肢の間のネジレ”,つまり「外向姿勢」の必要性を感じた方が多かったようです。これまで数年間カービングターンにこだわった滑りを検定の場面でも要求してきたためでしょうか,シーズン初めに懸念したようにやはり小回りの苦手な受験生が多く見られました。その結果と言って良いでしょう,合格者の数が約35%ほど減りました。私が担当した検定でもやはり「小回り」のポイントが低いために不合格となった受験生がたくさんおりました。
 大回りについても角付けだけに頼らず,スキッディング的に斜面を移動する事でスキーがたわみ,その結果としてカービング要素のターンができることを理解した人も多く居られました。その結果,ゲレンデの中に,一部姿勢の低いカーバースキーヤーの姿も見られましたが,腰の位置の高い合理的なスキー操作をする人も結構増えました。(^I^)
 総じて,私の感想では,検定で求められた
「斜面状況への適応度」という考え方が浸透してきたシーズンだったと思います。カービングスキーが台頭してから「エッジング多用」に傾いていた錘が,少し「面多用」に移ってきたカナ?と感じたシーズンでした。
 さて,皆さんはどう感じられたでしょうか?




May,10/2004 (月曜日)  小雨
  今朝は小雨が降っています。芽吹きの草木に新鮮な水を与えているような…そんな気がします。次第に緑の色が多くなってきました。春のこの時期,毎年の事ですが,いろいろな緑の色の多さに感動します。薄い緑から濃い緑まで様々で面白いと思います。(^I^)
       *****
 さて,昨日はスキースクールの粗大ゴミの処理をしました。シーズン中にいろいろな大会やスクール行事で使った資材で,もう使えなくなった物が結構出ます。シーズン中は雪のため処理ができないので,春になって雪が溶けてから,これらの物を処分します。昨日もトラック2台分くらいの粗大ゴミが出ました。よくもまあこんなに…と思うのですが,これらの資材を使わないと大会の運営がスムーズに行かないのだナァー…としみじみ思います。できるだけ再生して使えるものは使える物として保存はしているのですが…。スクール役員10数名で雨の中,これらの作業をしたのでした。
 その後お昼を一緒に頂きながら,役員としての今シーズンを振り返りました。スキースクールとしての所期の目的を達成できただろうか?多くの皆さんにスキーやスノーボードを楽しんでもらえただろうか?…ということを振り返ってみました。一番の目的はもちろん一般の皆さんにスキーやスノーボードの技術をお教えし,その楽しさを知っていただくことなのですが,スクールという公の立場で地域に貢献する事も求められます。レッスン活動,大会運営,地域産業活性化への貢献…これら諸々の事がバランス良く達成できて初めて,高い評価を受けます。この2年間役員の一人としてその牽引役を担ってきたのですが,やり残したと思うことも少しはあります。でも,自分のすべき事の大半は達成できたと思っています。総勢200名を越える集団をリードして行くのは大変でしたが,「教師諸君一人々々に自らなすべき事を自覚してもらう事」が一番だと思って,事に当たってきました。200名が居れば200通りの考えがあり,価値観があります。それを一つの考えだけに絞るのではなく,違いを違いとして活かして行く…と姿勢で努めさせていただきました。その結果がどう出,どういう評価を受けるか?はこれから先のことですが,今役員の任期を終えるにあたって,ある種の満足感を感じています。(^I^)
 八方尾根スキースクールの技術・指導・検定の3セクションの部長…という大役をこなして来れたのも,スキースクール校長,副校長の厚い信任があったからだと感謝しております。本当に良い経験をさせていただきました。
 皆さん,ありがとうございました!!! (^I^)



