ターン全般
Ski QA Top
 8.へっぴり腰、後傾になってしまうのを直すには? 後傾やポジションは?
 9.
筋肉トレーニングはどのようなことをやっているの?
11.
左右不均等なターン弧を直す有効な練習法は?
15.
体のローテーションを止めるには?
20.
コブの滑り方,練習方法は?
25.
荷重点は親指の付け根?
26.
スキーは両足荷重?それとも外足荷重?
28.
アイスバーンの滑り方は?
29.
ポジションについての考えは?
32.
X脚が直らないスキーヤーはどうしたらイイ?
42.左ターンがうまくいかないのですが…?
44.ヘリスキーに挑戦するのに必要な技能程度は?
57.スキー上達への過程で小回りから始めてもイイでしょうか?
8.私はまだボーゲンレベルなのですが、緩い斜面ならなんとか「上体を前に・・・」とか「重心は膝の上・・・」のようなことを意識して滑ることができるのですが、中級〜上級くらいの斜面になってしまうと、スピードがでるのが怖くて意識していてもすぐに足の方が先へ行ってしまい、後傾でへっぴり腰になってしまいます。どのように練習したらよいか、気を付けたらよいかなど是非是非教えて下さい!

 何度か出た質問かもしれませんが、よろしくお願いします。(._.);後傾がなおらないのですが、何かよい練習方法があれば教えてください。
 普段の生活の中でできること、インラインスケート、もちろん、ゲレンデでの練習方法なども含め、お教えてもらえれば幸いです。
ご質問者:MIYAKOSさん

co_ba さん
1999年1月22日
11時53分

1999年9月30日
18時11分
 へっぴり腰になる原因は 1.足の裏のどこに乗ったらいいか解らない(荷重点が解らない) 
                 2.自分の力でスキーの方向を変えようとし過ぎている。
                 3.スキーブーツが起き過ぎている。             が考えられます。
1.足の裏のどこに乗ったらいいか解らない(荷重点が解らない) 
 先ずどこに乗っているかを確認することです。今のスキー用具ではほとんどの場合「足裏の土踏まず」付近が理想的な荷重点です。まずこの位置にしっかり乗りこむ意識を持つことです。これまでの指導経験から言うと,この場所に「オレンジ」を意識した「オレンジターン」が,驚くほど効果があります。このことについては「7.オレンジターンって何ですか?」に説明してありますので参考にしてください。

2.自分の力でスキーの方向を変えようとし過ぎている。
 スキーを横に動かそうとすればするほど,体が動いてしまい,結果として「へっぴり腰」になる場合があります。今はスキー板やブーツの性能が良くなりました。1.の荷重点にさえしっかり乗っていれば楽にターンするように出来ています。それには気持ちの上で「雪と仲良く」「雪にやさしく」といった気持ちで乗ってみることです。すると斜面下に移動して行くことが苦痛でなくなります。いきなり急斜面に入るのはいけませんが,緩斜面から緩中斜面,中斜面……と少しづつ急な斜面にトライしてみましょう。斜面下のほうに積極的に移動して行く気持ちになるのです。すると雪からオレンジに少しづつ圧力が掛かってくるのが解るようになります。これが雪の力です。雪からのプレゼント,とでも言った方がイイかもしれません。この「雪のプレゼント」が解るようになればシメタ!ものです。この雪の力をオレンジを仲介にして受けていこうとすると,スキーは方向を変えてくれるのです。

3.スキーブーツが起き過ぎている。
 スキーブーツの前傾角が浅いのが原因で,へっぴり腰になることもあります。
 楽に立ってみて,膝がつま先より後ろの方にある場合,「ふくらはぎ」の後ろに,何か詰め物を挿入して見てください。例えばティッシュペーパーの小袋等です。このようにして滑ってみると腰が少し前に出てきます。荷重点も幾分前になり,スキーのトップ部分の捕らえがしっかりして,ターンが楽になります。当然へっぴり腰も消えます。

