レッスン1
「中回り」について
★レッスン 2
「 I 」さんの中回り
について…
レッスン
担当教師
【TOK】
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※ レッスン1 「中回り」について
昨シーズン大幅にシステムが変更になりました。 I さんが御指摘のように,新しく”中回り”という滑り方ができなければなりません。実践種目講習テストの「中回り」と,規定種目テストの「小〜中回り」というのがあります。実践種目は「スキッディング要素のターン」,規定種目は「コンフォートパラレルターン」で行う…となっています。
実践種目はスキッディング要素ですから切ろうとせず,ズレに乗って滑る事です。幾分ロングターンに比べて,「迎え角」を大きめに取り,リズムを早める事でOKです。ロングより円弧を小さくしなくちゃ,という焦りがあると,どうしても自分の力で回し込もうとしてしまいますが,そうすると上体の振りこみや内倒など,不要な運動が起きてしまいますから,あくまでも雪の抵抗にオマカセ!的な気持ちで滑る事です。運動のリズムが途切れない様に注意し,そのリズムの早さも「ロングターンより小さく,ショートターンより大きく…」というくらいの気持ちで,ズレに乗って滑ると良いでしょう。両者の間にあれば中回り…という風に考え,円弧の大きさにこだわり過ぎないらない方がベターです
規定種目の「小回り〜中回り」はコンフォートで…ということになっていますので,ターン後半に,もし切れの要素が出せれば評価は高くなります。でも,切ろう切ろうとし過ぎて上体を振り込んだりしては元も子もありません。2級では,それほど切れのある,ギュゥーンギュゥーンという様なカービングターンは要求されませんから,「上体と下半身のネジレ」と「その放し方」に留意し,あんまりスキーをたわませようとしないことが大事です。どちらかというと「ズレを伴なった上体のネジレ」を意識して滑ることです。上下動があっても構いませんし,スピードも早く無くて結構です。小回りから中回りへの移行部分は,少しづつ変えても,急激に変えても,どちらでもOKですが,バランス維持の事を考えれば,ある程度ゆっくり行った方が良いでしょう。中回りは小回りのリズムを少しゆっくりと伸ばす感じで行います。♪♪♪貯めるゥー放すゥー……♪♪♪というような,「口ずさみ滑走」が役に立ちます。中回りでは,小回りより間合いを長くした口ずさみ,を意識すると良いでしょう。
小回りでも,中回りでも,なんとなく滑るのではなく「上体のネジレの貯めと解放」を意識し「口ずさみながら」演技したら良いと思います。ターン後半から次のターンへのつなげ方も,連続したS字的運動でなく,一回ごとにしっかりとスピードをコントロールしたC字的運動で構いません。もちろん65ポイント以上の点を狙うのであれば別ですが…(^I^)
以上,「レッスン1」です。 「レッスン2」は追ってお送りします。
尚,中回りイメージを添付しましたので,イメージ作りにご覧下さい。この解説も「レッスン2」以降にて詳しく…。
中回りイメージ映像 (585キロバイトあります。ダウンロードに少々時間がかかります)
★NEW ! ※ レッスン 2 「 I 」さんの中回りについて…
滑りを拝見致しました。
非常に丁寧に滑っておられ,全体的に2級の実力は十分にあるように思います。ですが,少し気になるところも数点ありますので,そのことをお話しいたします。
1.全体の動きが硬い。
大事に滑ろうという意識が強いからでしょうか,全体の動きが制約され,硬い感じに見えます。もう少し身体全体を自由に,のびのびと使ってみたらどうでしょう?。重心の位置を上下させても,あるいは少しなら雪に働きかけてもけっこうですから,おとなしくまとめ様とし過ぎないことです。1級ならばあんまり上下動がある滑りは感心しませんが,2級はもう少し動きがあってもいいですし,むしろ「I」さんはそれがあった方が素直な,見ていても楽しそうな滑りになると思います。
2.落差をもう少し使うつもりで滑る。
どことなく雪面を移動する意識が少ない様に思います。フォームにこだわることなく,もう少し斜面を縦に長く使って滑ってみたらどうでしょう。図のように斜面下に思い切ってドォーンと滑り降りて行く感じです。滑りを拝見した限りでは, I さんは迎え角が,やや外向オーバー…と言っていいくらいできていますから,スキーの前後差を生かしたターンをすることは容易にできています。あとは思い切って斜面下に移動することです。そうすれば,雪からの抵抗が,スキーをもっとしっかりたわませてくれます。全体的な体の硬さも,スキーにたわみが出てくればメリハリのある動きに変わって来ます。
3.外足スキー一本で雪の抵抗を捕らえる
両脚を揃えようという意識が強いからでしょうか,ヒザや脚にも硬さが感じられます。両脚をもう少し自由に運動させ,特にターン外スキーだけで雪の抵抗を受けとめるようにするとイイでしょう。そうすることでスキーのたわみをよりしっかり作ることができます。片方で受けとめる方が,荷重が分散されないだけ「スキーをたわませる」のに有利なのです。外スキー一本だけで雪とコンタクトする意識を持つとよいでしょう。
4.スキーの「たわみ-戻り」の力を利用する
スキーがたわんだら,あとはそのたわんだスキーの力を解放してやることです。そうすることで「たわみ(貯めるぅー)」の部分で貯まったエネルギーが解放され,「戻り(放すゥー)」のリズムでクロスオーバーが楽に誘導されます。「I」さんのスキーを拝見すると,このターン後半のエネルギーの蓄積がイマイチ足りなく,その結果「戻り」の運動ができにくくなっています。どことなく硬いスキー,になっているのはこの為でもあります。
総体的に言えることは,全体的に滑らかなスキーをされていますが,形にはまり過ぎて,自由さ,伸び伸び感に欠けるスキーになっています。実力はあるのですから,あとはどう演技するか?ということを考えられた方が良いでしょう。
次回の,「レッスン 3」では,実際の練習方法について…
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