May,09/2004 (日曜日)  曇り
  今朝は少し暖かめのうす曇りです。これから雨になるようですが…。その雨もどことなく新鮮に感じられるでしょう。(^I^) 
       *****
 さて,昨日は午前中あまりの天気の良さに誘われてテニスをして来ました。今年二回目のテニスですので,試合はボロボロに負けましたが,楽しくプレイができました。勝ち負けをあんまり気にすると,テニスそのものを楽しむというより,フラストレーションを感じてしまうので,「自分がこうやってテニスができるのはホントに幸せだナァー」…と感謝しながら汗をかいてきました。(^I^)
 昼過ぎから
“Spring Camp”後半参加の皆さんの滑りのCDを作成しました。昨日完成しましたので,明日月曜日に郵便でお送りします。お待ちどう様でした!!! (^I^)
 さて,そのCDを作りながら皆さんの滑りを,またまた時間を置いて見ることになりました。映像を見ていると,その日に返り,その時感じたことを思い出します。“Spring Camp”後半の方は撮影の時,霧(ガス)が流れていて何回か撮影を中断しながらの撮影でした。でも斜面は荒れておらず結構滑りやすかったのを思い出します。その二日後もどれくらい滑りが変わったか?という意味でまた撮影をしました。この時は雪がザブザブで,小さいコブもでき,滑りづらかったのを覚えています。でも皆さんは雪とのコンタクトをしっかり感じながら,そして楽しみながら滑られていました。朝一番の整地や人の少ない時の整地も楽しいけれど,少しコブのできたザクザク雪も楽しい!!! そんな感じに見えました。(^I^)
 私はレッスンで良く話すのですが,人間にもいろいろな方が居られるように,雪にもいろいろあります。一緒に居て本当に楽しくなる人や,気性の難しい人,自分の考えを前面に出す人に,穏やかな人…いろいろです。雪も同じでいろいろ変わりモノがあります。でも,人付き合いも好きな人だけと付き合っていては人間としての幅が狭くなります。時々,変わった人とお付き合いすることが,その人の人間を大きくしてくれます。スキーの場合も同じで,好きな雪質だけや斜面を選んでばかり居ては技術的な幅が広がりません。イロイロに挑戦し,イロイロを感じることで幅ができ,大きくなるのだと思います。
 さて,昨日のテニス…いつもクロスに返す人,またストレート狙いの人,ネットに詰める人にベースラインから動かない人…プレイスタイルも様々です。テニスのイロイロを感じながらの楽しいひと時でした。(^I^)




May,08/2004 (土曜日)  快晴
  今日もまた快晴です!(^I^) 冬のシーズンが終わって,朝起きの時間が30分ばかり遅くなりました。レッスンに向かう張り詰めた気持ちはありませんが,コーヒーをじっくり味わいながら,朝のゆったりした時間を楽しみつつ,「教師日記」を書いています。(^I^) 
       *****
 昨日は“jpSKI.com”からの依頼原稿書きと,
“Spring Camp”後半参加の皆さんのVTR編集を行ないました。妻に「スキーが終わっても忙しいのネ…」と言われながら,楽しみながら作業をしています。「オフシーズンも“スキー”のことを毎日一回は考える機会に恵まれている…」と感謝しながら机に向かっています。(^I^)sj0001.jpg (119196 バイト)
 
さて,昨日依頼原稿を書くのに古い資料が必要になり,昔の雑誌を調べることになりました。屋根裏の倉庫に上っていろいろ探し物をしました。そしたら,「 Ski Journal の“創刊号”」が出て来ました!!!。以前何かでこの創刊号が必要になり,一生懸命探した時には出て来なかったのですが,他の雑誌を探していたらひょこっと現れました!!!(^I^)。その表紙…皆さんにご紹介します。画像をクリックすると大きくなりますが,1966年9月1日発行の Ski Journal 創刊号です。
 この頃の Ski Journal のレイアウト監修は,有名なデザイナー「亀倉雄策」さんが担当して居られましたが,彼の「表紙について」のコメントがありますので紹介させていただきたいと思います。

