【TOK】のインドキャンプ日記  Feb. 2005     

 

登場人物 :
“Mr. Gupta” ⇒ WGFI(インド冬季競技協会)セクレタリー 冬季アジア競技大会等参加経験があり,数度日本を訪問している。
“Mr. Shabir” ⇒ 今回のグルマルクスキーキャンプの世話役。 WGFI副会長 彼も冬季アジア競技大会等参加経験があり,数度日本を
           訪問している。

スキー指導日記 絵日記編


Feb/26 終わりました...
Feb/25 久しぶりのアクセス
Feb/24 キャンプ終了!!!
Feb/23 本気で怒った
         
【TOK】
Feb/22 “Stage3”
Feb/21 ひと区切り
Feb/20 インド流に???
Feb/19 日本人は凄い!!!
Feb/18 “Stage2”始まる
Feb/17 ∞ターン
Feb/16 小回り特訓
Feb/15 Juice Line
Feb/14 変化表る ??
Feb/13 (=_=;) ???!!!
Feb/12 (*_*)ビックリ!!!
Feb/11 忍耐の一日
Feb/10 キャンプ開始!!!
Feb/09 今日も大雪!!!

Feb/08 大変な一日
Feb/07 デリー⇒グルマルク 

Feb/06 成田⇒デリー
Feb/05 白馬⇒成田


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☆ Feb/26  2005  木曜日  晴れ(デリー→成田)
 今朝はインドのデリー繁華街近くのホテルで朝を迎えました。10時半...私が“Mr. Shabir”に頼んで,インドの下町のマーケットに連れて行ってもらいました。日本で言うと上野の「アメ横」みたいなところです。約2時間いろいろな店を見て回りました。あるキャップ専門店では気に入ったキャップを二点買い求めました。だまっていてもエネルギーを感じるインドですが,ここのマーケットでも別な意味でのエネルギーを感じた【TOK】でした。(^ ^)
 夕方4時近くまで“Mr. Shabir”にデリーの街中を案内してもらいました。昨年は名所めぐり的な案内をしてもらいましたが,今年はマーケットとか下町を中心に巡りました。どこに行っても強烈なエネルギーを感じます。人間も動物なんだ!!!...ということを実感させられる経験です。スタイルや見てくれでなく,赤裸々な動物として生きて行くために必要なエネルギー...そんなものを感じます。衛生面では日本と比べものにならないくらいお粗末です。でも,「これが実際に行きて行く...」ということなんだ...今の日本にはこんな強烈なエネルギーは無くなったなぁー...そんなことを思いました。
 夕方6時,“Mr. Shabir”と別れの挨拶を交わし,インディラガンジー空港へ。昨年もそうでしたが,ここでチェックインを終え,待合室に入ってようやく,「無事役目を終えたなぁー...」という感慨が沸きました。空港では冷えたビールも売っています。この3週間にあったいろいろなことを思い浮かべながら,じっくりビールを味わった【TOK】でした。
 Air India 308便は,定刻を約一時間遅れで離陸しました...。明日朝は成田です...。



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☆ Feb/25  2005  金曜日  曇り(スリナガール→デリー)
 今日はスリナガールからデリーへ飛ぶ日です。天候の状況で飛べない...などということが無いよう祈っていましたが,まずまずの天候でした。
 朝7時過ぎに目を覚まし,シャワーを浴びて朝食。今朝はインドで初めての「コーンフレーク」でした。(^ ^) 食後“Mr. Shabir”がシュリナガールの街を案内してくれました。カシミール盆地なので近くに山は無いものもと思っていましたが,山も有り,湖もある...という,夏は結構きれいなインドの避暑地...ような気がしました。約小一時間のショートツアーの後,“Mr. Shabir”のスキー友達でスリナガールの大学で英語の教師をしているという“Miss.Gogi”という女性を紹介してもらいました。実は日本を出るとき数人の人から「インドに行ったらカレーを作る時の調味料をぜひ買ってきて欲しい...」と頼まれていたので,そのことを“Mr. Shabir”に相談していたのでした。彼自身はそれほどカレー料理が得意ではないので,友人の彼女を紹介してくれたのでした。約30分...いろいろ親身にアドバイスをもらいながら,10種類近くのカレー用調味料を買い求めました。その後,「カシミア織」のことを話したら,もし買うようなら良い店がある...ということで,近くの店につれて行ってくれました。見ず知らずの人間が行ったら多分日本円で1万円近くはするだろう...と思われる「カシミア」を3千円ほどで買うことができました。“Miss.Gogie”はその後,数分の間に最も一般的な「マトンカレー」の作り方のレシピを書いてくれました。「旅」...いろいろな人に会う楽しみがありますが,今日も素敵なインド女性と知り合うことができました。(^ ^)
 午後2時45分にスリナガール空港から出発の予定でしたが,約一時間遅れでの離陸となりました。“Mr. Shabir”もデリー経由で他のスキー場に行く用事があり,私と違う航空会社の飛行機で一足先にデリーに着いていて,私を再度出迎えてくれたのでした。「明日,【TOK】がデリーを離れるまで面倒見るよ...」ということで,同じホテルの同じ部屋に泊る事になりました。今日の夕食はデリーの繁華街で,久しぶりにビールをいただきながらの食事となりました。(^ ^)
 食事の後はホテルに戻って,久しぶりに Inter Net に接続しました。この前デリーを出る前のアクセスからですから,約二十日ぶりのアクセスでした。OLSSのホームページはもちろん,掲示板もしっかり読ませて頂きました。(^I^) 百数十通の e-mail を受け取るのに約30分掛かりました。
 午後11時...ほど良い酔いに包まれての睡眠となりました...。 (^I^) (^ ^) (^o^) 


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☆ Feb/24  2005  木曜日  小雪(グルマルク→スリナガール)
 今朝は小雪模様のグルマルクです。今日はトレーニーと一緒にゴンドラの掛かっている所へ「スキーハイキング」...の予定でしたが...あいにく電気事情が悪くてゴンドラが動かず...。結局11時近くまで,自由滑走をしながら待ちましたが,それでも電気事情が解決しません。残念ですが,今回のスキーハイキングは中止となりました。(=_=;) これでグルマルクでのスキー滑走も終了です。やり残したことが一杯あります。いろいろな感慨もあります...。でもキャンプは終了しました。(^I^) (=_=;) (^ ^) (-_-;) ……。
 ホテルに戻って帰り支度のパッキングを始めました。幸い怪我人が一人も無くキャンプを終えることができたことに感謝しながら,そしていろいろなことを思い出しながらのパッキングでした。今回は人数が多かったこともあり,全体としての統制はある意味で取れませんでした。でも,考え方によっては統制を取ろうとするからいけないのかもしれません。トレーニーの自由意志に任せたキャンプができれば最高だったでしょう。ですが時間的な制約があり,キャンプの効率を考えればある意味での規律遵守を抜きにしてレッスンはできませんでした。そんなことを反省しながらのパッキングでした。
 昼は,今回のキャンプで世話になった人たちを招いての昼食会でした。私のトレーニングキャンプがうまく行くように,“Mr. Shabir”はじめいろいろな人が応援してくれました。この人達に感謝の意味を込めての昼食会でした。
 午後2時半...食事を終えてパッキングも終了。いよいよグルマルクを去る時が来ました。8日に着いて24日まで...17日間を過ごしたグルマルクでした。大雪で大変な思いをしましたが,これでグルマルクともお別れです。そう思うとなんとなく寂しい気持ちになりました。でも,日本に帰れる喜びの方が大きいのは事実で,自然と顔がほころんだ【TOK】でした。(^ ^)
 “Mr. Shabir”の運転する車で帰途につきました。グルマルクに来た時よりはるかに道路脇の雪の量が多くビックリです。こんなに降り積もったのかと思うと,よくもマアこんな中でスキーレッスンをしたものだと思います。途中“Mr. Shabir”の自宅のあるタグマルクに立ち寄り,彼のお父さんに紹介して頂きました。今年で78歳になるそうですが,威厳がありなかなか素敵な人でした。わたしも歳を重ねたらあの様などことなく威厳のある人になりたいと思いました。(^ ^)
 グルマルクには午後5時頃着きました。ところが...私はてっきり今日の宿泊先のホテルに行くものと思っていたら...“Mr. Shabir”が,「現地カシミールの新聞社“Kashimir Images”がMr.SASAKIの取材をしたいと申し込んできているから,そこに行く...」というのです。これも初耳...。全てがインド式です。そこの社屋に着き,約30分のインタビューを受けました。幸いインタビュアーの英語が解りやすく,しかも簡単な質問だったので何とか答えることができました。(^ ^) その記事は明日発刊の新聞に載るそうですが,私がシュリナガールを発つ前に読めるかどうか?わかりません。(^I^)
 その後,小雨の降る中ようやくホテルに着きました。ところが...きょうの泊まるホテル...普通のホテルではなく,シュリナガールを訪れる政府関係の要人が泊まる特別の宿泊施設「ゲストハウス」で,玄関までの途中2度インド兵士のセキュリティーチェックを受けたのでした。私としてはせっかくシュリナガール来たのですから,その街の中を歩きたい気持ちがあったのですが,せっかくの“Mr. Shabir”の心遣いですから,ありがたくその好意に甘えることにしました。(^ ^)


