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 swimmingその後         acchi  11月13日(火)  09時12分
  トレーニングのやり方には、いろいろ方法があるという事なのでこないだは、1000メートルを休みを入れずに一定のペースで(ゆっくり)泳いでみました。
  ところが不思議な事にTOTALの所要時間はちょうど同じ、なのに体の疲労度は・・力強く⇔休憩の時では、全身がだる〜くなったのに対し一定のペースでは、呼吸の乱れもほとんど無く、逆に身体が軽くなったような感じだったのです。 これはどうしてなのでしょうか?
  それから、スキーに適したストレッチングの良い方法(どこの部位をどのように行なうのが良いか)がありましたら紹介していただけないでしょうか?年々身体が硬くなってきてるようなので、ここらでしっかり可動範囲を広げていかないとケガの元になりそうなので・・。

 
Dr.K

2001/11/16

   《acchi さんの質問1》
>トレーニングの方法を変えて、1000メートルを休みを入れずにゆっくりしたペースで泳いでみたら、所要時間はちょうど同じなのに体の疲労度は・・力強く⇔休憩の時では、全身がだる〜くなったのに対し、一定のペースでは、呼吸の乱れもほとんど無く、逆に身体が軽くなったような感じだったのです。>これはどうしてなのでしょうか?

  少し理屈っぽくなると思いますので、その点ご了承下さい。
  結論から申し上げますと、『泳ぐ事に於いて今回のように、力まず、ゆっくりした動きを連続した場合と、前回までの力強くを意識して動きを連続した場合とでは「運動の質」に違いがあります。今回の場合は“乳酸”という疲労物質が、筋や血中に蓄積されなかった、もしくは蓄積されにくいように運動された結果である。』と言えるのではないでしょうか。

  ジョギングや水泳にしても、その他の運動にしても、運動を続けていると、身体がだるくなるとか、筋肉が疲れる、動きが鈍くなる事が必ずあります。それは運動を続ける事によって、筋肉中に疲労物質が貯まる事が原因です。その疲労物質の代表が、“乳酸”です。
  例えばスキーでも、ほとんど休みを取らずにギンギンに滑っていると、脚部の筋が張ってきて、思ったような運動が出来なくなるとか、動きにくくなる事がありますよね。そして翌日は筋肉痛・・という経験があると思います。これらの原因は、体内に貯まった乳酸による場合が多いと考えられますね。
  この乳酸は、ある程度以上の強い負荷を与えながら、無酸素運動的に動きを連続したような場合の方が、軽い負荷で有酸素運動的に動きを連続した場合より、体内に蓄積されやすいのです。(また、運動のエネルギーである酸素の摂取の能力が高いか低いかによっても、運動中の乳酸処理能力が、高いか低いかが関係してきます。つまり、酸素摂取能力が大=乳酸が貯まり難い=持久能力が高い)

  “力強く”を意識した場合は、“力み”によって余分な力が入って、運動効率が良くなかったのかも知れません。その分疲れやすかったのか?とも思いますが(失礼な表現であればお許し下さい。)、今回については、泳いでいる間は“リラックス”と酸素を十分に取り込むために“呼吸”を意識されたのでは・・と想像します。
  また、力強く泳いだ場合と、ゆっくり泳ぐ場合とを比較すると、ワンストロークで進む距離は後者の方が長く取れると思います。そして、ストロークの合間ごとにインターバルが入りますね。この状態はリラックスをしているので、泳ぎながら(進みながら)休憩している状態と同じだと言っても良いでしょう。
  という事で、体内に“乳酸”が貯まりにくいように運動された結果ではないか・・と思います。
  それに、ある意味 acchi さんにとって、ゆっくり1000mを連続して泳ぐ事が、トレーニングと言うよりも、ウォーミングアップを行ったのと同じ効果があったのではないでしょうか??このへんの事も「呼吸の乱れもほとんど無く、逆に身体が軽くなったように感た」要因の一つとして考えられるのでは・・と思うのですが。

     -------------☆★☆-----------

《acchi さんの質問2》
>スキーに適したストレッチングの良い方法(どこの部位をどのように行なうのが良いか)がありましたら紹介していただけないでしょうか? 年々身体が硬くなってきてるようなので、ここらでしっかり可動範囲を広げていかないとケガの元になりそうなので・・。

  ストレッチも含め準備運動は、主運動が円滑に行えるようにし、ケガを防止する事が目的です。スキーの場合、バランスを崩しかけても持ちこたえようとしたり、完全にバランスを崩し転倒する場合など、予期せぬ外力が身体にかかる可能性・危険性が大きいですね。
  さらに、夜に車で走って寝不足で、疲れて筋肉が固まったまま・・ゲレンデに直行する事も多いかと思いますので、滑る前には充分に身体をほぐしてあげる事は大変重要です。ストレッチングで筋肉を伸ばす事は重要ですが、昔ながらの“体操”で関節を動かしたり、捻ったりという運動も併せて行えば、身体も温まり、さらに効果的だと思います。
  また、acchi さんがおっしゃるように、年齢と共に身体は固くなってきますから、風呂上がりなど日頃から柔軟運動を取り入れる事も大切ですね。