    ●表紙について               亀倉雄策
      北井三郎の写真である。ヘリコプターを飛ばして撮った
    大がかりでゼイタクな写真である。 光と影のコントラスト
    の強い写真であるが スキーの持っている美しさ 強烈さ
    が出ていて魅力的だと思う。
      「SKI・ジャーナル」の表紙は 毎号写真のよさに神経
    を集中したい。いい写真だけで表紙を飾りたい。今迄の雑
    誌のように記事内容を表紙にゴテゴテいれて写真をこわす
    ようなやり方はさけたい。
     2年たっても3年たっても  本棚からひっぱり出してみ
    て 生命を失っていないすばらしい表紙を作りたいと思っ
    ている。 

                            …原文のまま
 今から38年前の雑誌ですが,この表紙を見て今でも素晴らしい!!!…と思います。亀倉さんの思い入れが今でも生きていると思います。彼の「2年たっても3年たっても…」が実際は30数年たっても…だったのですネ!(^I^) 実は創刊号のこの写真…購入した時にも感動したのを覚えています。スラロームの写真です。昔はSL競技は赤,青,黄色の三色の旗がゲートに付けられていました。この6ゲートの間に5人ものスラローマーがトレイン状態で入っているのですから写真のコントラストと同じように,滑りそのものも強烈です。また俯瞰で撮影されていて,これがヘリコプターからの写真だった…というのにも驚かされます。
 表紙の写真もさることながら,雑誌の編集スタイルにも感心します。この頃も,冬前に季刊号として数誌のスキー雑誌が発売されてはいましたが,通年刊行したのはこの Ski Journal が世界で初めてです。“滝 泰三”さんという方が編集人兼発行人でした。“スキー”を愛する人達が非常な思い入れを入れて作られた雑誌です。私に言わせれば「“スキー”に夢とロマンを感じさせてくれる雑誌編集」でした。
 38年前の素晴らしい雑誌に又会えました。(^I^) そして,先人の“スキー”に対する深い思いを新たに感じました。
 私自身もその一端を担えるように最善を!!!…そう思った【TOK】でした。(^I^) ヤルゾー!!!



May,07/2004 (金曜日)  快晴
  今日も快晴です!(^I^) 朝は少し冷えていますが,日中は暑くなりそうです。わたしはスキーモードからオフモードに変わりつつありますが,皆さんはいかがですか?
       *****
 さて,昨日「けじめのレッスン」を読まれた方々からいろいろ e-mail を頂きました。ありがとうございます。スキーのレッスン活動を止める訳ではなく,これからも機会見つけてというか,良い機会を作って皆さんとご一緒に“スキー”を楽しんで行こうと思っております。
 実は昨日のトップページにリンクを張っておきましたが,私のスキースタイルに共感し支援していただけるweb-siteがOpenしました。この春,「【TOK】が還暦を迎えたらスクールの第一線から退く…」という話を聞いて,そんなに老け込むようなことを言わず頑張れ!…という意味で作っていただいたと思っております。(^I^) でも,私は節目を迎えても家に閉じこもる気持ちは毛頭ありません。いままでオンシーズンには滑ることの少なかった日本中のスキー場を巡りたいとも思っています。また機会を見つけて外国のスキー場にも行ってみようと思っています。そして,スキー技術上達を証を実際のオフピステや,自然条件のより豊かな場所で,皆さんとご一緒に試してみたい…という気持ちもあります。“スキー”の楽しみ方をより自由に,深く求めて行く…と言ってもいいでしょう。(^I^) このような【TOK】の気持ちを察していただいてサイトを立ち上げれくれたのだと思っております。ありがたいことです。
 また,このweb-site“jpSKI.com”では,雪上でのスキーキャンプ(国内,海外)や,オフラインイベントなどを通し,メンバー相互の“顔の見える相互コミュニケーションの場”を提供していくことを目的のひとつとしている…ということです。このサイトを通して皆さんと双方向的なコミュニケーションを図りながら,いろいろ“スキー”を楽しむことができそうで,本当に嬉しく思っております。(^I^)
 モチロン,このサイト「On Line Ski School」も続けますが,無料レンタルサーバーを使わせていただいておりますので画像UPなどの点でイマイチきめ細かいサービスができません。その点http://www.jpski.comではそれが可能な様なので,双方向的コミュニケーションができることと併せ,ある意味で期待しております。
 ある意味で,【TOK】の新しいスキーワールドへの「旅立ち」という気持ちです。(^I^)



