【TOK】流スキーレッスン
Ski QA Top
  6.引くターンの要領は?
 7.
オレンジターンって何?
12.
足裏感覚を磨くとは?
14.
引く引くターンとは? Give & Take ターンとは?
19.
小回りの「ありがとうターン」って何?
21.
「荷重点,迎え角,圧のやり取り」ってナニ?
24.
小回りを引くターン意識で行うには?
37.「ひくぅー⇒うけるぅー」の時、脚の状態は?
53.「ドライビングターン」とは?
54.マジックハンド ターンとは?
59.【TOK】流スキーレッスンについて質問
60.マジックハンド意識の小回りの仕方は?
63.マシンガン・ターンとは?
6.教師日記の1/17の所で、
 「 プルークからターンを開始するのに三通りある。ひとつはターン外スキーに圧を掛けて行くこと。二つ目はターン外スキーをひねりを使って角付けを強めること。三つ目は,これがキーポイントだが,ターン内側の圧力を減らして行くこと。一つ目と似ているが体の動きは全く違ったものになる。一つ目は荷重点に重心が近づくか遠ざかる動きになる。ところが三つ目のはその位置関係が不変なのだ! このときの引くイメージが新雪やコブで威力を発揮することになる。」
 と述べられていますが、この中の三つ目のやり方がよく分かりません。非常に有効なやり方のようなので是非教えていただきたいんですが。
ご質問者:ONO MASANOBUさん 1999年1月19日
  プルークファーレンでフォールライン方向に滑走して行きます。
 右スキーは荷重点(土踏まずの位置)からトップまでの長さと,荷重点からテールまでの長さの差に依って,本当は左方向へ回転しようとするモーメントが生まれています。左スキーも同じ理由で右方向へターンするモーメントが生まれています。両スキーの開き出しが同じ場合,両方のスキーが雪面から同じ圧力⇒左右同じ回転モーメント,を受けることになって,相殺しあい,結果としてスキーはプルーク状でまっすぐ進むことになります。
 もしこのとき,左右どちらかの圧力を増したり減らしたりすれば,圧力の強くかかる方のスキーが行きたがっている方向へスキーは向きを変えて行きます。一つ目はそのうちの「圧力を加える動き」ですし二つ目は「一方の角付けが強まり,結果的にそちらの圧力が強くなって」ターンが開始します。三つ目のは,この発想を逆手に取った思考で,左右の圧力バランスを崩す為に圧を加えたり強めたりするのではなく,軽くすることでバランスを崩そうというものです。
 実際に雪上でおやりになると解りますが,この方法では圧を減らして行く方の脚は縮みますが,反対の結果的に圧が強くなる方の脚は伸びも縮みもしません。さらにターンを誘導している方の角付け角も変わりません。 つまりターンを誘導するのに「圧を加える」という思考から「圧を減らす」という考えでも可能だ,という意識が生まれるのです。
 次に,進行方向をフォールラインからやや斜めに取って,同じ事をしてみます。すると,谷川の足の圧力を減らしていくと,プルークの状態で,谷回りが始まります。このように,斜めのプルーク直滑降から次のターンの内スキーの圧を減らすことで連続プルークターンが出来るようになります。このとき大事なイメージは外スキーの圧を強めるのではなく,内スキーの圧を緩める,という意識です。
 スピードがもう少し出て来ると,スキーはやや平行状態になりますが,ここでも要領は同じです。ただし,スキーの方向に対して胸の向きがややターン外側を向く意識「迎え角の保持意識」が必要ですが……。
 さらにスピードが出てくると,迎え角意識から,サイドカーブで雪の抵抗を受ける意識「たわみ角意識,切削角意識」が必要になりますが,圧を軽くして次のターンに入る,ということに変わりはありません。


7.「オレンジターン」って何ですか? ご質問者:KAZさん 1999年1月21日
 オレンジターンは私が20年くらい前から使っている意識です。荷重点意識をしっかり持たせるためのターン方法です。
 
