01/03/27
検定基準について
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ある方からご質問を頂きました。「八方尾根のテクニカル・クラウンプライズテストは検定システムのポイント制とかけ離れ,合格基準が難しいのではないか?」…というものです。
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【TOK】の個人的な見解を申し述べたいと思います。
従来,一昨年まではその基準を,良い悪いは別にして八方尾根スキースクールでは,「クラウンは技術選予選通過レベル」に,また,「テクニカルは技術選出場レベル」置いていた,という経過があります。ポイントとの関連は無く,あくまでテククラの合格レベル,ということです。それが昨年度の「検定システム改定」で,クラウンは80ポイント,テクニカルは75ポイント,1級は70ポイント…という風に規定されてしまいました。ここで大きな矛盾が生じてしまったのです。従来私達が考えていた合格レベルが,ポイントにして約5〜8ポイント下がってしまったのです。おそらくクラウンは,85〜87ポイントに相当しているはずです。ここで昨年度から検定ポイントと,それまでの合格レベルとの整合が必要になってしまいました。しかし,これまでの合格レベルを突然下げるわけにはいきません。従来の合格レベルでプライズテストに合格された人々に失礼にあたります。そこで,新しいシステムでの合格ポイントはポイントとして,「テククラ検定独特のポイント」としてクラウンを80ポイントして見よう…ということにせざるを得なかったのです。
本来は,5級レベルが50ポイント,1級が70,クラウンが80,技術選トップクラスが93ポイント…という直線上に並び,そこのどの位置にあるかでスキーヤーの技術レベルを評価できればいいのですが,上記の理由により,八方尾根のテククラ・プライズテストではその線上から少しずれざるを得ない事情にある,ということです。
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また,良い機会ですので「1級の合格レベル」についてお話しておきます。
私がスキースクールのメンバーにさせてもらった時から,バッジテストで一貫していることがあります。それは「1級合格者は正式な認定スキー教師ではないが,当校の助教師,アシスタントとして実際のレッスンに携わってもらうことがある。したがって,生徒さんに対しモデルとして演技できるほどの技能を持っているスキーヤーが1級合格…」ということです。もし検定の合否で迷ったら,スキースクールのユニフォームを着せてもOKかどうか?ということを考えればおのずから答えが出る…という風に言われて来ました。ここ数十年,その基本方針は変わっていないと信じていますし,若手の検定員にもそのことを伝えて来ました。これまで何度か検定システムが変わりましたが,一貫してそのことを守って来た…という自負があります。
最近掲示板で,八方尾根スキースクールの検定,テククラの検定は難しい…という書き込みを目にしますが,以上のような考えで,検定を行っていますので,ただ単純に難しい!…というだけではないことをご理解いただきたいと思います。
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01/07/2001
カービングターン
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カービングスキーについて、個人的に次のように思っています。
カービングスキーは元々競技の世界でタイムを少しでも縮めるために開発されたスキーです。ですから一秒でも早く滑る為にスピードを追求したスキーで,本来は切れや走りをその目的としています。
そのスキーを一般用に使えるように,ややズレやすいように設計したのが「イージーカーブ」というタイプのスキーです。このスキーはレーシングタイプのスキーに比べればズレをおこしやすく,横方向に移動することも可能です。ですから良い位置に乗って雪の上を少し移動するだけで簡単にターンすることができます。自分からヨイショっとスキーを動かさなくても,簡単に回ることができるのです。スキー初心者や中級スキーヤーには大変ありがたいスキーと言えます。誰でも容易にスキーの楽しみを体験できるスキー,ということができます。しかし,元々「切れ」を目的としてサイドカーブを深くしていますので,どうしてもノーマルスキーに比べれば縦方向に走りやすい性質を持っています。カービングスキーを使う時は,まずこのことを頭に入れておくことが大事です。
また,サイドカーブが深い分,雪面抵抗を強く受けることになります。ノーマルスキーの積りでスピードを出して角付けをすると,想像以上にスキーのトップ部分が内側に入って来ると共に,急激な圧力が下半身に掛かって来ます。この力に耐えられずカウンターを食らったように,身体がターン外側に飛ばされることもあります。世界の一流選手が出場するワールドカップなどの競技の世界でも良くあることで,この転倒でひざの靭帯を切るなどの悲惨な事故も少なくありません。カービングスキーは,念入りな身体作りをしている選手でさえ避けれない事故が起こる可能性を持ったスキーでもある,ことを忘れてはいけません。
しかし,スキーの楽しみのひとつとして,「スピード感」があり,これを最上の楽しみとしている人も居ます。この喜びを実感するにはカービングスキーは最高の用具でもあります。この楽しみを求める人達にそれを犠牲にしろ,とは言い切れません。スピードを追求した「レーシングカーブ」のスキーは特にズレの要素が少なくスピード追求に適していますから,多くのスピードスキーヤーはこの板を使っています。特別,スキー技術が優れていなくても,バランス感覚にさえ優れていれば容易に二本の線を残した高速レールターンが可能です。しかし,この「レーシングタイプ」のスキーはその分横にズレにくい性質を持っていますので,その定まったレールから抜け出すことができにくいという特性があります。ある定まった滑走ラインを高速で滑るには適しているが,そのラインから外れにくいということです。つまり,方向を自在に変えたり,スピードコントロール自由に行なうことはできにくい,ということです。ですから一般のゲレンデでこのタイプのスキーを使うのは大変危険だ!ということになります。
この様にいろいろな特質を持つスキーだけに,それをTPOにあわせ,適材適所有効に使いこなす事が要求されるとも言えます。価値ある特性を持っているということは,裏側せば危険な要素を内包している,ということにもなるのです。わたし達スキーヤーは用具の特質を知り,それを自分の責任で使いこなす責任をも持っています。ある見方をすると,「銃社会のアメリカ」に似ているとも言えます。「銃」の便利さの裏側には「おおきな危険性」も含んでいます。大げさな様ですが,便利な用具を使う使用者側の責任が問われる性質を持っていることを認識して使用しなくてはいけません。カービングスキー,カービングターンはそれほど危険性を内包した技術でもあること,諸刃の刃であることを認識したうえで使うべきだと思います。