以上3点に気をつけられたらいかがでしょう? お試しください。


後傾について … 補足 99/10/08
 co_ba さんより 新たにご質問がありましたので、補足してお答えします。
 先の3点がポイントですが、その根本にあるのは「雪の抵抗の来る方向に自分の体の重心をどう対処させるか?」につきると思います。
 雪の抵抗はスキーの回転に伴い左右前後、全方位から微妙に違う量でやって来ます。この方向に対して自分の受ける軸=重心(主に腰)と荷重点を結ぶ軸=拮抗軸、が後方にあると「後傾」になってしまうわけです。
 特にこの状態は、雪の抵抗を受けとめて雪の力でターンするのではなく、自分の力でターンしようとした時=上記2の時に顕著に表れます。
 気を付けるべきことは、【
重心から荷重点方向に抵抗を受けとめる軸を意識し、作ること】です。ちょっと難しい表現をすれば、「重心から荷重点方向に、雪の抵抗に耐えられるベクトルを意識する」という事になります。私の場合はあらゆる斜面、スピード下で常にこの【ベクトル軸】を意識しています。

ポジションについて… 補足 00/06/30
 komkiyo2 さんから、次のようなご質問がありました。
 「実は最近になって、スキーのポジションに悩んでいます。今年の2月に某スキー場のバッジテストキャンプに参加して、2級を取得したのですが、その時に教わった基本姿勢って言うんでしょうか、これがかなり重心が後ろになる姿勢でした。何でもブーツのふくらはぎ部分に体重がかからない程度なら、腰が後ろに引けていても後傾では無いとの事。(ほとんど空気椅子状態。)自分もそのつもりで2月以降は滑っていました。しかしながら、最近購入した八方の検定ビデオや他のビデオでは、それほど重心を後ろに引いた姿勢では滑っていません。やはり、空気椅子状態では重心が後ろ過ぎるのでしょうか?」

スキーのポジションについてのご質問ですね?  一般的には”土踏まず”付近に乗り、しっかり雪の圧を受け止められるようにすることです。 雪の抵抗が大きい、春の雪状態などの時であれば、雪からの抵抗に対処する為、ポジションがうしろになることがありますが、いつでも「空気椅子状態」ではまずいでしょう。上の例を参考に、雪と自分との釣り合いが最も楽に出来る姿勢、ポジションを見つけだすことです。ポジションや姿勢が先にあるのではなくて、スキーヤーの滑走スピードや雪質によって姿勢が自然に決まってくることを、忘れないようにしましょう。

9.筋肉トレーニングとは?具体的にどのようなことをやっているのでしょうか? ご質問者:hoppoさん 1999年1月24日
19時58分
  それほど大げさなものでなく、ジョギングやテニスなど、手軽にできて、持久力を養うものを先ず 手がけたらいかがでしょう。
  そして体が温かくなったら、ゆっくりストレッチングをして筋を伸ばします。続いて腹筋、背筋、 大腿筋などを呼吸をゆっくり吐いたり吸ったりしながら行います。
  もし余裕があれば、ジムなどで筋トレをトレーナーに相談しながら行ったらイイと思います。

