Chapter 18    “愛のターン”  壮大な宇宙的“愛”

Chapter18

Contents  ☆★☆

0071 “愛”で癒される  
0072 “愛”をどこで感じる?

0073  心のスキー

0074  宇宙の原則...“愛”


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“フィーリングスキー”
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☆★【TOK】の Feelin' Ski ★☆   0071     “愛のターン” No,12 “愛”で癒される
 
  “愛のターン”...今回は,「“愛”を受け容れる場所」について...。
  これまで“愛のターン”の“愛”を受け容れるのは「身体のハート(重心付近)」ということで説明して参りました。“愛”はハートで優しく受け止める...というのが一般的ですが,実はその場所はハートに限定しなくてもイイのです。...というより,むしろハート以外の身体のいろいろな所に受け容れるイメージを湧かせて滑ることの方が楽しいスキーにつながるのです。(^ー^)
  皆さんは「瞑想(Meditation)」ってご存知ですか?この瞑想...【TOK】の本格的な経験は2005年の2,インドにスキー指導派遣で行った時に,ヨガの聖地「リシュケシュ」で経験させてもらいました。その時はチョッとしたオチがありましたが,不思議な感覚を覚えながら1時間ほどの瞑想を経験することができました。身体のいろんなところに“気”を配り,その部位々々を活性化させ,人間の持つ本来の機能を良い状態で発揮させよう...ということが目的のようでした。「教師日記」でもたびたび書いていますが,人間の身体は実に不思議な能力を持っています。自然治癒力然り,火事場の馬鹿力然り,イメージでスキーが上達すること然り...です。ヨガとか瞑想の詳しいことは分りませんが,「身体のある部位に意識を集中させると,その部位が最も良い状態で働けるように,身体の全体がそれに協力してくれるように働く...」というのは本当のことで,わたし自身スキーのレッスンでも数え切れないほど経験していることです。
  さて,“愛のターン”の“愛”を受け容れる場所をいろいろ変えてみる...というのは,こういうことがベースにあってのことです。“レシーブポイントRP”をどこにするか?でターンの円弧のおおきさや角付けの量が変わり,ターンコントロールをするのが楽になる...ということは教師日記でもお話ししていて,それと同じことなのですが,ひとつだけ決定的に違うことがあります。それは,「“レシーブポイントRP”を“愛”を受け容れる場所として特定した時は,そうでない時に比べて,身体の動きに優しさや,雪と一体となっているような優雅さが現れる」ということです。“スキー”は地球の引力に引かれる落下運動...ということですが,人間と地球が互いに引かれ合っている...というのが本当です。地球の質量が人間のそれに比べてはるかに大きいので,人間が一方的に引かれている...という風に見えるだけです。この「“互いに”引かれ合っている」...というところに“愛の妙”があるのだと思います。互いのエネルギー同士がぶつかったり,引き合ったり,融合してある運動を形成するのですが,人間のエネルギーを身体全体のエネルギーとしてみるのではなく,身体の各部位ごとのエネルギーとしてみたらどうなるか?...ということが“愛のターン”の「身体の各部位で“愛”を感じる」ということです。瞑想のポイント...「“気”を配り,その部位々々を活性化させ,人間の持つ本来の機能を良い状態で発揮させる」...これを“スキー”でやってみよう...ということです。実際このようなイメージで滑ってみますと,確かに各部位によってその“愛”の受け止め方,あるいは地球のエネルギーとの反応し方に,それぞれ異なった特徴的な動きが表れて来ます。雪からの抵抗に対抗しアゲインストになる...のではなく,受容しレシーブして,まるで「踊り」を踊ってでもいる様な,あるいはゆったりとした「太極拳」をやってでもいるような...そんな動きが顕れて来るのを待つのです。
  あたかも,雪や地球の“愛”を身体のいろいろな部位に受け入れ,そのエネルギーでその部分が「癒されている...」とでも表現したらいいのでしょうか...。
  その具体的なイメージ方法は次回...。ひと味違った“愛のターン”の“レシーブポイントRP”意識...。皆さんもぜひお試し下さい。(^ ^)(^I^)




☆★【TOK】の Feelin' Ski ★☆   0072     “愛のターン” No,13 潜在能力開発
 
  今回の“愛のターン”は前回の続きで...「“愛”の受け容れ場所とターンの関係」についてです。
  “センサーポイントSP”と“レシーブポイントRP”の間のエネルギーライン,あるいは“センサー軸”...という言葉で「教師日記」などでお話していますが,“愛のターン”の“愛”がやって来るラインもこれと似たことです。ただ前回も話したように,イメージするのが“愛”なので,「優しさ」とか「互いに影響しあう」...ということが前面に出てくるのが他のイメージと違うだけです。実は,これが大きいのですが...(^ー^)

  ...で,今回は具体的に身体のどの部分で“愛”を感じるとどのようなターンになるのか?...ということをお話しいたします。右の写真をご覧下さい。右ターンの時,どこに“愛”を受け容れる場所を意識するか?...ということを具体的に示したものです。

