W さんの On Line Ski School レッスン です。
W さんのご好意により 公開させて頂きます。

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0007

Name:

Date 01/10/17

Title :

支点と作用点

Question :

 【TOK】さんの教師日記に「支点と作用点」についての記述がありましたが,どういうことかよく分かりません。
 詳しく解説してください。

   「支点と作用点」  について説明致します。

 普通,「スキーを通して雪からの力を受ける場所”感じる場所”はある一点しかない」と考えがちです。「荷重点は一箇所」=「雪とスキーが接していればその両方の力が働きあっている場所は一箇所」だと考えるのが普通です。しかし,本当に「荷重点は一箇所」なんでしょうか?ちょっと考えて欲しいのです。
 私は「スキーヤーが体を支える場所(支点)」と「雪から働きかけを受ける場所(作用点)」とは別個のものとして考えた方がイイと思います。図1の様に「かかと」が体を支える「支点」ですが,実際に滑っていると,この支点を中心として,1,2,3…のようにいろんな方向から雪の圧がやって来ます。カカトはあくまで「体を支える支点」であって,ここに直接雪からの圧を感じるわけではありません。雪の圧を感じるのは,そことは別の場所にあります。この,雪の力を感じるポイントのことを「作用点」と言うことにします。従来いろんな人が,この支点と作用点を結ぶ線のことを「荷重ライン」とか「ウエイトライン」とか言って来ました。モチロン意識の上ではこのラインに圧を感じますので,このライン全体が荷重点,という言い方もできます。しかし,良く考えると「支点」に働く力の方向と,「作用点」に働く力の方向は,まるっきり反対だという事に気がつきます。支点には「重心方向からの重り的な力」が上から下方向に掛かっていますし,作用点には「雪から重心方向に向かって,下から上への力」が掛かっています。つまり,支点を中心として「てこ」のような力が働いているのです。
 「つま先側に受けた雪の圧が,かかとを支点として,てこの様に働いている」というこのイメージはスキー操作におおきな意味を持ちます。このイメージが持てる人は「LET」の滑りが容易に理解できます。雪からスキーヤーに働く圧を,上の図の 1,2,3…のように,足裏で受け止める意識を持てるのです。ところが,このラインを「荷重ライン」という風にしか意識できないスキーヤーは「踏むこと」しかできません。力が働く方向は,いつも「自分から外側へ」という意識で,「DO」的なスキーしかできないのです。
 足裏の”感じる場所”は…身体を支える場所と,雪の力を受ける場所,の二個所ある,という意識を持ちながら滑ってみましょう。チョット今までとは違った感覚のスキーができるはずです!(^I^)

  この考え方を推し進めてイメージアップした滑り方が「パワートライアングル・ターン」です。こちらも参考にして下さい。




図 1


図 2


ご意見は……

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Revised: 2003/09/08 .