11.特に小回りで右ターン(右足が谷足)で板のまわし込みが足りません。急斜面を滑ると癖が顕著に出ます。極端に言えば左右不均等なターン弧を直す有効な練習法はありますか?
ご質問者:SkiEnthさん 1999年1月24日
19時58分
  人間の体は左右非対称が当然だそうです。ですから左右のターンに差が出るのは当然でしょう。でもそうならないように滑りたいものです。
  右ターンですか? だと左足が谷足になるのですが・・・・・・? 左足が谷側として説明しますしょう。Hoppoさんは右利きですか? 右利きの人は左足が軸足になることが多く不器用です。そして右足が利き足で器用です。普通の人は、右足の膝は前屈出来ますが右足は出来にくいです。膝が前に倒れない分テールの回し込みが不足して直線的になります。ですからテールの回し込みを意識するならもう少し「左膝を前に倒す意識を持つこと」です。しかし、これはあくまで、自分の力でスキーを回そうとしたときの話です。
  でも、本当にウマいスキーヤーは自分の力で回そうとはしません。雪の力でスキーが回ってくれる状況を作り出すだけです。この状況とはまず「荷重点を土踏まず付近に置くこと」、そして斜面下に滑り落ちて行って雪の抵抗を受け、トップとテールの長さの差を生かした回転モーメントを作り出すこと、です。このターンを習得すればさっきとは逆に、右ターンの方が楽になります。
15.体がローテンションしてまうのですが、これを直す意識の仕方を教えて下さい。
ご質問者:TAKENAATさん 1999年2月10日
 身体のローテーションはほとんどの場合,「ターン始動期に次の方向へスキーを向けようとする意識」から起こります。
 これがいけないという事はありませんが,小回りターンをするには適していません。どうしてもゆったりしたリズムになりがちです。
 これの矯正方法は二つあります。ひとつは「自分の力でターンしようとするのではなく,雪の力でターンすることを覚えること」。もうひとつは「外向姿勢の練習をする事」です。
 「雪の力でターンする」には,このスキーQ&A の 8の2 を参考にしてください。
 「外向姿勢の練習」は,特にターン後半「迎え角」を意識することです。迎え角というのは「上体とスキーとの間にできるねじれ角」のことです。
 ちょっと理屈っぽい話になりますが,回転運動をすると遠心力が生まれます。そして,それに拮抗する向心力があってその運動が持続するのですが,人間が円運動をする場合,上体がその向心力方向を向くと安定した運動が出来ます。……という事はスキーの場合には,スキーは円運動の円周上の方向を向いていて,上体がl向心力方向を向いているわけですから,スキーと上体の間に「ねじれ」状況が生まれるわけです。このねじれ角のことを「迎え角」というわけです。
 この練習には「ストックを二本,体の前に揃えて持ち,常に胸の向きと平行にそれを維持してターンする」ことで上体とスキーとの間のねじれを意識することです。そしてターン後半そのねじれを維持したままニュートラル(抜重)に入ります。すると,胸の向きと足の向きが同じのが人間の体の自然な姿ですから,スキーが上体の方向を向こうとします。今までターンしてきた方向と逆の方向にスキーが向きを変え始める訳です。これがターン始動期の基本的なパターンです。するとローテーションして次の方向へターンしようとしなくても回転が始まるのです。
 結論は「ターン後半,スキーと上体の間に,しっかりとねじれ現象を作る」ことです。
20.こぶの低速大回りをよく練習しております。その場合どうしてもスキーに正対してしまいます。進行方向を見ていないと
なんか不安になります。 この場合でもやはり谷方向を向いた姿勢を維持すべきなんでしょうか?。
  また今後こぶをよりスムーズに滑るためにはどの様な練習を積んで行けば良いのでしょうか?。
ご質問者:YAMASA50さん
1999年2月20日
 大回りにしろ小回りにしろ、それなりの外向姿勢は必要です。
 コフではひねりつづける要素が必要なのですが、脚をひねるとき、上体を順方向にではなく、逆方向に捻じるようにすると楽です。つまり脚をターン内側に捻ると上体は逆側、谷側を向くのが普通なのです。捻りの無いコブでのターンはハンドルを握っていない車を運転しているようなもので、大変危険です。谷向きは維持しなくてはうまく滑れないでしょう。
 コブの滑り方というか、どういう風に滑りたいか?ということが解らないと具体的なご返事は出来ません。モーグルと一般スキーとではまるで違うと言ったほうがいいのです。多分、一般的にコブ斜面を安定して、疲れないように滑り降りる、ということだと解釈してお答えしますと……
【コブの小回りの一般的な滑り方】
 1.コブは急斜面と緩斜面が同居している斜面……という風に考える。
 2.コブの頭で,コブのエネルギーを受け止めるように(ショックを和らげるように)脚を引き込む。
 3.引き込んだらスキーをフラットにしニュートラル状況を作る。
 4.外向姿勢ができていれば,スキーはコブの頭で抵抗が少ないだけに,いとも簡単に谷側を向いてくれる。
 5.外スキーで雪面を捕らえながら,急斜面で脚を伸ばす。
 6.重心の高さを変えないつもりで滑る。=腰の高さがいつも斜面を平行に移動する感覚で滑る。
【コブの大回りの滑り方】
 1.外スキーをターン内側にひねり続けながら前方に走らせ,ショックはスキートップで受けるつもりで滑る。
 2.無理にコブの波に合わせるように脚の伸展を行なわない。=視覚でコブを意識し過ぎない。
 3.コブの中での直滑降を練習し,腰が後方に引けない様に訓練する。
 4.重心の高さを変えないつもりで滑る。=腰の高さがいつも斜面を平行に移動する感覚で滑る。
 
