大回りターン関連

16.
ターン切り替えは?
17.
斜めの直滑降って何?
18.
クロスオーバーの仕方は?
22.
パラレルターン大回りは「ターンの基本」?
30.
斜めの直滑降後,ターンの始動期の左右の捕らえ意識は?
67.
大回り後半での圧の開放方向は…?
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16.ターンに入るとき(板を切り替えるとき)わたしは、骨盤の谷側を上げる様に 妻は、山側を上げ腰にためを作らないようにと教わり 今、夫婦で悩んでいます。 二人のレベルが違うので指導方法も違うと思うのですがよろしければ教えていただけませんか。
ご質問者:skrkuniさん 1999年2月16日
14時7分
 その指導員の真意は解りかねますが、私は、次のターンに入るときは次のように指導しています。
1.前のターン後半、しっかり外足に乗り、外向を意識する。
2.次のターンに入ろうとするときは、上体の外向を維持したまま外足の抵抗をゆるめるようにし、斜めの直滑降状態(斜面にスキーをフラットに置いて真っ直ぐ進む感じ)を作り出すようにする。
3.スキーが上体の向き(それまでの外向方向=次のターン方向)に自然に向きはじめるのを待ち、次のターンが始まったらそれに乗り込んで行く。

 始動局面では、前のターンの「外向姿勢(スキーと上体のネジレ状況にある)の戻りの力」を使う事が最も大事な事です。
 多分、その指導員は「スキーを斜めの直滑降に戻す」ためにそういうお話をされたのだと思います。たまたま、お二人の骨盤の使い方が逆だったので、説明もまったく逆になったのだと思います。
 斜めの直滑降さえご自分でおできになれば、あんまり気になさらない方がいいと思います。
 足裏の感覚が良くなれば,それに見合った理想的な身体の運動が自然に出てきます。外見上の腰が上がる、下がるに固執しない方がよろしいと思います。
17.斜めの直滑降ってなんですか?
ご質問者:Tomoさん
1999年2月16
 ターンの切替時のニュートラルの部分を表現した言葉です。
 斜面に垂直に立つようなイメージです。このとき脚が伸び続けていなければ立つことは不可能です。
 意識としては直滑降を斜めの斜面で行っている感じです。ほとんどのスキーヤーはこの時に体を次のターン内側に入れようとし過ぎたり、スキーを外側に押し出そうとしますが、前のターンで「外向」がしっかりできていれば、単純に外向を保ったまま直滑降をする意識で斜面に立ちさえすればいいのです。するとスキーは自然に次のターン方向を向き始めます。自分の力でローテーションしたり、スキーを外側に押しやる必要はありません。ターン後半の外向に相当するほんのわずかな「上体とスキーとの間の捻れ」が次のターンを誘導してくれるのです。
 この時の、
外向を保ちながら斜面にフラットに立つ意識を「斜めの直滑降」と呼んでいます。

18.パラレルターン大回りの時のクロスオーバーの方向が間違っている、と思うのですが…。抜重の時の伸び上がり方向がおかしいようなのです。抜重時の正しい方向を身につける方法を教えていただければと思います。
ご質問者:Madokaさん
1999年2月16日
 クロスオーバーとは体(重心)とスキーの入れ替え、と言うことですが、この時の方向が間違っている、というのはクロスがうまく行われない、ということでしょうか?ベンディング系ではうまくいっていたのでしょうか?
  1級を受験なさるとのことですが、特にストレッチでないといけない、という規則はありません。ベンディング系でもOKです。
  また、ストレッチは抜重、ということではありません。ストレッチの本当の意味は雪面方向に圧を加え、その結果として脚が伸びる、ということです。 
 ですから、クロスオーバーさせる時は、ターン後半貯めてきた「捻じれと縦方向のエネルギーを」一度ニュートラルに戻してやる意識が大事です。これを「斜めの直滑降」と便宜上呼んでいます。「スキーQ&A」の「斜めの直滑降」を参考にしてください。
  ターン後半正しい外向が出来ていれば、スキーは「斜めの直滑降」状態になると自然に次のターン方向を向きはじめます。
  無理に、ストレッチだから伸び上がろうとすると、雪面とのコンタクトを無視した、いびつなターンになるばかりでなく、無駄な体の動きを誘発することになります。
  ターンからターンのつなぎ目は、一度(胸の向きは外向有りの)「直滑降」を経由して・・・・・・という意識を持って滑ってみてください。

22.大回りパラレルターンは良く「ターンの基本」と言われますが,このポイントはどこにあるのでしょうか? ご質問者:SkiEnthさん
1999年3月1日
 大回りパラレルターンはターンの基本」は,その通りだと思います。
 
