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069 「内スキー主導のターン」について…                


ご質問

 
MAK


 2001年
6月2日

 谷足切り替えから内足インエッジで捕らえていくことの有効性について。今シーズン最後に八方へ行ったとき、スクールの検定会のようなものをやっていました。その中で目立ったのは、低速でこれを演技しているところでした。自分は基本的には外足から外足の意識で滑っていて、高速では自然とこの要素が現れてくるような考えでいました。最近いろんな本でこの技術の解説なんかを見ますが、今後は低速でも意識していったほうが良いのでしょうか?それと、この運動では内足のたたみ込み方が大事になってくるような気が・・。その点を考えるとやっぱり十分なスピードが必要な気もします。Tok先生はどのようにお考えでしょうか?また、tok先生がおっしゃっている内足主導のターンとはこのことをいっているのでしょうか?

答え

2001/6/5

「内スキー主導」ということを論じる時に注意しなければならないことがあります。それは「ターン前半における内スキーか?」それとも「ターン後半における内スキーか?」ということです。
 MAKさんのご質問では,A→B→Cに至る「ターン前半での内スキー」についておっしゃっているように思います。実際,ゲレンデで良くA→B→Cに至るこの部分の練習をしているのを見かけます。この図では右足を上げ,左足一本で膝を返してクロスオーバーさせる練習で,左スキーの使い方の練習をしているものと思われますが,これも「内スキー主導」です。
 またD→E→Fの局面では次第に内スキーへの荷重配分が行われて雪面コンタクトが強くなって行きます。この部分に意識を働かせて内スキーをコントロールしよう,ということで,これを「内スキー主導」という風に言っている人も居ます。
 私にとっての「内スキー主導」というのはどちらかと言うと後者ですが,実際のターンでは高速であれ低速であれこのどちらも意識していません。理論上は「内スキーの使い方」というのがあってもイイと思っていますが,私の滑走感覚ではMAKさんと同じく「外から外」です。
 今シーズンの技術選でトップになった”宮下征樹”君の話を聞いても,やはり意識は「外から外」だそうです。彼に聞くと「ターンのときは大回りだろうと小回りだろうと,外足荷重しか意識していない」と言い切っています。でも,スキー雑誌などで彼の滑りを解説しているのを読むと,他人の目には「内スキーの使い方がうまい!」という風に賞賛されています。本人には内スキーを使っている意識は全く無いにもかかわらず,です!。コレって一体どういうことなのでしょうか?私もン十年,スキー教師をして来ましたが,両足荷重や内足荷重意識では滑らないようにしています。いつも外足荷重です。極端なことを言うと深雪でさえ!です。
 ただし,「雪面コンタクト圧」は図のように変化する意識をもっています。ですから,ターンの時にいつも完全に外スキーだけで雪面を捕らえているわけではありません。ターン前半と後半には内スキーでも雪面の捕らえはありますが,意識がそこに行っていない,ということです。それは自分の滑走ラインを見てみれば解ります。宮下君も同じ意見です。…で,結果的に「意識の上での交互操作」が「両脚の同調運動」となって現われ,あたかも両スキーに乗っているように見えたり,内スキーをうまく使っているように見えたりするのです。
内足のたたみ込み方も自然に外脚の動きに連動してきます。ですからスピードの遅い早いに気を取られることもありません。
 そうは言っても…一部有名スキーヤーの中には,内スキーを大事にすることの重要性を説く人も居ます。このことで思うのは「感覚はスキーヤーによって,その受け止め方が違う!」ということです。ですからあるスキーの名手が「こうだ!」と言ったら,こう滑り,「ああだ!」と言ったら,ああ滑ってみることをお勧めします。その中で「そうだ,じぶんはこっちだ!」というのがつかめてくると思います。
 でも,宮下君も私も,いつも外足荷重意識で滑っていますし,そう教えています。(^I^)

 

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Revised: 2004/08/09 .