実は私、宮崎友見子は2月29日3月1日に行われたプライズ検定に挑戦してみました。
モチロン自分の所属する八方尾根スキースクールでの検定です。
ナゼいまさら? と思う方のほうが多いと思います。選手を引退して5シーズン緊張感から開放されレッスンに明け暮れ、楽しいスキーライフを続けてきました。この八方にいて本当に良かったと、スキー教師を続けていて多くの人に出会えて、本当に良かったという毎日が続いていました。
ではなぜ? それは今年検定が大幅に改正されたことと、そして私自身が検定員としての最高峰A級検定員を受験する事になった事が、大きな理由です。指導員としてのノウハウは勿論、滑って見せて評価できる事が要求される。なんてすごいんだろう!実践種目講習テストは、前走者を使う事も出来ますがそれでは、本当の自分の考えや要素が伝わらないような気がする。いつまでも一緒に滑っていたい。ただ漠然と練習するといっても、なかなか腰が重くて。昔デモだったことが、かえって自分にプレッシャーをかける。滑れて当然、カービングできて当然、そんなことないのに。誰だって練習しなきゃ出来るようにはならないのだから。と、まぁ色々な事が私の頭の中を駆け巡ったのが、今年最初のテク・クラ検定を見た時でした。それからすぐそうだ!! 私も受けてみればいいんだ、と単純に思い立ったのです。
初日の実践種目講習テストでは、担当してくれた森下検定員には、大変なプレッシャーになったと思いますが、私はといえば人から課題を出される事がこんなにも新鮮なものなのかと、真剣に・夢中になって全力で滑っていました。午後のコブ斜面などは、とにかく下まで止まらずに行くぞ!!それで精一杯。一緒の班にモーグル君がいて羨ましくて仕方ありませんでした。でもいまは、引き下がってはいられない。とにかく頑張るそれしかありませんでした。2日目の規定種目では、1種目めの前にあんなに緊張するとは思っていなくて、久し振りに心臓がのどから出るほどバクバクしていました。昨日言われた、左ターンの内倒とローテーションに気をつけて、と意識があったのは旗が振られる前まででした。自分で雲の上を滑った感じしか残っていなくて、思った点数が出なくても仕方ないと次で頑張ろうとちょっとショックでした。76点現実です。
次は今年ちょっとひらめきつつある小回り。出て、スキーが足についているのが感じられた時は、ホッとしました。これは大丈夫。79点。欲を言えば80点以上ほしかった、自分で納得の行く滑りが出来ました。同じ小回りでもウェーブの中では、作戦失敗。最後のクニックを越えてからみんなリズムが伸びてしまうので、私は逆に早くしてみようと試みたのですが、76点。最後の総合滑降では、1種目めの挽回としっかり乗っていく事だけを考えて滑ってみました。77点。昨日の評価が81点として頂いていたので、合計14点オーバーで合格できました。私のチャレンジは、終わりました。
今回担当してくださった検定員の皆さん、それから全く気づくことなく2日間一緒に滑ってくれた受験者の皆さん本当に有難うございました。あの緊張感と、胸の高まりを忘れることなく、これからもレッスンに・スキーに夢中になりたいと思います。私の滑りへの批評はこのホームページの主【TOK】こと、佐々木徳雄さんが、今日の検定員だったので、ご意見をいただきたいと思います。私のわがままな思いつきに、休みを下さったスキースクールに、そして近くを通っても気づかずにいてくれた指導員の皆さん、気を使って小声で応援してくれた皆さん、本当に有難うございました。これからも宜しくお願いします。
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【TOK】です。
元SAJデモンストレーター 宮崎友見子 のテクニカル規定種目を検定しました。
これからテク・クラに挑戦するスキーヤーの参考になればと思い、遠慮なく感想を述べさせてもらいます。
まず宮崎さんがテクニカルに挑戦しようという意欲は、一スキーヤー、一スキー指導員として自分の技術を維持し、さらには今まで気付かなかった新しい滑走フィーリングを会得したいという、彼女の本音とともに、われわれスキー教師が心掛けるべき手本でもあると思います。
彼女を特別扱いするのではなく、一人の受験生として厳粛にその滑りを見させて頂きました。