カービングスキーは確かに有効で,誰にでも簡単にスキーの楽しさを味あわせてくれる用具ですが,カービングスキーだけがスキーイングの楽しみの本質だとは思いません。もし,今のスキー界がカービング・ファシズム的な動きだけを助長するようであれば,我々スキー教師はその事態を深刻に受け止めなければならないでしょう。
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12/15/2000
内スキー主導のターン
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ある方から,指導員研修会で「内スキー主導のターン」についての質問がありました。
それについて【TOK】の見解です。
※ 内スキー主導のターン,についての見解
内とか外とか議論する場合大事なのは,その言葉の意味です。ある物が円運動をしている時,その円運動の内側をことを「内」,外側を「外」というのですが,ともすると,円運動を無視してその言葉を使っている人がいます。
内スキー主導,という場合もターンのどの部分のことを言っているのかが大事です。指導委員会のOさんの話しですと,ニュートラルから続くターンの始動期でのことだ,と言う話しでした。
例えば,これまで右ターンをして来てニュートラルに入り,続いて左ターンに入ろうとする時,ニュートラルでスキーの前後差が無くなり,角付けも無くて雪面にフラットな状況になりますが,この後,左スキーの左側に意識を持つことで身体の軸が左側に入り易くなり,軸を傾けることができる……ということらしいです。この時,右スキーの右側(内側)に意識があるのと,左スキーの左側に意識があるのとでは,その捕えの速さが違うという見解です。カービングターンでは,できるだけ早い時期に軸を傾け,傾け操作によってスキーのトップ内側で雪面を捕らえることにより,スキーのタワミを生じさせるわけですが,それを一刻でも早く行うことでカービングターンを誘導させよう,ということです。
また,ある人に言わせると違った見解もあります。先ほどの考えはターン前半での内スキーですが,ターン後半での意識だという意見です。ターン後半,外スキーに貯まったエネルギーをニュートラルに向けて軽くして行く訳ですが,その時次のターンの外スキー,つまりターン後半の内スキーに意識を持たせる…ということを指している,と言う人もいます。ステップターン感覚の,シェーレン状にしない平行状態のターン…,というイメージです。ハイスピードターンの後半,外スキーに圧が貯まってきて,これ以上貯めると円弧が小さくなることを防ぐために内スキーでの捕らえを意識し,荷重分散させることがありますが,この操作が内スキーでの操作感覚になることから「内スキー主導」という表現になった,とも考えられる,ということです。
どちらの捉え方をするにしても,大多数の一般スキーヤーが容易に使える技術でないことは確かです。Oさんに言わせれば,スキーレーシングの世界のトップクラス,技術選上位の特別な選手達…,でしか見ることのできないスキー技術だ,という見解です。
いずれにしても,私は,この「内スキー主導」という言葉の意味がいまいち不鮮明なことから,指導の展開として教程の「指導理論編」には載っているものの,格別大きな意味を持つものではない,という風に思っています。理論家の机上の考えに近く,一般レッスンでスキー教師がまじめに指導して意味のある技術ではない,と思います。
以前,一般スキーヤーに大きな災いを及ぼしたスキー技術「曲進系」と同じような危険性を含んでいる,という点で,我々スキー教師は,この「内スキー主導のターン」に対して慎重に考える必要があります。
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12/18
2001 指導員研修会
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12月16日から18まで,長野県主管「指導員研修会」が開催されました。以下はその報告と【TOK】の感想です。
***** 理論研修テーマ *****
初日の「理論研修」では,SAJの方針として数あるスノースポーツの中で「アルペンスキー」をその軸として捉えていく事が提示されました。スノーボードやファンスキーなどいろいろな楽しみ方がありますが,老若男女,年齢に関係なく楽しめる要素を持つ「アルペンスキー」をその核と位置付けたのは,FISでも打ち出された方針でもある,と言う事でした。この指針を我々スキー指導者は重く受け止め,その名に恥じない「生涯スポーツ」,「楽しいスポーツ」として紹介していく責務があると感じました。技術のみならず,楽しみ方の幅を広げるための提言をしていくことが,私達に「心の豊かさ」をもたらし,21世紀の人類の,新しい「ライスフタイル」や「生きがい」にまでつながる,大きなテーマを考えるきっかけになるかもしれない,とも思った【TOK】でした。
これまで,ともすれば教える側の論理が優先され,習う側の指向を無視する傾向があったスキーレッスンを,より習う側に身を置くという提言もされました。「安心,誠意,感動」という三つのキーワードが示され,生涯スキーにつながるような方向性を持たせる…ということでした。現在,「カービングスキーにあらざるはスキーにあらず…」というような風潮がありますが,スキーをこれだけに限定せず,幅広い視野から,楽しみ方を模索する姿勢も大事である…との指摘もありました。
今年度,教程が分冊化され,「指導理論」,「指導実技」,「検定」,「安全」の四つの柱ができ上がりました。それぞれが前記の目的にそって効果的に運用されるように希望する,とのお話しもありました。
***** 実技研修テーマ *****
指向別,対象別指導,ということが前面に打ち出され,その区分として「安全に」,「快適に」,「挑戦的に」…という視点での見方がひとつの例として挙げられました。そのキーワードとして,昨年度の「セフティー,コンフォート,チャレンジ」に替わって,「押し出し,ひねり,傾け」という操作,観点でのスキー運動の捕らえ方が紹介されました。「押し出し」とは”拇指きゅう支点のかかと押し出しの操作”のこと。「ひねり」とは”足裏中心支点でつま先内側,かかと外側のひねり操作”のこと。「傾け」とは”軸を内側に傾けスキーの角付けを深くする操作”のことです。
***** 雪上研修 *****
「安全に」,「快適に」,「挑戦的に」…という視点での雪上研修が行われました。