  赤い
はハート=重心の位置を示します。一般的に,安定したオーソドックスが滑りをする時はこの場所が“愛”を受け容れるスイートスポットになります。身体の真ん中で,バランスが最も取りやすく悪雪や深雪などではこの場所をRPに設定します。
  さて,図では
イエローナンバーブルーナンバーで別けて示してあります。これは,身体の“愛”を受け容れる場所を,身体の左右意識をポイントとして変えてみる...ということです。結果的には,外側...イエロー番号@〜Cを意識すると,“迎え角”が少なくなり,スキーのエッジも少し立ち気味になって,カービング要素の強い滑り方になります。一方,ターン内側のブルーの番号@〜Cを意識すると,逆に“迎え角”が大き目になり,スキーのエッジが少し緩んで,スキッディング的な滑り方になります。
  また,番号も@〜Cまでありますが,これは“愛”を受け容れる場所を,身体の長軸方向に変化させてみる...ということで,身体のターン円弧の大きさと,運動の迅速さ(クイックさ)に関係してきます。@のように,足元に近い所にRPをイメージするほど迅速で円弧の小さいターンができます。逆にCのように頭に近くなるほど,ゆったりした大きなターン円弧が描きやすくなります。
  この
@〜C@〜C,を使い分けることで,いろいろなターンフィーリングが試せるのです。例えば,「スキッディング的な大回りをしたい...」と思ったら,Cを“愛”を受け容れる場所として意識するのです。また「カービング中回りをしよう..」というのでしたら,Bを意識します。「敏捷性と切れのある小回り...」でしたら,極端に@(ターン外脛の外側)を意識するのも面白いでしょう。普通の小回りでしたらA(ターン外ひざの外側)でいいのですが,@に“愛”のRPを意識すると,これとはまたひと味違った小回りが体験できるはずです。(^ー^) また,この意識する場所は,ここに挙げた@〜C@〜Cだけに限らず,自分でいろいろな場所に設定することができます。BBの中間でもOK !!!で,同じ中回りでも微妙に違った滑走感覚を味わうことができるでしょう。

  このように“愛”を受け容れる場所...これをいろいろ変えてみると,「これまであなたが自分で気がつかなかった滑走フィーリング」...これにキット出会えることと思います。これまで経験したことの無い,「あレッ?!?!?!(*_*)」...といった面白いフィーリング,感動するようなフィーリング...これに出会えるのは確実なのです。そして,自分の身体の持つ不思議な潜在的能力にビックリもするでしょう。ぜひ試してみてください。(^ ^)(^I^)
  そして,大事なことは,そのような滑走フィーリングに出会ったら,「その時にどのような“愛”を,どこに受けていたのか?」...ということを忘れないことです。




☆★【TOK】の Feelin' Ski ★☆   0073     “愛のターン” No,13 心のスキー
 

  今回のテーマは,“心のスキー”です。(*^^)v
  これまで,“愛のターン”についていろいろな角度からお話ししてきました。そして,この作業を通して,今新しい“愛のターン”の意義が見つかったような気がしています。書き始めの頃に漠然と思っていたことが,ある形となって顕れてきた...といっていいと思います。それは「“愛のターン”は“心のスキー”だ !!!」...ということです。
 
     “心のスキー”...?...また【TOK】はワケのワカランことを言い始めたぞ !!!...と思われるかもしれませんが,この考え方は私のスキーレッスンにおける最大の課題,「なぜ“スキー”をするの...?」という問いに,ある答えを与えてくれるかもしれない !!!...正直そう思っているのです。
  わたし達は,スキーだけでなくいろいろな人生の局面において,「気持ちのいいこと」を求める傾向にあります。楽しく思えないこと,ストレスや苦痛,やストレス...これはできるだけ避けたい,できれば遭遇しないで欲しい...そう思っています。でも現実はいろいろなことが起こります。いわゆる“苦”は“楽”と共に私達の人生に付きものなのです。“スキー”でも,気持のいい斜面ばかりがあってくれたらイイなぁー...誰も滑っていない斜面がズーッと続いてくれないかナァー...と思います。ところが,事実は粗踏みがあり,コブがあり,つるつるのアイスバーンがあり...といった状況がほとんどです。普通に考えれば気持ちよくありません。でも,このような状況の斜面を滑る時でも,気持の持ち様で“スキー”の楽しみ味わうことができるのです。それが“愛のターン”なのだと思います。“愛のターン”...これは“スキー”を通して,母なる地球や大自然とのコミュニケーションの仕方を考え,今自分がここに存在し,磨かれていることを実感できるスキーでもあるのだ...私はそう思っています。“磨き砂”...... jpSKI.com の名前の由来と,こういうところでリンクできたのも不思議といえば不思議です...(*_*)。