  下記で、いくつかの方法を紹介しますが、文字だけの説明なのでお解り難い点があると思いますがお許し下さい。
  また、運動やスポーツによって、主に使う筋肉の違いはあるものの“身体を動かす”と言う意味で共通していると思いますので、私は○○のスポーツはここを、○○はここを重点的に・・と言う考え方は特に持っていませんので、目新しい物は無いかと思いますが、あしからずご了承下さい。強いて言うならばスキーの場合、膝・大腿部・股関節・腰周辺の筋や関節の曲げ伸ばし、捻り運動を念入りにやられては如何でしょう。

頸部のストレッチ
1.両手を組んで後頭部に回し、頭が下がるように押す
2.指で顎を押し上げながら、頭を後方に反らす
3.片手で頭の上から反対側の側頭部を押さえて、横に引く

肩関節のストレッチ
1.片腕を前に出し、反対の手で前に出した腕の肘の辺りを押さえ、胸に押しつける
2.片腕を頭の後ろにあげ肘を曲げ、反対側の手で肘を持って内側に引っ張る・・体側1と組み合わせも良い
3.壁に対して横向きに立ち、片手を伸ばし壁を押さえ固定し、身体を外側に捻る(腕全体が背中側に反り、肩の前の筋が伸びる)
4.両腕を後方に伸ばし、壁を押さえ固定し(ストックを利用してもOK)、膝を曲げて腰を落とす

背中・胸のストレッチ
1.両手を組み、背中を少し丸めながら両手を前に伸ばす
2.両手を後ろ手に組み、後方に引っ張りながら胸を張る

体側のストレッチ
1.両手を組んで肩をしっかり伸ばす意識で上に伸びた後、横に曲げる

股関節のストレッチ
1.両足を左右に大きく開いて立ち、上半身をは正対させたまま片方の膝を曲げる(伸ばした足の内股の筋が伸びるよう、スキーの外傾を意識する)
2.両足を前後に大きく開いて立ち、後ろに引いた足の膝は余り曲げず、前方にある足の膝が直角になるまで腰を落とす
3.両足を左右に大きく開き、(相撲の四股を踏んだ後に腰を落とす姿勢をイメージして)膝を曲げて腰を落とす
4.両方の足裏を合わせて座り、両膝を下に押し広げる(前屈を併せて行っても良い)
5.仰向けに寝て片膝を曲げ、両手でその膝を抱え胸に押しつける

腰・臀部・脚部のストレッチ
1.両足を横に開き、上半身を左右に捻る(座位で片足を曲げて反対側にクロスし、曲げた足の方向に捻る方法もあります)
2.左足(右足)を、右足(左足)の前から外側へクロスさせ、右手(左手)で左足の(右足の)つま先をつかむように前屈する
3.両手で壁を押さえながら、片足を後方に引いて膝をしっかり伸ばす
4.伸脚運動を出来るだけ低い体勢で行う・・曲げた足の踵は浮かないよう、伸ばした脚は下につける意識を持ち、つま先をおこす
5.股関節2と同様の動きをしますが、後ろに引いた足の膝もしっかり曲げる(ただし膝をつかない)
6.片方の膝を後ろに曲げて立ち、両手でつま先をつかみ、お尻に押しつける(曲げた膝を後方に引く意識を持つこと)
7.仰向けに寝て、両膝を抱え込む(出来るだけ背中を丸めない)
8.7の状態から両手を離し、手を横に広げ両肩が浮かないように両膝を左右に捻る

  如何でしょう、やり方をお解りいただけたでしょうか?
  ストレッチングを実際行う時は、10秒程度の時間をかけて、ゆっくり息を吐きながら呼吸を止めずに行ってください。自宅で風呂上がりにやっていただいても結構ですし、ウォーミングアップとしてやられる場合は、ブーツや板を身につける前に行われる事をお勧めします。

『追記』
  質問のご返事としてはチョット外れますが、『教師日記(10月4日付)』の中で「怪我の発生率と宿の位置の関係」について、スキーパトロールが取ったデータを基に、それについて【TOK】さんが感想を書かれております。読ませていただいた私自身も「なるほど」と感心しました。
  滑り出す前に、宿(または駐車場)からゲレンデまで5〜10分程度歩く事で身体が温まり、ウォーミングアップをしたのと似たような効果は得られるはずです。滑り終わった帰りは、クーリングダウン的な効果もあり、有効かつ大切な事だなあ・・と感じました。
  参考までに・・。
 

2001/11/16  

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