 雪と足の間の会話を「オレンジを介して」行うのです。そうすることで不必要な体の動きが消えます。
膝や、腰もターンに必要な量だけ曲がってくれます。..すると体の不要な動きが無くなり、へっぴり腰や後傾姿勢が無くなります。ぜひお試しください。
 思いの他効果があります。その第1は、足裏に意識が集中できることです。その為荷重点がしっかりしスキーが安定します。前後左右にバランスが崩れてもオレンジを意識すると、バランスが回復します。レッスンでこれをやっていると「食べ物を踏むなんて、そんなもったいない事を教えてはダメ!」等とおちょくる教師仲間が居ますが、このオレンジターンだけは止められません。それほど効果があるのです。
 足裏に意識を集中させる事が最大の意図ですが、その時、どういうイメージを持つと、一層集中できるか?ということを考えました。先ず、オレンジが雪と足裏の間”荷重点”に置いて、それを踏むとオレンジが”つぶれて行く”イメージが沸きます。そして次第に圧を強めて行くと皮が破れ
ジュースが滲み出”て来ます。その意識で滑ると、ジュースが雪面に滑走ラインを描いてくれるイメージが沸きます。これがターン円弧が出来ていく過程…という風に考えるわけです。…ジュースは日本語にすると”果汁”⇒”荷重”ですから……(^I^)。思いの他、この荷重点がしっかりして来るとスキーが安定してきます。初めは自分から脚を伸ばしたり、曲げたりしながら”DO的なオレンジ踏み”で行なっても差し支えありません。とにかく、足裏に意識を集中させること!が目的なのですから…。特に初心者、初級者の方には、これだけで充分です。ただし、気を付けなければならないことは、ターンしようとする外側の足のオレンジだけを意識し、内側のオレンジは無視する事です。
 ジュースが雪面に描いたライン=シュプールを意識して滑る事で、足裏感覚の第1歩は成功です。あとはその意識を持って、出来るだけたくさんの距離を滑ることです。
オレンジが,ターンするに連れて圧力が強くなると,つぶれてジュースが出る…というイメージが沸けばシメタものです。
 次に、
前半ではそのオレンジを脚を伸ばしながら押してジュースを出す要領で、項半は曲げながらさらに押しつぶす要領で滑ってみます。この段階では、自分から雪に力を働きかける意識があっても結構です。ターンに必要な圧を作るだけのスピードが無いからです。つまり前半も後半も「DO=ドゥ」で滑ってみるわけです。プルークボーゲンからプルークターンくらいまではこの意識で充分です。前半が♪♪♪伸ばぁしながら…♪♪♪で、後半が♪♪♪曲げながらぁー…♪♪♪のリズムで行ってみます。
 この滑りに馴れて少しスピードが出るようになったら次の段階に進みます。前半は♪♪伸ばぁしながら…♪♪ですが、後半を♪♪引きながらぁー…♪♪に変えてみるのです。後半にさらに曲げて行くのではなく、前半の伸ばしの段階でつぶれたオレンジが、雪からの力を受け、エネルギーがそのオレンジに注入されて、元の姿・形に戻る意識で滑ってみます。オレンジがターン後半「元の形に戻るイメージ」です。言葉を変えれば、自分の重心をオレンジに近づけて行く意識でなく、オレンジが重心に近づいてくるイメージを持つのです。足(スキー)を腰の方向に引く形になるので、これを”引く”という言葉で表わします。オレンジが,つぶれてジュースが出たり,軽くすると元に戻ったり……というイメージが沸けばシメタものです。雪と足の間の会話を「オレンジを介して」行うのです。そうすることで不必要な体の動きも消えます。オレンジのつぶれ加減を意識すると、
膝や、腰もターンに必要な量だけ曲がってくれます。.すると体の不要な動きが無くなり、へっぴり腰や後傾姿勢も無くなります。
 また、この”引く”という感覚が、この後、角付けの切り換え=クロスオーバーに大変役に立つ事になります。パラレルターンが楽に出来るようになるのです。
 次に、これを進めて、そのオレンジをお手玉のように、右足から左へ,左から右へ、手渡しならぬ足渡しをするイメージの練習をします。オレンジターンの初期は左右両足にそれぞれオレンジを意識しますが、足裏感覚に馴れて来て、ある程度スピードが出せるようになったら、1個のオレンジだけを意識するようにします。そしてターン後半にオレンジが元の姿に戻ってきたら、そのまま反対の足裏に移動して行くイメージを持ちます。あたかも”お手玉”の様に…。初めは足裏の”土踏まず”に移動する感覚で結構です。
 ターン前半で足裏に置いているオレンジが脚を伸ばすことでつぶれてジュースが出る⇒ターン後半でそのオレンジが元の形に戻り始める⇒引く意識でオレンジが腰の方に近づいてくる⇒お手玉のようにオレンジを反対の足裏に移動させる……というのが一連の流れです。つまり、左右の足裏交互にオレンジがつぶれたり元の形に戻ったりしながら、行ったり来たりするイメージです。左右交互操作です。リズムに乗ってこれが出来る様になると、まるで下半身でダンスをしているフィーリングになります。この段階ではスキーがプルークだとかパラレルだとかにこだわる必要はありません。スキーヤーの滑走スピード、上体の構え方で”それぞれに合った形”が生まれてきます。”形やフォーム”は雪面とのコンタクト状況で自然に表れる、と思ったほうがイイでしょう。
(Rewrighted00/06/06)
 
