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071 重心の移動はどうする…?               


ご質問

 toyama710 さん


 
2001年8月01日

一つ質問させてください。 重心移動についてなのですが…
 @大回りでは、次のターン内側、斜面斜め前方方向へ移動させていくイメージで良いので しょうか?
 A小回りでも、重心を斜面下方向へ移動させていくイメージをお持ちでしょうか?
 わたしは、ひねり&戻しのみをイメージしています。 その結果、ブレーキング要素の強い、ズラシズラシのターンになっているように思います。
 重心を斜面下方向へ移動させると、特に急斜面において暴走してしまうような気がするのですが。


答え

2001/8/3


回答担当

【TOK】

 重心移動…についてのご質問ですが,いろいろな方法があります。

 ターンのどの部分での重心移動か?によっても考え方はいろいろあります。
 ここでは「クロスオーバー」と「舵取り期」の二つに別けて考えてみたいと思います。

  「@大回りでは、次のターン内側、斜面斜め前方方向へ移動させていくイメージで良いので しょうか?」…というご質問はクロスオーバーでのことになります。大きく別けてこの方法には二通りあります。
  @-1.重心の軌跡を中心に考え,下半身をその左右に置き換える意識のもの
  @-2.シュプールを中心に考え,腰の位置をその左右に移動させる意識のもの  の二つです。
  クロスオーバーはもともと「腰と足の位置を入れ替える作業」なのですから,どちらでもいいようなものですが,ターンコントロールという視点からすると大きく違ってきます。 『 次のターン内側、斜面斜め前方方向へ移動させていく… 』というのは @-2.にあたります。身体を移動させる意識が必要ですし,スキーの動きもターン後半でスピードが変化しやすくなります。ターンを右左…と1個づつ仕上げてから次のターンに入る…という滑り方になり,比較的スピードコントロールが楽になります。これとは逆に@-1.のやり方は,重心の移動がスムースに行なわれ,上半身の動きが少なく出来ますので,高速系のターンに適しています。俗に言う「ベンディング系の滑り」,になります。ターン後半に蓄積されたエネルギーを右から左,あるいは左から右へと移していく感覚です。このターンの詳細は「スキーQ&A」の「引くターン」関連で解説しておりますので,そちらをお読みください。

  「A小回りでも、重心を斜面下方向へ移動させていくイメージをお持ちでしょうか?」…というご質問ですが,「舵取り期」(ターンを右なら右,左なら左にターンし続ける局面)では,重心(身体)を積極的に斜面下方に落として行きます。自分から雪面に力を加えるなどして,チェック的に雪面抵抗を捕らえることはしないようにしています。それは加える作用(動作)が,瞬間的な急激な動作によってバランスを崩す,という反作用を生んでしまうことが多いからです。もちろん,「初歩の小回り」の段階ではこの練習をすることもありますが…。できるだけ身体を落下させ,スペースをうまく使ってやることで,落下した分の「位置エネルギー」をターンのエネルギーに換える意識を持ちます。ですから,この時は移動する意識はかなりあります。
 暴走しそう…とのことですが,雪面コンタクトがしっかり出来ていない状態で移動を意識すると,暴走してしまいます。角付けの量や,迎え角の方向,スキー左右の圧バランスなど,雪面コンタクトをしっかり意識して行なえば問題はありません。むしろ急斜面ほど位置エネルギーを使いやすいですからやりやすいと言えます。
  「クロスオーバー」の局面では小回りでも基本的には@-1.と同じ要領です。小回りだからといってシュプール中心に重心を移動することはしません。むしろ,小回りだからこそ,重心の軌跡を大切にし,引く感覚でターンをするようにしています。目線を左右上下に動かさない方が,状況判断が有利に出来る…という意味でも大事なことです。
 これも「スキーQ&A」の「引くターン」または「【Letスキー】とは?」で詳しく述べてありますので参考にして下さい。

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Revised: 2004/08/09 .