With All Skiers ………
          ★ホームページ ★映像トップ

スキー道
(スキー心理学)
OLSSホームページTopへ  スキー道 コンテンツ

「  中道スキー No.3 」
感じる事、感じさせられる事

File 0017
by ”Dr.N”  2001/10/03

 
               -------------☆★☆-----------

 感じる事、感じさせられる事。

  最近自分の書いたスキー道の文章を読みながらふと思った事があります。人間には2種類あって自分の中から”何かを感じる事”を求める人と、回りから”感じさせてくれる事”を望む人に分かれるのではないか?という事です。考え様によっては前者がDo的で後者が受身のLetです。
  これではTOK先生のLet感覚に全く当てはまらない話ですが、実はやってる事は全く逆じゃあないかと思うのです。

  回りから”感じさせてくれる事”を望む人には、一様にある種の消極性があります。単純な消極性ではなく、完成品だけを追い求めて行くようなそんな感じです。消費社会の落し物とでも言いましょうか・・・。何かが出来上がっていないと取り組めない人たちです。一例を挙げると、楽して出来るダイエットを望む方達はそうだと思います。ダイエットの過程を無視して、一気に痩せた自分だけを求めているわけです。本来であれば、ダイエットの過程で身体を動かす喜びを知ったり、少しづづ減って行く体重に楽しみを覚えたり、また、食べ過ぎた後の増えた体重を見てショックを受けたり・・と人生の喜怒哀楽をそこで感じて行けば良いと思うのですが・・・。
  Dr.Nとしては、強引に結果だけを求めるDo的要素の強い考え方だと思うのです。

  逆に、自分の中から”何かを感じる事”を求める人は、結果に至る過程をじっくり受け止める事が出来る人だと思います。探究心と言うべきでしょうか・・・。一例を挙げると、文化的なものは全くない自然を前にして、そこにある何かを見つける。1本の樹木を前にしてどれだけの事を発見できるか? その木の枝の広がり、葉っぱの形、それらに触れた感触・・何故そんな形に成長して行くのか?たった1本の樹木の先には無限ともいえる世界が広がっているのです。自然の魅力に取り付かれたら全く飽きが来ないというのはその為だと思います。

  これらの事は、何かの結論だけを見つけるというよりは、結論に至る過程を”感じる”と言った方が良いかもしれません。これがフィーリングスキーやLet感覚につながる事だと私は思います。
  落下の力を利用しながらじっくりとスキー板が回って来るのを感じる・・・。
  これは、スキー板が回ったポジションをイメージして力で強引にそこまで持って行くのではなく、なぜスキー板が回るのか? を大切にしなければできない事です。まあ、一生懸命Do操作でスキーを回す過程を探求している方もいらっしゃるとは思いますが・・・。

  昔の人は、何もない所からいろんな遊びを作り出す事が上手でした。そういう点では皆に創造力や感受性があったんだと思います。現代では、遊びを作る側にはすごく創造力はあるものの、遊ぶ側は選ぶ事しかできず創造力のかけらもありません。発信者と受信者の隔たりは大きくなる一方です。
  最近の傾向として、スキーの上達に関しても階段を1段づづ上がっていく事よりも、ダイレクトに楽しい滑り・楽しい事を追い求めるスキーヤーが増えてきたように思います。「楽しむ事」それはとても大切な事ですが、社会的傾向がそのようになり過ぎていないかな?と思うのです。もちろん、いろんなケースがあって良いと思います。ただ、最近は即物的な傾向が本当に強くなっています。

  この2つのタイプの人達の隔たりを「こうだ!」と決め付ける事は私には出来ませんし、良い悪いもいえません。しかし、何となく私の考えている事が皆さんに意味が伝わったらいいな・・・と思います。

  

(2001/10/03UP)

☆★☆

to スキー道 Top