12.足裏感覚を磨くとはどう言う事なんでしょうか。 足のどの部位、ラインに荷重する意識なんでしょうか。 また、その感覚を磨く練習方法等教えて頂けませんか
ご質問者:YAMASA50さん 1999年1月27日
10時29分
 足裏感覚を磨く、というのは「足裏にどれだけ意識を集中できるか?」と言う言葉に置き換えられます。つまり荷重点や圧の量、抵抗の来る方向まで、どれくらい足裏で感じられるか?ということです。
 荷重する意識というより、足裏全体をセンサーに見立て、そこで感じられた情報を、スキー板⇒足裏⇒足⇒脛⇒膝⇒腿⇒腰⇒上体⇒首⇒頭…という風に伝えていく事です。
 この訓練方法はイロイロありますが、手っ取り早いのは「目をつむってスキーをすることです」。これは空いているゲレンデで行うことが条件ですが、足裏感覚を磨くには最高の方法です!荷重点や抵抗・圧の量、抵抗の来る方向など、目をつむってスキーをするとイヤというほどよく分かります。 目を開いてもこれと同じくらい足裏に意識を集中する練習をしてください。
 また、うつろな目をしてスキーをするのも効果があります。目をうつろにすると、視野が開けます。周りの状況がボンヤリながら広く見えるのです。するとほかのスキーヤーやボーダーも視界に入り、衝突の危険も回避できます。
 この効果はいろいろありますが、もっとも大きいのは「筋肉が適度な弛緩状態にあり、緊張しきった状態に無い状況を作り出す」ということです。足裏で感じようとすると、筋肉は情報を最も伝えやすい状態になります。それは呼吸を止めた時のような緊張状態ではなく、ある程度弛緩した状態です。これが脚の自由な運動を引き出すと同時に、脚が疲れない状況を生み出すのです。
 この感覚を習得するには、常に足裏の状況に意識を集中したスキーイングをすることしかありません。なんとなく滑走回数を重ねるのではなく、一回一回、意識を集中するのです。五感を含め、感覚のトレーニングはそこに意識を集中させ、違いを感じ取るクセをつけることです。

 