May,06/2004 (木曜日)  快晴
  今日はクッキリと良く晴れました!(^I^) こう天気が良いと気分が本当にイイですネ!。
 ところで,昨日で“Tok”の2004シーズンが終わりました。みなさんにもいろいろお世話になりました。ありがとうございました。今日が’04シーズンの最後か?と思うと想像以上に気が張りました。私の今シーズン最後のターンは「大回り」で,本当に気持ちよく滑れました。滑り収めの一本としては最高の滑りだと思います。今も最後のひとターン…左山回りの感触がイイ気持ちで残っています。(^I^) 怪我も無く1シーズン終えることができたことにも感謝です。
 皆さんの滑り納めのターンは?
      *****
 さて,シーズン最後のレッスンだった昨日は,私のホームページを良くご覧いただいている“Sas”さんのプライベートレッスンでした。(^I^) 来シーズン準指受験を視野に入れておいででその準備と,私がホームページで述べているいろいろな感覚を学びたい…ということでの受講でした。
 滑りを拝見すると,準指受験を考えておられるだけあって,とてもポテンシャルの高い滑りをされていました。ただこの春の雪ではちょっと支点が前過ぎるのと,角付けの切り替えが少しやりにくそうでした。そこで,先ず“オレンジターン”で雪を感じるということはどういうことなのか?を体験していただきました。オレンジが足と雪の間の圧力でつぶれ,ジュースが出るのだけれど,その時ジュースはどちらに飛ぶ感覚なのだろうか?…ということを考えるだけで,身体の反応が全く違ってくる事を実感していただきました。このように「足裏で感じる…」という意味が解ると,ターンに必要な「圧」を落下運動で得ようとするか?それとも自分からの働き掛けで行なうのか?という両者の違いが解って来ます。落下運動で…という意識になれば,あとはスキーの特性を活かすような乗り方をすれば良い訳です。(^I^)
 “Sas”さんはこれまでいろいろ勉強されておられ,私のひと言ひと言を味わうように確実にこなされて行きました。スキッディングターンの意味は?カービングとは?なぜキャスターなのか?なぜかかと支点なのか?なぜA-Casterを使うのか?なぜお習字ターンなのか?なぜSnow Eat Turnなのか?なぜ軸意識が必要なのか?なぜバナナシェープなのか?なぜサポート軸がありセンサー軸が意識されるのか?…Etc.など,私が話すことを次々とクリアしてくれました。(^I^) 多分,3日間か4日間でお話しする内容を1日でお話したのですから,相当大変だったと思います。普通のスキーヤーであれば,私のフィーリングスキーの全てをお話しするようなこのようなレッスンは,迷いをこそ与えてもイイ結果は生まないと思います。でも“Sas”さんは違いました。文字通り,「乾いた砂に水が染み込むように…」私の話を理解され,それに連れて滑りも変わって来ました。(^I^)
 実は昨日のレッスンは私自身の中で大きな意味を持っておりました。それは「'04シーズン最後のレッスン」だという以外に,スキー教師活動に一つのけじめをつける意味があったのです。私的なことですが,おかげさまでこの4月「還暦」を迎えることができました。
私は心の中で密かに決めていたことがあります…それは,還暦を迎えたらスキースクールの第一線からは退かして頂こう…ということです。もちろん,スキー指導を止める訳ではありません。もしご指名のレッスンなどがあり,“Tok”でイイよ…ということであれば,ありがたくご要望に沿わせて頂く つもりです。しかし八方尾根スキースクールの若い教師諸君と同じ様に,エネルギーに溢れたレッスンすることは無理だと思っています。この年になれば,教師生活30数年の経験を活かした別の活動スタイルがある…と思っています。
 ということで,昨日のレッスンはある意味で「けじめのレッスン」でした。このような特別の意味合いの日に
“Sas”さんに出会え,私のレッスンの全てを語れたことは,無上の喜びでもあります。(^I^) “Sas”さん本当にありがとうございました。深い霧の中の一日でしたが,お疲れ様でした。(^I^)