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☆ Feb/23  2005  水曜日  曇り(グルマルク)
 今朝は曇り空のグルマルクです。明日はゴンドラの掛かっている所への「スキーハイキング」を予定していますので,キャンプでのスキーコーチとしてのレッスンは,今日が最後です。
 9時半から10時までをフリー滑走とし,10時にゲレンデの上部に集合してこのキャンプの「総まとめ」をしようと思っていました。ところが...またまたインド流...約束の時間になっても全員が揃いません...。端から端まで行って帰って来ても5分も掛からない小さいスキー場なのに,全員が揃ったのが10時10分過ぎ...。レッスン最終日で,しっかりけじめをつけて終了したい...そう思っていた【TOK】が遂に爆発しました!!!!。「こんなのは“キャンプ”じゃない!!! いくらインド流といってもコーチに失礼じゃないか!!! もうキミ達にコーチするのはゴメンだ!!!」...と怒りをぶちまけ,近くのゲレ食へ...。
 ミルクティーを飲みながら,気を静めていると約束を守らなかった連中が私の席の近くへ...。「これからは約束を守りますから...」と言う。小一時間して...気も収まってきたし,この様な形でキャンプを終える訳にもいかないのでゲレンデへ...。「キミ達のレッスンは,キミ達が出費している費用だけでまかない切れている訳では無い。SAJや八方尾根スキースクールの多大な援助があって初めて実現している。私も日本で多くの生徒が帰りを待っている。遊びや観光で来ているわけではない無いのだ。この様なレッスン態度が続くなら,これを正直に日本の組織に報告し,今後のインドスキー界との関係を改めざるを得ない...」と話し始めると,数人が私の足元に膝まづき,涙を浮かべながら,“Coach...Coach...Please, please...accept our apologies....So sorry...”と言うのです。午前中は自習とし,彼らのすることを傍から見守ることにしました。黙々と滑り始めました。昨日の予告で「明日はまとめとして“Juice Line”を学びます...」と話していたのですが,それを地道にやり始めたのです。「やればできるじゃないか!!! 要は気持ちの持ち様だよ!!!」...顔はムスッとしたまま心の中には笑顔が戻っていた【TOK】でした。
 午後は2時から,彼らの意識の中で最も少ない意識...「外足感覚」を磨くトレーニングをしました。ストックを活用し,外足に乗る意識を持たせようとしたのですが,フォームを見せただけではそれがうまく行なえるトレーニーとうまく行なえないトレーニーが居ることに気付きました。うまくいかないトレーニーには“Juice Line”意識を持たせましたが,その方がうまく行きます。トータル的にストックの持ち方に気を配るのではなく,足裏やセンサー軸を意識した結果としてその様な形が表れるのだ...ということの重要性をここでも再確認した【TOK】でした。
 このキャンプの最後のテーマは,「自分の心の中の意識やイメージをいろいろ変え,その時々でどう滑りの感覚が変わるか?を感じ取る」...ということに挑戦しました。感性や感受性の良いトレーニーはいろいろな滑りを見せてくれます。やっぱり“スキー”...最後は「感性」の良し悪しになって来るのかなぁー...そう思った【TOK】でした。
 5時からはこのキャンプ最後のミィーティングとレクチャーでした。いつもはタイムレースの成績の良い順に表彰しているので,今日は一昨日のタイムレースの成績の悪い順から表彰する事にしました。(^ ^) 日本から持ってきた小物も遂に無くなりました。でも皆んな喜んでくれました。レクチャーは「スキー板のチューンナップ」でした。簡単だけれど重要なエッジのチューンをひと通り説明しました。皆,この様なチューンを見るのは初めての経験だったらしく,目を皿のようにして見つめていました。そして,チューン前とチューン後のエッジの感触の違いに目を丸くしていたのでした。(^ ^)
 これで,キャンプのレッスン...すべて終了です。明日はトレーニーと一緒に「スキーハイキング」です。天候が良い事を祈って寝る事にします。
  オ・ヤ・ス・ミ なさい...ZZZzzz...。



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☆ Feb/22  2005  火曜日  晴れ(グルマルク)
 朝早くは霧が掛かって真っ白でした。11時頃までこの霧が地表を覆っていましたが,時々4000メートルの山の稜線が見え隠れし上空は晴れているのが良く解りました。
 この様な状況の中,今日から“Stage3”の開始です。Armyを中心としたトレーニー...約20名が今日から居ませんが,残ったトレーニー約20名のトレーニングが始まりました。Armyの人達が抜けると,そのレベルはグッと低下するので,基本的なゲートトレーニングをすることにしました。さいわい昨日から降雪がありませんのでTバーリフトも9時半から動き始めました。午前中はGSのトレーニングをしました。補助ポールを立て,直接ゲートを狙わずにその上方から入って行く...というトレーニングです。この補助ポールのおかげで,ほとんどのトレーニーの円弧が丸くなりました。また脚の自然な伸び縮みも表れてきました。(^ ^) その後この補助ポールを除去してのトレーニングを行ないました。またまたインド人...この補助ポールを除去するや否や直ぐ直線的にゲートを狙いに行きます。「×××!!!!????!!!!」とまた大きな声がゲレンデに響いたのでした。その後ゲートも除去し,シュプールをトレースする「トレース練習」を数本行ないました。フリートレーニングの時のイメージを覚えてもらうためです。雪面コンタクトを,ゲートが有る時でも無い時でも同じようにできるトレーニーはうまくトレースできます。それに反し雪面コンタクト感の薄いトレーニーはこれができません。足裏感覚,センサー軸の重要性を感じます。
 午後は2時からSLのトレーニングを行ないました。今日はインサイドポールだけでなく,アウトポールも立て,競技大会と同じようなトレーニングを行ないました。ゲート数はスロープの長さに限定され,24旗門しか取れませんでしたが,トレーニーにとってはこの様な機会が少なく,クローズゲートへの入り方に戸惑うトレーニーが多く居ました。またゲートへの当たり方も不自然で,ここでも“バナナシェープ”の重要性を強調した【TOK】でした。“バナナシェープ”を意識すると前後バランスが良くなるだけでなく,腕を前に持って行きやすくなるので,小指下のストック部分でゲートに当たることができるのです。私自身,この様な小回りのゲートを実走する機会が日本では少ないのですが,この意識でゲートをくぐると,思いの他イイ感じでポールに当たることができます。ここインドに来て,特にSLのトレーニングをさせてもらっている【TOK】です。(^ ^)  終了前の一本は例によって「タイムレース」を行ないました。「Army軍団が抜けたからには,自分が一番に!!!」という思いでそれぞれのトレーニーが火花を散らしたのでした。(^I^)
 夕方4時半からはいつものようにミィーティングとレクチャーでした。先ず「2005FISワールドカップ・SL開幕戦」のDVDを,約30分間見てもらいました。彼らの上体がいかに安定していて,落下エネルギーをうまく利用しているかを注意して見てもらいました。その後今日のタイムレースの表彰でした。上位には,このキャンプ中私の言うことをズーッと守って一本一本丁寧に滑っていた連中が入りました。(^ ^)スクールのバッジなどが贈られました。イイカゲンな連中は相変わらず下位に低迷です。幸い昨夜ホテルから客室サービスでいただいていた果物の残りの「オレンジ」や,あるトレーニーから貰っていた「バナナ味のチューインガム」を授与し,「もう少し“オレンジ”や“バナナシェープ”を意識する様に!!!」と釘を刺したのでした。(^ ^)
 あとこのキャンプも残り1日半...となりました。過ぎてしまうと早いものですが,いろいろありました...。(^I^)(-_-;)(^ ^)(=_=;)
 明日はおそらくトレーニングとしては最終日になります。基本練習をもう一日じっくり行ない,「総まとめ」をしたいと思います。