この中にターンに必要な三つの要素「荷重点,迎え角,圧調整」が凝縮されていると言って良いでしょう。
 ターンは,角付けの切り替えから切り替えまで(AからB)と言われますが,フォールラインから次のターンのフォールラインまで(aからb)という考え方の方が良いように思います。一連の運動,という見方からするとこの方が合理的だからです。
 (図1)
a⇒イ のように,直滑降状態で左ターンの山回りに入ります。この時,ターンが起こる最も基本的な考えを忘れてはいけません。
 それは(図2)のような「トップ部の長さ L」と「テール部の長さ l」が違う,ということです。この違いが荷重点を中心とした「回転力」を生むのです。L>l ということから,もし角付けをした状態でスキーが進行方向へ移動すれば,トップ部がテール部より大きな抵抗を受けます。……という事はトップ部がテール部より進む力が押さえられますから「踏んでいるポイント=荷重点」を中心にスキーはその向きを変える事になります。これが「スキーがターンし続ける」ベーシックな理論なのです。つまり「荷重点」踏み,前方に移動して行けば,スキーの前後差で「回転力」が生まれ,スキーはその方向を変え続けるのです。この時,スキーはほんのわずかでもいいから,「スキーの側方から雪の抵抗を受けること」が必要です。そうでないと「スキーの前後差」は生きません。この側方の力の向きに対してスキーが置かれる角度「α」のことを「迎え角」と呼んでいます。「雪の抵抗を迎え受けて行く角度」という意味です。
「荷重点」と「迎え角」が大事な理由です。
 
イ⇒B は a⇒イ でスキーに貯えたエネルギーを開放して「ニュートラル」にする部分です。
 このエネルギーには2種類有ります。ひとつは「スキーがたわんでいる力」で,もうひとつは迎え角によって作られる「上体と脚の間のネジレの力」です。
 タワミの力は,スキーが進行方向に進みつづけることで作ることができます。進むことが無くなると,もはやタワミは無くなります。風が無くなった凧が落下してしまうのと似ています。常に抵抗を受け続けなければなりません。
 ネジレの力は,迎え角を意識し続けることで作られます。胸の向きはスキーの進行方向,脚は迎え角の方向から力を受け続けているわけですから,この間には「α」だけネジレ状態が続いています。
 イ⇒B のこの部分では「スキーを斜めの直滑降」にする意識にします。「斜めの直滑降」については この「スキーQ&A」のbP7 を参考にしてください。スキーが斜面に対してフラットになりますから,スキーは自然に胸の向きを向こうとします。この時ターン外側を向いている胸の向きをスキーの向きに戻してはなりません。あくまで胸は今まで向いていた方向をキープさせた状態でスキーをフラットにします。この時の「スキーが胸の向きを向こうとする力」が B⇒ロ で,次のターンを始動させてくれます。胸の向きを向いたスキーは,そこでストップする訳ではなく,ほんのわずかですが「慣性」の力で胸の向きを過ぎて内側にトップが入りこみます。つまり「右ターンに必要な迎え角」がここで生まれるわけです。この右ターンに必要な迎え角を逃さない様に,進行方向に進んで左スキーで雪の圧力を受け止めるようにします。
 つまり「ターン後半で貯えられたエネルギー」を「
圧を軽くする意識」で斜めの直滑降にして行けば次のターンが始動してくれるわけです。
 
ロ⇒b では,左スキーで雪の抵抗を受け続け,「スキーがたわむ力」と「迎え角 α」を意識して「上体と脚の間のネジレの力」も貯めて行かなくてはいけません。
 「パラレルターン大回り」はこの繰り返しです。
 「ターンに必要な三要素の理解力がひとめでわかる」という意味で「ターンの基本」と言って良いでしょう。
30.今年最後の2.5日で教わったのですが、1点だけ分からない事があるので教えて下さい。
それは、斜めの直滑降から後の動作の事です。斜めの直滑降の後、谷足を引くのが先ですか?それとも山足を角付けするのが先ですか?また、角付けするのもゆっくりするのですか?
ご質問者:kmiki さん 1999/05/03
 斜めの直滑降にする時に,それまでの外スキーの圧力が減ってきます。 ですからその一連の動きで動作を行えば,ターン後半の外スキー(谷スキー)を引く感じが続いています。新しいターンの外スキー(山スキー)は自然に荷重量(圧力)が増して行きます。
 ですから,お答えとしては「斜めの直滑降の後、谷足を引くのが自然に持続して行われ,山足に自然にスキーと雪のコンタクト圧が増して行く」ということになります。
 角付けは,自分から意識して行うというより,クロスオーバーが自然に行われる結果として出てくるもので,自ら行う意識はあんまりありません。むしろ自分で角付けしようとすると,それは雪への働きかけになってしまい,他の弊害が出てきてしまいます。
 ですから,お答えは「ゆっくり自然に行われる」となります。
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Revised: 2004/08/09 .