14.2月1日の中で 「 雪のエネルギーを脚に吸収するこのやり方は……」とありますが,雪のエネルギーを脚に吸収するとはどういう事なんでしょうか?。これはロングターン、ショートターン両方に当てはまるんでしょうか?。
 また,2月6日の「スキー教師日記」の中で「引く引くターン」の話が出ていますが,どんなターンなのか教えて頂けないでしょうか。
ご質問者:Ono Masanobuさん 1999年2月7日
 このQ&AのbUの「引くターンの要領は?」で,押してターンするのではなく,引く感じで次のターンに移って行く要領を説明していますが,実はこれが「雪のエネルギーを脚に吸収する」という意味なのです。
 ターン後半、今までターンをリードしてきた外スキーの圧(反発エネルギー)を,急激に雪面の捕らえを無くした抜重動作で放し,角付けを切り替えて次のターンへつなげて行くのではなく,腰の下にその反発エネルギーをキープしながら引き込み,ニュートラル状態にして次のターンに入っていくものです。この時の引き込みの感じは「バスケットボールのバウンドしたボールを手で受け止める感じ」や「ゴム風船に水が入ったヨーヨーを下方に押し放し,それが返ってくる時に手で受け止める感じ」に似ています。つまり,ボールやヨーヨーを手の中に引き込み,結構長い時間ホールドする要領なのです。帰ってきたものをはじき返すのではなく,引き込むのです。これを以前は「かい込み」と表現する人もいました。これを「脚の曲げ抜重」と混同する人がいますが,これとは違います。あくまでも雪からの反発の圧を感じ続けるのです。ですからニュートラル(スキーのフラット状態)の時でも雪面を押しつけている感じは有るのです。
 この時,少しの迎え角(胸の外向)があれば,スキーは次の方向へターンし始めます。この時の感覚は抜重での角付けの切り替え,クロスオーバーとは明らかに異なります。前のターンのエネルギーが次のターン方向へはじき出される感じ,なのです。これは「押した圧を軽くする」だけでは得られないものです。初めは交互操作的なフィーリングになるかもしれませんが,スピードが増してくると同調運動的になります。感覚的には交互操作なのですが外見は同調・同時運動に見えるのです。
 ロングでもショートでも引くイメージは同じです。ただ引く早さ,引きに懸ける時間がロングではショートより長く,ゆっくりになります。
 「引く引くターン」はこれを連続して行うもので,引きが次々と行われるので,こう命名しました。(^I^) 押すことにではなく,引くことに重点を置いたターンと言うことが出来ます。
 ターン前半は、引いて斜めの直滑降(ニュートラル)にした後、次の外スキーの脚を、地球を南米チリの方に押しやる要領で伸ばし、雪面を早い時期から捕らえていきます。このターン前半はエネルギーを雪面に与えて行く意識があり「Give」するというイメージです。それに対してエネルギーを引きこむのは雪面からエネルギーを吸収するという意識で「Take」と言えます。これを交互に行うと「Give & Take ギブ&テイク」というイメージになります。もちろん小回りターンでは引くことがメインになりますから Give 意識が少なくなり「Take、Take、Take…」という感じになります。
 ぜひ試して見てください。

 

19.ありがとうターンって何のことですか? ご質問者:kenさん
1999年2月18日
 小回りターン後半の姿勢を作りやすくするために思いついたターンです。モチロンですが,公式用語ではありません。【TOK】の私語です。
 ターン後半,フォールライン方向に胸を向ける事と,谷外足に乗った結構深い対応姿勢,を作る事が小回りでは重要になります。
 この姿勢を簡単にイメージするのに「ありがとう」の姿勢が役立つのです。ありがとうと言う時,普通の人は「相手を向き,腰を曲げて」挨拶します。スキーでも,両手をやや広げ気味にし,フォールライン方向に,この「ありがとうの挨拶」をするのです。そうすることで「胸の外向」と「外足荷重」がうまくいくようになり,その後に続く「引くターン」でニュートラルにすると,スキーが簡単に次のターン方向を向くようになります。
 小回りで失敗するスキーヤーのほとんどは,この姿勢が不完全です。
 つまり,ありがとうターンとは「胸の外向」と「外足荷重」を作るためのターンイメージなのです。
21. 2/23の日記の中で「一般のスキーヤーで荷重点意識がある人は意外に少ない。迎え角を意識している人はもっと少なく、圧についてはほとんど意識していないと
言っていい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しかし、真にエキスパートスキーヤーになるためには、この段階をクリアする必要がある。」  と述べられておりますが、私にはまだ良くわかりません。
 私はターン中は体が遅れない様に足の前半分に荷重をするように心掛けております。 迎え角についてはカービングタイプ(ピュアカーブ)の板のせいかあまり意識していません。ちょっと傾けるとターンが開始し、後はひねり度合いで回転弧の大きさを調整している感じです。圧についてはターン後半遠心力に抗するために自然に大きくなる感じだけです。
ご質問者:ONO MASANOBUさん
1999年2月26日