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☆ Feb/21  2005  月曜日  晴れ(グルマルク)
   今日は朝からイイ天気でした。でも,Tバーリフト線下の雪は除雪されていませんから,それが除去されるまでリフトは使えません。誰の為のリフトか?...もしスキー場に来ているお客様の為だったら10時のOpen前に除雪するのが当たり前なのですが,それがここインドでは10時から除雪作業に入る...というのが常識なのです。なぜかと言えば?観光局は10時からが勤務時間になっているからです。
 マ,そういう事情ですからリフトを当てにしたレッスンは捨てることにして,10時から「チームA」のSLトレーニングを行ないました。このチームはまだベーシックな練習が必要なのですが,前にも書いたように,日本のようにスロープを昇り降りしてみっちり基本を学ぶ...という習慣が無く,その様なレッスンでは直ぐに昇りたくない...という態度をあからさまに見せるのです。そこでゲートをセットして,それをクリアする...というような練習を行なうと,結構意欲的に昇りはじめます。私の指導能力が無いせいかもしれない...などと思うこともありますが,♪♪♪Orange...Juice...Orange...Juice...♪♪♪の Sing a Songをしながら楽しんでいますから,そうでもないかな?と思うのですが...。終了前の一本はタームレースを行ないました。タイムレース...と聞くと途端に目の色が違って来ます。これはどこの国でも同じですが,競争意識を持たせることでモチベーションを高める事はできます。でもタイムを目的として,気持ちだけが先走って,無理矢理身体を動かす運動が出やすいのです。それがタイムを遅らせていることを何回も説明するのですが,なかなか思うようにいきません。時間を掛けた地道なトレーニングが必要なのですが,20数名の大人数では,しかもリフトが思うように利用できない状況ではそれもなかなか期待通りにはいきません。ここはインド...インド流,インド流...と気持ちを抑えている【TOK】です。(^ ^)
 午後は「チームB」のトレーニングでした。無理に“Mr. Shabir”にお願いしてトレーニングコースの幅を2倍に広げてもらいました。昨日のような幅が5メートルも無いようではGSのトレーニングはできません。ようやく昼過ぎに整備が終わり,リフトも動き出してなんとか期待通りのトレーニングができるようになりました。「Bチーム」の諸君の多くは競技選手としてインドの国内大会に出場している人たちです。ですからかなりの経験を持っている人も居り,ゲートセットの意味などもしっかり読み切ることのできる能力を持っています。ですからセットするのが楽しみです。セッターの意図を読めればゲートを攻略する戦略,タクティクスを生かすことができるからです。午後の二時間はアッという間に終わりました。最後は今日の夕方のミィーティング用のタイムレースでした。
 さて,今日の夕方のミィーティングは特別な意味がありました。この3月初め,Auliで今年の「インド国内スキー大会」が開かれるのですが,その大会に,今回のこの「グルマルクスキーキャンプ」に参加しているArmyをはじめとした十数名が参加するのです。その人達の出発が22日...とうことで,その人たちはこれ以降のキャンプに参加できません。そこで,まだ3日ばかりキャンプの日程を残しているのですが,急遽今回のキャンプの「総まとめのミィーティング」を行なうことにしたのです。今日行なったタイムレースの表彰,このキャンプで精一杯約束を守り,成長の著しかったトレーニー...その人達に日本から持参したスキースクールのメダルやキャップなどを贈呈しました。
 特に一生懸命私のレッスンを聞いてくれ,その能力を開花することができた人たちには,私のほうから礼を言いたいくらいです。「日本から来たコーチだから,私のスキーをうまくしてくれるだろう...」というお任せレッスンではなく,「日本から来たコーチがいったい何を言うのだろう? ひとつでもいいから盗んでやろう!!!」という気持ちの方が大事だと,今回のこのキャンプを通じてつくづく思いました。日本に帰ってもこのことの重要性を皆さんに説こうと思います。(^ ^)



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☆ Feb/20  2005  日曜日  曇り(グルマルク)
   昨夜まで降っていた雪が今朝は小康状態をむかえ止んでいますが,天候は曇りでいつまた降り出してもおかしく無い天候です。情報によるとカシーミール州の州都スリナガールの空港...約60センチの積雪で閉鎖になっているとの事です。
  さて,積雪量は約30センチ...これではインドではTバーリフトは動きません。もう朝からそう覚悟してゲレンデに向いました。ゲレンデに着いたのが9時25分...ほとんどの場合,私が先陣を切って集合しています。10時近くになってようやく三々五々集まり始めました。「雪が多くて窓が割れて来れなかった...」,「屋根の雪下ろしが必要だった...」,「水が雪のため出なくなり来れなかった...」...理由は山ほどあります。これがインド流と...もう諦めました。で,「今日のレッスンの方法は二つある。ひとつは自分達でゲレンデを踏み均す。もうひとつは雪上車“Snow Beater”が来るまで待つ...。どちらを選ぶ?」と聞くと,すかさず「“Snow Beater”!!!」と言う。「OK!!!それじゃそれまで休憩...」と相成ったのでした。
 さて,することが無いので,約1時間,近くの小さな日本で言うところの「ゲレ食」に入ってお茶タイムとしました。なかなかこの「ゲレ食」...インド色が出ていて気に入っています。そうこうする内にゲレンデが成らされた...というので行って見ると,たった2レーン分が整地されただけ...。なんとかせめて4レーンは整地して欲しい...と思ったのですが,これもインド流...。
 でも11時からこの狭いコースにSLの基本セットをして「チームA」のトレーニングを開始しました。♪♪♪Orange...Juice...Orange...Juice...♪♪♪の Sing a Song (掛け声)に合わせてのトレーニングです。Orange...ではターン前半のセンサーポイントSPに意識を持ち,Juice...ではジュースがレシーブポイントRPに飛んで来る意識を持ちます。その繰り返しをポールの中で行うのですが,何回か滑る内に少しづつリズミカルな運動が出てくるようになりました。12時になると「Bチーム」の諸君が集まり始めました。そこで12時半まで合同でこのトレーニングを続ける事にしました。Aチームの諸君にはBチームの人達の滑りが参考になったと思います。(^ ^)
 午後...本当なら2時からはBチームのトレーニングで,GSの練習をしたかったのですが,整地斜面の幅が狭くその練習にはならないので,急斜面での深い円弧のセットを想定してのSLの練習をすることにしました。ターンからターンへのつなぎ目でどうしてもおとなしく待っておられず,上半身を使ってしまう人が居るのですが,暴れるより待つことの方がタイム的に速いことを学んでもらいました。トレーニーに結構精神的な負担を掛けるトレーニングですが,これをクリアしないと一歩前進することができません。何度がタイムを計りながらイメージ作りをしてもらいました。その後はフラストレーションを取り除くため,滑りやすいリズムのセットで最後の滑りを終えました。
 リフトが動かないとゲートトレーニングでしかトレーニーのモチベーションを持ち続けられません。日本でのトレーニングであれば,皆積極的に人数の多いことに気を使ってくれて,基本練習は基本練習で登り下りのレッスンが可能でやりやすいのですが,ここインドでは「エエェーッ???。リフト使えないのに登ったりするの???」...という感覚があるようです。また身分制度が,まだ残っているのでしょうか,「俺より身分の低い奴の事は俺は知らん...」という風潮があるようです。ゲートセットしていてもゲートの回りを踏み固めようとはしません。誰かやってくれうだろう...という感じなのです。ゴールすればゴールしたで,フィニッシュ付近から退けようとしない...。「自分のことだけでなく,少しは他人の事を考えなさい!!!」...と大声で怒鳴った【TOK】でした。そのくせ,身分の上の者にはおべんちゃらを使う...。そうでない人も居ますが,その割合が多く,少々インド人に「?」印象を受け始めている【TOK】でした。



