「スキーQ&A」

File No. : 04_0003

キャスターの基本姿勢はパワーポジション?

Question :

 
“r.i”さん

  Date : 06/03/04

  『 …基本の姿勢というのは、やはり最近言われているパワーポジション(胸を開いて背筋を伸ばす)というものでよいのでしょうか?このパワーポジションをとると体の背面の強い筋肉郡を使うことができ、疲れない滑りができるらしいのです。キャスターターンでも大臀筋やハムストリング、背筋といった筋肉で滑ることで疲れないのでしょうか?お忙しいと思いますが、暇な時にでもどうかよろしくアドバイスお願いします。…』

       回答 【TOK】                                                          「スキーQ&A」 Topへ

    筋肉のことに付いては私も勉強はしていますが,専門家ではありません…。(=_=;) 久しぶりに“Dr.K”さんのご登場を願わないといけないのですが…“Dr.K”さんよろしくお願い致します。(^ー^)
  さて,私なりの意見を述べさせていただくと…「パワーポジション」の意味があんまりハッキリ解らないのですが,グッキーの“バナナシェープ”と関係がありそうなので,その立場からお話をさせていただきます。「胸を開いて…」の胸を開くのはバランスを取る意味で大事なことです。サーカスの綱渡りの芸人が,長い竿を持っているのと同じで,両手を小さく狭くするよりは広げた方が安定するのです。で,次の「背筋を伸ばす…」ということですが,私は伸ばす…というよりは少し丸めに,弓なり状にする方がいい様に思います。その理由は下から受ける力が,脊椎の関節ひとつひとつから効果的に逃げてくれるように思うからです。雪面から受けるショックを吸収してくれるのは足首関節,ひざ関節,腰関節,そして脊椎の関節…という順序ですが,この脊椎の関節…直線に並んでいては,つまり背筋が伸びている状態では,あんまり効果的に働かないように思います。
 「キャスターターンでも大臀筋やハムストリング、背筋といった筋肉で滑ることで疲れない…」ということですが,キャスター・ターンでは,筋肉の使い方や関節の使い方には,そんなに意識を働かせません。それよりも足裏の感覚やイメージに集中するのです。そしてその結果得られる抵抗の大きさや方向,それと受ける場所によって,自然にその人なりの姿勢ができるのを待つ…というのが本当のところです。その時の抵抗の違いによって,あるときは大腿筋が使われるし,またあるときはハムストリングが使われる…ということで,いつでもその筋肉が使われる,ということではありません。疲れない理由はどの筋肉を使い,どれを使わない…ということよりも,自分から圧を雪に加える【Do】的なスキーイングをするか?,それとも雪のエネルギーを効率よく使った【Let】的なスキーイングをするか?ということによります。私流の言い回しで言えば,力を加える筋肉“緊張筋”ではなく,感じる筋肉“センサー筋”を使う…という言い方もできます。

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Revised: 2004/08/05 .