May,05/2004 (水曜日)  曇り
  昨日は雨でしたが,その雨も上がって今日は曇り空の白馬です。 GW前半は良い天候に恵まれましたが後半ややぐずつき気味に…。でもそれぞれの雪の感触が楽しめました。そしていよいよ今日で八方尾根スキー場の営業終了です。今日の最終レッスン,怪我や事故の無い様気をつけ,楽しんで滑って参ります。(^I^)
      *****
 昨日は“Aok”さんのプライベートレッスンでした。“Aok”さんとはこの3月にご一緒させていただいております。シーズン終わりを迎え,「来シーズンへの課題探り」と「軸意識のスキーイング」を目的としてのレッスン受講でした。
 前回は“キャスター・ターン”を学びましたので,昨日もその復習から始めました。キャスター・ターンの意図する所は「斜面移動」です。それによってスキーの性能が生かされ,位置エネルギーを使ったターンができるようになることです。“Aok”さんも数回の滑走でそのイメージを思い出されました。(^I^) そこで次に,より雪とのコンタクト感を味わっていただくために“お習字ターン”をイメージすることにしました。“Aok”さんは音楽関係のお仕事をされておられる関係でしょうか,イメージを膨らませる事に長けておられるようです。次々と私が話すイメージを身体で具現することができました。舵取り期では筆の毛先で滑る意識,角付けの切り替えでは筆先を払う意識など,次第に身に付けられました。
 午後は“お習字ターン”をより深め,滑走中の「軸」がしっかり意識できるようにトレーニングを行ないました。筆先をキャスター・ターンのキーキャスターの位置にイメージし,そこで書いて行くイメージを持つことで,休みの無い斜面移動の意識できます。その時の雪面コンタクト感は,筆の毛の部分の「たわみ具合」でイメージされます。そして,さらに筆のどの部分を持って書いているか?というイメージを,身体の肩の部分や,腰,膝…などに意識するようにします。この身体の部位の意識が鮮明になってくると,この部位と筆先との間に「軸」がイメージされてきます。筆先だけが紙面ならぬ雪面上を移動する訳ではなく,筆を持っている部分,つまり,肩や腰がその筆先と一緒になって移動して行くイメージが沸いてくるのです。
 “Aok”さんも数回の練習でこのコツをつかまれました。(^I^) キーキャスターの位置に筆先イメージがあり,身体のどの部分で書いて行くのか?という明確な意思を持つことで,上半身の構えも自然に“バナナシェープ”になって来ました。(^I^) そして,これまではターン後半スピードが減じてしまうため,切り上がっていくことが苦手だった“Aok”さんのターンも次第に深回りをして行くことができるようになりました。(^I^) 「筆先の払い」感を持つことで,クロッシング感覚が豊かになり,中回りや大回りだけでなく,小回りでもテールを横に振らないスピードコントロール豊かなターンができるようになられました。(^I^)
 「来シーズンへの課題」という意味では,レッスンでも「筆」や「キャスター」をイメージしたように,かかとで身体を支えるフィーリングになれることが挙げられます。また,意識を足に集中させるトレーニングを行い,足裏感覚が鋭敏になるようにすることで,身体を感感性豊かにして行くこと…なども良いでしょう。
 「軸意識のスキーイング」はその目的を達せられましたので,昨日のイメージを忘れないようすることです。(^I^)
 結構強い降雨の中,本当にお疲れ様でした。また来シーズン,機会がありましたらご一緒しましょう!!!(^I^)
 ありがとうございました。