1.「安全に」⇒「押し出し操作」,は荷重移動による外スキーへの働きかけでターンを行うもので,スピード制御が最も大きな目的となること,動きとしては「体の上下移動」が特徴として現れることが示されました。スキー板そのものを動かす,という運動がメインになる運動ということです。
2.「快適に」⇒「ひねり操作」,では前後への荷重移動がその特徴として挙げられ,一般スキーヤーの中では最も頻繁に使われる技術として紹介されました。太股をターン内側にひねる運動がメインとなり,ひざがやや内側に入る,という解説がなされました。ほぼ80%以上のスキーヤーがこの操作でスキーを行う,との報告もありました。
3.「挑戦的に」⇒「傾け操作」,では重心の位置をどこに置くか?というポジショニングの重要性が解説され,昨年言われたような「スキーをターン外側に押し出す」とか「軸を寝せる」とかの表現は適当でないとの反省から使わない,との報告もありました。
4.また全体として,「ターンのそのほとんどは外スキー主導のターンであり,内スキー主導となるターンは,レーサーや技術選トップクラスのプレーヤーにして到達し得る技術である」との認識がされました。さらに「カービングターンは正対である」との表現も,「正対は左右のスキーの前後差がなくならない限りあり得ない」という観点から,妥当ではない,との考えも示されました。
***** 【TOK】の感想 *****
大きなテーマである「スキーはスキーヤーのために…」という視点での考え方が,SAJ関係者自身の口から聞けたことは,大変嬉しいことでした。レッスンにしても検定にしても,誰の為のスキー指導者なのか?検定員なのか?ということがおざなりになれば,その方向は変な方に行きかねないからです。
実技研修,雪上研修で3つの指向に分類し,多くのスキーヤーは「安全に」そして「快適に」という範疇の人達であり,「挑戦的」というカービングターンでなければスキーではない,といった風潮を牽制した姿勢は評価されるべきだと思いました。
スキーのターンの原則として,外スキーがその役割を担っていること,カービングターンでも外向姿勢,迎え角が存在することの認識が示されたことも大きく評価できます。
しかし残念だったのは,斜面移動の大切さを感覚として知っているにもかかわらず,そのことがどういうことなのか?まで考えが至らないことで,すこし歯がゆさを感じました。スキーのターン運動が「雪への働きかけでしか起こり得ない」,という考え方に乗っとった指導の展開だけで,「雪から来る抵抗の大切さ」,について言及されなかったのは残念でした。
ともすれば,この指導員研修会で受けた研修内容を,そのままゲレンデに持ちこんでレッスンを行っている指導員を良く見かけますが,その様な事のないよう,自分なりに消化し自分の言葉に置き換えて,生徒さんに伝えようと思った【TOK】でした。(^I^)
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12/10
心の持ち様と
筋肉のパワー
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新聞に興味ある記事が載っていました。今日00/12/10の「信濃毎日新聞」12面です。
そのあらましは「とても正直な筋肉」というタイトルで,「心の持ち様が筋肉のパワーを左右する」というものです。
好きな人や色,好みの音楽や楽しいことを思い浮かべている時と,嫌いな色や不愉快なことなどを思い浮かべている時とでは,その時の身体の筋肉の状態に大きな差があり,楽しいことを思い浮かべている時の方が大きなパワーを発揮できる…ということです。
ですから,スキーをする時も,楽しく愉快にプラス思考で行うことが,怪我を防ぎ,無駄のないパワフルな滑りができる様になる…ということになります。この斜面不安だなぁー…という苦手意識を持ったり,コブの斜面か?ちょっと嫌だなぁー…などと思いこんだりしないことが大事なわけです。雪の斜面に立てて楽しいなぁー,ガスが掛かっているけれど,足裏感覚を信じて行けば大丈夫!,俺の履いているスキーは性能がイイ!…といった前向きな姿勢で臨むことが…。
そういえば,私にも好きなゲレンデがあり,そこで滑るとスランプから抜けられる…というところがあるのは,そのせいかな?と思った【TOK】でした。
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12/8
実年スキーヤーの
1級挑戦
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ある方から「実年スキーヤーの1級受験」についてのご質問がありました。
高齢からくる体力、筋力の衰えが受検に耐えられるか?や,高齢者受検の実態、高齢者受検の不利な場面(体力・技術、コース)等についてのアドバイスが欲しいとのことでした。
みなさんのお役にも立つと思いますので,このコラムでもご紹介致します。
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教師日記にも以前書きましたが,1級については,検定員は「どんな斜面でもコントロールができ,安定感を持って滑れるか?」という視点で見ています。個人的には,「1級までは”老若男女誰にでも出来る生涯スポーツ”の範疇」であると思っています。
一方「プライズテスト」は,それとは要求される技能程度が全然違います。言い方を変えれば,1級は「娯楽スポーツ」,プライズテストは技術選につながる「チャンピオンスポーツ」…程の違いがあると言っていいでしょう。
ですから1級受験は「楽しみ」でできるものだと思います。特別な「身体作り」をしなくても到達できるモノで,合理的なスキーの基本ができていればOKだと思っています。ですから,「高齢からくる体力,筋力の衰え」はそんなに気にしなくていいでしょう。
…とは言え,カービングスキーを操るだけの基礎体力はあった方がイイので,毎日少しづつのウォーキングや簡単な筋肉トレーニングはやらないよりやった方がイイ,とは言えます。(^I^)
また,受験に際して,一番のお薦めは,ご自分の「得意種目を磨く」ことだと思います。得意種目で高得点を出せれば,先ず自信が深くなりますし,検定員にパンチを与えることもできます。不得意な種目をそれでカバーすることも可能です。
それと,体力的に負担のかからない【Letスキー】に習熟することだと思います。手前ミソで恐縮ですが,自分から雪に働きかける【Doスキー】は,大変疲れますし合理性もそれほどありません。雪の力でターンするという【Letスキー】を覚えられることをお薦めします。この【Letスキー】は,一言での説明は難しいのですが,私のホームページの「スキーQ&A」や教師日記を読んでいただければ,そのあらましはご理解頂けると思います。
私の所属する八方尾○スキースクールでの検定の場面では,50代以上の方の合格例はそんなにありません。…というより受験される方が極端に少ないのです。