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☆ Feb/19  2005  土曜日  雪(グルマルク)
  今日は一日...雪でした。Tバーリフトは一日中運休でした。
 トレーニングの中間にさしかかり,トレーニーも疲れていることもあって,午前中の中級クラス「Aチーム」のトレーニングは中止としました。
 この三月,Auliで開かれるインドの国内大会に参加する人が多い「Bチーム」は,午後からSLのトレーニングを行ないました。SLの練習ならリフトを使わなくても,コースやゲートセットのインスペクションを兼ねてハイクアップで行なうことができます。約15名のトレーニーが熱心に2時間,SLのトレーニングをしました。本来なら20名くらいのBチーム所属者が居るのですがやはり今日も5人ほどは来ませんでした。(=_=;) 
 さて,今日はゲートセットのポイントをどう見抜き,いつも攻めの姿勢ではなく,我慢しなければならないポイント,あるいはゲートがあること,必ずしもクラウチング姿勢を組むことが良いことではないこと...等を解説しながらのレッスンでした。またポールトレーニングでは,一回一回タイムを計り,どのような意識で滑った時に良いタイムがでたのか?を自分の滑走イメージとリンクして覚えることが大事なことも話しました。午後からの参加者は本当に向上意欲のある人たちで,一緒に滑っていてもその意欲が伝わって来て嬉しくなります。楽しく過ごした午後の二時間でした。
 インドのトレーニーに何度話しても同じことなのですが,やる気のある人は積極的に出て来ます。いい加減な人はやっぱりいい加減で,口先では良い事を言いながら天候が良くないと出て来ません。インドでスキーレッスンをしていると,人間のいい加減さというか,弱さを感じます。特に今年は毎日のように雪が降り続いていて,毎日出て来ることが大変なのはわかりますが...やる気のある人間の態度は国籍を問わず立派です。昨年は国境警備隊やArmyの参加者がほとんどだったせいもあり,結構統制が取れていましたが,今年は一般のトレーニーが半分以上を占めているせいか,インドの人間...総じてイイカゲンが多い...今年は特にそう感じている【TOK】です。(=_=;) 小さい頃からの習慣,教育...に依るところが多いのだと思いますが,そういう意味で日本人が約束を良く守る社会だというのは凄い!!!と思います。(^ ^)
 昨日はチームAのレッスンを休みにしたこともあって,夕方のミィーティング,レクチャーはお休みでした。
 午後8時から「FISノルディックスキー競技大会:フリースタイル」のオープニング歓迎会があり,その席に招待されました。私が泊まっているホテルのバーとレストランで開催されたのですが,約30名の参加者が来ていました。外国の報道陣も何人か来ており,私が日本人だと知っていろいろ話し掛けてきました。英語が少しは解る様になったのでしょうか?それともインド人の英語に比べれば解りやすいからでしょうか,結構いろいろなことを話すことができ,楽しいひと時でした。(^ ^)



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☆ Feb/18  2005  金曜日  雪(グルマルク)
 今日は朝雪が降っていましたが,一日中雪...というわけではなく,薄日が射す時もありました。
 ところで,明日19日から,ここグルマルクで「FISノルディックスキー競技大会:フリースタイル」が開催されます。インドをはじめ,ノルウェイ,イラン...等から40名くらいの選手が来て開催されるようですが,その準備に追われているようで,“Mr. Shabir”はここ二日ばかり雪の上に顔を出していません。マ,世話役が居なくても何とかやらないと,コーチとしての役目が果たせませんので,自分としての最善を尽くすしかありません。
 さて,今日から“Stage2”が始まりました。18日から21日までの四日間を“Stage2”として,基本技術がある程度出来ているトレーニークラスにはさらに能力アップのプログラムを組み,その段階までいっていないクラスには基本を優先させてトレーニングを行なう予定です。そこで,今日は先ず基本をしっかり行なう「Aチーム」と,能力アップを優先させる「Bチーム」のクラス分けを宣言しました。「私もBに入りたい...」とあからさまに顔で主張するトレーニーも居ましたが,基本ができていないのにハードなトレーニングをするわけにはいきません。ここは情け無用...とバッサリ切ることにしました。
 今日のレッスンプログラムはAチームが10:00−12:00の間,上半身の運動を規制して雪の抵抗をしっかり受け止める練習から始めました。ストックを二本束ねて胸の前に持ち,それをできるだけ動かさないようにして滑ることで,無用な【Do】的運動をしないで滑るのが目的です。ほとんどのトレーニーがまずまずの滑りをするようになりましたが,外足に乗り切れないトレーニーも居たので,「バケツターン」でそれの矯正も図りました。久々の「バケツターン」の登場でしたが,皆キョトンとしながらも,楽しく滑っていました。
 12:00-12:30,14:30-16:00はBチームのトレーニングでした。彼等はArmyを主体としたパワーある選手がほとんどなので,結構ハードなトレーニングができます。平均して上半身が遅れ気味なので,ストックの真ん中を持ち,ストックの地付きを雪面から離さずにターンするトレーニングをしました。これによって“バナナシェープ”がしぜんにできるようになり,また,身体のモーションを使ったターンが規制されるので,かかとを支点としたターンになります。中にはこの練習で見違えるようになったトレーニーも数人居ました。(^ ^)
 夕方4時半からはいつものようにミィーティングとレクチャーで,今日はキャンプ二日目に行なったレクチャー,「スキーはなぜ回るのか?位置エネルギーを使うというのはどういうことか?」...ということの二回目のおさらいでした。彼等にとって,スキーの性能を生かして滑る..という概念はこれまでほとんど無く,それを基にした“オレンジターン”はある意味で新しい考え方なのです。ですから何度も何度も同じ事を繰り返すようですが,これをしっかり頭に入れないと,体力勝負のスキーになってしまいます。しつこいようですが今日もそのレクチャーをしました。でも趣向を変えないと皆の興味を喚起できませんので,今日は私の英語での解説をヒンドゥー語に訳してもらいながらのレクチャーとしました。参加メンバーの中に,カシミールの小学校,中学校で体育の教官をしているトレーニーが3人居ますので,かれらに私の傍に立ってもらい,私が解説する事をヒンドゥー語に訳してもらっていろいろなことを解説しました。これが結構効き目がありました。一応参加しているトレーニーは英語を理解はするのですが,中にはあまり英語が解らない人も居ます。その人たちには現地語での解説が良かったようです。
 さて,今日でキャンプも中日を過ぎました。トレーニーの中には結構疲れている人も出てきましたので,明日は半日のトレーニングで終えようと思います。私も少々疲れ気味です...。 (^I^) (^ ^) 



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☆ Feb/17  2005  木曜日  晴れ(グルマルク)
 今日は晴れでしたが,カラッと全天空がブルーの空に覆われる...という感じではなく,西の標高4500メートルの高い山の頂きは雲が掛かったままです。でもここ標高3000メートル付近は晴れていて,時々陽が射しています。
 その様な天候の中,今日は“Stage1”の最後の練習をすることにしました。そのテーマは「∞ターン」です。ターン後半の処理の仕方を学ぶには良いトレーニングです。Armyクラスとそれ以外のクラスに分け,それぞれ1時間半づつの交替レッスンでした。二班に分けても一班が20人以上ですので大変ですが,トレーンを取り入れたり,下で待っていてどんどん滑らせたり...いろいろな方法を取り入れてのレッスンでした。一人々々の滑り方が良くなるまで忍耐強く待っている...というわけにはいきませんが,できるだけ個人的にそれぞれの滑りが代わってもらえる様なアドバイスをしました。
 午後はGSのタイムレースを行ないました。昨日のSLのゲートトレーニングの結果と併せ,その結果を参考にしてレベル的なクラス分けをするためです。これまで,“Stage1”では基本的なことを学んできましたので,明日からの“Stage2”では,それを基にできるだけレベルに応じた能力開発ができれば良いと思っています。
 夕方4時半からはいつものようにミィーティングとレクチャーでした。ミィーティングでは,先ず“ステンマルク”のビデオを見,その後今日行なったGSのミニ表彰式でした。今日のようなミニタイムレースでも,その結果が発表され,トップの選手が表彰される...というのは参加者の参加意欲,向上意欲を刺激します。トップの選手は(^I^)(^o^)でした。
 また今日のレクチャーのテーマは,@「小回り」で求められるもの...,A∞ターンの意味,B競技でのタクティクス…ゲートの読み方...でした。@では“ネジレ”は日常生活では経験することの少ない姿勢になるのが,それを我慢した後に解放されて次のターンに移行して行くのだ...ということを解説しました。Aでは,どんな低速でも構わないが,常に抵抗を受け続ければスキーはその方向を変え続けるので,“Move”ということの意識が常に必要な事を話しました。Bではゲートのセットにはセッターの意志が働いているので,それをどう読み,それにどう対処するのが大切か?ということを解説しました。
 あすからは“Stage2”が始まります。一人々々の能力が開花され,“スキー”に対する興味がますます深くなって,彼等のこれからのスキーライフがより豊かになることを願ってレッスンを行ないたいと思います。(^I^)