 前半部に荷重するとトップが重くなってスピードが減速し,テールが軽くなって横に流れて切れが悪くなります。正確には「踵が荷重点,遠心力⇔向心力の軸の中心」です。その状態で雪面を,角を立てた状態で横滑りして行くと,トップとテールの長さの差が回転モーメントを生み,踵中心にスキーが方向を変えるのです。
 この時,スキーのトップ部分が雪の抵抗を受け,その圧力が拇指きゅうを経由して脛にかかって来るのです。ちょっと誤ると,この時に脛に感じる圧を自分が押した圧だと勘違いしたり,拇指きゅうで押したつもりになってしまいます。
 しかし,この圧は雪からの圧であって,自分が雪に加えた圧ではありません。この違いが解らないと,いつまでもスキーを自分が操っているかのような錯覚に陥ってしまうのです。圧力の方向が全く逆なのです!
 よく身体が遅れないように,スキーのトップを押す,と言う人が居ますが,それは完全に誤りです。膝が前に行きすぎ,テールが横に流れて,膝下に三角窓ができてしまいます。スキーの前(作用点)を押そうとすれば身体は,その作用点から遠ざかってしまうのです。つまり後傾になって体が遅れてしまうのです。雪の抵抗を積極的に受け止めるべく,斜面下方に身体毎移動しようとすると,身は前に出て行きます。

 カービングタイプだろうとレギュラーだろうと迎え角意識は重要です!
 大回りでそのスキーに合った回転弧を維持している間はイイのですが,回転弧が小さくなってくると,前方からの切削角,タワミ角,沈み込み角だけでは対処できません。どうしても迎え角(外向)が必要になってきます。近年,カービングスキーのカーブの力だけに頼った暴走スキーヤーを見かけますが,技術的に見るべきものは何も無い!と言ってイイと思います。例えれば,ポルシェをアクセル操作だけで運転しているようなものです。ステアリング操作やカーブへの入り方など,さらにその車の性能を生かせるように乗るべきが本筋だと思います。
 現に1級受験者で,カービングスキーを使用していて,小回りで合格点に達していない人が多くなってきています。
 迎え角は「スキーの三原則のひとつ」と心得るべきです。

 その蓄えた圧をどう開放するか?が解っているかいないかが,エキスパートスキーヤーと上級スキーヤーの違いでしょう。エキスパートになればなるほど,その開放の仕方が微妙かつ繊細になってくるのです。
 「引くターン」のトレーニングが必要なゆえんです。

★今日はちょっと辛口でごめんなさい!
 最近,カービングスキーの性能だけに頼るスキーヤーが多くなってきています。
 スキーの性能が生み出すスピードをバランス感覚の良さだけに頼って,実際はコントロールし切れていないのです。
 これではスピードコントロールできないボーダーと一緒で大変危険です。
 ……ということで,辛口になりました。
 お許しを! (^I^)
24..引くターンを小回りでマスター練習方法がありましたら、教えてください。 ご質問者:hoppoさん
1999年3月29日

 小回りも,図の様に「受けるゥー」で貯めた「捻りのエネルギーとたわみのエネルギー」を「引くゥー」で「斜めの直滑降」意識で放してやります。この時多くのスキーヤーは「受ける」から直ぐに次の「受ける」を意識しがちです。するとせっかくターン後半に貯えられた捻りのエネルギーが開放する間が無く,スキー自体を動かしてしまう=アクションスキーになってしまいます。このアクションは必ずと言っていいほど「リアクション」を伴います。リアクションとしては,体のローテーション,上下動,上体のあおり……が挙げられます。
 このアクションスキーをしない様にするには,ニュートラルで足を重心の方向に引き込み,
「引くゥー」で斜めの直滑降を1メートルくらい入れるつもりにする事です。多くのスキーヤーは,こうするとターン半径が大きくなってしまう! と思い込んでいますが,ところがどっこい,この意識こそが「スキーを走らせ,切れのいい小回りをする」コツなのです。ただし注意することがひとつあります。それはターン後半上体をフォールライン側にしっかり向けている,という事です。決して大きいターンにはなりません。いったん外に出かけたスキーが,まるでヨーヨーが手元に戻ってくる様に,シュポーンと腰の下に戻ってくるのです。
 一度この快感を覚えたら,止められませんよ! (^I^)
 俗に「二本のフォールラインを意識して滑る」という風にアドバイスするスキー教師も居ます。