 まとめとして言える事は,とにかく数多くトライ&リピートすること。
 浅く柔らかいやさしいコブから,深く硬い難しいコブへ,緩斜面から急斜面へ,低速から高速へ……が鉄則です。
25..足裏感覚について教えて下さい。以前スクールで土踏まずを押さえつけるようにと指導を受けたのですが、この前スクールで、脛がブーツのべろから離れ、上体が浮いていると指導を受けました。滑っている間中脛をブーツに押し当てろと言われ、この事を徹底したのですが、この時に、親指の付根しか雪を押していないのです。どちらが正しいのか教えてください。 ご質問者:toritori99さん
1999年3月30日
 足裏の感覚ですね?。
 「すねを前方に倒し,親指の付け根に荷重してスキーを操作しろ」とは良く言われることですが,上級スキーヤーにとっては間違いです。toritori99さんのおっしゃる通り足裏の感覚なのですが,良く間違うことです。
 実際は踵を支点にして斜面を下方に滑っていくと,図の様に下方から雪の圧力がやって来ます。踵付近が支点ですからここを中心に雪の圧をAの足裏,親指の付け根付近で受けることになります。すると当然圧をこのA点で感じるのですが,これは下からの圧であって自分が加えた圧ではありません。つまり,親指の付け根に圧は感じるものの,その圧には方向があって,膝を前に倒して作った圧ではない,ということです。
 この力の作用する方向を間違って解釈し,「滑っている間中脛をブーツに押し当てる」なんていう滑りをすると,踵が浮いてしまいテールが流れて切れのイイ滑りはできません。
 大事なことは「斜面下方に移動し続け,雪の力をスキーで受けとめる滑りをする事」です。すると,雪からの圧がブーツの前方を体の重心方向に押し上げ,結果的に踵を支点として脛に圧を感じることになります。
 結論は,脛にも親指の付け根にも圧を感じるが,それには方向があって上から下へ加えるのではなく,下から上方向の圧だ,ということになります。「土踏まずを押さえつけるように……」がイイでしょう。
 雪の抵抗を積極的に受けてターンすることを覚えると,この意味が良くわかります。



26.苦手は小回り!自分では谷足への同調で、練習してきましたが、検定ではとにかく両足荷重と言われてしまいました。なかなかできず、どんな練習方法があるかなーと考えています。なにかありましたら、教えてください。 ご質問者:bluefish1971さん
1999年4月1日
 bluefish1971 さん はじめまして! 【TOK】です。 良く議論になるのですが,ターンの最中外足か両足かはたまた内足か?
 私の友人の「宮下征樹」という技術選3位に入賞したスキー教師がいますが,彼に聞くと「ターンのときは大回りだろうと小回りだろうと,外足荷重しか意識していない」と言い切っています。
 私もン十年,スキー教師をして来ましたが,両足荷重や内足荷重で滑った記憶はありません。いつも外足荷重です。極端なことを言うと深雪でさえ!です。
 ……で,このことで思うのは「感覚はスキーヤーによって,その受け止め方が違う!」ということです。ですからある先生が「こうだ!」と言ったら,こう滑ってみ,別の先生が「ああだ!」と言ったら,ああ滑ってみることをお勧めします。その中で「そうだ,じぶんはこっちだ!」というのがつかめます。 一人の先生の言うことばかりを信じないことです。
 山へ登るルートがいくつもあるように,到達するにはいろいろな道があると思ったほうがイイでしょう。(^I^)
 でも,私は「いつも外足荷重意識で滑っていますし,そう教えています」