May,04/2004 (火曜日)  雨
  昨日まで持った晴天もいよいよ終わり,今日は雨の一日になりそうです。でも,またこの雨の日の雪も,それなりに感触が違って,面白いです。(^I^) 今日もレッスンです。滑れる幸せを思いながら楽しんで来ます。(^I^)
      *****
 昨日は“Yamamo”さんと“Yamashi”さんのプライベートレッスンでした。お二人とは前にもご一緒させていただいたことがあります。特に“Yamashi”さんには前回の“Spring Camp”にもご参加いただきました。その節はありがとうございました。(^I^)
 さて,昨日はお二人とも不整地小回りをされたい…ということでしたので「小回り」メインのレッスンとなりました。雪はモチロン春のグサグサ雪で非常に重い状態でした。雪の抵抗をしっかり受け止め,できるだけスキーを左右に振らないターンが求められますので,非常に難しいと言えば難しいトレーニングになりました。
 小回りに限らず全てのターンでも大事なことなのですが,ポイントは二つあります。一つは「舵取りをどう行なうか?」ということ。もう一つは「角付けの切り替え」をどう行なうか?ということです。
 舵取り期では支点(荷重点)をどこに置き,どの方向から雪の抵抗をもらうか?がポイントです。支点が前だとテールが横に動きやすく春の雪ではバランスを崩す原因となってしまいます。「かかと付近」を支点として,スキーのトップがターン内側に回り込んで来るような滑りをするのがベストです。そのためにはかかとに乗っても後傾姿勢(靴の後ろに寄りかかる滑り)にならないように,斜面移動を強く意識しなければなりません。またターン後半では上半身と下半身の間に,しっかりした「ネジレ現象」が表れるようにすることも必要です。またさらには,雪からの抵抗が大きいので,斜面に垂直に立つ意識ではなく,やや後方から“重心”が付いて行く意識も必要になります。このようなことを,お二人とも普段は何気なく意識されていますので,ナントナク小回りができているのですが,昨日のようなグサグサ雪ではしっかりと明確に「どこに乗り,どの方向へ,どう移動するのか?」という意識が大事になります。かかとを支点とする意味,迎え角をしっかりし意識する意味,小回りでも軸をイメージする必要がある意味…これらをしっかり理解し,意識してできるようになれば本物のエキスパートスキーヤーということになります。(^I^)
 また,角付けの切り替えでは“重心”移動の軌跡をできるだけスムーズに行うことが大事です。そのためにはクロスオーバーの意識よりもクロッシングの意識が大事になります。かかと付近の支点移動のイメージ,左右のスキーへの支点移動のタイミングイメージ,これらをしっかり持つことです。
 以上の意識を身に付けていただくために,昨日は“Snow Eat Turn”をメインにすえてトレーニングを行ないました。初めは上半身と下半身のネジレ状態をうまく作れなかったお二人も,「ゲロゲロターン」でそのコツをつかまれました。(^I^) また,“重心”が支点より後ろから付いて行く,という意識を学ぶためにも“バナナシェープ”が大事だ!!!ということも理解し,実践していただきました。一日中「小回り」でしたので,大分身体に負担が掛かりましたが,お二人とも一生懸命トレーニングを積んでいただきました。その甲斐あって,スキーの移動が随時行なわれるようになり,雪の抵抗をしっかり受け続けることができるようになって,ひと味違った小回りができになるようになりました。(^I^) コブの斜面でもスキー移動が止まらずに行なえるようになり,結構安定した滑りができるようになりました。あとは,数あるイメージの中から,ご自分に合ったポイントを抽出し,思い出しながら,洗練させていくことです。
“Yamashi”さんの大回り,中回りの滑りが,
“Spring Camp”以降,ガラッと変わられたように,ターンイメージをしっかり持ち,コンセントレーションさせる事項をその局面々々でそれぞれ意識できるようにして行くことが大事です。
 本当に春の重い雪の中お疲れ様でした!!! またご一緒しましょうネ!(^I^)




May,03/2004 (月曜日)  曇り
  昨日まで連続4日間…良い天気でした。今日からその天気も崩れ始め,明日,明後日は雨模様に…。できるだけ軽く済ませて欲しいものですが…。
 みなさん,GW元気にお過ごしですか?
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 昨日は兎平教室の主任でした。この連休,結構多くの方のプライベートレッスンが入っております。シーズン最後を良い思いで締めくくりたい…という方が多いようです。
 