 

 

37.大回りも小回りもなんですが、うけるぅー、ひくぅー、うけるぅーひくぅーと繰り返すうちにだんだん姿勢が低くなってしまうのです。
うけるぅーの外足で100パーセント荷重を受けていれば、内足は引いた状態にあると思います。内足をそのままに、ひくぅーと外足を引いてしまうと必然的に姿勢が低くなる様な気がします。
 どこかで、足を伸ばすのですか?ターンしながら伸ばすと、うけるうぅーでなくなってしまう様なきがしますし、ななめの斜滑降の時だと上下動を使ってる様になると思うのですが・・。
 「ひくぅー⇒うけるぅー」の時、脚の状態はどうなるんでしょうか?
ご質問者: kmiki
1999年10月30日
 結論から言うと、「うけるぅー、ひくぅー、うけるぅーひくぅー……」の うけるぅーでそと脚が伸びて姿勢が高くなります。そして、ひくぅーで少し姿勢が低くなります。

 内足をそのままに、ひくぅーと外足を引く ⇒ というのは「意識のこと」です。その意識で外足を引くと、ニュートラル状態になりながら一旦イチバン低い姿勢(かいこみ状態のニュートラル)になり、それに続いて、それまでの内足が自然に伸びながら外足になり、次のターンがはじまるわけです。引いた方の圧の捕らえが少なくなるわけですから、その分それまでの内足が圧を担当することになります。普通はこの時自然に脚が伸びるのですが……。つまり、うけるぅーという意識の前に ひくぅー
ぅーぅーという外脚の緊張=脚の伸び、があると思ったほうがいいでしょう。
上下動というのは重心の位置が上下に移動することです。引く-受ける のターンでは重心の位置は動きません。重心位置はそのままで脚が伸びていったり縮まったりするのです。
ですから、ターン前半では、引いて低い姿勢のままで居るのではなく、ヨウヨウが手から離れて行くように、重心を中心として脚が伸びる、という風に考えてください。

53.【TOK】の教師日記に出てきた「ドライビングターン」とはどんなターンですか? ご質問者: Watanabe
2000年1月27日
 ドライビングターン、というのは「足裏感覚だけで体験できる」ある種の「カービングターン」です。
 抵抗を受ける方向をターン外側に求めるのではなく、スキーのトップ方向から求めるもので、もちろんカービングスキーでも体験できますが、ノーマルスキーでも経験できます。
 2000/1/27の教師日記にそのあらましを書いておきましたが、その要領は、先ず左右両足の足裏に自動車の四輪をイメージします。左足には親指が右前輪、小指が左前輪、かかと内側が右後輪、かかと外側が左後輪としてイメージし、右にターンする時は、左足の自動車のハンドルを右に切りつつ、アクセルをふかす要領で前に進むイメージを持ちます。右にハンドルを切るという事は前輪が右を向きますから、足裏では親指が右側を向こうという意識になり、かかと中心に親指が右方向にひねられるような感覚が生まれます。結果的に左ヒザは右内側に倒れ角付けができます。そしてアクセルをふかす要領でスキーが前に進みますからサイドカーブが生きて、ターンが始まるという訳です。この時、車の運転と同じように、ハンドルを切ったからといって後輪(かかと)は決して外へ出さないようにする事が大切です。
 左ターンはこれとは逆に、右足の親指が左前輪、小指が右前輪、かかと内側が左後輪、かかと外側が右後輪としてイメージし、同じ要領でハンドルを切りながら前に進むイメージを持ちます。
 右ターンから左ターンへの切り換えでは、一度右足の車のハンドルをニュートラルまで戻し(この時自分で戻す要領は車のハンドリングと同じで使いません。自然に戻る力を利用する要領で戻します)、その後右足の足裏の自動車のハンドルを左に切りながら前に進むイメージを持ちます。これにより斜めの直滑降状態(ニュートラル状態)が生まれます。
 また、自動車の運転と同様、ハンドルを切っただけでは車は方向を変えず、アクセルを徐々にふかして、前に進むことで方向が変わるイメージを持つことも重要です。急ハンドル、急発進、急ブレーキは車の運転と同様、決して行なってはいけません。
 これは結構効果のあるターン方法です。こんなに楽にターンできてイイのか? というご質問を時々受けますが、楽にターンできてどこがいけないのでしょう?
 汗をかき、体を疲れさすことがスポーツだという認識は捨てたいものです。スキーは生涯スポーツで落下運動を回転運動に変えるものなのですから…(^I^)