高齢の方の受験に不利な面は,スピードやコブ斜面に弱い傾向がある,ということでしょうか?どうしても,血気盛んな20代の人達に比べれば躍動感やスピード感で劣る印象はぬぐえませんが,その分「巧さ」や「合理性」,そして「滑らかさ」では,若者が演技できないことを表現できますから,そういう点でのアピールを心掛けるといいでしょう。
頑張って下さい。(^I^)
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12/2
スキースクールの資質
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以前「スキー教師の資質」というテーマで日記に書いた事があります。昨日私の所属するスキースクールのスクール開きがありました。その席上は,「スキースクールの資質」ってなんだろう?と考えさせられました。
スキースクールには大きく分けて二つの役割があります。ひとつはレッスンを受けスキーの楽しみを味わおうと言う人達のお手伝いをすることです。もうひとつは,地域全体のお役に立つこと,つまり地域産業を盛り上げたり,子供達の育成に協力したりすることです。
現在,日本全体の経済が低迷していることを受け,スキースクールの経営そのものも大変苦しい時期にあります。こういう時ほど将来を見据えたプランが求められます。
スキースクールの役割を遂行するには,質の高いスキー教師を育成することが第一に求められます。スキースクールの大部分の収入はレッスン料によってまかなわれます。スクールの商品は「スキー教師」と言っても過言ではありません。質の高いスキー教師,という商品を生徒さんに買っていただき,それで商売をするのがスキースクールという見方もできます。ですから大事なのは「質の高い教師」であって「教師を入れる容器」ではありません。ユニフォームやスクールの建物がいくらきらびやかで立派でも,意味が無いのです。
よく,「会社の経営が赤字になるようだったら,社員のお手当てを減らせばイイ…」という意見が出ます。考えてみると,この意見の行き着く先は会社を「質の悪い集団」にしかねない危険な意見だと思います。社員として誇りを持って仕事に携わり,その価値に匹敵する正当なお手当てを貰えずして,どうして社員は労働意欲を掻き立てることができるでしょう?。評価と向上心は表裏一体であることが多いのです。社員としての切磋琢磨を期待するのであれば,評価を評価として認めてやることが大事です。社員の給料を減らす前に,社員が納得できる経費削減を行い,収入が増えるアイデアを出し合うことが大事なのです。
会社をスキースクール,社員を教師に当てはめて考えてみると,教師に対する評価の大事さが浮き彫りになります。教師を大事にする姿勢を失わないで欲しい,と思った【TOK】でした。
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11/30
豊かさ指標
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「豊かさ指標」というのは,経済企画庁が92年5月から発表をはじめた新国民生活指標(PLI、People's Life Indicators)の通称だそうです。
全国平均を50として,都道府県別に生活の豊かさを算出、比較するもので,最近のデータでは,「住む」をはじめ「癒す」、「学ぶ」が北陸各県でトップを占め、8分野の単純平均でも北陸、甲信地区が上位を独占している…ということです。それに比べ,「費やす」や「遊ぶ」では東京がトップで,地域の特徴が浮き彫りになっているみたいです。
都会の「費やす」ということが,豊かさとして感じられる人も大勢おられるでしょうが,データから読み取れるのは,豊かな自然の中に住み,「心が癒される」生活を渇望している人も多いということです。豊かさとは経済的な「富に恵まれること」では無い,というひとも多いということです。
過日,「物欲と心の豊さ」についてコメントいたしました。これについて数人の方から E-mail を頂きました。多くの方が「物欲」に対する人間としての弱さを克服することが大切で,真の豊かさとは「心の満足」である,とのご意見をお持ちでした。このようなご意見をお持ちの方が多くおられるということにホッしました。(^I^)
わたしは幸い自然環境の良い白馬で暮らすことができています。このことに感謝しつつ,我慢できるものは少しでも我慢し,少しでも消費を少なくしようと思っています。そして,スキーを通じて少しでも「心の満足」を感じていただくこと,「癒し」のお手伝いをすること,がわたしの仕事…と思う最近の【TOK】です。(^I^)
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11/28
スキッドターン
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今年のSAJ「指導員研修会テーマ」が打ち出されました。
この内容をより詳しく知ろうと,日本スキー教程「指導理論編」を購入し,読んでみました。そして次のような記述があるのを発見しました。
80ページの右側 11行目〜 …を外向傾姿勢といいます…いずれもスキーを動かした結果現れる姿勢…。
112ページの右側4行目…。スキッディングターンでは少なからず脚のひねりによる「回旋」が求められます。
そんなことはありません!。 「スキッドターン」はスキーを自らの力で動かさなくてもできる滑り方です。スキーの最も痩せている部分(センター)から、トップまでの長さが、テールの長さより長い…というスキー板の特徴を生かしたターン方法です。「雪の抵抗を受けてターンする」という滑り方の,基本となる考え方でもあります。スキーを動かさなくても,スキーの前後差を利用すれば,雪面を移動して行く事で回転モーメントは生まれます。雪の抵抗とバランスを取り,スキーの持つ性能を生かしながら迎え角方向に移動することで,自然に生まれるターンが「スキッドターン」であり,その時の姿勢が「外向傾姿勢」なのです。
スキーがたわんで「カービング」に移行する意味でも大事な姿勢です。スキッディングで雪の抵抗を受け,雪の力でターンすることを理解できず,スキーを動かすことで外向傾姿勢ができる…,等と言う人達がいることに情けなさを感じます。これでは「カービングターン」がスキーのたわみを利用した滑り,ということに気付かないのも当たり前です。
39ページで「スキッディングターンのメカニズムとスキーのたわみ効果」という図を載せ,「タワミ」について言及し,スキーがたわむことでその迎え角がトップ部分で大きくなることを説明しているにも関わらず,その後,スキーのタワミ効果についてほとんど述べられていないのは不可解です。