  “愛のターン”のNo.1...「“愛”とは何か?」にも少し書いてありますが,地球とスキーヤーとの“愛”の関係,雪の大自然とスキーヤーとの“愛”の関係...という風に考えると,ものごとの二つの側面“苦”と“楽”がどちらもそこに在るからこそ,わたし達は磨かれ,そして人間として身も心も育って行くのだと思います。“楽”ばかりだったどうでしょう?“苦”を避けてばかりいたらどうでしょう?「混濁併せ呑む」度量があり,それを心から味わってこそ磨かれ人格的に大きく育つのだと思います。どちらもあってこそ自分は成長するのだ...そのことを自覚することこそが,確かな“愛”の存在に気付くことなのです。「なぜ“スキー”をするの...?」...それは“苦楽”を感じることで,自分を磨くため...心の持ち様を学ぶため...なのだと思います。そう,人生の生き方のある雛形としてのスタイルが,“スキー”をすることに在るのです。

 “愛のターン”...滑り方を変えるだけでなく,私達の“心の在り様”までをも変えてくれる...本当に素晴らしいイメージなのかもしれませんネ !!!。




☆★【TOK】の Feelin' Ski ★☆   0074     “愛のターン” No,14 宇宙の原則...“愛”
 
  
  実は2006シーズン,“愛のターン”や“Sound of Music Turn”(SMT)をやるようになって,かつて思っていたほど“J・I・K・U”意識での“軸の強さ”が強くなくなっているのに気付きました。確かに,ターン前半から中盤にかけてはこの“センサーポイントSP”から“レシーブポイントRP”に伸びる“センサー軸”をイメージし,それを幾分強めに意識して行った方が,滑りが安定していたのは事実です。ですが,ターン後半にこの“軸意識”が強いままだとスキーの走りが悪くなり,角付けの切り替え時にどことなくスムーズさに欠ける感覚がありました。そこで,“引く意識”とか“バトンタッチ”...をイメージすることで,これをカバーしていました。ところが昨シーズン,“愛のターン”を始めてから,この“軸”の強さの調整が自然にうまく行くようになったのです。“軸”だけを意識している時よりも,“圧を感じる”ということに意識が集中できるようになったからだと思います。“軸”だけだと,SPからRPに伸びる「一本の線の存在」のみが意識され,その線の長さ,つまり圧の強さを調整するために「線が伸びたり縮んだりするイメージ」...これが湧きにくいのです。

  ところが,“愛のターン”では自分で意識しないにもかかわらず,脚がちゃんとターン後半にいい具合にたたみ込まれ,ターンに必要以上の圧が自然に自分の懐に吸収されるようになったのです。これはまことに不思議な現象と言えば不思議な現象でした。ハッキリ言って,なぜこんなことが起こるか?...今でも不思議です。画像(284KB)をご覧下さい。2006年夏,ニュージーランドで撮影したものです。抵抗がそれほど強くないのでターン後半の脚の畳み込まれ方は幾分少ないのですが「脚の自然な伸び縮み」が分ります。気をつけないと,一見「立ち上がり抜重」あるいは「ストレッチ的運動」...と見てしまう人が居るかもしれませんが,テールの横ズレが少なく,かかとが急激にターン外側に出て行っていないこと,また脚が雪面の圧を探りながら伸びる運動が先に起こり,それに続いて腰の位置がやや高くなっていること...から,そうではないことが判ります。スピードがもう少しあったり,雪の抵抗をもう少し強く捉えれば自然なベンディングになる滑りです。特に最後の右ターンで,小さなコブがあるにもかかわらず重心の位置がビシッと決まって動かず,脚がそのコブの凹凸に自然に反応しているのは,見ているほうが気持ち良くなる滑り...と言ってもイイでしょう。(^ー^) カービング大回りも気持ちイイですが,その前にこのような大回りができるようになると素晴らしい...そう思います。

  このように“愛のターン”をイメージしながら滑っていると,実は,「エネルギーの惹きつけ合い...を楽しんでいる自分」に気が付くのです。まるで地球と人間としての自分が,原子核の周りを回っている電子であるかのような感覚に似ていて,まさに「地球のエネルギーを受けながら滑っている自分」...イメージされるのです。自分がコントロールしてスキーをしているのではなく,偉大なエネルギーとエネルギーの惹きつけ合いの結果,地球の表面,雪の表面を滑らされている...という感覚でもあります。地球の引力,エネルギーに素直に反応している自分...ということもできます。
  まさに地球の引力を感じながら,そのエネルギーの惹き付け合いを“二つ以上のものが寄りついてかかわりを持つ作用
...”として感じているというのも面白い感覚です。このような,“二つ以上のものが寄りついてかかわりを持つ作用...”のことを【縁(えにし)】と呼ぶのだそうですが,この世に生まれ,“スキー”を楽しみながら,いろいろなモノとの“縁”を感じるのも,また楽しいことではあります。

  
“愛のターン”を通して観る“スキー”...たんなるスポーツとしての“スキー”の面白さの領域を超えて,自分が今ここに存在して大きな宇宙の流れ,原則に従って生きている...そんな壮大な思いにまでなります。
  “愛のターン”......あなたにどんなプレゼントが用意されているのでしょう? そして,何を学ぶのでしょうか? (^ ^)(^I^)  Schi Heil  !!!  シーハイル !!!



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