『 スキー 』ってスポーツ? それとも体育?    (07/09/01)


  「スキー」という,雪の斜面を上から下に滑り降りる競技があります。オリンピックなどでもご覧になれるダウンヒル(滑降)競技やスラローム(回転)競技等です。この競技は,スタートからゴールまで規制された同じコースを滑り降り,そのタイムを競うもので,1秒でも早ければ勝ちです。他人とのタームレースですからこれは紛れもく「勝ち負けを競うスポーツ」ということができます。

  一般に「スポーツ」というと「勝負にこだわるもの」という意識が強いようです。たしかに,学者の中には「勝ち負けがハッキリしないものはスポーツと呼ぶべきではない。勝って歓喜の涙が,そして負けて悔し涙が…というのがスポーツだ!」とおっしゃる方も居られます。そして「勝負抜きの運動は”体育”と言うべきだ…」という理屈もあります。「スポーツ」とは「競技志向型運動」であり,「体育」とは「健康指向型運動」である…と言うわけです。

  しかしスポーツの語源といわれるラテン語の”deportare”から推測すると,これは動詞形で「移動する」というのがその意味らしいです。そしてそれが転じて「心を重い状態から軽い気持ちに変える」→「気晴らしする」→「遊ぶ」…という風になったと考えられています。すると「スポーツ」=「遊ぶ」という図式も成り立つわけで,なにも勝負にこだわらなくてもいいのではないか?という気持ちもします。

  実は,「スキー」を一度経験した方なら気が付いているかと思うのですが,タイムを競わなくてもスキーは充分楽しい!のです。心の閉塞感を取り除いてくれる魔法の薬のようなモノのです。大自然の中で身体を動かすということも関連しているでしょうが,まさに心を重い状態から軽い気持ちに変えてくれるという,スポーツの語源にピッタリの運動行動と言うことができます。心が癒され,また明日から張り切って頑張ろう!…というエネルギーが沸いてくるのです。

  私は過去約30年,白馬の八方尾根でスキースクール教師としてスキー指導に携わってきました。そしてこの間,多くの素晴らしい方との出逢いがあり,それらの方々から多くの啓示をいただき,いろいろな事を学ばせていただきました。「スキー」というスポーツが他のスポーツと違う大きな魅力を持っていることも実感しました。スポーツだろうが,体育だろうが,その呼ばれ方はどうでも「スキー」は人の心を癒してくれ,明日もまた元気に働こう!という気力をみなぎらせてくれることを身を持って体験しました。

 ”スキー”はスポーツだろうが体育だろうが,その言葉に関係なく,心を開放し楽しくしてくれるモノです。(^I^)
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  今大人気の「小泉首相」もスキーがお好きだとか…。激務で大変ですが,冬になったら白銀の中で思いっきりスキーを楽しんでいただいて,さらなるエネルギーを充電していただきたいものです。(^I^)