53.【TOK】の教師日記に出てきた「マジックハンドターン」とはどんなターンですか? ご質問者: 磯村
2000年2月1日
 マジックハンドターンとは、ターン外足にしっかり乗りこみ、生き生きしたエッジングをする為の方法のひとつ。
 そのやり方は、ターン外側の手と手首に気配りして滑る、というもの。ターン外側の手を置いておく位置と、手首の緊張のさせ方をちょっと工夫するだけで、信じられない程の威力を発揮する。
 手の位置が腰より上がっていると、まるでその姿は「糸の切れた奴ダコ」状態になって、内足に乗り安く、荷重が分散されて、スキーのたわみが生かせず、切れが悪くなってしまう。
 手の位置をヒザくらいにまで下げると、外傾ポジションが取れ外スキーをたわませる事ができるようになる。両手を下げては意味が無い。
 また手首をオートバイのアクセルをふかす様に内側にしぼると、ヒザがそれに連動してターン内側にギューーッと絞り込まれ、単にヒザを内側に倒すのとは違って、手首の絞り具合で、ヒザの動きに粘りのある絞り込みを生み出すことができる。まるでエネルギーを持ったヒザの絞り込み、と言ったほうが当を得ている。次のターンに入る時は、手首の返しを徐々に緩めてみる。そうするとその緩ませ方に応じて今まで捕らえられていたひざの絞り込みが緩み、エッジングが少しづつはずれて、スキーはニュートラル状態に移行する。この時、ニュートラル状態で停止してしまうので無く、ヒザがバネの様にそれまでのターン内側に絞り込まれていたので、次のターンの内側にギューンと返るように働く。この動きはまるでヒザがエネルギーを持った生き物のごとく感じられる。モチロン抜重されることは少なく次のターンに必要な圧が逃げてしまうことも無い。マジックハンドの手首の絞りがヒザの絞り込みを生み、生き生きとした次のターンの原動力にもなるのだ!
 ぜひお試しあれ! (^I^)

59.【TOK】流スキーレッスンについて質問です。下記4つの質問について教えて下さい ご質問者: 岡部
2000年2月16日
Q1)7.「オレンジターン」で、つぶれたオレンジは「受ける、ひく」のひくところで復活するのでしょうか?あるいはひくのところでは両方つぶれていて、圧のかかっていないターン内足で復活するのでしょうか? ひくの所で復活すると抜重のようなものになりそうですが。

A1)
 復活する意識です。雪からのエネルギーを受けて、復活するイメージです。
 オレンジは1個しか無いイメージで、そのオレンジを左右の足裏でやり取りするイメージです。
 片足づつ交互の抜重になります。両足同時ではありません、つまり交互操作です。
 でも、その結果生まれる脚の運動は同時運動に見えます。

Q2)Q.53 「マジックハンド」の説明で「ヒザがそれに連動してターン内側にギューーッと絞り込まれ」とありますが、これは股関節からのひねりなのでしょうか?

A2)
 私はひねりだとは思いません。あくまでもターン内側への押しこみ的角付けです。
 股関節が一方の支点になります。もう一方の支点は荷重点です。

Q3)「迎え角(胸の外向)」ということがたびたび出てきますが、ロングターンでもやはり少しは胸は外向しているのでしょうか?腰の向きとの関係はどの様に考えればいいのでしょうか? ロングターンでは、フォーラインを過ぎた後の腰は完全に板に正対することは出来ないような気がするので、その腰の向きと同じと考えて良いのでしょうか?

A3)
 ノーマルスキーで、スキーのトップとテールの長さの差を利用してターンするスキッディングターンでは腰からの外向で、カービングスキーでたわみ角、サイドカーブを利用して滑るカービングターンの小回りでは、みぞおちからの外向、と言ったほうが適切です。カービングターンの大回りでは正対でOKです。
スキーの前後差に相当するだけの腰の開き、はありますが、これはスキッディングの迎え角の外向とは違うものだと思います。正対もしくはカービング的迎え角がイイのではないでしょうか?