【TOK】のコラム,「内向,外スキー主導のターン」でも述べたように,元々「カービングターンとは,スキーをしっかりたわませ,エッジを立てて行くことによって,サイドカーブを深くしたと同じターン原理を使い,雪面をえぐるようにシャープな円弧を描く滑り方」なのです。カービングスキーができてからカービング技術が生まれたわけではありません。ですから特別カービングスキーを使わなくてもカービングターンはできる技術なのです。スキッディングの延長線上にあるのがカービングです。
スキッドターンはスキーそのものを動かさなくても,回旋などというヒネリを使わなくてもできるターンです。このことについては,日本スキー教程「指導理論編」に惑わされないよう気をつけて欲しいと願う【TOK】です。
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11/26
環境保全のキーワード
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ここのところ「地球環境」のことについてお話ししています。今日は「自動車」について…。
車社会の現代,これ無しにわたし達の生活は考えられなくなりました。CO2は排出するわ,石油は使うわ…で,地球環境を壊す悪人にされている感がありますが,だからといって自動車無しの生活は,誰もが耐えられないことです。
スキーに行く時も,荷物をドアからドアへ運べるし,時間も気にしなくてイイ,そして宿が取れなければこの中に寝ることもできる…。電車でいくことのわずらわしさに比べれば天国天国…。でも,ちょっぴり心の中に「…少しは地球環境を破壊しているかな?…」といううしろめたさもある。
今日の新聞にも載っていましたが,ここで次のことを考え,実行することで少しは「地球にやさしい自分」を見つけ出すことができるかな?と思います。
@今の自動車を改良する:
車体を軽くしたり,フィルターを改良したり,燃料そのものを水素などに換えるなどして,エネルギー消費量を減らしたり,汚染物質を出さないようにする工夫をする,というもの。
A今の自動車の使い方を考える:
例えばスキー場まで行く時,独りだけで行かず友人を一緒に乗せて行くとか,できるだけ排気量の少ない車を使うとか,頻繁にエンジンを切るとか,の工夫をすること。
B自動車に頼り過ぎないよう,社会の仕組みを変える:
これは個人レベルでできることではありませんが,各自が「地球環境保全」の大事さを,あらゆる場面で話し合ったり,啓蒙したりすることで,人間の意識を少しづつ変えていくことは可能です。
以上挙げた「そのものの改良」「使用法の研究」「システムの見直し」は自動車に限らず,わたし達の身の回りにある全ての物に当てはまる「地球環境保全」の為のキーワードです。
「モノ」優先の思考から解き放され「心のやすらぎ」を感じるには,「我慢できる不便は我慢すること」がポイントのような気がします。(^I^)
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11/25
ハーグ会議
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昨日「地球温暖化」の話題に触れたら,NEWSでそれに関する国際会議のことを報じていました。それによると,ヨーロッパアルプスやヒマラヤでは氷河が後退しているとのこと…。海面の水位も確実に上昇し,このままでは水没する地域も出るとか…。気性変化に伴ない,農作物の生育にも影響がではじめている,とも報告していました。
3年前に開かれた京都での「地球温暖化防止会議」での取り決めを受け,「京都メカニズム」なるものが発表されました。これを受けて今,オランダでCO2の排出量を約10%削減するための「ハーグ国際会議」なるものが開催されています。政府レベルでの調整ですが,これとは関係無く,一般市民の私達がこの「地球温暖化」をいかに身近なものとして捉えるか?ということが大事な気がします。
便利さや欲望を満たす為に多くの資源やエネルギーが消費され,それが結果として取り返しのつかない「環境破壊」につながっているという認識を,わたし達一人一人が持つ必要があると思います。
昔,物理で習った植物による「炭酸ガス吸収」の効果も幾分かあるようで,そういう意味での植林や木材の無駄使い防止,も大切なことかもしれません。
スキーをいつまでも楽しみたい…という願いから,テーマは少々大げさなものに発展してしまいました。個人レベルでこういったテーマに対する行動を起こすと,気恥ずかしい気がしたり,俺ひとりだけでは効果が無い…とか言いがちですがが,それに負けず,こういう認識を持つことは必要だなぁー…とつくづく思う【TOK】です。
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11/24
物欲と心の豊さ
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残念ですが,今年の降雪は確実に遅れています。(=_=;)
私の小さい頃,軒先まで雪が積もっていました。子供の頃なので,自分の身長に比べて雪が多かった,と勘違いしていたのかとも思いますが,いろいろな人の話しを聞いても,そうではなく,確実に降雪量が減って来た,と言います。
多分地球が温暖化傾向にあり,それが降雪量減少の原因のように思われてなりません。地球温暖化の一因が,化石燃料,石炭や石油などの消費量の増大に起因しているのは確かです。人類は産業革命以来,生活を豊にする目的で多くのエネルギーを消費して来ました。その結果,地球の温度を引き上げ,気象の変化をもたらすことになってしまったのです。人類が豊かな生活を求め,便利な世の中,楽な暮らし…を望むいじょう,エネルギー消費量は確実に増えます。
昨日のNEWSで,渋谷に「○NIQLO」という安売りの衣料販売店がOpenしたそうです。価格が安く品揃えも豊富で多くのお客さんが,たくさんの品物を購入していました。また,ある有名ブランドBag販売店では年に一度の大廉売!というキャッチフレーズでお客を集め,お客さんはまるで戦場のような騒ぎで品物を買いあさっていました。インタビューに答え「安いんでともかく買っておきます…」という返事。…安いからといって買い求めた品物…それらの商品は有効に利用され,活用されるのでしょうか?
次々と新しいモデルが作られ,広告宣伝がされ,購買意欲をくすぐり,消費を促しています。それらに附いて行かないと流行に乗り遅れ,話題にも参加できなくり,世の中から取り残される…という気持ちも分かります。
…でも,ホントにこのままで良いのでしょうか?。消費材が増えれば増えるほど,確実にエネルギーや資源が使われて行きます。生活の必需品として必要な,最低のエネルギーや資源の消費は理解できますが,ろくに使わない製品や,ちょっと目新しい製品をどんどん買い換えることが,はたして「是」なのでしょうか?