初日の実践講習テストでは、森下検定員の与えた課題を一つずつこなしていた様に見えました。その課題、課題ごとに求められる要素を忠実に表現できた、ということは習熟度、到達度、といった観点からかなり高い評価を受けて当然だと思います。結果は81点、クラウン合格のレベルを表現できたという事です。
二日目の規定種目テスト。
大回りはやや縦長で中回り気味に滑ってきました。やや円弧が小さいものの適度な角付けで雪とのコンタクトも良く、スキーが走っています。切り換えのタイミングもイイ。でもパラレル大回りとしては円弧が小さ過ぎて中回り的になってしまった。…という訳で評価は76点。
次の整地小回りはやはり元デモだけあって切り換えのタイミング、体のポジション、適度な角付け、抵抗の捕らえ方がうまい!だが、欲を言えばもう少しスキーの回しこみが欲しい。クラウンまではイマイチと評価させてもらいました。79点。
不整地小回り。これはチョット残念。うねりの後の急斜面で早いリズムでの切り換えを意識するあまり、俗に言う粘りの無い『テラテラターン』気味になってしまった。体がスキーに良く付いて行っているので、これでも雪面の捕らえはあるが、本来の彼女の滑りではない。76点。
最後の総合滑降。実はこれはホント期待していた!絶対に83、4点の滑りはするだろうと…。しかし、結果は残念…。もう少し雪面からの圧の貯めと、次のターン方向への解放がダイナミックに表現できるはずなのに…。雪が少し緩み気味なのでエッジングを少なくして食い込みを調整したのだろうか?それともダイナミックさではなく演技の正確さを見せようとしたのだろうか?…検定員3人の評価は77点。
総合計389ポイント。合格ライン375ポイントを14ポイントオーバーしての合格でした。
宮崎友見子、という元SAJデモンストレーターで百戦錬磨のスキーヤーでも、緊張し、自分の滑りを100%どころか70%くらいしか表現できなかったプライズテスト…。
なにかスキーヤーを捕らえて離さないモノがあるのでしょう……。 【TOK】
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プライズテスト初日の「実践種目講習テスト」を担当された森下検定員から、次のような寄稿がありました。
テクニカルプライズテスト 担当記
八方尾根スキースクール 森下
宮崎さんが今回テクニカルを受験したいのは知っていました。
前回のときにそんな話をしていたし、A級検定員検定でも一緒でしたので・・・。でもまさか僕の班になろうとは・・・・。
宮崎さんといえば、僕がスキースクールで助教師として働き始めた11年前、現役バリバリのデモンストレーターなんです!
その宮崎さんが僕の生徒!!こんなことは考えてもいませんでした。
レッスンが始まる前は、何か力が入らなくって・・・普段のレッスンや、試合の時とはまた違ったプレッシャーでした。
レッスンが始まってもはじめは何か声が上ずってしまって・・・元デモンストレーターに何を言えば良いのか?というのが本音でした。しかし何も言わないと、検定にならないし・・・と思いながら1本目に大回りを滑ったのですが、なんと元デモに欠点が・・・。左ターン(右谷足)のときにローテーション・・・そこで、内心恐る恐るアドバイスしました。「左ターンで腰が回っています!。抵抗の来る方向をしっかり意識して・・・」。午前中はこんな感じで整地を中心にいろいろな課題を与えて滑りました。
午後はセントラルコース不整地中心の講習テストにしました。不整地小回りを、あえて長い距離で滑ってみました。(宮崎さんからは長すぎる・・・のつぶやきもでて・・・ 私は実力を見させて頂くイイ機会だと・・・)。でも結果は、不整地をあれだけコントロールして正確にすべるのはさすがだと思いました。同じ班で検定を受けられたモーグルの選手とは対照的で、また今年の技術選に出場が決まっている選手も居たりして、とても面白く興味深い検定ができました。
1日の講習テストを振り返ってみると、やはり宮崎さんの、与えられた種目に対する表現力と、演技力、正確さは、さすがに元デモンストレータでした。もちろん、検定評価は知人だとか元デモだとかを抜きにして厳正につけさせて頂きました。
僕自身も、元デモンストレーターにレッスンするという、貴重な体験ができ、終わってみればまた自分にとってすごくいい経験になったとおもいます。(でも1回で良いかな〜)
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