Q4)ロングターンがおとなしい、と言われます。ダイナミックな滑りに見えるにはどの様な工夫ができるのでしょうか?

A4)
 ダイナミックだとか歯切れがイイ……というのは、身体全体ががそういう運動をするからでは無いと思います。ナニかある静かなものに対して一方が激しくリズミカルに動くので、ダイナミックさが強調されるのではないでしょうか?スキーでは、上体が静かで下半身が縦横にリズミカルに動くこと、がダイナミックさを生む元だと思います。上体を静かにしながら下半身で雪からの圧をどうやり取りするか?が課題でしょう。
60.日記の中でマジックハンド意識の小回りの件述べられてますが、小回りの場合のマジックハンドのイメージがちょっと分かりません。大回りではマジックハンドポジションの手をゆっくり持ち上げ次のストックを突く動作へとつながるのですが、小回りの時はリズムが早いため、かなり腕を急激に上げないと次のストックを突くポジションへつながらない気がします。この辺の意識はどうなんでしょうか。  ご質問者: YAMASA50
2000年2月19日
 練習では、まずノンストックで行います。結構低い姿勢になりますが、外スキーの捕らえと、バネのあるエッジングが体験できるはずです。これで、結構マジックハンドが効き目があることが実感できるでしょう。
 その後、ストックを突くのですが、あんまりストックに圧をかけてはいけません。両足同時の抜重になってしまうからです。あくまでもコンタクト移動(圧の授受)は左右交互操作意識です。そして、ここがポイントですが、手の位置はノンストックの時ほど雪面近くになりませんが気持ちの上でできるだけ下げる意識を持ちます。また、手首は返す様にして、手首内側でヒザを内側に押し付けるイメージを持ちます。ストックはほんのチョイ突きで、『ヒクゥー(Hikuuー)』の”Hi”の”H”でスキーをニュートラル状態に戻すようにします。するとバネの利いたヒザがニュートラル状態に戻るだけでなく、その反動で次のターン内側に入って来ます。そのタイミングを逃さず抵抗を受け、次のターンを仕上げる訳です。
 マジックハンドで注意しなければならないことがあります。レッスンでも勘違いしているのを良く見かけますが、外側の手だけ下げる様にします。両手を下げてしまうとこの効果は得られません。
 当たり前のことですが、姿勢は大回り、中回りより高くなります。
 ただ、検定などでは別にストックの使用は義務付けられておりませんので、突かなくてもイイのですが……。

63.迎え角意識のマシンガン・ターンが大変有効なようですが
どんなターンなのか紹介して頂けませんでしょうか
ご質問者: YAMASA50
2000年5月4日
  ”マシンガンターン”というのは、自分の進む方向、斜面を落ちて行く方向をしっかり意識し、自ら進んでその方向に移動しようとする気持ちを持たせるためのトレーニング方法のひとつ。その要領は、舵取り期に入ったとき、外側の手の人差し指をマシンガンの銃口に見たて、自分の進行方向(迎え角方向)に居る敵を目掛けて銃口を(人差し指)を向け、そこから弾丸が”ドドドドドドドォーン…”と発射されるフィーリングを持つ…というもの。手の位置と人差し指の方向が重要で、腰とヒザの中間ぐらいにマシンガンの銃口(手)を構え、その銃口の向きをしっかり迎え角方向(抵抗を受けとめる方向)に向けて弾丸を発射させるイメージが大事。人差し指が進行方向を指差するので自然に手首が返り、それに連動してヒザが内側に入って角付けがうまく行くようになる。大回りでは”ドドドドドドドドド”と9発ぐらい発射させ、中回りでは4〜5発、小回りでは重いやつを1発!…という感じで発射させる意識。マシンガン意識を”マグナム銃”意識に変え♪バババ…バババ…♪から♪バギューン…バギューン…♪にイメージを変え、一発お見舞いしたら次のターンに移るイメージを持ってもらうと、小回りがよりうまく行く。
 簡単に言えば”マジックハンド・ターン+迎え角意識重視”のターンとも言える。

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