むかし,生意気に「科学技術の進歩は本当に人類や地球上の生物にとって有益か?」ということを考えたことがあります。便利なことや,欲望を満たすために科学技術が進歩することがホントに良いことなんだろうか?。人間は,いちど便利さや,美味しさを知ってしまうと後戻りができません。かく言う私も,その科学の進歩のおかげを受けていますので,自戒しなくてはなりませんが…。
ここら辺で「経済中心の生き方」を見直す必要があるのではないでしょうか?。足ることを知り,「これで満足…」,「これで結構…」という気持ちになって,必要の無いものは買わない,エネルギー消費や資源を無駄使いしない…という生活スタイルを作っていく必要があると思います。
経済第一の社会は「消費」の生活,「物欲」の社会を作り上げてしまいます。多少不便でも,地球環境や他の生物にも優しい,環境保全を目指すライフスタイルが必要な気がします。私だけやっても他の人がやっているから効果は無いよ…というのではなく,ひとりでもいい,少しでもいいから「パソコンの電源は切る」,「紙はできるだけ使わない」,「買い物袋を持参する」,「リサイクル運動に協力する」…などの行動を,起こすべきだと思います。
スキーをもっともっと楽しみたい,雪が昔のように多く降って欲しい…という願望から,今日は少し大げさなテーマになってしまいました。「知足」を知ることで「心の豊さ」を学ばせてもらった【TOK】は,21世紀が「物の世紀」ではなく「心の世紀」になることを期待しているのでした。(^I^)
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11/23
大腿筋の運動
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信州大学医学部付属,加齢適応研究センター・スポーツ医学分野,の能勢教授の実験から…
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海外では米国を中心にここ10年あまり,高齢者を対象とした体力強化プログラムの研究が行われ,多くの報告から,「数ヶ月間,週3日のトレーニングをすれば確実に効果があがる」という報告がなされている,という。
信州大学の能勢教授らはこのことの具体的データを取るため,52才か72才までの男性被験者20人のアドバンスクラスを編成し,トレーニングの実験をした。以下はその報告…。
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グループ
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トレーニング内容
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結果1
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結果2
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@
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ウォーキングだけで,持久力,筋トレをしないグループ
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血圧降下は認められたが持久力,筋力には変化なし
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ウォーキングだけでは筋力アップにならない
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A
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最大酸素摂取量の60%強度の自転車こぎをするグループ
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最大酸素摂取量が大幅増。筋力もアップ。血圧も低下。
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自転車こぎという,大腿筋を使う運動のため特に大腿筋力がアップ
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B
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最大筋力の80%強度で8回・3セット各種トレーニングをするグループ
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最大筋力が大幅増。最大酸素摂取量も増加。
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各部位の筋力が大幅アップ。大腿筋もアップ。
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これらの結果から,能勢教授は「筋力がアップすれば,運動量も増やせる。高齢者でも,大腿筋を鍛えて良く歩けば循環系も向上する」と語っている。
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「持久力」は車に例えればエンジンの排気量,「筋力」は足回りに相当するという。いくらエンジンの調子が良くても,足回りがついて来ないとイイ走りは期待できない。この両方がうまくマッチすることで性能を最大に引き出せる。
スキーの運動を考えてみると,最も疲れるのは大腿筋…。ということは,スキーでは大腿筋を良く使うということ…。つまり,スキーではかなりの頻度で大腿筋に刺激が行われているので,少なくと上記グループAのトレーニングに相当する運動が行われているとみてイイ。人間としての足回りを鍛えるにはスキーが向いている。
大腿筋が強化されると「つまづき」の現象が無くなるという。「つまづき」とは,高齢者になって足が上がらなくなり,ものにつまづいて転倒し,大怪我を誘引する現象のこと。
モチロン,寒い環境の中でいきなりスキーをして,大腿部に刺激を与えることは避けるべきだが,宿からスキー場まで歩くことで筋肉を弛緩させ,スキーをしながら「大腿部」の伸展・屈曲を繰り返すことで,老化現象を避けられるのは確かなことのようです。(^I^)
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11/16
内向,外スキー主導
のターン
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今年も冬が近づき,SAJ教育本部のシーズン前研修のプログラムが発表されました。
そのなかのひとつ「実技研修テーマ」によりますと,「指導展開図」の中に,新しい項目として「内スキー主導のターン」なるものが書き加えられました。カービングターンを,基本技術→基礎技術→応用技術,という図式で追って行った技術上の,最も発展した技術,としてこれが位置付けられています。
ここには「内傾」や「内向」,「内スキー主導」という言葉が多く出てきます。実際の研修会での説明を待たないとはっきりしたことは言えませんが,この内容や,日本スキー教程「指導理論」を見て思うのは,「極端なカービングスキー」をモデルとして考えているように感じることです。
エクストリームの様なサイドカーブがきついものについては,エッジを立て斜め内側に抵抗を求めていけば,確かにスキーはタワミはじめ,カービングターンが誘導されます。しかし,これは極端なカービングスキーについてのみ当てはまる理論です。一般スキーヤーが使っている程度のカービングでは,内向することの優位性は無いと思われます。内向し,内倒してもトップ部分で受け止められる面積が少なく,ターンに必用かつ充分な雪面抵抗が得られないため,スキーのトップが受ける浮力がターンを起こすのには力が少ないからです。理論的には考えられますが,一般スキーヤーが使っているスキーを考慮すると,極端な理論といわざるを得ません。それよりも,先ず横方向から雪の抵抗を受けてスキーをたわませ,たわんだスキーの角付けを有効に利用することでカービングターンを行う方が合理的だと思います。