28.TOKさんのスキー教師日記楽しく拝見させてもらっています。4/6の志賀スキー研修の項で、アイスバーンには「エッジを立ててずらして滑る」というコメントが載っていますが、これは具体的には、どういう滑りなんでしょう? ご質問者:hoppoさん
1999年4月7日
 一般的にターン弧を調節するのには3つの要素が大事になります。その3つの要素とは
  1.迎え角  2.迎え角方向への落下スピード(滑走スピード)  3.角付け角 です。
 もし,迎え角とスピードが同じなら,あとは「角付け」を調節すればターン弧,回転円弧をコントロール出来ます。
 ところが,アイスバーンでは雪の抵抗が少なくなって,雪面抵抗をレギュラーな雪質と同じように作り出すことは出来ません。そこで角を立てるのです。
 この角付けはあくまで「雪の抵抗を効率良く作り出す為のもの」であって「横ズレを防ぐ為のもの」ではありません。良く横にズレるのを防ぐ為にエッジを立てるのだ……,と言う人がいますが,軸が寝た分横ズレが多くなることを知らない人の言葉です。
 エッジ角が少ない時と大きい時では,受ける雪面抵抗の大きさ,除雪抵抗が異なることは様に想像つくことです。一つの身近な例として「紙に残ったカステラの黒砂糖を削ぎ落とす」時のことを考えてみましょう。スプーンやフォークを寝せた状態で削ごうとしてもうまくいきません。角を立てるようにして削ぐときれいに取れます。(^I^) 雪の抵抗を効率良く受けとめる,とはこのような事を言うのです。エッジがシャープに出来ていればさらに効率良い抵抗を受けることが出来ます。その為にエッジを磨くわけです。またスキーのネジレ剛性(=トーション)の強いものも雪面抵抗を受けやすくなります。
 抵抗さえうまく捕まえられると,あとはスキーの前後差が,そしてさらにスピードが出ればカービングの「たわみ角」がかってにターンを導いてくれます。たわみ角とはスキーがしなった時に,除雪抵抗の来る方向としなったスキーの間に出来る角度のことです。トップに近いほどしなりが大きいですから,この「たわみ角」も大きくなります。つまり,スキーのウエスト部分より前方でトップに近いほど,より大きな内側方向への回転モーメントを受け,ウエストより後方でテールに近いほど外側に回転モーメントを受けることになります。これがハイスピードでのカービングターンです。
 エッジを立ててズラして滑る,とは「除雪抵抗を効率良く受ける為の方法」だと考えればイイでしょう。
  尚、「スキーQ&A」bP4の Give & Take ターンとは? に、ターン後半引く意識で滑る、という事を解説しています。アイスバーンではこの「引く意識」「Give & Take」もズレを防ぐ有効なターンですので参考にしてください。