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☆ Feb/16  2005  水曜日  晴れ(グルマルク)
 ここグルマルクは一日中晴れ...ということが少なく,朝晴れていても日中雪が降り始めたり,朝雪が降っていても日中には晴れ間が出たり...といろいろ天候が変わります。
 今日は夜に降った雪が約20センチ積もっていたので,Tバーリフトは動かないだろうなァー...と思っていたら,ナント,動いたではありませんか??!! これは凄い!!動かす気になれば動くんだ!!!...と妙に感動した【TOK】でした。
 さて,今日は「∞ターン」をする予定だったのですが,20cmの降雪があり,ゲレンデを横に広く使うことができないため,急遽そのテーマを「小回り」に変更し,上半身と下半身の「ネジレ−戻り」の特性を使う練習をしました。日本のスキーヤーもそうですが,小回りを自分の体力を使って【Do】的に行なおうとする人が多いのは,ここインドも同じ...。上体と下半身の間の「ネジレ現象」をどう生かすか?ということを意識して小回りができれば,もっと楽に位置エネルギーを利用したターンができることを確認してもらいました。
 午後は今日も「松の小枝」をゲートの代わりに雪上にセットし,小回りのトレーニングを行ないました。基本練習は基本練習として,それが実際どのように役に立つのか?ということが分からないと,その練習意欲も半減します。その確認を兼ねての小回りゲートトレーニングでした。参加のトレーニーの多くは,ただスロープを滑るだけでなく,誰かと競う...という性格を持たせると,よりその練習に意欲が沸きます。そこでタイム計時をしながら練習することにしました。中にはタイムだけが先走り,失敗するトレーニーも居ましたが,多くのトレーニーは過度なエッジングを使用することもなく,イイ滑りをするようになりました。
 4時半からは,小回りゲートトレーニングの表彰を兼ねたミーティングでした。レクチャーは「SLとGSの競技規則」に付いての解説を行ないました。またビデオは持参した「フリースタイル」の映像を見てもらいました。飛んだり跳ねたり...と,ここインドではほとんど見られない“スキー”の楽しみ方ですが,若い諸君はその映像に見入っていました。(^I^)
 明日は今日できなかった「∞ターン」を行なおうと思います。



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☆ Feb/15  2005  火曜日  小雪(グルマルク)
 今日は朝9時にはゲレンデに...。
 Armyの諸君のゲートトレーニングをみながら,ポイントポイントをアドバイスする。
 集合約束時間の10時からは,トレーニーの人数が多いのでこれを二班に分け,約20人づつの班編成でトレーニングを行なうことにする。今日のテーマは「“Juice Line”(センサー軸)を意識して滑る」...ということでした。Armyの班はさすがに滑走経験も豊かで,私のアドバイスがまるで砂に滲み込む水のように彼等の滑りに反映されて行きました。センサーポイントSPとレシーブポイントRPを変えることで,どうエッジング感覚が変わり,どう円弧が描かれるか?...彼等もその大きな滑走感覚の変化にビックリしていました。(^I^) ただ,ややレベルの落ちるトレーニーの班の諸君は,Armyの諸君に比べればその感覚の変化を敏感に感じ取るまではいきませんでしたが,先ずはSPに意識を集中できるようになり始めました。40名という大所帯...しかもレベル差がかなりある...ということで,これからは二班に分かれて練習する時と,一緒に練習する時を使い分けようと思います。
 さて,午後は全員合同のトレーニングを行なうことにし,て,これまで習った技術を使って滑ることにしました。ターンの目標となるゲートをセットすることで,ターンコントロールをどういう感覚で行なったら良いか?ということを考えてもらうのが目的です。しっかりこれまでの基本練習の意味を理解し,それをこのゲートトレーニングに生かそうとするトレーニーも居るのですが,中にはタイムを競う練習だといわんばかりに,ゲートの松の枝を蹴散らしながら滑るトレーニーも居て,「今は何の練習なんだ!?」と大声で注意を受ける者も居ました。
 4時半からは夕方のミーティングとレクチャーでした。ミィーティングでは「練習の意図をしっかり意識して行なう事」を話しました。また頼んでおいたプロジェクターは準備できておらず,しょうがないので持参した小さなパソコンを40名の前にセットし,その中のデータを引っ張り出していろいろな技術解説を行ないました。日本でのキャンプでも使ったデータですが,ここインドでも結構使えます!!! (^I^) 最後に「グッキーの滑り」を見てもらいましたが,みんな食い入るように見ていました。誰が見ても「美しい滑りは美しい!!!」と感じているようでした。彼の滑りの中には「センサー軸」があるのが良く解りますので,教材としても優れている...と今更ながら思った【TOK】でした。(^I^)
 さて,明日はターン後半の意識を大事にした練習をしようと思います。そうです!!!...「∞ターン」です。(^ ^)



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☆ Feb/14  2005  月曜日  曇り(グルマルク)
 今日は快晴とはいきませんでしたが,時々陽が射し,まずまずの天気でした。
 昨日の“Request”を出した手前もあり,トレーニーが集まろうがどうしようが,コーチの姿勢として朝9時にはゲレンデに立つことにしました。ゲレンデに行くとさすがArmy!!!...彼等だけはゲレンデにポールを立ててゲートトレーニングをしています。聞くと,毎日朝8時頃からゲートトレーニングをしているのだと言う。これで決まった!!! WGFI抜きで,毎朝9時にはゲレンデに来て彼等と一緒に滑ることに!!! (^I^)
 またさらに“Mr. Shabir”達の対応も違って来た。まず“Request”の中の@リフトの利用時間を約束どおり,am9:00〜pm4:00にする...という件に付いては,1時から2時までの休みは入るが,明日からその要望に応える方向で検討してくれるとの事。またBのトレーニーはビブナンバーを着用する...という件に付いては,早速今日から実施する事になった。これで雪上トレーニングを今までよりは余裕を持って行うことができるようになる。(^ ^) インド流はインド流として,言うべきことは言わないとダメだ!!!...ということを学んだ【TOK】でした。(^I^)
 さて,今日の午前中はこれまで機会が無かったトレーニーの「ビデオ撮影」から始めました。彼等が自分の滑りを目の辺りにしてどう感じるか?楽しみです。44名も居るので撮影そのものに30分近く掛かりましたが,その後,「かかと支点で滑る」...ということを学びました。彼等にとってスキッディングがどうカービングに移行するのか? そしてカービングとは実際どのようなターンを言うのか?...ということの理論的解説は初めてのことのようで,みな真剣にうなずきながら聞いています。ただ,実際の滑りではこれまで蓄積されたクセが顔を出し,なかなか頭で考える滑りとイメージした滑りとが一致しません。でもみんな真剣に一本々々滑りに集中してくれました。
 午後からは“クロッシング”と“縦の直滑降”について少しだけ学びました。いきなりこの両者をある段階まで持ち上げるのは至難の業ですが,こういう滑りがある...ということを予告的に彼等の目に植えつけて置くことは,これからのレッスンの役に立つと思います。この時のSongは♪♪♪Flat(クロッシング)...Orange(縦の直滑降)...Juice(圧の吸収)...Flat...Orange...Juice...♪♪♪でした。中にはこれを器用にこなしてくるトレーニーも居て頼もしく思いました。
 4時半からはホテルの談話室でミーティングとレクチャー。今日のテーマは,@クロッシングと縦の直滑降をイメージした“Phase”について AEdgingはなぜ行なうのか? B【Letスキー】ということの意味は?...でした。簡単にはゲレンデで説明しているのですが,黒板を前にその考えを整理して解説する事は彼等の頭に再刻印されることになるので,役に立つと思います。彼等の真剣なまなざしを見ていると,その解説にも身が入ります。(^I^) ミーティングの最後は今日撮影した彼等のビデオを見ました。それぞれ自分の滑りが始まると目を皿のようにして食い入るように見ていました。彼等の滑りがこの後どのように変わって行くのか?楽しみです。
 明日は,これまで伸び伸びになっていた「センサー軸」のバリエーション展開をすることにしたいと思います。