それと,内向・内傾がカービングターンの特質だとしても,どうしてそれが「内スキー主導」の理論となるか理解できません。両スキーが同心円運動をしていると仮定すれば,左右均等荷重もしくは内スキー荷重になると,内スキーの方が進む距離が少なくなり,必然的にスキーの向きが違ってきてクランマーターンのように,シェーレン状になってしまいます。これは内スキー主導を意識することの弊害であって,優位性とは言えません。また,円運動をしている人間がバランスを維持するには,身体が外に振り出される力が働くため,内側に意識を持つより,外側に意識を働かせた方が有利です。またカービングターンでは相当の「G」がターン外側に向かって掛かりますが,足首の構造を考えると,内足より外足の方がこれに耐えられる,という構造的特徴を持っています。これらのことを考えると,いくらチャレンジといっても,内スキーでのターンを一般レッスンで啓蒙する気にはなれません。特定の能力を養うためのトレーニングとしてならいざしらず,これがメインテーマになる様ではSAJもお終いです。
カービングターン,という特質を,その極端な面だけを捉えてスキー理論を展開してしまうと,一般スキーとはかけ離れたものになってしまい,「曲進系」の時のような混乱を起こすことになりかねません。
元々,「カービングターンとは,スキーをしっかりたわませ,エッジを立てて行くことによって,サイドカーブを深くしたと同じターン原理を使い,雪面をえぐるようにシャープな円弧を描く滑り方」なのです。ですから特別カービングスキーを使わなくてもカービングターンはできる技術なのです。それを特別なカービングスキーを使わなければ滑れない技術にしてしまうことは大変な誤りだと言わざるを得ません
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11/17
シュノーケリング
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シュノーケリングで楽しみました。…ここでもスキーの感覚に似たフィーリングが…(^I^)
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水を掴む…ということを聞いたことがあります。その時はその真意が良く理解できませんでした。
先週シュノーケルを楽しむ機会があり,3日連続で魚と戯れて来ました。そこで他人の泳ぐ姿を見て,このことの意味が少し分かるような気がしました。シューノーケルでは足に「フィン」なるものを装着します。魚などの「ひれ」.のことを言うのですが,通常の足の大きさの三倍近くの大きさになります。馴れないうちはどうしてもバタバタとこのフィンを動かしたくなりますが,水の抵抗が大きく足が疲れてしまいます。そのうちゆっくりユラユラと動かすコツを覚えるのですが最初はそうはいきません。
ユラユラと動かし水の抵抗と一体となったとき,最も効率良く水の力を得ていることに気付くのです。このことが「水を掴む」ということなのだと,自ら南の海で体験しました。(^I^)
考えてみると,フィンだけでなく手の動かし方も,イイ感じで水を掴んでいる時とそうでない時があることに気付きました。速く動かしたからといって必ずしも効率良く水の抵抗を捕らえているとは限らない,ということなのです。一番速く泳げるときが最も効率が良いかどうか?という議論は置いておいて,最も気持ち良くスイスゥーイと身体が進んでいるのは,手足の動かし方と大きな関係があり,決して速く動かした時ではない,という気がしました。水と身体の一体感というか,マッチングがうまくいった時だったのです。
「スキー」も同じことがいえます。「雪と身体の一体感」です。雪の抵抗を無視した体の動きは決して気持ち良いスキーイングになりません。バタバタと手足を動かすことが決して良いことではないのです。雪の抵抗と,自分が働きかけたり,斜面を移動することで得られる「相互の圧」が,気持ち良く感じられた時,そのスキーヤーは「雪を掴んでいる」…ということなのです。水の抵抗をうまく掴んで泳ぐことと,雪の抵抗をうまく掴むこと…,この両者にも大きなフィーリングの一致がありました。(^I^)
それにしても,南海の魚…美しかったなぁー! 大きいのは大きいなりにユッタリと,小さい魚はチョコチョコと…。エサのパンくずと間違えられて,何度かチョットだけ痛いKissを受けましたが,たのしいシューケリングでした。(^I^)
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11/16
ウインドサーフィン
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南の島で休暇を過ごさせていただきました。(^I^)
そして,ウインドサーフィン,なるものに挑戦して来ました。そこで感じた事…
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ウインドサーフィンは風の力を利用して楽しむ海のスポーツです。微妙なバランスをボードの上で取りながら,帆に風を受け右に行ったり左に行ったり…。そこでレッスンを受けたのですが,スキー操作と似ている点がイロイロあるなぁーと,感じました。
ひとつは右から左,左から右…と進行方向を変える時,風の抵抗を受けない「ニュートラル」ポジションがある,ということ。帆のどちら側に風を受けるのか?右に受けるのか左に受けるのか?がボードの進む方向を決めるのですが,一方からだけの風を受けていたのでは,ある方向にしか進めません。その為,ある距離進んだ所で,風を受ける面を変えるのですが,そのときどちらからも受けることの無いポイントを必ず経由します。これを「ニュートラル」と呼ぶのだそうです。この感覚は,スキーのターン切り換えの時のニュートラルと非常に似ています。スキーの大回りでも小回りでも,どちらへもターンをしない部分を感じれるかどうか?が大事ですが,ウインドサーフィンでもこの意識を持てるかどうかがポイントだと感じました。
ふたつ目は,「風」という抵抗を受ける,ということ…。風の抵抗を受け止めることができなければ,ウインドサーフィンは帆も膨らまず,ただ海に漂う漂流物と化してしまいます。この風をしっかり掴み切ることがボードのスピードを生み,爽快感を感じさせてくれます。スキーでも雪の抵抗をしっかり掴むことが大事。これも両者に共通した類似点です。
そして今回特に強く感じ,スキー操作につながると思ったこと!それは「掴んだ風をどう逃がしてやるか?」ということでした。風を掴んで帆の中に入れておいたのでは減速につながってしまいます。一度掴んで帆が膨らんだら,新しい風を取りこまなくてはいけません。帆の表面を風がうまく流れて行くような感覚がウインドサーフィンでは必要でした。スキーでも,実はこれに似た感覚が大事なのです。雪の抵抗を受けてスキーがたわみ,エネルギーが貯まっただけではダメで,エネルギーを与えてくれた雪をテール方向に滑らかに送り出す必要があるのです。新しいエネルギーを受け続ける為に,ウインドサーフィンでは帆に沿って風を流し出すこと,スキーでは滑走面に沿って雪をテール側に滑らせること…。そこに留まらないこと,常に移動し続けること…も両者に共通の感覚だと思った【TOK】でした。
風と雪,の違いはあっても,抵抗をうまく利用して楽しむスポーツ…。そこには大きな類似点があったのでした。
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11/6
40年前の
バッジテスト
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「アサヒグラフ1959年版」で面白い記事を見つけました。バッジテストに関する記事です。
文中から引用…
『「自慢無用」と大きな張り紙をしているスキー・ロッジがある。ちょっと調子が出てくると,おのれの腕前,いや足さばきを鼻にかけたくなるというのが人情というもの。そうしたスキーヤーの足さばきを評定してくれるのが,一般スキー技術検定だ。合格すると全日本スキー連盟のバッジをもらえるので。バッジ・テストともいう。』
『2級合格…直斜滑降,ボーゲン,横滑り,」クリスチャニアの4種目に合格したもの。東京に住んでいて年に数回滑りに行く程度の人が,平均3〜5年目くらいで合格するのがこのクラス』
『1級合格者…クリスチャニア,シュテムボーゲン,直斜滑降,平地滑走,横滑り,ステップターン,スケーティングの7種目のテストに合格しなければならない。直斜滑降のうちにはわざとデコボコの雪の上を滑らせるテストもある。直滑降では時速60キロ程度出せないと不合格。1級合格者は,ゲレンデで滑っていてもちょっと人目をひく』