さて,受付のカウンターに座っておりましたら,3人の方に「【TOK】さんですか?ホームページ見ています…」というご挨拶を頂きました。ありがとうございます。(^I^) モチロンお顔を拝見するのは初めてですが,皆さん笑顔で話しかけてくれました。「毎日日記を更新するのは大変でしょう…」とか,「キャスター・ターン参考にさせていただいていますが,なかなか足の感度が鈍いようで…」,「SAJの意向と違う表現や考えが随所に述べられていますが大丈夫なのですか…?」とかいろいろと話しかけていただきました。(^I^)
 以前にも書きましたが教師日記は自分のために書いているのが半分です。この日記を書く事で,前日のレッスンの内容を反省できるのです。また書いている時に新しい発想が生まれることもあります。キーボードを叩く速さと,私の脳の回転が同じなのでしょうか,ピッピッ…っと新しい言葉やイメージが沸いたりするのです。この浮かんだことを次のレッスンで使ったりするわけです。(^I^)
 感度が鈍い…というお話をされた方が居られましたが,感度は急に良くなるものでは無いように思います。少しづつ少しづつ,毎回感じよう感じよう…とすることで次第に感覚が鋭くなり,終いには目をつぶっても滑れるように…ということだと思います。かく言う私自身,感度は良いほうでありませんでした。スキーレッスンで話しつつ実践することで,次第に足裏感度が鋭敏になって来たように思います。それにつれて感受性も以前より格段に豊かになった,と自分で思います。「ローマは一日にして成らず…」の格言どおりです。(^I^)
 私の所属する八方尾根スキースクールは,ご存知のようにSAJに所属しています。ですからSAJの意向を遵守するのは当然のことです。ですが,実際のレッスン活動では是々非々で臨むのがスキー教師として当然の事だと思っております。いくら組織が指導理論や技術体系を組み上げそれを指導員に提示しても,それがそのまま現場で使えるとは限りません。使えるところは使いますが,どうしてもその理論では不可能なことは不可能とするしかありません。大事なことは組織を守ることではなく,一人でも多くのスキーヤーに“スキー”本来の楽しさをお伝えする事なのだと思っております。(^I^)
 カウンターでお声を掛けていただいた皆様…ありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。(^I^)



May,02/2004 (日曜日)  曇り
  今朝は曇りです。そんなに厚い雲では無いのですが…この雲,次第に取れて晴れてくるのでしょうか? 
 ところで,八方尾根,昨日はまあまあのスキーヤーやスノーボーダーで賑わいました。以前ほどの賑わいではありませんが,シーズン終わりということで,黒菱は列ができるほどでした。それに比べパノラマは空いていたのですが…。(^I^)
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 さて,昨日は“Ara”さんのプライベートレッスンでした。“Ara”さんは今シーズン見事に1級に合格され,今度はテクニカル受験を視野に入れておられます。その下準備を兼ね,今シーズンの締めくくりとしてレッスンを受けられました。
 滑りを拝見すると良いスキーイングはされておられますが,やや荷重点(支点)が前で,エッジを多用した滑りでした。また左右の荷重配分が均等に近く,スキーのたわみを充分活かした滑りになっておられませんでした。小回りではクロッシングがうまくできておらず,C字のターンになっておられました。
 そこで,“キャスター・ターン”の練習から始めることにしました。ところが,キャスターはかかと内側に意識できるのですが,迎え角意識を持ってターン外側に行くことがうまくできませんでした。そこで,自分自身を「重り」になぞらえ,その重りが紐に結ばれていて,それがグルグル回っているイメージを持っていただきました。この練習が効き,ターン外側にズレて行くことができるようになられました。(^I^) これができるようになれば,スキッディングもカービング要素のターンもうまくできるようになります。“Ara”さんも例外ではなく,斜面移動がスムーズに行くようになって,キーキャスターからA-Casterへの乗り込みも上手にできるようになりました。舵取り期での「かかと支点,スキートップで抵抗受け」も「クロッシング」も,滑る回数と共に洗練されて来ました。(^I^)
 午後は“お習字ターン”や“Snow Eat Turn”などいろいろなイメージで滑り,多様な雪面コンタクト感を味わってもらう事にしました。一日のレッスンでは,本来なら“キャスター・ターン”ならキャスターで押した方が良いのですが,“Ara”さんはいろいろなイメージの吸収が早く,そのいろいろなフィーリングの違いをご自身でも楽しんで居られるようでしたので,敢えて多くのイメージを試していただきました。(^I^)
 レッスン終了の頃には,「身体の特徴・用具の特性・自然条件」を生かすということの意味を充分理解されたようでした。スキーを充分たわませて滑ること,かかとを支点とし雪の抵抗をもらって滑ること,角付けの切り替えはクロッシング意識で行なうこと…がうまくできるようになられました。(^I^) 
 一日のレッスンでしたが,いろいろな滑りを体験していただきました。来シーズンへの良い弾みにしていただければ嬉しい…そう思った【TOK】でした。(^I^)



