“フィーリングスキー” 
          
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            Chapter 7    プルークボーゲン から パラレルターンへ

 Contents  ☆★☆

0031 パラレル基本ターン
   
その3  お手玉ターン

0030 パラレル基本ターン
 
その2“迎え角”と“スピード”

0029 パラレル基本ターン
 
その1
  スピードがパラレルターン
          を可能に…



------------☆★フィーリングスキー★☆-------- 0031 パラレル基本ターン その3 ----
「お手玉ターン」
  スピードが出てくると,ターン外側の「オレンジ」がどれくらいつぶれているか?という圧の強弱の感覚が解ってきます。そしてそのオレンジがただ「つぶれている…」という感覚から,「つぶれてはいるけれど,そのつぶれ方が大きくなっている…」とか「元の形に戻るようにつぶれている…」という風に「オレンジのつぶれ方の形が変化している」ことが分かる様になります。つまり圧が常に一定ではなく,増えたり減ったりしている感覚がつかめるようになるのです。その時の感覚は,あたかも“オレンジ”を左右の足裏で「お手玉」の様に交互にゆっくりハンドリング=パス(手渡し)しているような感覚です。私は,このような意識でターンするのを「お手玉ターン」と呼んでいます。「検索」で「お手玉」といれて検索すると,いろいろな場面で使っているのが解りますので興味のある方はご覧下さい。
  この「圧の増減感覚」を左右の足裏で楽しみながら行っている姿を,他の人が見ると,あたかも「脚を曲げたり,伸ばしたり…」という風に運動しているように見えるはずです。でも自分では脚の曲げや伸ばしは意識していない…というのが実のところです。でも,この運動を直接真似てしまうと,雪面条件が変わったり,スピードが変わったりすると,同じ運動ではその変化に対応できなくなってしまうことが多いので,注意が必要です。運動を直接真似するのではなく,「お手玉を左右にハンドリングするように足裏」足裏の感覚を磨くことが大事なのです。
  「#0024 “引く-受ける”のプルークボーゲン」でも,♪♪♪受けるぅー…引くぅー♪♪♪のリズムを使うことで“オレンジ”がつぶれたり戻ったりする感覚を磨きましたが,スピードが増してくると,あんまり「押す意識」が無くても圧が生まれてくることが実感できるようになります。自分の力で押さなくても,斜面を下方に降りていくのですから,雪からの抵抗がやって来て,「圧」が生まれるからです。
  特別難しい斜面を選ぶ必要はありません,安心して滑られる緩やかな所で,この“オレンジ”を意識した「お手玉ターン」を充分楽しんでください。足裏感覚を大事にして滑ることの楽しさが実感できることでしょう。多分,ターン中盤から後半にかけては,もう外スキーに内スキーが自然に寄り添うようについてきているはずです。でも,そろえることが大事なのではありません。スキー板が揃ったのはあくまで「結果」です。因果関係の「果」であって「因」ではありません。「因」は何でしたか?…そうです!「“オレンジ”のお手玉」でした。
  

------------☆★フィーリングスキー★☆-------- 0030 パラレル基本ターン その2 ----

「“迎え角”と“スピード”」

  前回「0029」では「形にこだわらず,スピードが出てくれば自然にスキーは揃ってくる…」ということをお話しました。この時大事になるのは,揃えようとする意識ではなく,外スキーの足裏感覚を大事にすることでした。
  スピードを意識的に出すには,「0011 横に滑る (感じる方向)」や「0027 感じる“方向”」で学んだように,“迎え角”を,自分で意識してコントロールし,大きくするとか,小さくしてみるとかトライしてみることです。すると「自分の足裏感覚としての“迎え角”」と「実際のスピード」の関係が次第に分かって来ます。一度で分かることはまずないでしょう。何度かやっている内に「足裏感覚としての“迎え角”」と「その時々の“スピード”」の具合が次第に分かって来ます。これが「練習」です。
  大事なことが出てきました。それは,「○○という足裏感覚で滑ったら…」⇒「□□…という滑りになった…」という風に「自分の足裏意識」と「その結果の動き」とを“因果関係”として捉えることです。つまり「足裏意識」と「結果としてのスキーの動き」を,ひとつの線で結びつけられるようにする…ということです。身体の「形」や「フォーム」と「結果としての動き」とを結び付けてはいけません。何度も言いますが「足裏感覚や意識」と「その結果生じるスキーの動き」を関連付けて覚えることです。ここのところに“フィーリングスキー”のおおきなポイントがあります。
  「雪面コンタクトのされ方が,スキーの動きを左右する」…ということを考えればこれは当然のことです。人間が各自持っている体の特徴は同じではありません。ですから「フォーム」を真似てのスキーは行き詰まりになるのです。大事なことは各自の「足裏感覚でどう感じた時」⇒「スキーの動きがどうなっていたか?」…ということなのです。
  この段階では「足裏の“迎え角”意識」をいろいろ変えてみることで,どういう風にスピードに変化が出るか?を試してみることが大事です。


------------☆★フィーリングスキー★☆-------- 0029 パラレル基本ターン その1 ----

「スピードがパラレルターンを可能に…」

  これまで,「雪に親しむ」⇒「直滑降からプルークへ」⇒「プルークボーゲン No.1」⇒「プルークボーゲン No.2」⇒「プルークボーゲン No.3」⇒「三つの“感じる”フィーリング」⇒「プルークボーゲンからパラレルターンへ」…ということで,足裏感覚を磨くための要素を解説してきました。今回からは具体的に,「プルークボーゲンからパラレルターンへ」ということで,お話させていただきたいと思います。
  私は,低速などでたまたまスキーがV字形になっている「形」があり,それが「プルークボーゲン」と呼ばれているものだと思っています。よりスピードが増すにつれて,内側のスキーが自然にターン外側に揃って行き,結果としてスキーが平行状に揃って行くだけのことだと思います。ですから,低速でプルークボーゲンで滑ることが,「未熟な技術」…という考え方には反対です。「プルークボーゲン」はカービングスキー全盛の今でも大事な滑り方だと思います。低速時のターンフィーリングは「“引く-受ける”意識のプルークボーゲン」の映像を参考にしてください。

  さて,ターンスピードが増してくれば,自然にターン外側に遠心力が働いて身体の体重が外側に掛かり,外スキーに圧力が集中して来ます。両足裏に“オレンジ”を意識していれば,スピードが増すにつれて,内側のオレンジのつぶれ方は軽くなり,反対に外側の“オレンジ”はつぶれていきます。つまり左右の圧に差ができてくるわけです。すると内側が軽くなった分だけ自由になりますから,だまっていても内スキーは回転外側に振り出され,外スキーに揃ってくるわけです。
  この意識を強く持って滑っているのが右の映像です。外スキーはこれまで学んできた“感じる「場所・方向・強さ」”のことを意識しているだけです。あえてスキーを揃えようとする意識を持たないことが大事です。ですから,例え上体がローリングしようが,内倒しようが,あるいは時には内足に乗ってしまおうが,細かいことに構わないことです。時には足裏に意識を集中することが留守になり,バランスを崩すこともあるでしょうが,いつでも“感じる「場所・方向・強さ」”に意識を戻すことです。

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