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☆ Feb/13  2005  日曜日  晴れ(グルマルク)
 今日はグルマルクに来て初めての「晴れ」です。写真は絵日記編で...。
 ...が(^ ^)(^I^)マークはつきません。(=_=;)(-_-;) ...その理由は…昨日までの悪天候で道路事情が悪く,グルマルクへの観光客の入り込みを制限した事もあって,「今日はスキー場で滑ることは相成らぬ!!!」というカシミール州観光局の決定が下されたのです。ナントいうことでしょう!!!??? 昨日までのキャンプ日程の遅れを挽回するイイ機会だと思っていたのに.....。 これでは泣くにも泣けません...。(=_=;)
 どこの国の政府の人間も同じような過ちをするものですが,昨日までの悪天候の中では滑走を許していたのに,今日...風も無く,この様なイイ天気なのに滑ることを禁止する...。しかも現地からの報告をほとんど無視して...。
 現地の世話役“Mr. Shabir”を責めてもしょうがない事なのですが,それにしても最初のWGFIと交わした約束事といくつかの点で食い違いが出てきています。そのひとつがリフトの利用可能時間。約束ではam9時からpm4時なのですが,それが10時からしか運行せず,しかも昼の1時から2時までは運休...。夕方のミィーティングでは少なくともTVが使え,日本から持参したビデオやDVDを見ることができる...というのもまだクリアされていない。年齢は15歳以上のレーサー予備軍...のはずが,それに満たない初級クラスのトレーニーから現役バリバリの選手まで居る。しかもスキー教師の数も含めると44人近い人数が受講する...。いくら私の流儀で行なうにしても,できることに限りがある...。
 そこで,要望書“Request”を提出しました。その内容は...@リフトの利用時間を約束どおり,am9:00〜pm4:00にする。A雪上トレーニング時間をam9:00〜12:00と13:30〜16:00とする。また夕方のミィーティングは16:30〜18:00とし,トレーニーは時間厳守とする。B参加人数が多いので,他のスキーヤーと区別するためトレーニーはビブナンバーを着用する。以上3点をとりあえずの要望として提出したのでした。これまで10日から13日まで4日経つのに,雪上で満足に滑れた時間はたったの5時間...。雪上車があるのだから,やろうと思えばリフトの線下を除雪することも可能だから,除雪に時間が掛かるなどの言い訳は通用しない。ここはインドだからインド流...等と言っていては満足にコーチなどできない。ここは言うべきは言わないと,何のために私がわざわざ遠くインドまで来たのか?その意味さえ解らなくなる。あえて苦言を呈することにした。
 さて,明日からはリフトが動こうが動くまいが,朝9時からゲレンデに立つことにしよう!!!
 現地インド人の姿勢が少しでも変わることを祈りながら......。



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☆ Feb/12  2005  土曜日  雪(グルマルク)
 今日は土曜日...白馬を出て丁度一週間になります。(^ ^) 日本は連休でスキースクールがシーズンの中で最も忙しい時期を迎えていることでしょう。
 さてグルマルクは今日も雪でした。昨日の降りに比べれば少ないのですが,相変わらずカミナリを伴って断続的に降っていました。
 その中,10時にスキー場に集合...の約束。インドではこの様なキャンプの受講生の事を“trainee”トレーニーと呼ぶのですが,そのトレーニーの集合時間は守られていない...。さすがArmyの諸君15名は約10分前に集合していてゲレンデ整備をしている。
 三々五々集まっては約30分の試走を始めたが,リフトは今日も動く気配が無い。そこで我々44名が除雪の手伝いをするから一刻も早くリフトを運行させてもらえないか?と今回のキャンプのサブサポーターの“Mr.Gull”が経営者のグルマルク観光協会と交渉する事にした。スコップを持って早速除雪に掛かる。ともかくリフトが動かない事にはハイクアップするしかなく,集中力が低下してレッスン効率が極度に落ちてしまう。午前中は約2時間,この除雪に追われてしまう。ようやく観光協会も我々のリフトを運行させようという協力体制に押されたのか,2時半からの運行を約束した。
 昼を済ませ,2時間から30分のフリー滑走,そしていよいよ「センサー軸」の練習を開始した。♪♪♪Orange...Juice...Hand...Orange...Juice...Hand...の♪♪♪の“つぶやきSong”がゲレンデに響き渡る。ターン前半でセンサーポイントSPを意識すること,次にフォールラインに入った頃にJuiceを浴びそれをレシーブポイントのRPに受けるイメージを持つこと,さらにターン後半から角付けの切り替えにかけてSPのOrangeのバトンタッチを行なう事...。
 リフトの運行開始は整備の状況次第だが,終わりはキッチリ営業終了時間が守られ4時で終了とのこと。3時から4時までのたった1時間だが,その間どんどん“つぶやきSong”歌いながら滑走してもらう。スロープの中間で私が待ちうけ,イメージが異なる生徒をストップさせてアドバイスをする。44名という大人数なのでレッスンを効率よく行なうにはそれしか方法が無い。ところが,たった1時間の“オレンジ”イメージの練習で彼等の滑りがどんどん変わっていくのが分かる。これまで雪と喧嘩することしか,エッジを立て無理矢理回ることしか頭に無かった彼等が,雪と友達になり始めたのだ!!! その変わり方はこれまでいろいろレッスンをして来た私にとっても驚きだった。(*_*) これまで圧を加えることがメインだった滑りが,圧を吸収する滑りに変わり始めたのだ。滑りの質が変わって行くのだから,身体の使われ方が変わって来ないはずが無い...。エッジング主体だった彼等が,徐々に面を使った滑りに変わって行った。...たった1時間の間に!!!  (^I^) (^ ^) (^o^) 
 4時半からはホテルの談話室でミーティングとレクチャー。今日のテーマは,@Phase(始動期,舵取り期,角付けの切り替え期)とつぶやきのSongとの関係に付いて  AJuiceを浴びるということの意味は? BRPを換えると何が変わる? C“バナナシェープ”ってどういうこと? DSing a Song...つぶやく事の意味は? EGravity Works って? ...ということの6つでした。丁度1時間,彼等のひと言も聞き逃すまい...という熱心な目に,私も一生懸命下手な英語で解説をしたのでした。
 さて,明日はSPとRPをいろいろ変え,その時々の滑走感覚がどう変わるのか?これをトレーニー諸君に味わってもらおうと思います。キット(*_*)(*_*)(*_*)!!!!!!!!が見れることでしょう。
 雪かき...お疲れ様でした!!! (^I^)(^ ^)



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☆ Feb/11  2005  金曜日  雪(グルマルク)
 今日もあいにくの雪でした。(=_=;)
 ですが,雪上での「基本練習」ですので,集合時間の10時に遅れないように30分前には現地に着きました。ホテルから徒歩で約20分掛かります。だけどリフトは10時になっても動く気配は無いし,生徒も約束の10時になっても誰も現れない...。場所を間違えたのかな?と思っていると,それから30分ほどの間に三々五々集まって来た。少々腹が立ったがここはインド...マ,しょうがないか...と諦めることに...。
 さて,その後二つあるTバーリフトも大雪で運休する始末...。斜面にはたったの20センチくらいの新雪があるだけなのだから,Tバーリフトさえ回り始めれば直ぐにスキーヤーのスキーでルートは圧雪され使えるようになるはずなのに,除雪しないとOpenできないと言う...。これもインド流...しょうがない...。
 しょうがないので,斜面の圧雪も兼ね,長さ約100メートルの場所で「直滑降」の練習をすることに...。右の図の「185Top」から「くぼ地底部分」までの距離を有効に使っての直滑降だ。リフトは使えない,斜面は踏みながら登らないといけない...みんなの顔にみるみるやる気がなくなってくるのが解る。「誰が遠くまで行けるか競争!!!」...というような目的意識を持たせて,モチベーションを高めないと生徒のやる気も失せてくる。しかも雷が時々鳴りひびき,気もそぞろとなる。でもここは教師の腕のみせどころ...大きな声で“ Downhill Competition!!! Who could be the Champion?”などと言いながら斜面の圧雪に成功!!! インドの人の気長さというか,人任せというか,役割分担が行き届いているというか...顔にこそ出さないものの,そんなことに少々苛立ちながらの【TOK】でした。
 さて,その直滑降レースの後,今日は「スキーの持つ特性」のうちのひとつ,“スキーの前後差を生かしたスキッディングターン”の練習をしました。生徒の数は44人,その腕前もレーストレーニングが可能な人から基本重視で無いと付いて行けない人まで様々...。でもこの様な集団だからこそ,私のような“フィーリングスキー”式のイメージーや意識を多用したレッスンが生きるのだと,自分に言い聞かせながらのレッスンでした。...で,午前中は簡単なプルークボーゲンの導入までを行ないました。
 午後は2時半からTバーリフトがOpenするとのことで,集合時間を2時半に設定したのですが,やはり集合がバラバラ...。そこで,これではレッスンにけじめがつかないと思い,みんなの前で,「君たちは環境や機会に恵まれて私と一緒に“スキー”ができている。言ってみればこれからのインドのスキー界をリードする立場になる人たちだ。私はそういう人たちに手ほどきをするためにわざわざ日本から来ている。そのような君たちが集合時間を守れないのでは,同じ事を何度も何度も繰り返して言わなくてはならなくなる。これからは集合時間を守り,他人に迷惑をかけず,自ら進んでインドのスキーヤーの模範となるようにしてもらいたい!!!」...とひと言申し渡したのでした。それから彼らの行動に変化が出始めました。動きもキビキビしはじめ,言われた事を実践しようという意欲が出始めました。今日は雪上レッスンの初日...【TOK】流のやり方に戸惑うのは当たり前ですが,初めが肝心...少々厳しかったかもしれませんがこれがこれ以降役に立つことだと信じています。
 さて夕方5時からは「室内ミーティングと理論研修」でした。TVセットを頼んでおいたのですがこれがまだ間に合っていなく,パソコンデータが使えません。これもインド流...。しょうがないので黒板を利用しての理論研修となりました。約1時間,スキーはなぜ回るのか?位置エネルギーを使うというのはどういうことか?...Etc.など,彼等がこれまで深く考えた事の無かったことを解説させてもらいました。
 明日から「センサー軸」の話をしようと思います。あることを完全にマスターしてから次の段階に進む...という手法ではなく,ある事柄を先ずザァーッと説明し,また元に戻って解説しなおす...というやり方の方が効果がある!!!...と思ったからです。同じ事を何回か繰り返して彼等に説明することで,その度にこれらの意識やイメージの意味が彼等の身体に少しづつ浸透して行くと思います。
 明日もまた「忍耐」の一日かもしれません。あるいは?...いずれにしても与えられた環境を楽しみながらレッスンをしたいと思います。(^ ^)