May,01/2004 (土曜日)  快晴
  今日から5月…新しい月の始まりです。月にしろ年にしろ,何か新しい節目の始まりは新鮮です。(^I^)
 この五月…皆さんにとっても良い月でありますように!!!
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 さて,昨日は“Wat”さんのプライベートレッスン,二日目でした。一昨日“キャスター・ターン”や“お習字ターン”の基本的なことを学びました。かかと内側を「支点」とすることで,スキーのトップが雪の抵抗を受け,左右前後にその行き先を選択してくれる…という基本的な感覚を身に付けていただきました。昨日はこれを一歩進め,その時スキーのトップからどのような抵抗が来ているか?ということに気を配る練習をする事にしました。つまり,「センサー軸」を意識する,ということです。センサー軸やサポート軸に付いては教師日記「Sept/21/2003」に書いてありますので参考にしてください。雪からの情報をスキーのどこで受け止め,それを身体のどこで感じ,身体のどこに蓄積して行くのか?といった意識で滑ってみるトレーニングです。抽象的かもしれませんが,【Doスキー】でなく【Letスキー】の意味が解ってくると,この様な二本の軸がイメージアプできるようになります。右の図は小回りでの軸ということで解説してありますが,大回りの時は「L」,中回りでは「M」付近で雪面からの情報がやって来る感じがするものの,それを実際に読み取るのは親指の付近になります。ですから,イメージ的には大回りから小回りまで,右の図のようなセンサー軸があるようなフィーリングになる,と言ってもいいでしょう。“Wat”さんにもこのようなイメージを持って滑っていただきました。「レシーバー=青丸●」の位置をこの図では膝にしていますが,これを身体のいろいろな所に想定する事で,実に様々な雪面コンタクト感が得られます。また,支点位置をいろいろ変えても同じように違った雪面コンタクト感が得られます。ですから,このレシーバーと支点位置の変化を互いに組み合わせると,実に無限の雪面コンタクトフィーリングが得られる!!!…ということになるのです。そしてその時,その時に応じた自然なフォームが出来上がってきます。これは全て微妙に違った形で表れて来ます。フォームを先にイメージしていたのでは得られないコンタクト感とフォームです。
 
“Wat”さんもこの「不思議ワールド」を経験していただきました。彼の滑りが一昨日の滑りと異質なものに変わったのは言うまでもありません。特に,ターン前半の雪面の捉えがエッジ意識から面意識に変わったことで,始動期のターンが本当に走る滑りになりました。私もビックリするほどでした!!!(*_*)。(^I^)
 二日間,かかと支点で滑る意識を持つことと,雪からの抵抗をもらってターンすることの意味を考えて滑って来ました。雪とのコミュニケーションということを考えて滑る…ということに尽きるのかもしれません。このことによって,確実に雪の自然を滑る楽しみが倍加することを,“Wat”さんの滑りの質の変化を拝見しながら,私自身強く感じました。
 ありがとうございました。(^I^)