Ski QA Top

29.私はいつもクラブ員に言っているのですが、まずポジションをしっかりしましょう。スキーを押して曲がれるところをつかみましょう。スキーの良い位置にのりましょう・・。内傾、後傾もポジションが良ければそうはならないと思います。良いポジションがあるから、しっかりしたスキーができると思うんですが・・・。実際、プルーク、プルークターンが形だけじゃないことをしっかり理解しないと・・・
教程ではポジションの重要性を説いていないと思うんですが,TokSさんのポジションに対するご意見をお伺いしたいと思います。
ご質問者:katuyayoiさん
999年5月8日
 ポジションとは「姿勢,身構え」ということですが,どんなスポーツでもこれが大事だと言われます。本当のことだと思います。
 私はこのポジションに二つの形がある様に思っています。
 静的なものと動的なものです。
 静的なものとは,外力を考慮に入れないときの「形」で,これは実際に雪上に出なくともイメージアプが可能で,室内でも練習できます。静的なフォームそのものです。しかし,これは実際のスキー滑走の上では役に立ちません。昔,教えた生徒の中に,プルークボーゲンの姿勢がパーフェクトな生徒が居ました。聞くとかつての名デモ「山田博之」の姿勢を鏡の前で毎日真似てそうなったと言うのです。姿勢は抜群なのですが,その滑りは惨憺たるものでした。この例でもわかる様に,形を真似てもその運動の本質を真似ることは出来ないのです。
 動的なものは,外力との相関で決まる「形」です。滑走スピードや雪質,斜面状況によってスキーヤーが受ける抵抗の質や強さ,方向が変わりますので,それに合ったバランスを取る意味での「姿勢,身構え」つまりポジションが必要になります。
 実際のスキー滑走の現場ではその様な「動的なポジション」が重要なわけで,そういう意味ではあくまでも「外力とバランスの取れるポジション」の考え方が重要です。
このポジショニングは「ターンに必要な,力のやり取りの効率の良し悪し」に影響します。プルークだろうとパラレルだろうと「この力のやり取りがどう行われるか」でそのターンの質が決まってしまいます。ポジションはターンが最も効率良く行われるために必要なスキーヤーの対応姿勢だと言うことが出来ます。これを「動作をしやすくするために…」と言う人も居ますし,「単に雪の抵抗を受け止めやすくする為に…」という人も居ますが,私はどちらかと言うと後者です。動作を起こすことはそのアクションに対してリアクションという弊害が出るからです。
 抵抗を受けやすくする為のポジショニングは「スキーヤーと雪面との間に働く三つの要素」,つまり「力の働くポイント(荷重点,コンタクトポイント)」「力が作用し合う三次元的方向」「力の量」の三つに意識を働かせることです。ちょっと話しが難しくなるかもしれませんが,スキーヤーと雪との間の「ベクトル」をイメージし「力の作用点,方向,量」を意識することです。
 ですから,ポジションと言うのは,ある定まった「姿勢,身構え」では無く,「雪の状況」と「スキーヤーの意志」によってその時々に出てくる自然な「姿勢,身構え」だと思います。
 「力の作用点・方向・量」を常に足裏に意識することで,結果的に「スキーを押して曲がれるところ」が解り「スキーの良い位置」に乗ることもできます。内傾、後傾の問題も解決され,しっかりしたスキーができます。
 katuyayoiさんのおっしゃる様に「プルーク、プルークターンが形だけじゃない」というのはその通りだと思います。
 「教程ではポジションの重要性を説いていない」というのは「動きや動作,操作に重点を起き過ぎている」という意味で私も同感です。
32.X脚がどうしてもなおらない私に、効果的な練習方法はあるのでしょうか? ご質問者:M さん 1999/08/03
 X脚が直らない…というのは、多分ヒザ同志がいつもくっついていて、スキーのインサイドエッジが立つ感じが無い…という事だと思います。
 この原因を直すには、次のポイントをチェックしてみるといいでしょう。スキーブーツのカント角を調整すると直ります。
1.カント角のチェック
 骨格状態がO脚で、どうしてもスキー板をフラットに踏めない人は、ヒザを内側にしがちになります。またX脚の人は自然にそのような姿勢になってしまいます。
 これを調べるには「床の上に両足を肩幅くらいに開いて、ヒザを前に倒してみます。もしヒザガシラがまっすぐ前に倒れて足の上に来ず、内側に来ればX脚、逆に外側に来ればO脚です。
2.スキーブーツの底厚調整
 X脚ならスキーブーツの内側にカント角調整用のシートを貼ってみます。
 そして、ブーツを履いた状態で 1 のテストをしてみます。ひざがまっすぐ前に来ればOK! もしまだ過不足があれば、もう少し厚さを調整します。
3.試走
 2 の調整をしたら、実際に滑ってみてください。調整前よりエッジの聞き方が良く感じられるでしょう。
 注意して欲しいのは、ヒザを入れるのを省く為に、つまりヒザを使わなくてもエッジが立っている状態を作り出す為に「カント調整」をしないことです。これではスキー本来の性能を生かすことは出来ません。