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☆ Feb/10  2005  木曜日  曇り(グルマルク)
 朝起きたら!!! 雪が止んでいて,空が明るいではありませんか!!! ようやく雪が止みました。そして周囲の景色が見渡せました。思ったよりも起伏が少なく,小さな盆地の中...という感じです。でもホテルから西側には大きな山があり,そこにはゴンドラが掛かっています。私が滞在している“Hiltop Hotel” 近くのゴンドラ駅“G1”の標高が約2700メートルで,ゴンドラの最上部“G4”という所が4100メートルだそうですから,約標高差1400メートルあることになります。八方尾根の名木山と第1ケルンの標高差が約1200メートルですから,標高差だけで言えば,グルマルクの方が大きい...ということになります。ただ,ゴンドラは“G1”から“G2”までの「ゴンドラA」と,“G3”から“G4”までの「ゴンドラB」とに分かれていて,今使えるのは「ゴンドラA」だけ...。「ゴンドラB」が使えるのは早くてもこの22日頃...とのこと。果たして私が帰る前に「ゴンドラB」に乗ることができるのでしょうか?
 さて,9時半...“Mr. Shabir”が私を迎えに来ました。今日の午前は“Mr. Shabir”達が地元カシミールの子供たちにボランティアで教えているスキーキャンプの終了日で,私にそのキャンプの終了証と記念のメダル授与をして欲しい...ということなのでした。昨年もAuliで同じような終了証授与を頼まれたことがありましたが,ここインドでは,その時滞在してるゲストにこういった式典で一役買ってもらうのが通例のようです。でも子供たちの顔は本当に輝いていて,日本から来たスキーコーチってどういう人間なんだろう?という興味津々さで満ちていました。ひとこと挨拶を...ということなので,「君たちのエネルギーに溢れた顔を見て感激しています。“スキー”の面白さを充分に味わった事と思います。でもただ“スキー”をするということだけでなく,こういった環境の中で過ごし,この豊かな自然に感謝する気持ちを忘れないで欲しいと思います。いつか皆さんの中からインドのオリンピック代表選手が出るかもしれません。その時は日本に来て充分にトレーニングできると良いですネ!」と結びました。
 午後からはいよいよこの“Gulmarg Camp”のゲレンデで試走する事になりました。2時に“Mr. Shabir”が迎えに来てくれて,ゲレンデへ...。基礎練習をする場所はTバーリフトが2本あるだけの小さなスキー場ですが,広さ的にはまあまあだと思います。約2時間コースの様子を見たり,自分の滑りの調整をしたりしながらしっかり汗をかきました。途中から天候が崩れ始め,昼ころには陽射しも見えていたゲレンデはまたまた雪...に変わったのでした。
 5時から今度の“Gulmarg Camp”のオープンセレモニーがありました。“Mr. Shabir”の司会で簡単に今度のキャンプの参加者の紹介があり,私から何か挨拶を...ということになりました。ところが今回の参加者の人数を聞いてビックリ(*_*)(*_*)...なんとナント総勢で44名の参加者なのだそうです!!!!!! これにはまたまた大ビックリの【TOK】でした。「参加の人達が多くて感激です!!! わたしのレッスンは人数の多さには関係ありません。それは一人一人のフォーム矯正したり,身体の使い方を直す方法ではなく,イメージやフィーリングをお伝えする方法だからです。皆さんが私の話すイメージを実践し,自分の感性なりに表現してもらうことで,皆さんなりの滑りの感覚会得できると思います。明日からよろしくお願い致します。...」というようなことを下手な英語で話したのでした。
 さて,あすからいよいよ雪上での指導が始まります。今年はどんなキャンプになるのでしょうか?
 楽しみ!!! 楽しみ!!!  (^I^) (^ ^) (^o^) 



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☆ Feb/09  2005  水曜日  雪(グルマルク)
 朝7時起床,シャワーを浴びルームサービスの朝食を食べてひと休みした後,スキーの準備を済ませました。今日は朝9時半に“Mr. Shabir”がホテルに迎えに来て,グルマルクのスキー場を案内してくれることになっていたのです。...が,その“Mr. Shabir”がなかなか予定の9時半を過ぎてもホテルに現れません。ようやく10時近くになって現れました。スキーの格好はしていません。大雪のためスキー場のリフトが動かない...というのです。これではスキー場を案内するどころではない...ということで,ホテルの部屋で待つことにしました。昨年は雪が無くて大変でしたが,今年は反対に雪が多すぎてスキー場がクローズ...。なかなか思い通りにはいかないインドでの“スキー”です。でも,これはこれでインド流...そう思って気を長く持つことにしました。 (^I^) (^ ^) 
  ランチが過ぎても“Mr. Shabir”からは何の連絡もありません。部屋で待っているにもすることが無く,身体も鈍ってしまいますので,思い切って降雪の中でしたが,散歩がてらに周囲を歩き回ることにしました。道を歩いていると,道自体がU字講の底みたいになっていて,周りの景色が見えません。私の身長が170センチですから,ゆうに約2メートルはあるでしょう。右の写真は屋根雪です。
 道を歩いていると,途中からスキー場らしきものが見えて来ました。なだらかな斜面にTバーらしきものが見えます。雪上車が歩いた跡があったのでその上を進んでいくと,やはりスキー場でした。八方で言うと,咲花の1/10位にも満たない緩斜面ですが,Tバーリフトが運休しているにもかかわらず,そこで練習をしている集団がありました。5分ばかりその様子を見ていましたが,みな一生懸命でした。一列に並んで,一人が滑り降りると次の人が滑り始め,先に滑った人は斜面をカニさん歩きで登る...といった風景でした。リフトが満足に無かった昔の日本のスキーシーンを思い出した【TOK】でした。(^I^)
 さて,今...午後6時...まだまだ降っています。いつまで降るんでしょうか?(=_=;)
 