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1級種目の内,何種目が分かりますか? ちなみにクリスチャニア,とは今で言う「大回りターン」のこと…。時速60キロ以上のスピードが出せないと1級をもらえない,というのも面白い。
1959年にはもうバッジテスト,という名前で検定が行われていた様ですから,結構歴史も古いんですね…。
確かに,他人の自慢話でへきえきすることもあったでしょうから,このシステム,その自慢話を止めさせる効果はあったかもしれません。1959年3月末までの1級合格者が,5500人という記述もあり,この頃から結構受験する人はいたんですネェー…。
1959年と言うと,八方尾根にケーブルが掛かった翌年のこと。それまでは兎平,黒菱は山岳エリアで,名木山と咲花にリフトがあっただけの頃のお話し…。
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11/3
雪道のドライブ
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間もなく雪が来てスキーシーズン開幕です。そこで大事になるのがスキー場までの交通手段。今はほとんどの人が車を利用しています。そこで今回は「雪道のドライブ」について…。
雪道で,最も大事なことは言うまでもなく「急ブレーキ」「急発進」を避ける事です。急ブレーキは気をつける人が多いのですが,以外と急発進をする人が目立ちます。タイヤはスリップして空転し,雪を溶かして冷え,「氷状態」になることを忘れてはいけません。AT車なら2速のホールド,MT車は2速でのスタートがベストです。滑りやすいアイスバーンでは3速も使う必要があります。いずれの場合もアクセルはジワァーと踏み込み,雪をつかみやすい様にすることです。
カーブでは絶対にその前に減速を済ませておく事です。カーブに入ってブレーキを踏もうものなら,後輪が間違いなく外側に降り回されてしまいます。四駆では良くチェーンを前にかけますが,これもチョット考えものです。…というのは前輪のブレーキが効き過ぎて,ほんのわずか斜めになった状態でのブレーキでも,前輪を軸として車体がスピンしてしまう事があるからです。チェーンをつけていなくても,普通は前輪のブレーキが効くようになっていますから,四駆だからといって気を抜いてはイケマセン。
また多くの車がブレーキをかける交差点付近では,路面の雪が磨かれ氷状態になっていますから,前過ぎるほど前からブレーキをゆっくりかけることが大事です。
日が当たっている道路も,日陰ではアイスバーンになっていることが多く,注意が肝心です。トンネルや夜のドライブはどこにアイスバーンが有るか分からないので「〜かもしれない運転」を心がけることです。
また雪国ではできるだけ早めにライトをつけましょう。自分が運転しにくい,というより,他の車の注意を喚起する意味で大事なことです。雪が降っている時や,夕方は特に気をつけたいものです。
また駐車場で長時間駐車する時は「サイドブレーキ」を引いて置かないこと。凍結して動かなくなることがあります。
自動車保険には絶対に入りましょう!。普段のドライブの3倍から4倍,事故率が増えるという意識で運転することが大事です。
楽しいはずのスキー旅行が悲惨な旅にならない様,お互い気をつけたいものです。
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万一のため,白馬方面で事故に合った時の救援先をUPしておきましょう。
短縮電話 #8139 JAF山梨 055-241-0111
JAF長野 026-223-1100 JAF松本 0263-47-7100
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11/2
あるバーで…
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たまたまスキースクールの教師が4人,たまたま私の経営するビアバーに集まりました。W.Nさん,H.Mさん,そして宮下○樹さんと【TOK】の4人です。
宮下君はこの4日からヨーロッパ合宿が始まるので,その前の休養を兼ね実家に来ているのでした。彼も忙しい身なので,なかなか落ち着いて話しをする機会がありません。昨日は酒を飲みながら会話を交わす良い機会でした。
話しはこの春の技術選,「ジャンプ台決選」のときの話しになり,この時活躍した宮下選手のナマの話しが聞けました。
彼はデビューした頃,小回りが少し苦手…という評を受けていました。まだ演技の要点を飲みこんでいなかったのかもしれません。でも,昨年のジャンプ台決選での小回りは素晴らしいものでした。あとでビデオを見てもそのうまさがよく分かります。ただ単に素早くスキーの方向を変え,タンタンタン…と滑り降りるのでは無く,1個1個丸い円弧を描くような小回りでした。
宮下君を除く3人の感想も,その評価は一致して「アレは良かった!」というものでした。そして,柏○選手との比較になったのですが,彼の早い切り替えに対する評価はあるものの,「基礎スキー技術選」という視点ではいかがなものだろう?という話しになりました。ひとりは「円弧は描いていないけれども,早い振りで的確に雪面を捕らえ,スピードも彼なりのコントロールした滑りで,どちらかと言うとレースの小回りだが良いと思う…」という意見。そして別のひとりは「体操のウルトラ技…という見方をすればそれなりの評価はできるが,技術選はサーカスじゃないんだから,技術の優劣をつける大会ではあんまりイイ滑りとは思えない…」というものでした。
そして宮下君当人曰く,「イチバン気をつけたのは,ターン後半に丸く円弧を描きながら,切れと走りを表現すること…。ジャンプ台は急斜面ですから,落ちるのは楽…あとは雪の圧をしっかり受けとめ,スキーの性能を生かして滑ろうと意識しました…。身体の重さとスキーの性能が合っていたと思います。柏○選手はどういう板を使ったか分かりませんが,多分自分で演技しようとした滑りを的確に表現できる板を使ったと思います。同じメーカーの板を使った伊東選手とは違った演技をしましたから…」
「スキー板にはそれぞれパワーがあって,そのパワーをどう生かしきるか?ということが大事だよね!。大きなパワーがあればあるほど雪面からの抵抗を効率良く吸収できるし…。だから,大きなパワーのある板を使いこなせるようなテクニックを身につける必要があるし,その為のトレーニングが大事になる…」…というような話しの展開になったのでした。(^I^)
そう言えば,伊東秀○選手の滑りは宮下君の滑りと似たところがあり,スキーがたわんで,その性能を生かし切っている…という印象を受けていた【TOK】でした。
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00/11/01
アサヒグラフ
1961年
11月臨時増刊号 より
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屋根裏で見つけた,約40年前の,言わば写真集です。
表題が「スキーのすべて」となっており,中を開くとビックリもの!。むかし懐かしいと言うより,見たことのないスキー板やビンディングがズラリ!
で,今日はその中から「スキー用具の値段」をご紹介しましょう。
国産でそろえると,スキー用具一式が,¥13.940−。世界のトップブランドでそろえると,ナント,¥204.600−!。今から40年前,宿泊代が約500円の時代での値段ですから,相当なもの!。物価がいま約10倍として国産が14万,輸入物だと200万円という金額に!
国産はスキーが「イタヤ合板」で4,800円,ストックがモチロン「竹製」で500円,手袋が「ミトン」で380円…。
外国産はスキーが「合成樹脂(グラスファイバー)」で68,000円,ストックが「スチール製」で11,000円,手袋が「革製」で3,000円…。
当時からグラスファイバー製の板があり,ストックがスチール,というのにも驚きます…。
ビンディングはカンダーハー,という方式のものが主流で,スキーブーツを革ヒモでグルグル巻きに固定する「ラングリーメン」は一万円という価格。
「輸入品は数が少ないので,だいたい年内には売り切れる見込み…」と結んでいる。
スキー,はまだ庶民のものでなかったンですねぇー!(^I^)
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