 なお、最近はカント角を調べる器械もありますから、備え付けてあるスポーツ店でテストしてみるのもいいでしょう。
42.今日,スキーを滑って判明したのですが,どうも,左にターンするとき,谷足に体重が上手くかからなくて,どっちかいうと,後傾気味ななってしましいます.結局,体重が上手く乗らないから,ターンは,不自然になり,山足をエイヤーとあげて,無理に足の力で回ってしまいます.右ターンはそうでもないのですが.いろいろ,自分で考えてうまく体重をかけようとするのですが,上手くいきません.なにか,よい練習方法はありませんか? ご質問者:pmag 1999年11月20日
 pmag さんは右利きですか?
 右利きの人は「右脚は器用ですが、力に耐えるのが苦手」な人が多く、左足はその逆です。
 左ターンの時は右足がターン外足になっていて、大きなターン圧に耐えていかなければならないのですが、それが出来にくく、pmagさんのように無理に足の力で回ってしまうことが多いのです。
 この直し方ですが、まず緩斜面で外足一本でターンする練習をしてみます。角付けを切り換えたらすぐターン外足だけに乗り、内足は雪面から離してみて下さい。そのまま次の角付けの切り換えまで維持するようにします。この時、最も安定して片足で滑っていられる荷重点を探してください。イイ感じでターンしているときに足裏に意識を集中させると、その場所がわかります。多分、母子きゅうとかかとの内側を結ぶ線上で土踏まずの近辺か、ややかかと寄りでしょう。
 ここで大事なことは、体重を外スキーにかけようとすることでなく、外足一本でバランスを取って乗りつづけることです。滑っている自分と雪からの力のバランスがちょうど釣り合う場所を探し出し、そこを荷重点としてしっかり意識するという事です。
 今のスキーは、その荷重点さえしっかり意識して乗っていれば、自然にターンするようにできています。ターン半径を変えるとか、コブに対処するとかいうときに初めて角付けの角度を変えたり、テールをずらしたりすればいいのです。
 また、どうしても後傾になってしまうときは、「スキーQ&A」の「スキー全般」 8.へっぴり腰、後傾になってしまうのを直すには? を参考にしてください。
44.今シーズン、カナダ・ウィスラーでのヘリスキーを計画しています。が・・・。自分はまだまだ技術が足りなく、ヘリスキーが出来るか(挑戦してもいいものか)心配です。同行者は「やめといたほうが・・・と言っていますが、出来るものなら挑戦したい!というのが自分の本音・・・。 ご質問者:onirin 1999年12月1日
onirin さん こんにちは!
 ヘリスキーですか?! イイですネェー! (^I^)    わたしもヘリスキーなどオフピステを滑るのは大好きです。
 どちらかと言うと大回りより小回りのほうがヘリスキーでは重要、という気がします。モチロン技術程度が高いほど安全性は確保されるでしょうが、大事なのは気力でしょう。 技術程度がどれくらいでも危険は付きものです。 絶対転倒しないぞ! というような気迫があれば転倒等でもその程度を軽減させることができます。私の生徒で、パラレルがようやくできるかな?という人がニュージーランドでヘリスキーを楽しんだ事例もあります。彼女は小回りのリズム取りが結構うまかったのを覚えています。
 ポイントは小回りの技術程度と気力です。 もし、安全性を取るなら止めた方が無難です。
 過去にヘリスキーを経験した人に滑りを見てもらうのもイイでしょう。

57.スキー上達の過程で、小回りを先に、または平行してステップアップしていくことはできないのでしょうか?(もし、できないとしたら何故でしょうか?どの段階で<小回り>に入っていけばよいのでしょうか?)。 ご質問者:AMEMY88 2000年2月9日
 小回りから練習するのも結構なことです。確かに大回りの方がスローな運動でイイだけ、基本的な動作をマスターするのに適してはいます。でも、小回りでもその練習ができることはできます。実際、若い人で、テンポの早い運動を好む人は小回りの練習から入った方がイイ場合があります。要はターンに必要な基本操作、圧を受ける場所、受ける方向、やり取りする量、の3点をしっかり意識し、練習することです。
 また、小回りでは胸の向きとスキーの間にできる『迎え角』と、落差を取って『雪のエネルギー』を利用することが大事になります。カービングスキーを使っているからといって、正対にこだわるのは避けたいものです。


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