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☆ Feb/08  2005  火曜日  晴れ(デリー)
 今,インドのデリーからUPしています。インド時間で7日の夜10時10分です。
 私の行く予定のGulmarg地域は大雪で雪崩が発生するほどの雪だそうです。今日はその珍道中の模様を新【TOK】のインド日記にUPしました。ご覧下さい。スキー場現地からの報告ができるかどうか?まだ解りませんが,接続できない時はよろしくお願い致します。
 今朝も6時には目が覚め,カセットで音楽を聴いたり,パソコンでInter Netにアクセスしたりして8時まで過ごしました。その後少々飛行機のチェックインには早かったのですが,早いに越した事は無い...と8時半にはホテルを出ました。飛行機の都合でデリーに舞い戻って泊った...ということで,飛行場からのホテルまでの往復のタクシー代と宿泊代はインディアンエアライン持ちでした。(^ ^)
 さて,出発ロビーに入ろうとしたら警備の兵士に,「使用済みのスタンプを押しているからロビーには入れない...」とか,チェックインカウンターに行けば行ったで,あのカウンターに行け...このカウンターに来い...といろいろ七面倒くさい手続きに追われてしまいました。(=_=;) 「チケットは使ったけれどグルマルクに行くという目的が果たせなかったので,今日また昨日と同じチェックカウンターに来るように言われた!!!」と何度も係官に説明してようやくボーディングチケットをもらえたのでした。でも,今日はエコノミーで,エグゼクティブクラスではありませんでした...。(=_=;)
 で,搭乗時間30分ほど間近になったら,今度はアナウンスで,「スリナガールにIC821便で行く予定のMr.SASAKI...。地上係員まで連絡下さい...」というアナウンスが...。「今度はいったい何事???」といぶかりながら係員の所に行くと,「昨日スリナガールに行けなかった人たちの再利用が多いため,スリナガール直行便がでる事になりました。そちらの方が早くスリナガールに着きますが,そちらにしますか?」と言うのです。一刻も早く着きたいので,「OK!!!そうしてください」と変更を申し出ました。便名は「IC825便」になりました。ところが,最初に乗る予定だった821便が出て,その後直ぐにIC825便が出るはずの予定が,「現地グルマルクの天候状態が悪いので少し待ってください...」とのアナウンスが...。嫌な予感がしました。結局その感が当たって,デリーを離陸したのが午後3時過ぎ...。そしてスリナガールに着いたのが4時半頃。結局先に出た821便がずっと前にスリナガールに着いていたのでした。これもインド式...と思えばあきらめがつきます。(^I^)
 さて,空港には今度の“Gulmarg Camp”で私の世話をしてくれる,WGFIの副会長“Mr. Shabir”が待っていてくれました。なかなか気さくな人で,スリナガールの町で何か買い物は無いか?と聞くので,「お酒が欲しい...」というと,「それはグルマルクで私が準備しましょう...」と言ってくれたのでした。(^ ^) 途中いろいろな話をしながら約1時間で“Mr. Shabir”の生まれた部落に着きました。ここで弟さんと娘さんに紹介していただき,お茶をご馳走になりました。娘さんは3歳になったそうですが,顔が小さくて目が大きく,まるで人形のようでした。写真は
絵日記編でどうぞ!!!
 その後雪の降りしきる中を最終地,グルマルクに7時頃着きました。深い雪の中です。昨年のAuliの宿に比べると格段に施設が整っていて,シャワーも普通の都市ホテル並です。多分デリーのホテルより良いかもしれません。
 8時半頃から“Mr. Shabir”と夕食を済ませ,シャワーを浴びて10時頃ベッドに入りました。
 先ずは目的地のグルマルクに着いた事を祝わないといけませんネ!(^ ^)


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☆ Feb/07  2005  月曜日  曇り(デリー)
 朝,5時頃目が覚めてしまいました。そういえばインドの5時は日本の8時半なのです。(^ ^) 人の生活サイクルって凄いものですネ! せっかく目覚めたので,今度のスキーコーチの資料をもう一度整理することに...。約1時間半整理に時間を割き,シャワーを浴びて気持ちスッキリ!!!
 さて,今日はデリーを出発して“Srinagar”スリナガール経由でGulmargへ。どのような人達との出会いがあるでしょうか?楽しみです。(^ ^)
 さて,昨日の国際便は荷物のエクセス料金が無料になったのですが,今日のドメスティックはどうなんでしょうか?ワクワクしながらチェックするとナントこれもOK!!!...エクセス料金は頂かなくて良い...ということでした。良かった良かった!!!。ところが難題はもうひとつ...。WGFIのセクレタリーの“Mr. Gupta”氏が気を利かせて,エコノミークラスをビジネスクラスにアプグレードするカードをくれたのですが,この手続きが大変!!!。あっちへ行ってここにサインをもらってください,その後はここに行って署名してください,そしてそれが済んだら○○番のチェックカウンターに行ってチェックインして下さい。...汗だくで走り回ってようやくビジネスクラスの搭乗券を手に入れたのでした。(^ ^)!!! 
 ...ということでデリーの国内便で12時過ぎ,ビジネスクラスのシートにふんぞり返って“Srinagar”目指して飛び立ったのでした。さすがビジネスクラス...昨日のエアインディアよりも格段にサービスがよろしい!!! 食事も美味しい!!! 良かった良かった(^I^)(^ ^)...と安心していたのですが...。ナント!!! 途中経由の“Jammu”という所から先が大雪!!!...結局この空港で2時間近く待たされた挙句,“Srinagar”は2メートルを越える大雪なのでその空港には着陸できない...というではありませんか...
そしてそのままデリーに引き返すとのこと...。フライトアテンダントの責任者が私の席に来て,「ここJammuに残りますか?それともデリーに引き返しますか?」と聞くではありませんか...。Jammuに残ってもしょうがないので,デリーに帰る...と返事した【TOK】でした。
 デリーに着いてからがまたひと騒動...。明日の便が取れるのか?取れたら荷物のエクセス分はどうなる?エコノミーからビジネスへの変更は?そして,今夜の宿は?……これらの事をひとつづつ確認してようやく航空会社紹介の「エアポートホテル」という所に着いたのが7時半...。インドの国内飛行機旅行を一日充分に楽しんだ【TOK】でした。
 さて,そのホテルの部屋からインターネットの接続を試したら...OK!!! 「やったァー。これで数日分のUPができる!!!」と喜んだ【TOK】でした。
 今,今日の出来事を急遽タイプしたので,てこれから UP date します。(^ ^)
 明日,もし“Srinagar”に無事着いたとしてもInter Net環境がどうかわかりません。これから先,日本に帰るまでUPできないことも考えられますのでよろしくお願い致します。

 ああ,シンドカッタァー!!! 気疲れしました!!! もう寝ます...。オヤスミなさい。


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☆ Feb/06  2005  日曜日  快晴(成田)
 今朝の成田は快晴でした。朝7時頃起床。教師日記を書いてUPしようとしたのだが携帯のパケット通信の具合が悪くUPできずじまい...。(=_=;)
 朝食を食べ,9時に空港へ...。10時にチェックインを済ませ再度パケット通信を試みるがやっぱりダメ...。しょうがない...デリーに付いてからUPすることにする。
 11時30分搭乗。インド大使館からエアーインディアへの連絡が効いたのか,昨年同様今年も特別待遇をしてくれました。エコノミークラスですがその席のいちばん前の二座席を使っていいとのこと...。席の前のスペースは広く,脚をしっかり伸ばしてゆったり旅を楽しみました。(^ ^)
 昨年も機長が富士山の上空だとアナウンスしてくれたのですが,今年も同様...。富士山を下から見る機会はあるのですが,上から見るのはそう滅多にありません。今年はしっかりデジカメに納めました。(^ ^)
  AI301便は約30分遅れで,現地時間7時にデリーのインディラガンジー空港に着きました。今年はWGFIのセクレタリー,“Mr. Gupta”氏じきじきのお出迎えでした。昨年は一度も会える機会が無かったのですが...。そして,「ホテルより私の自宅に泊る事にしました。その方がこれからのスケジュールの打ち合わせもできるし,Mr.SASAKIを歓迎できると思います...」ということです。氏は奥さんと二人住まいでお子さんたちもそれぞれ独立し,部屋に余裕があるとのことでした。空港から約30分,“Mr. Gupta”氏の自宅に着きました。日本に行った時買って来たという赤ワインを頂きながら,いろいろな打ち合わせを行ないました。10時頃から奥さんの手作りの遅い夕食が始まりました。なかなか美味しいインドの家庭料理でした。奥さんも気さくな人でいろいろな話をしました。インド人の発音は“r”を「ル」と発音するのでドイツ人の英語と似ているところがあって少し戸惑いますが,少しづつそれにも慣れてきました。11時過ぎ...「長旅で少し疲れたので休ませて頂きます...」と挨拶しベッドに入りました。
 インド初日...“Mr. Gupta”氏の大歓迎で始まったのでした。

  PS:そんな訳でデリーからの教師日記のUPができずじまいでした。(=_=;)



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☆ Feb/05  2005  土曜日  快晴(成田)
 白馬を昼過ぎに出て,夜...成田に着きました。
 成田に着くと,いつも思うことですが,これから非日常の世界に行くんだ!!!...という思いに駆られます。こういう緊張感と言うか,アドレナリンが分泌する状況に身を置ける事の幸せを感じます。これもある意味での感性の豊かさ...と言えるかもしれません。多分...どんなシチュエーションにあっても,これに似た緊張感というか,幸せ感を感じられたら...それはそれで最高の人生を送っているのだと思います。
  今回は二度目のインド行きです。昨年ほどの緊張感はありませんが,代わりに責任を感じます。本当にインドのスキー事情に新風を吹きかけ,彼らの求めるスキーというスポーツに価値観というか意味を持ってもらえるような指導ができるだろうか???という不安です。でも行くからには,できないかも知れないと不安を感じるよりも,自分でできる最善を尽くすことの方が大切だと思います。一生懸命最善を尽くして事に当たる...これを念頭に訪印しようと思います。(^I^)
 





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